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極度に家族の負担が大きい日本若者に広がる「下流老人予備軍」 ――今の高齢者は、比較的豊かな世代だと思います。その彼らも下流老人に転落してしまうということは、若い世代はどうなるのでしょうか? 専門家たちも、今の高齢者世代に、ここまで貧困が広がるとは思っていませんでした。この後の世代は、さらに大変です。
下流老人の問題を、個人の努力だけでなんとかしようというのは、現実的ではありません。消費旺盛な若い世代に対して、高額の家賃や教育費、医療費負担の軽減をはかり、さらに親の面倒は国が見る、という政策に転換していかなければ、貧困問題が解消しないだけでなく、景気が良くなるはずもありません。
また、これまで、日本は高齢者のケアを家族と企業に依存してきたと言えます。何かあれば家族が面倒を見たし、企業も社宅など福利厚生を充実させることで、こうしたあり方を支えてきました。
しかし今、企業はグローバル競争の中で利潤を追求しなければ生き残れないと考え、福利厚生は削減されてきています。家族も支える財力を失っています。 たとえば、フランスやドイツなどは、早くから少子高齢化に向けた政策を進めてきました。
住宅補助を充実させたり、若者世代の家計負担を和らげて、将来に備えた貯蓄をできるように、教育費の無償化などを進めてきたのです。比較的、緩やかに少子高齢化が進んでいったため、政策を充実させる時間があったからできたと言えます。
しかし、日本はあまりにも急速に高齢化が進み過ぎ、政策が明らかに現実に追いついていません。家族扶助が前提の年金制度は、少子化時代にマッチしていません。また、住宅費も高い。首都圏の公営住宅の当選確率は、だいたい30倍、高いときは800倍です。
東京大学への入学(学部によるが約2〜10倍の入試合格率)よりもはるかに狭き門なのです。 医療面も課題が大きい。医療費が支払えなかったり、そもそも健康保険料が未納で病院にいけず、担ぎ込まれたときには重篤な症状になっていて、高額の医療費がかかるというケースが後を絶ちません。 孤独死問題とも密接につながっています。心筋梗塞で通院中だったのに、薬代が払えずに服薬を止めてしまった方は、苦痛で顔がゆがみ、酸欠で真っ黒に変色した死に顔で発見されました。症状が軽いうちに通院できる制度を整えなければ、尊厳ある死に方ができないだけでなく、重病者が増えて医療コストが増大する悪循環となります。
生活保護のスティグマを恐れて共倒れする日本の家族
――日本は生活保護のスティグマ(烙印)も大きいので、「国に面倒を見てもらう」ことへの罪悪感や恥に苦しむ人も多いですね。 特に、日本と韓国は異常ですね。生活に困窮した親の面倒を子どもが無理をしてでもみるという構図では、共倒れになってしまいます。
日本は寄付もあまり根付いていないし、税の再配分も弱いですから、二極化が進む一方です。これでは消費が伸びるはずもなく、企業が良い商品を作っても売れません。それなのに、アベノミクスは社会保障の充実に力を注がずに、経済成長のみを追いかけようとしている。
資産家や企業にこそ、「こうした問題を解消するために、きちんと税金を取ってくれ」と声を上げてもらいたいものです。そして、現時点での下流老人を救うための政策ももちろん必要ですが、若い世代が将来、下流老人に転落しないような政策も必要です。
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