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ドイツについて1回目は火山の話をしましたが(http://blogs.yahoo.co.jp/geogeosys/3173970.html), 今回,2回目は,かつてドイツ北部を覆った氷河の話です.昨年8月にドイツに行った時は北ドイツのシュレスビッヒ・ホルスタイン州のプルーン市という人口1万人ほどの町にしばらく滞在しました.名前からわかる通り,この州は乳牛のホルスタイン種の故郷で,酪農の盛んな地域です.なお,この町の名はドイツ語でそのまま読むとプレーンになりますが,地元の人はプルーンと呼んでいました.大プルーン(プレーン)湖をはじめとする多数の湖の間に位置する,教会とお城を中心としたとても美しい町です(上の写真). 町の中を歩くと足元には色とりどりの敷石がいたるところにあります(中の写真).一部は四角く加工されたものもありますが,大半はやや丸い石です.これらの石の中には片麻岩(へんまがん)という縞模様の目立つ石があります.この付近では現在,ドイツより北のスウェーデンなどスカンジナビア半島で見ることができ,中には地球が誕生して間もないころにできた大変古いものもあります.ではどうしてこのような石があるのでしょう? 今から2万年あまり前,地球は最終氷期と呼ばれる寒い氷河時代で,この地域を含むヨーロッパ北部は厚い氷河に覆われていました.大プルーン湖の湖岸の看板にはこの時の氷河の分布と厚さが書いてありました(下の写真).それによるとプルーン市付近の氷河の厚さは現在の教会塔の高さ(下の写真の下の図に描かれた赤色の小さな建物)の約5倍の約300mと推定されています.この時代,氷河は北方のスカンジナビア半島から地面を削りながらプルーン市の方にゆっくりと移動してきました.この時に氷河は削った岩石を多量の石のかけらとしてこの地方にもたらし,氷河の周囲に厚く堆積させました.このような石はモレーンと呼ばれています.その後,地球が暖かくなると氷河は消えモレーンだけが残ります.そしてモレーンがあまり溜まらなかった場所には大プルーン湖のような湖ができたのです.次回はこの湖の話をしたいと思います. 宮地直道 |
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