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だいぶ間があいちゃいましたが、教員インタビューの4番バッターは、地質科学研究室の小坂和夫教授、満を持しての登場です! 上の写真は小坂先生が撮影された、ある山に現れた断層とのこと。インタビューにもありますが、自然はいつも先生を叱り励ましてくださったんですって。 ときどき先生のおちゃめな言い回しに話のかじを取られつつ、学生時代から現在まで語っていただきました〜。 ―――早速ですが、先生がこの分野の研究を始めようと思ったきっかけは何ですか? 私の場合はいろんなことをやって挫折して、最後にこの分野が残って、もう変えられないなと思ったという大変後ろ向きな選択です。 ―――ある意味、消去法的な。 えぇ。もっと明るく語った方がいいというのであれば話し直しますが(笑)。 ―――いえいえ、そのままで結構です(笑)。先生は最初は数学科に在籍しておられたと伺いました。 大学生は数学科で、大学院から地質系でした。 ―――では大学院に入るときに迷われて進路変更したんですね。 大学院に入るときはもう心を決めていたんですが、大学生の時に、数学科にいながら哲学で卒業論文を書きました。単位は数学で取って、卒論だけ哲学で。 ―――・・・それは問題ないことなんですか? まぁ、その頃は問題なかったということでしょう。9月卒業のね。 ―――半年遅れで卒業されたんですね。 いや、一年半遅れでした。 ―――そして哲学からどうして地質系に進もうと思われたんですか? まぁ許される限りさまざまなことをしたいと思う気持ちが、若い頃は当然ありますよね。それから、いろんな本を読んでいるうちに、風景写真を見て、ほら、ああいうのって心が和みますよね。それであまり学問的な理由でなく、こういうところに行きたいなという気持ちを持ったんですね。本にはそのきれいな山がどういう風にできたということが書いてあって、こういう学問もあるんだなと知って決めました。 ―――なるほど。そして博士号まで修得されて、すぐにここで働くようになったんですか? そうです。 ―――勤続何年になりますか? えーと、60マイナス31ですから29年…植木算で多少プラスマイナスがあるとは思いますが。 ―――元学生の考えですが、小坂先生は学生に厳しく指導されるという印象を持っているのですが… 学生への指導の方針はどの教員も変わらないと思うんですよ。ただ、学生が受ける印象というのは変わりますよね。例えば「それはいけない」と指導するときに「いけない」と言うか、違ういい方をするかとかでね。あと、多くの人は2年次の必修科目(07年度入学生までのカリキュラムに該当)の「地質図学」の印象が強いんじゃないかな(笑)。 ―――(笑)地質図学は名物授業ですね。 多くの人が苦手とする図形を取り扱っているのでね。途中の考察までが当たっていても出来上がりの図が違ったら、どうしてもマルはあげられないですから。おそらくそういう巡り合わせでしょう。 ―――あと、先生はよく卒業生の方と連絡を取っていらっしゃいますよね。 それは一つには、ここに長く勤めているためですね。他の多くの先生はここでの在任期間が短くて卒業生との関わりが少ないですから、長く勤めている教員の役割として、関わりを持つということですね。密度は薄くても(笑)。 ―――(笑)いえいえ。 なんかさっきからあんまりいいこと言ってないなぁ。ウフフ。 ―――そんなことないです。 母校って、折にふれて思い出すものですよね。それで会社なんかに勤める卒業生が関連する業務に携わっていて、ちょっと聞きに来たりとか、そういうことで密度が濃くなっていくことはあります。 ―――このインタビューを読んだ卒業生が「小坂先生のところに訪問してみよう」と思って来るのはウェルカムですか? そりゃあ…そうじゃないですか?教員なら誰でも、ねぇ。フフフフ。 ―――じゃぁ、そう書かせていただきます(笑)。先日卒業生による還暦パーティーが開かれたとのことでしたが、いかがでしたか。だいぶ幅広い年代の方が集まったと伺いましたが。 楽しかったですよ。一番古い卒業生は私と10歳違って、一浪していれば9歳、二浪していれば8歳違うんですけど。そりゃそうか(笑)、当たり前のこと言っちゃって。だから上は51歳から下は一番最近の卒業生まで。たぶん幹事の方がだいぶ努力して下さったんでしょうけど、各年代から集まりましたね。 おそらくね、こういうことをきっかけでみなさんが顔を合わせられるというのも、学校の先生の嬉しいところなんだと思います。同窓会ができるってことね。 ―――のりしろみたいなものですかね。 のりしろ!そう、うまいこと言いましたねぇ、のりしろかぁ、のりしろ…(ブツブツ)。 ―――二つ伺いたいことがあるんですけど、一つは、今の学生に伝えたいことをお願いします。 うーん、これは今この場でブログに適当かそうじゃないか選択しながら言わなきゃいけないんでしょ? ―――いえ、私がうまくソフトに変換しておきますので。 そうですねぇ、「必修科目はちゃんと勉強しなさい」とか、それじゃつまらないでしょ? ―――いや、それも大事ですからちゃんと載せておきます。 若いときは好きなことをするのが一番大事な時期じゃないかと思うんですよね。最近は「しちゃいけない」と思わざるを得ない場面が昔に比べて多いせいか、学生も縮こまっている感じがするんですよね。自分が年とともに元気を失ってるから、他の人も元気がないように見えてしまうのかもしれませんけどね…って、これだとクヨクヨしたメッセージになっちゃうなぁ(笑)。だから自信を持って、人に迷惑のかからない限りのびのびと、好きなことをしてほしいと思います。 ―――ありがとうございます。では高校生に向けて伝えたいことはありますか? 最初にお話しした自分の若いころのことを考えますと、進路選択の時は、まぁいろいろ経済的な事情とか親に辛い思いをさせないようにとかありますけど、できる環境にあるならば、失敗してもいいから好きなことを大事にしてもらいたいと思いますね。 地質科学の勉強をしていきたいと思っている高校生がいるとしたら、是非数学と物理と化学と英語を一生懸命勉強してもらいたいと思います。地学は、それ自身の基礎を数学とか物理、化学に置いているわけですから、それらをきちんと学んでおけばよりよく理解ができるということです。英語は、新しいことや面白いことは英語で書かれていることが多いからです。英語が苦手という人は多いですが、興味のあることだったらできると思うんですよね。例えば英語の歌を覚えるとか。そういう能力の伸ばし方をすればいいと思います。 ―――先生ご自身は、数学科で学んだことは今の研究に活きていると感じていますか。 直接的には役に立たないです。数学科の数学というのは、「1たす1が何故2になるのか」ということを3カ月かけて考えたりするようなものですから。ただ、思考力とか証明する力ということでしたら若いころは役に立ったなと感じます。日常生活では「理屈っぽい」と人に嫌がられることが多いですけどね。ふふん。 …また印象悪いこと言っちゃいましたけど大丈夫かな? ―――教授の人柄が伝わるインタビューであればいいと思っていますから。特に高校生にとっては、大学の教授って話しかけにくい人達という印象があると思うのですが、実際は学科によって雰囲気が全然違いますから、それが伝えられるものになればいいですよね。 特にここは賑やかですよね。先生も学生もみんな元気。それは30年間ずっと変わらないですよ。野外調査に行ったときに、一緒にお風呂に入りますよね。それから一緒に川の水を採取したりとか。そういう時ってとても気持ちが打ち解けますよね。人間って出会う場所によって印象が変わるので、学生が教員と一緒に野外調査に行くことによって打ち解けて、この学科・分野のいい雰囲気を作ってきていると思いますね。それを楽しめる人はとっても幸せですよね。 風景写真を見て「いいなぁ」と思って研究を始めた後に、本当に行き詰って地質学をやめたくなった時が何度かあって、そういうときに、野外の楽しさが続けるきっかけになってきたんですよね。今振り返ってみれば、ずいぶん力をもらったと思います。 ―――いま行きたいところはありますか? 行きたいのはスイスアルプス。あれだけ有名できれいなところですから行ってみたいですよね。国内だと沖縄に行きたいですね。まだ行ったことないから。沖縄にいろんな地層や岩石が出てますよね。 ―――え、そうなんですか??(=近年に地質的に新しい発見があった、という意味だと思って) 出てなかったら海に沈んじゃいますから。地面があるから沖縄の島なので。 ―――あぁ、そういう意味ですね(笑)。 そう。だから地面があれば地層や岩石を見て回りたいですね。ましてきれいな海があるし。 ―――地質は本島とは違うのですか? 今日は予習してきてないから知らない(笑)。 ―――(笑)。それでは最後にインタビューの締めの言葉をどうぞ。 この機に昔の忘れていたことを思い出せてリフレッシュできました。 ―――御役に立てて良かったです。どうもありがとうございました。 (インタビュー後記) つたない文章で皆様に伝わったか自信がないですが、「野外が好きだからこの研究を続けてこられた」とおっしゃったときは、本当に自然の風景が好きだという気持ちがとても強く伝わってきて感動しました。インタビュアーは得ですね。 卒業生の皆様、是非遊びにいらしてくださいね。 |
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2009年01月09日
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