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北海道,札幌市の北側の石狩平野にはかつて600km2に及ぶわが国最大の湿原が広がっていました.湿原には水の多い場所で生活できる植物が繁茂し,これらの植物は枯れても充分腐らずにその遺体が積もって泥炭を作ります.石狩平野の場合,泥炭が堆積する速度はおよそ1年に1mmくらいです.このようにして堆積した泥炭が何億年も経つと石炭に変わるのです. ところが明治時代以降,石狩平野では開発が進み,湿原の大部分は水田に変わりました.現在,石狩平野で湿原が残っている場所はほとんどありませんが,その中でも比較的まとまって残っているのが美唄(びばい)湿原です.美唄湿原は0.5 km2とごくわずかですが,この中には貴重な動植物が多数息づいています(写真上). 湿原の中央部にはわずかですがミズゴケと呼ばれる植物が自生しています(写真下).ミズゴケは雨水で生きていて体の中に多量の水を蓄えることができます.ミズゴケが作る泥炭は97%が水で,水分が87%の牛乳よりも薄いのです.それでもミズゴケが作る泥炭地を歩くことができます.これは,ミズゴケは死んでも植物の繊維が作る構造は残っているからです.ミズゴケの泥炭地を一歩進むたびに地面全体がゆさゆさと揺れて足はミズゴケの中に沈みます.ただし,ミズゴケは踏み潰してしまうと再生に何十年もかかるので,木道以外の場所は歩いてはいけません. 宮地直道 |
地球の見所(国内編)
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