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卒業式も無事終わって,大学は今春期休業真っ只中です.このような長期の休業期間,大学の教員は一体何をしているのでしょうか・・・?もしかすると多くの皆さんが疑問にもたれる所かも知れません. この期間の使い方は教員それぞれですが,主に各教員が行っている“研究”や新年度の授業準備といった“学内業務”などに充てるというのが実状だと思います.現在,私は自分の“研究”において重要な位置を占める“分析”を行っています.一枚目の写真のようなガラス真空ラインというガラスの管を使って,炭酸塩の試料から二酸化炭素ガスを精製しているのです. 分析を行っている炭酸塩試料は沖縄県の宮古島で採取したものです.宮古島というと二枚目の写真にあるような美ら海と白い砂浜を想像される方も多いでしょう.このビーチは宮古島の観光スポットとして知られ,観光パンフレットなどにも写真がよく掲載されています.このビーチの左側にはアーチ型の白っぽい岩が見えますね.この岩は石灰岩という主に炭酸塩からなる岩石で,宮古島はこの石灰岩でできている島なのです. さらにもう一枚宮古島の写真をお見せします.この写真の手前の休耕地には先ほど説明した白色の石灰岩の礫が,その奥には宮古島で広域的に栽培されているサトウキビが,そのまた奥には森林がそれぞれ写っているのですけれど,分かりますか? 少し話がそれましたが,現在分析を行っている炭酸塩試料は,宮古島で採取した石灰岩とともに,サトウキビ畑と森林域の土壌有機物,地下水といった様々な形態のものから抽出したものなのです.これら炭酸塩試料から二酸化炭素ガスを精製した後には,質量分析装置という分析機械にかけて炭素の「重さ」*を測定します.この「重さ」のことを同位体組成といいます.野外において地下水中に含まれる炭素(溶存無機炭素)は,主に石灰岩の溶解と土壌有機物の分解にともなって供給されます.サトウキビ由来および森林由来の有機物,石灰岩はそれぞれ異なる炭素の同位体組成を持ちますので,これを指標とすることで地下水の溶存無機炭素がこれら三つの起源物質からそれぞれどれ位もたらされているのかを定量的に見積もることができるのです.ちょっと難しかったですかね・・・. えっ?その分析っておもしろいのかって?う〜ん.単調な作業ですから決しておもしろいものではないというのが正直なところですね.でも,この分析を通して得られた数値データをもとに,野外ではどの様なことが起きているのだろう?と色々考えを思い巡らせるときはとても楽しく,またデータ値を上手く説明できるような結論に辿り着いたときは本当に嬉しいものです.この研究で一番“美味しい”ところを味わうべく,また未だ知られていない野外で起きている現象(真実)を知るべく,現在コツコツと分析を行っているわけです. 大学教員が行っている“研究”というものについて,少しはおわかり頂けたでしょうか? *厳密には正しい表現ではないのですが,分かりやすく表現するために「重さ」という言葉を用いました.正確に説明すると少々難しいので,ここでは割愛します. 山中勝
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自然観察レポート
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