日大 地球システムのスタッフブログ

日本大学文理学部 地球システム科学科 のブログアーカイブ

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卒業生インタビュー・記念すべき御一人目は平成9年度卒業の津田和英さんです。
3月上旬に、八丈島から帰る途中で当学科へ訪ねていらっしゃったのを、安井先生がすかさず捕まえ

安「三浦さん!すぐにインタビューを!!」
三「ラジャー!」

といった勢いで抜き打ちインタビューをさせていただきました。
とてもおおらかで、いつもハハハと笑っていて、そして大変ビッグなお方です。




―――以前当学科で副手をしていらっしゃったというご縁で、昨年一度お会いしておりますが、何をご専門に研究していらっしゃったか存じませんで…。


 学生の時はですね、中国太湖のボーリングコアを調べました。ガスクロマトグラフィーで有機物の化学組成を調べたり。うぅーんと、詳しい事は忘れちゃったんですけど(笑)


―――へぇ…。今は無い分野ですかね。ちょっと聞いたことがないんですが。


 生物資源科の方に通って研究したりしてたんで、特殊かもしれませんね。


―――学部を卒業された後に、ここで副手になられたんですよね。


 そうです。任期は4年あるんですが、3年やったあとに前から行こうと思っていたアイルランドに行きました。自分は父親がアイルランド人で母親が日本人なので、アイルランドの生活も知りたかったんですね。ずーっと陸路で旅して、御盆に日本を出発してクリスマスに着いたんですよ。


―――えー!長っ!


 ハハハ!長いでしょ〜。船と電車とバスだけを使って行きましたよ。学部生の時に、遠藤先生(第四紀地球環境研究室)の調査で中国に連れてってもらっていたんですよね。2年の時も3年の時も、4年でも。その時ボーリング探査のための機材とかGPSとか運ぶために、学生とか若手スタッフは船で2泊3日で中国に行くんですよ。大阪から。先生方は飛行機でピューっと行っちゃうんだけど(笑)。その経験があったからね、中国まで船で行けるんだってことはわかってて抵抗なくて、その先も行けたんですよね。


―――四ヶ月間、ずっとずぅーっと移動ですか?


 もちろん。その途中で、大学で習った場所を見に行ったりしましたよ。中山先生(リモートセンシング研究室)から、20世紀最大の環境破壊と言われるアラル海の水量減少の推移を衛星写真で見せていただいていたんだけど、実際にその場所に行ったり、トルコのカッパドキアに行ったり。あと、白亜紀に隕石が落ちて恐竜が死滅した時の層ですね、白亜紀と新第三紀の境界となるK‐T層というのがイタリアにあるんですけど、それも見に行きました。


―――それは面白い旅ですね。


 そういった地球科学関連に限らず、人類とか文化とか歴史の変遷を見る旅でもありましたね。自分はアイルランドと日本のちょうど中間に行けば同じ顔の人がいるのかなと思っていたけど(笑)、またそれは全然違ってね。いろんな国で「僕はどこの国の人に見える?」と聞いたけど、どこにいっても異郷の人でしたね。


―――アイルランドって…


 イギリスの横っちょですよ。この辺(と、地図を書いてくれる)。


―――え、ここですか?この北は?


 そこはアイスランド(笑)


―――失礼しました(笑)。クリスマスにアイルランドに着いてからは何をなさったんですか?


 留学しながら、親戚と交友を深めたりして生活してました。あっちの大学で地学の授業を聴講生として受講したりしてね。楽しかったですよ。同じく留学に来ている韓国の方とか、日本の方とも仲良くなったり。


―――どんなことが学べたと感じていますか?


 アイルランド人としてのアイデンティティですね。一番感じたのは時間の感覚の違い。ゆったりしてるんですよね。アイルランド人の暮らし方はこうなんだなぁって。うん。
 それから日本に帰ってきて、すぐに中学の先生になったんですよね。教えるの好きだし楽しかったですけど、中学の理科は火山のこととかは3時間しかやらないんですね。外に行く機会もないし。自分は大学生の時も旅してる時も、フィールドワークが自分の支えだと思っていた部分があったから、もちろんそれ以外のことも面白いんだけど、なんかちょっと、中学の先生は自分とは違うかなと思って。それで、4年間働いた後、2007年の四月から静岡でNPO法人ホールアース研究所というところで働いています。


―――こちらではどういったことをなさっているんですか?


 子供を中心に、自然のことを教えるんです。例えば青木ヶ原の樹海なんて怖そうなイメージがあるけど、実際に連れて行って、本当はすごく木が綺麗で明るいところなんだよと教えたり、富士山の宝永火口を見学したり、洞窟を探検したり。あとはみんなで一緒に農業をやって自然の恵みを体で体験したり、飼っている動物と触れ合ったり、とにかく色々です。
 自分たちの仕事は「インタープリター」と呼ばれていて、元は通訳という意味ですが、要するに自然が物語っているその言葉を伝える役目なんですね。自分は地球科学出身だけど、他の職員は農業の人だったり、洞窟マニアだったり、飼育のプロだったり、OLだった人だったりさまざまなので、それぞれが自分の得意分野を活かして自然のことを伝えようとしている、といった感じかな。


―――お仕事で、大学での勉強が活かされていると感じることはありますか。


 それはもう、たくさんありますよ。学生の時にやった巡検がすごく活きていますね。外に出て学ぶことの大切さを教えられて、今そのままのことをやっていますから。


―――そういったキャンプとか農業とかを体験した子供たちの反応はどうですか?


 中学で教えていた時は、授業というのは一方的になってしまいがちだから、生徒の方も受け身でしたけど、今は子供たちが主体的に積極的に関わってくるなと感じますね。わからないこともどんどん聞いてくるし。子供たちには、そうやって自然と積極的に関わることで、自分が自然に何ができるか気づいてもらいたいと思っています。


―――これから地球科学を学ぼうと思っている学生たちに対しては、どんなことを期待しますか?


 そうですねぇ…。まず、頭でっかちにならないで体で体験してほしいと思いますね。机で勉強することも大事ですけど。地球のことを「面白く」知りたいっていう気持ちを持ってもらいたいですね。自分は旅行に興味があって、自然が好きで自然のことを知りたいと思ってこの学科に入ったんだけど、もし同じように感じている人がいるなら是非フィールドに出て、目一杯遊んで(笑)、そこから一歩目を踏み出してほしいなと思いますね。そこから疑問とか、面白いなと思ったことが出てきたらそれを追って行ったらいいんじゃないかな。地球に対していろんな興味関心を持ったとき、フィールドにまず出てみるというのはその一つの切り口だと考えてもらえればいいですかね。


―――なぁるほど。きっと同じように感じている高校生はたくさんいるでしょうね。最後になりましたが、津田さんは地球システム科学科でどんなことを得られましたか?


 さっきも言いましたようにフィールドに出ることの大切さですね。まぁ、あとは仲間かな。先生やOB・OG含め、いろんな人と出会えて、縁の繋がりを感じさせられる学科だなと思いますね。この学科に入る人は、是非フィールドの大切さと、人の縁の大切さを感じてほしいと思います。


―――どうもありがとうございました!





(インタビュー後記)
 学科の先生方が津田さんを見て「お!」と嬉しそうに話しかけていらっしゃって、人を和ませるパワーのある方だなと思いました。お仕事先のパンフレットをいただきましたが、なかなか自然に触れる機会が少なくなりつつある中で、貴重な体験をさせてもらえるイベントが目白押しです。
 津田さん、また遊びにいらしてくださいね〜。

想像力

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地球の歴史を知る身近な方法は崖(露頭)を観察することです.例えば上の写真は伊豆大島三原山の露頭の写真で,上の方に岩の断面が見えています.この岩は,真ん中の付近は硬そうですが上下はガサガサしています.これは何でしょう?

道沿いにこの岩を追いかけて行くと,1986年に噴火した時の火口にぶつかり,その周辺にはこのガサガサした岩がたくさん広がっています.下の写真は1986年噴火のときの火口付近の様子です.そう,この岩の正体は熱い溶岩だったのです.溶岩が流れている時,内部の温度は1000度近くありますが,表面は冷えて殻を作り,これが溶岩の動きとともに割れてガサガサした岩のカケラ(クリンカ)になります.このクリンカが崩れ落ちてどろどろの溶岩がこれを覆うため,溶岩流の上下にはクリンカが集まっているように見えます.崖で見えた岩の断面のうち真ん中の硬そうな部分はどろどろした部分(マグマ)がゆっくり冷えてできたもので,上下のガサガサした部分はクリンカにあたります.

下の写真を撮ったとき,火口では太鼓をたたくようなドーン,ドーンという音とともに火柱があがり,カシャカシャというクリンカが崩れ落ちる小さな音がいたるところから聞こえ,金網を焼いたときのような臭い匂いが一面,立ち込めていました.この時の溶岩はとても遅く,時速6mくらいでした.2mくらいまでは平気で近づけるのですが,それより先は熱くて一歩も近寄れません.

このように溶岩ができる様子を知っていると,崖に見えている冷たい岩も熱いどろどろした溶岩に見えてきませんか?露頭を詳しく観察する力と想像力はとても大切です.教室で勉強した知識を露頭観察に生かせば,地球はその生い立ちを雄弁に語ってくれます.なお,上の写真で溶岩のすぐ下に薄い帯のように見えているコンクリートは噴火当時の道路です.

宮地直道

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