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今日は私の専門(火山地質学)の話をしたいと思います。 火山地質学の分野では火山の形成史を知るのが一つの大きなテーマになります。 対象とする火山の地表を歩きまわって調査したり(地質調査)、空中写真で地形判読をしたりして、どんな噴出物が分布しているかを調べます。 噴出物の種類や分布、重なり合う順序がわかってくると、どんな様式の噴火がどのような順番で起きたのかを細かく知ることもできます。 時代の新しい噴出物は、表層を広く覆っているので比較的わかりやすいのです。 が、新しい噴出物に覆われたより古い時代の噴出物は、分布が局所的になってわかりにくくなります。 深い谷が火山体を切っていれば、古い時代の噴出物も見えますが、若い火山では谷の発達はそうよくありません。 というわけで、時代が古くなるほど噴出物の種類や分布を把握するのが難しく、情報がなかなか得られないというのが悩みの種なのです。 写真はオープンキャンパスの際に”大噴火”したカナマル火山です。 上の写真は桃色の溶岩流がまさに流出している時の写真です。 3年生のN君の腕が透けて見えますが、下から頑張って注射器で“溶岩”を流出させています。 カナマル火山は透明なので、下から見ることができます。 この噴火直後にデジカメの回転レンズを利用して下から撮影したのが、下の写真です。 おへそのような窪みは、噴火直後の火道です。 2枚の写真を見比べると、オープンキャンパス2日目の“一連の噴火”の溶岩流出の順序がわかります。 初期に焦げ茶色の溶岩が流下し、中盤にはより遠方に赤茶色の溶岩が広く広がり、後半にオレンジやピンク色の溶岩が流下したことがわかります。よく見ると、焦げ茶と黄色の溶岩流には、小さな分流が出ています。桃色の溶岩はもともとあった窪地を埋めつつあります。 このようにカナマル火山では上と下から噴出物の分布が見えるのです。 下から見えるので、初期の溶岩の分布までしっかりわかり、噴火の規模を知る手がかりにもなります。 普段、知りたくてもわからない情報が丸見えなので、思わず写真を撮ったという次第です。 積み重なった“溶岩”をカッターで切れば、火山体の構造までわかってしまいます。 これは今後の楽しみにとっておくこととします。 安井真也 |
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2009年08月26日
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