日大 地球システムのスタッフブログ

日本大学文理学部 地球システム科学科 のブログアーカイブ

過去の投稿日別表示

[ リスト | 詳細 ]

全1ページ

[1]

イメージ 1

イメージ 2

2月27日に発生したチリ地震津波では大津波警報が発令され日本中が津波の襲来に備えました.津波の恐ろしさは,2004年のインド洋大津波をきっかけにして世界中の人たちが認識するようになりました.わが国は近海を震源とする巨大地震に伴う津波により繰り返し被害を受け,その恐ろしさは世界の国々に比べ強く伝承されています.ただ,津波は発生頻度が低いこともあり,その研究は必ずしも進んでいませんでした.現代の日本で津波の恐ろしさが再認識されその研究が進んだのは1993年の北海道南西沖地震津波の時からといえます.

北海道南西沖地震は1993年7月12日に北海道南西部の奥尻島の北西側海底を震源に発生したマグニチュード7.8の地震でこの地震の直後に発生した津波により,奥尻島やその対岸の北海道檜山地方の海岸域では,主に津波により259人の犠牲者を出すという大きな被害を受けました.私はこの地震の時,札幌にいて実験をしている最中でしたが,ニュースで津波の被害を知り,翌日から現地で調査を行いました.当時は津波の調査方法は手探り状態で,まずは現地を見ることと現地の方の話を聞くことからはじめました.津波の到達高度は目撃情報が一番ですが,確認できる場所は限られています.このため,何らかの物証を探すしかありません.例えば斜面で草が倒れている場合など,草が倒れている一番上の高さまで津波が達したことが考えられます(写真上).この地点の津波の到達高度は海岸線から約10mになりました.この他,津波の力が強いと斜面の土砂を削り取ることもあります.比較的平坦な場所では枯れ草やゴミなどの漂流物が帯状に続いています(写真下).本年のチリ地震津波の時も安井先生がハワイでこのような漂流物を確認されています【ハワイ島での津波の置き土産】.このような漂流物の帯は海水がある程度の時間,停滞していた高さを示しており,地元の方に伺ったところ,実際には津波はこの漂流物帯よりもさらに数10cm高いところまで達したそうです.この他,家屋などの壁に津波が停滞したときに付けた泥の線なども津波の到達高度を知る目安になります.

このようにして複数の場所で津波の到達高度を測ると,津波の高さは比較的狭い範囲でも結構異なることがあります.津波は山や谷といった大きな地形,砂丘や建物などの障害物の有無,より上流まで達し易い河川や水路の有無になどにより到達高度は異なります.このため津波の到達高度のデータを地道に集めることにより陸上での津波の動きを詳しく復元することができ,今後の防災対策に役立てることができるのです.ただ,このような証拠は津波襲来後数日で無くなってしまう場合も多く,津波襲来直後の調査が重要です.

宮地直道


 ↓ブログランキング入ってます!応援よろしく!↓
自然科学ブログランキング

全1ページ

[1]


よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

お肉、魚介、お米、おせちまで
おすすめ特産品がランキングで選べる
ふるさと納税サイト『さとふる』
ふるさと納税サイト『さとふる』
実質2000円で特産品がお手元に
11/30までキャンペーン実施中!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事