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深成岩の話に引き続き,上高地シリーズ第2弾は焼岳の話です.上高地といえば,上流の河童橋と下流の大正池が人気スポットです.大正池は1915年の焼岳の噴火により流れ出した火山泥流が梓川をせき止めることにより作られた,せき止め湖で,湖の中にはその時に水没した木が枯れ木として残されています(写真上).日本の火山の周りにある湖の多くは火山噴出物が河川の流れをふさいで出来たせきとめ湖で,北海道の渡島駒ケ岳の大沼,福島の磐梯山の桧原湖,富士山の山中湖などはいずれもこのようにして誕生しました. 上高地は焼岳が繰り返し梓川をせき止めることにより土砂が梓川の谷底に堆積して作られた谷底平野です.梓川自体はもともと西側の岐阜県側に流れていたものが約3万年前の火山活動で流路が現在の長野県側へ変わったといわれています. 焼岳は長崎の雲仙普賢岳のように溶岩ドームを作っては崩壊して火砕流や火山泥流を発生させたり,水蒸気爆発を繰り返したりして成長しました.明治時代以降も小規模噴火を繰り返し,しばしば東京にも火山灰が降っています.焼岳のハザードマップでは上高地のホテル一帯には噴石や火山泥流,火砕流が到達する恐れが指摘されています. しかし,このような火山活動があったからこそ,現在の上高地の風景が作られたとも言えるのではないでしょうか.大正池の岸には上流や焼岳から流れてきた様々な石が堆積しています(写真下).人を恐れないカモと一緒に梓川の清流の音を聞きながら上高地の生い立ちに思いを馳せ,何種類の石を見分けられるか探すのも楽しいですよ! 宮地直道 |
地球の見所(国内編)
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