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中央アジア最大の湖,カザフスタンにあるバルハシ湖をご存じですか? 今日はバルハシ湖の湖底の表層堆積物から見つかった貝形虫について報告します. 貝形虫を拾い出すために,目の細かいフルイ(630μm)で泥を洗わなくてはなりません. バルハシ湖の底にたまった泥は細かいため,ほとんど目を通り抜けて流れてしまい,フルイにはほとんど貝形虫の殻だけが残されました. フルイに残った試料の耳かきいっぱい分から写真のような貝形虫が拾い出されました(写真1). 大きい殻から小さい殻まではいっています.貝形虫は脱皮で成長するので,幼体(子供)から成体(大人)まで,様々な年齢の貝形虫の殻が残っているのです.どうやら湖で生活していた貝形虫の死骸が湖底にたくさんたまっているようです. 貝形虫は,殻や軟体部といわれる中身の形態に基づいてその種類を同定することができます. 写真からもわかるように,殻の形は似たりよったり,そして中身もありません. ざっと見たところ,少なくとも5種類の貝形虫がいました(写真2a-e.右列は貝形虫の殻.左列は分類基準の一つである筋痕.スケールバーは0.05mm,矢印は前方を示す.筋痕とは殻の開閉を司る筋肉などの殻にのこされた付着痕). これらの種は淡水から塩水にかけて生息しています.中には淡水から非常に高い濃度の塩水に生息可能な種類もいます. 乾燥地域にあり,流出河川のないバルハシ湖は,環境の変化の影響をダイレクトにうけると考えられます.そのような厳しい環境では,塩濃度の変化に耐えることが出来る種が生息しているわけです. (中尾有利子) |
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