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紅葉に誘われて信州の上高地に行ってきました.上高地は北アルプスの槍ヶ岳に源を発する梓(あずさ)川沿いに発達した平地で,国立公園特別保護地区に指定されています.このため開発を免れ貴重な自然が残されており,年間180万人の登山者や観光客でにぎわいます.訪れた日は生憎の小雨模様でしたが,翌朝は快晴で穂高連峰は雪化粧していました(写真上). 穂高の山々が間近に見える河童橋から少し下流側に行くと,明治時代に日本の山岳登山の先駆者として活躍したイギリス人のウエストン牧師の記念碑があります.この碑が埋められているのは花こう閃緑岩と呼ばれる深成岩の一種です(写真下).この場所の花こう閃緑岩(滝谷花こう閃緑岩)は陸上で目にすることができる深成岩の中では世界で最も新しいものといわれています. 現在の槍ヶ岳や穂高連峰の付近には約170万年前に槍−穂高火山と呼ばれる火山が存在し,巨大噴火によりカルデラが作られました.滝谷花こう閃緑岩はこのカルデラ形成後の140万年前に地下深くから上昇してきたマグマが3〜4kmの深さで冷え固まってできたと考えられています.その後,隆起と侵食によりこの深成岩が地表に現れたという訳です. ところで北アルプスは最近200万年間でみると約1600m隆起しているといわれています.その原因は,このあたりの地下に巨大なマグマ溜まりがありこれが動いているため,という説もあります.上高地はそろそろ冬支度ですが,散り行く紅葉と深成岩を楽しみながら熱い大地の息吹を感じてみませんか? 宮地直道
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地球の見所(国内編)
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