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アンデスの旅 その13

 私たちも南部チリーのスキー場に出かけることにした.もちろんスキーが目的ではない.スキー場があるネバド・デ・チヤン火山の調査に出かけようというのである.ただし,現在は冬なので,ネバド・デ・チヤン火山は深い雪に覆われている.

 ネバド・デ・チヤン火山は現在も噴火を続ける活動的な火山である.噴火様式はブルカノ式ないしはストロンボリ式である.

 ネバド・デ・チヤン火山に行くためには,サンチャゴから南下しチヤンの町まで鉄道を利用し,さらにバスに乗り換えてたどり着かねばならない.

 サンチャゴから南部のプエルトモントまで,1000km余りにわたって、海岸山脈と脊梁アンデス山脈の間に細長い盆地が延びている.チリーの中では最も湿潤温暖の地で,チリーの穀倉となっている農業地帯である.サンチャゴから北は乾燥地域になり,アントファガスタから北には不毛の地アタカマ砂漠が広がっている.また、プエルトモントから南はパタゴニアの地で,山地が直接リアス式海岸に迫って平野が少なく,しかも寒冷な不毛の地ということになる.細長いチリー共和国であるが,居住に適した土地は,わずかにサンチャゴからプエルトモントの間の,この細長い盆地だけなのだ.

 この盆地を南下するときには,左手にアンデス山脈がそびえ,アンデス山脈の脊梁部には,点々と火山が分布している.また,右手には高度の低い海岸山脈の高まりが続く.アンデス山脈は,サンチャゴ付近では高度が高く4000mを越えているが,南下するにつれて高度を下げ,プエルトモント付近では高度2000mを切ってくる.

 こうした盆地の様子は,東北地方とよく似ている.東北新幹線で北上すると,宇都宮を過ぎたあたりから,左手には脊梁山脈とその上に噴出した火山がみえ,右手には阿武隈山地や北上山地などの海岸山脈が分布する.このあたりの様子は,サンチャゴから盆地を南下するときとほとんど同じである.ただし,東北地方の方が,脊梁山脈の高さが圧倒的に低い.
 サンチャゴからチヤンまでは距離にして約400km,宇都宮と盛岡の間の距離とほぼ同じである.

 15世紀から16世紀にかけて南米の太平洋側を支配したインカ帝国の領土は,北はエクアドル,南はチリーのサンチャゴ付近にまで達していた.そして,この帝国を支配するために,当時首都があったペルーのクスコから,石で舗装されたインカ道が延々と南北に延びていた.

 サンチャゴまで到達したインカ帝国は,その南方のマウレ川以南には足を踏み入れることが出来なかった.チリーの豊かな穀倉である盆地の大部分は,インカ帝国に従わない別の精悍な軍事的部族,アラウコ族の領土だったのである.この穀倉地帯には,インカ帝国に拮抗する軍事力や文化力を涵養するだけの生産力があったということの証拠である.

私たちは,この穀倉地帯を列車で南下する.

つづく(高橋正樹)


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