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日本大学文理学部 地球システム科学科 のブログアーカイブ

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アンデスの旅 その6

 アリーカからイキーケへ南下する道は,アタカマ砂漠の中を走っている.南米大陸を南北に縦断するパンアメリカンハイウェイの一部である.アタカマ砂漠はいわゆる砂砂漠ではなく岩砂漠である.岩石と砂からなるなにもない大地がはるかに広がっている.
 アタカマ砂漠からはチリー硝石が採れる.チリー硝石は火薬の原料であるが,乾燥地帯で生成される蒸発岩の一種である.

 ひとしきり走ってからハイウェイを右折し,急崖を海岸に向かって降りる.イキーケはアリーカと同様海岸に発達した町なのだ.わたしたちは,町の中心にある広場に面したホテルに宿を取った.これから水食料と燃料を入手し,再びアルティプラノへ登るのだ.
 翌々日,わたしたちはアルティプラノへ向けて出発した.アタカマ砂漠を抜け,途中オアシスの町を経由して,アンデスの斜面に取り付いた.道は谷に沿って延々と登って行く.かなり登ったところに温泉宿があった.今晩はここに宿泊する.温泉といってもコンクリート作りの小さなプールがあるだけで,しかもプールは空であった.残念ながら,日本の温泉宿のような趣はまったくない.

 翌朝温泉宿を後にし,さらに登ると,やがて平坦な台地の上に出る.標高4000mのアルティプラノである.そこかしこに円錐形の火山が聳える乾燥した台地をしばらく進むと,インディオ(といっても,もちろんチリー市民であるが)の集落があった.集落はボリビアとの国境に近い場所にある.集落の中央に集会所があり,そこがわたしたちの宿舎となる.宿舎といっても,集会所のホールを借りて,そこに持参した簡易ベッドを設置するだけのものである.南下してきたので,冬のこのあたりのアルティプラノの夜は相当に冷える.
 集会所のホールには,電気がないにもかかわらずステレオのセットがひとつ置いてあった.みればパイオニアの商標がある.日本からはるばる海を渡って,こんな場所にまで日本製の電化製品が来ているのだ.何か,不思議な気がした.

 明日からしばらくイスルガ火山の調査を行う.イスルガ火山は,現在も山頂火口から白い噴気が上がる活火山である.

つづく(高橋正樹)

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