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はじめタイタン世界にはイリタリアと呼ばれるひとつの大陸しなかった。 その一画にアトランティスという進んだ文明を持った国があったのだが、詳しい記録は残っていない。 だが、アトランティスの住人の邪悪な神を信奉しているのに怒った善の神々が、その国を海中に沈めてしまったからだ。 同時に、神々たちはイリタリアを三つの大陸に分けてしまう。 アランシア、旧世界、クールである。この大変動によって多くの生き物が死滅し、魔法技術は忘れ去られ、人類の文明は大きく後退した。 それでも人々も徐々にではあったが、文明を再建していく。 大陸大変動から数千年の時が経った頃には、多くの都市が建設された。 重大な変化が訪れる。 旧暦1600年代、アランシア大陸の奥地の廃墟で五人の学者が古代の魔法使いの霊と接触し、長らく失われていた魔法の秘密を学んだのだ。 彼らはその魔法を多くの人に伝え、人々のために役立てるように言いつけられるのだった。 こうしてアランシア各地に魔法学校が生まれ、多くの魔法使いが誕生した。 そして魔法の力によって世界は繁栄した。 しかし、こうした平和な時代は長続きしなかった。 クール大陸の砂漠地帯で、不気味な廃墟の都市を探検中に五人の冒険者が、奇怪な声に導かれて、寺院跡の棺に封じ込められていた邪悪な存在を開放してしまったのだ。 その噂は瞬く間に世界中に広まり、世界の隅でこっそり暮らしていたオークやゴブリン、トロールといった混沌の種族が、今こそ世界を闇の手に取り戻す時だといって、人間やエルフ、ドワーフを滅ぼすべくひそやかに戦争が始まったのだった。 戦いは旧暦1998年に開始され、最初はクール大陸で、次にアランシアで、混沌の軍団が蜂起し、人間やドワーフの都市をめがけて押し寄せた。 膨大な数のオークやゴブリンの襲撃に、いくつもの都市が壊滅し、住民は皆殺しにされた。 当然、人間たちも軍隊を組織し、魔法を駆使して対抗した。 最後の戦いは、アランシアの古代の首都カーセポリスで行われ、無数のオーク、ゴブリンが街を包囲し、激しい攻防が二週間にわたって続く。 最後にはドワーフの援軍によって混沌の軍勢は滅ぼされたものの、何万もの市民が死に、カーセポリスは事実上壊滅してしまったのだ。 この悲惨な戦争の結果、文明は再び後退し、皮肉にも世界は混沌とした状態になってしまった。 そして現在は、この魔法大戦から、およそ280年後の世界である。 どの大陸も統一した国家は存在せず、いくつもの小さな国がばらばらに点在するだけである。 魔法技術の多くも忘れ去られ、歪んだ形で伝えられているに過ぎない。 魔法を正しく伝えようとする善の魔法使いがいる反面、魔法を悪用しようとする者も跡を断たない。 特に『火吹山の魔法使い』のザゴール、『バルサスの要塞』のバツサス・ダイア、『モンスター・メーカー』のザラダン・マーである。彼ら三人は、かつてヴォルゲラ・ダークストームという師の下で共に暗黒魔術を学んだ仲であり、協力して師を殺害した後、それぞれに世界征服の野望を胸に抱いて分かれていったのだ。 この他にも、雪の魔女シャリーラ、嵐の子マルボダス、マンパンの大魔王など、タイタン世界を脅かそうとする悪の存在が数多くいる。 また、ゴブリンやオークといった混沌の種族も、滅び去ったわけではなく、人里離れた小さな集落に隠れ棲んだり、邪悪な魔法使いに仕えたりして、再び決起する機会を窺っているのだ。
さらに世界のあちらこちらに滅びた都市や地下迷宮が取り残され、名声や一攫千金を夢見る命知らずの冒険者たちが動き回っていた。 |
タイタン
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ファイティング・ファンタジーの世界
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昔々のその昔、時間というものがまだ存在していなかった頃。 天の王宮では神々が平和で退屈な暮らしをしていた。 無限の力を持ち不老不死であるがゆえに、神々の世界には何の変化もなく、永遠に続く暇を持て余していたのだった。 ある時、スロッフという女神が妹のガラナとともに王宮の庭園を手入れしていて、生命を持ち脈打っている魔法の土の塊を発見した。 彼女たちがそれを父である主神タイタンに見せると、タイタンはそれを使って世界を創造するというアイデアを思いつく。 そして塊を二つに分け、ひとつを完全な球体にして、宇宙の中心に置いたのだった。 土の残りの部分は他の神々に分け与えられた。 スロッフは大きな塊を球体の表面に置いて大地を創り、彼女の夫であるハイダナは海を創った。 ガラナは植物を創り、他の神々もそれぞれ工夫を凝らした創造物を世界の上に置いていった。 輝く女神のグランタンはその周囲を踊りながら回り、太陽となり、彼女の弟は、その後を追って月となった。 こうして誕生した世界は、創造者の名を取って『タイタン』と呼ばれる。 最後にやって来たのはいたずら者の神ロガーンだった。 彼は普通の動物を創ることに満足できずタイタンから分け与えられた土の塊に自分の身体の一部を埋め込み、生命をを吹き込んだ。これが人間の誕生である。 他の創造物とは異なり、神の肉体の一部を体内に秘めているので、人間は知恵を持ち、自分の力で様々な物を創造することができた。 しかもロガーンの特質を受け継いでいるため、何をしでかすか分からない奇妙な生き物となったのだ。 この発明に感心したタイタンは、ロガーンのやり方を真似て、自分の力強い一部を使って巨人族を創造する。 同様に岩のような肌をしたスロッフはドワーフを、美しく賢いガラナはエルフを創造した。 しばらくは世界にとっても神々にとっても幸福な時代が続く。 しかし、その幸福を妬んだ者たちがいた。「死」とその兄弟たちである。 彼らは多くの暗黒の怪物を創造し、夜の間に世界に解き放ってしまった。 世界は破滅と疫病に見舞われ、多くの生物が死んでいった。 そればかりか、彼ら邪悪な神々は、全てのものに死をもたらす恐るべき「時」を振りかざして、善なる神々を脅迫するのだった。 タイタンをはじめとする偉大な神々はこの挑戦に怒って、善と悪の神々の間に最初の戦いが起こった。 悪の側の「死」の神を筆頭に、彼らの創造した蛇、狼、蝙蝠、蜘蛛、バジリスク、オーク、トロール、ゴブリンといった邪悪な生き物の群れ、それにシス、ミュール、イシュトラといった半神たち。 対する善の側は、タイタン、スロッフ、ガラナらの神々に率いられた、人間、ドワーフ、エルフ、巨人、それにケンタウロスやライオン、金龍といった生きものの大軍団だった。 このすさまじい戦いは、善の側の勝利する。 激戦の末、悪の側の最終兵器である「時」が、善の側の稲妻の一撃によって粉砕されてしまったからだ。 そして「死」とその兄弟たちは降伏し、虚空の彼方へ追放された。 しかし、ばらばらになった「時」はタイタン世界に撒き散らされてしまったのだ。 神々以外の全ての生き物は、死すべき運命を背負ってしまう。 善なる神々はこの所業を恥じ、自ら星座となって空にとどまりて、自分たちが創造した世界を永遠に見守ってゆくことを決めたのだった。 これがタイタン世界の誕生である。
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