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カナディアンロッキーの光景を最後にもう一つ紹介しましょう. 一枚目の写真はアバサスカ滝です.前回紹介したコロンビア大氷原から北極海へ向けて流れるアバサスカ川がこの地で滝となって流れているのです.この川は以前に氷河湖で紹介したのと同様に美しい水の色をしていますね. (http://blogs.yahoo.co.jp/geogeosys/16046237.html) (http://blogs.yahoo.co.jp/geogeosys/17083322.html) 今回は滝の周りにある岩石に注目してもらいたいと思います.背景となっている山や川岸の岩にも地層(層状の筋)が見えますよね.山の頂上から川岸まで連続した地層と考えれば,その層厚は1000m以上でしょうか.これら地層は粘土が圧力を受けて固まった粘板岩という岩石で,中からは二枚目の写真のような三葉虫という化石が出土します.この三葉虫は今から約2億5千万年以前の古生代と呼ばれる時代の海に生きていたといわれています.すなわち,これら地層はこのような古い時代に海で堆積したものなのです.その地層が固化した後に陸地となって,現在はこの川によって3枚目の写真のように深く削られているのです.ここで削られた土砂に目を移せば,川の流れに乗って再び海洋へと戻されます.さらに未来へと思いを馳せれば,この運ばれた土砂はまた途方もなく長い年月をかけて同じような層状の固い岩石となり,再び地表へとあらわれるのかも知れません. 美しい風景を形づくる山や川岸の岩石は,一見不変のもののように見えるかも知れませんが,地球の歴史という非常に尺度で見れば決してそうではなく,岩石を構成する物質はこのような形で循環しているといえるのです. 山中勝 |
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