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ドイツシリーズ4回目は氷河の話です.ドイツ最高峰の山は標高2964mのツークシュピッチェ山です.この山はオーストリアと国境を接するドイツ最南部,すなわちヨーロッパアルプスの最北部に位置します.また,山頂に氷河を戴く山であることでも有名で,ロープウエー乗り場には日本語の看板もありました(写真上).かつては日本人の観光客もたくさん訪れたのでしょう.ツークスピッチェ山は石灰岩でできているため全山が白色に輝いていました.そして,山頂部には氷河がU字型に削ってできたカール地形発達し,その頂部には長さ200〜300mの氷河がかろうじて残されています(写真中). この氷河は融解が進み,その先端からは融け出た水が複数の小川となって流れ出し,その前面に広がる氷河により山肌が削られたできた角レキ層(モレーン)の下へと染み込んでいました.この速度で融解すれば10年以内にこの氷河は消滅してしまうかもしれません.タクシーの運転手さんの話しでは20年くらい前までは夏でも山頂部は雪が覆っていたものの,最近はさっぱり雪も積もらないとのことでした. 氷河に近づいてみると,多数のスキー用のリフトの鉄柱があり,その合間に所どころ白く四角い部分があります(写真下).現地では何だか判らなかったのですが, 先日の新聞記事によれば,これは,地元の観光会社が氷河の溶解が進むのを防ぐために氷河の一部を覆っている白いシートだそうです.このような試みは隣国のスイスやオーストリアでも進められているそうです.ただ,どう見てもこれは焼け石に水で,このカール底に,かつてここには氷河があったという看板が立つ日も遠くなさそうです.地球温暖化が進めばヨーロッパの大半の氷河も同じ運命にあります.近くには美しいノイシュバンシュタイン城もある観光名所ですので,機会があれば皆さんもご自分の目で消滅しつつある氷河を確認してはいかがしょうか? 宮地直道 |
地球の見所(海外編)
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