ちくちく鳥*本山理咲

お知らせや近況、育児漫画など

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4月号の「塀の上のジゴロたち」は、エリートOLが主人公なのですが、
読んでくれた友達から、「OL経験がないのにどうしてこういう心理が描けるの?」との質問をいただきました。
彼女は元エリートOLなので、「ああ良かった、ちゃんと描けたんだ」と胸を撫で下ろす。経験のないことを描くのは、「こんなんじゃねえよ」と思われたらどうしよう〜と、実は内心ハラハラなのだよ。

で、質問のお返事に代えて、この場で私流お話の作り方をお話したいと思います。

私はテレビを観ません。映画もあまり観ません。本も漫画もそんなに読む方ではありません。
ネタにしようと思って人の経験談を熱心に聞くのでもありません。
頭で考えるのでも、取材するのでもありません。
ぼ〜っと意識を飛ばして、誰かの思いを拾ってくるのです。

生まれてから今までの出来事や感じたこと、思ったこと、見たこと、聞いたこと、想像したこと。色や、におい。それらのすべては、自分が覚えているいないに関わらず、記憶の蓄積庫(湖のイメージなので蓄積湖かな)のような場所に降り積もって、静かに存在しています。(もしかしたら生まれる前や前世の記憶もあるのかもしれませんが。)

お話は、体験そのままでは描けません。蓄積湖に溜まった、いくつかの思いやなにかが、時間を超えてくっついてつながって、できるのです。
勝手にくっついて、自分から「描いて。」と、浮きあがってくることがありますが、これはほんとに稀な事。
プロとしては、それを待っているだけでは、到底やっていけません。

そこで、意識を蓄積湖に降ろします。そして静かに眠っているいろいろなものを、引っかきまわして拾ってきては、つながりそうな部品を無理矢理あれこれ並べてみます。つながらずにひからびてしまうものがほとんどですが、そのうちいくつかはなんとか形に見えないこともない…という状態になってきます。
でも、形にするには部品が足りない。経験は限られているから。
ではどうするか。今度は意識を空へ飛ばします。そして、無差別に誰かの蓄積湖へ潜って、合いそうな部品を拾ってきます。
きちんとつながってお話の形になるまで、これを繰り返します。(ただし潜るのは知らない人だけ。知ってる人の意識に潜ったりはしないので安心してね。なんとなくこれは私流のルール。)

…というわけで、経験がないはずのことでも、リアルに描けるんだと思います。
そうじゃないと説明がつかない。どうして描けたかなんて、私も知らないんです。


ちなみに、ブログに掲載している「げんこつ山のしろうくん」みたいなのは、記憶のごく浅いところから、しかも現実にあったことを拾うので、比較的ラクに描けますが、深いのや、重いのや、他人のは消耗します。
それから、週刊連載中のいじめ漫画「明日がくる」はあまり潜らないように、水面から覗くようにして描いてます。テーマが重いので、まともに潜るとこちらがまいっちゃうと思うから。

以上最重要企業秘密でした。

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