日大 地球システムのスタッフブログ

日本大学文理学部 地球システム科学科 のブログアーカイブ

地球の見所(国内編)

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花崗岩若手の会

学会とは別に,
合宿のような形で勉強会をする若手の会や夏の学校というものが様々な研究分野に存在しています.

先日,深成岩やマグマ溜りに興味を持っている人々の集まりである,
花崗岩研究者若手の会の巡検に参加してきました.

テーマは「熊野酸性岩と紀伊半島の火成活動」です.
今から1400〜1500万年前,この地域周辺では,
現在の東北日本などの一般的な火成活動の仕組みとは異なる原因により,
火成活動が起こったと考えられています.

紀伊半島の観光や信仰の対象になっている奇岩・名勝の多くは,
この特異な火成活動によってできたものです.

こちら↓は天然記念物に指定されている蟲喰岩.
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その名の通り,虫に食べられたようにぽこぽこと穴があいていますが,
これは凝灰岩が風化することによりできたタフォニという組織です.
下の写真真ん中から左のように蟲喰岩に藁を縛り付け,願を込める風習があるようです.
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耳の病に効能があるとか.

さて私にとって紀伊半島といえば,川下りのメッカ.
その中でも古座川は何度でも訪れたい川であります.
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古座川に見られる一枚岩↑もこの活動により溜まった凝灰岩ですが,
これまで何度か古座川下りをしたにも関わらずそういう目で見たことがありませんでした.
石のプロ?としては失格でしょうか.

紀伊半島でカヌーと言えば,まず熊野川が思い浮かぶかと思います.
この熊野川の中下流域には,柱状節理の発達した花崗斑岩がみられます.
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花崗斑岩はこの地域に広く分布しており,
紀伊半島の山岳信仰の聖地であり,
サッカー日本代表のユニフォームでもおなじみの八咫烏(やたがらす)にゆかりのある那智の滝↓もこの花崗斑岩からできています.
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紀伊半島に限らず,日本の観光地の多くは地球科学的に興味深い場所あります.
旅行に行かれる際は,当地の地質も調べて行かれると楽しさ倍増です.

金丸龍夫

上甑島・貝池

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鹿児島県の南西に「甑島」という島があります。
上・中・下の3島からなる甑島列島で、最近は、「Dr.コトー」の舞台としてもちょっと知られるようになりました。
この上甑島に、海と礫洲で隔てられた甑四湖と呼ばれる湖沼があり、私は、1993年から現在に至るまで、気がつくと裕に30回くらい通っていました。

この湖は、今から6,000年前の縄文海進・海退で入江が閉塞されて形成されました。

この中ののひとつ、貝池という湖は、上層部が淡水に近い水、下層部は海水という2重底をもつ湖で、このため不思議な現象が生じることが分かっています。

普通、湖は、太陽から熱を受ける表面の温度が一番高く、深部にいくほど冷たくなるのですが、ここ、貝池では、表面から2〜3m付近の淡水層と海水層の境界部分で、夏になると、なんと40℃くらいまで、水温が上がるのです。

また、もう少し深い部分、4m付近には、湖水を赤く染めるバクテリアが存在することが分かっていて、この部分の水を「採水器」という機材で採水すると、本当に赤い湖水がみられます。(ただ、これは、場所や季節によって濃さが違います。)
このバクテリア、世界で3か所しか発見されておらず、20億年も前から存在しているとか、、、

1985年のNHKでも、大うなぎ捕獲大作戦のような内容でしたが、NHK特集で放映され、2003年にさわやま自然百景(←このときは、取材に協力しましたよ!)で紹介されていました。

東京から1,300km。
鹿児島空港から串木野港を経て、フェリーで1時間10分。
島ではトンボロやビーチロック、鹿の子百合なども見られ、港の近くには温泉も。
特に夏は、青い海に、熱い太陽・・・おすすめです。

写真上:長目の浜展望台からの眺め---白い礫洲が海と湖を隔てる様は本当に美しいです。
写真中:貝池です。
写真下:白い礫洲の正体です。---はるか向こうの山と山の間に見える低い部分は、陸繋島(トンボロ)です。

太田真木


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駒ヶ岳の根っこ

駒ヶ岳の麓にあるから駒ヶ根.
そんな長野県駒ヶ根市にある駒ヶ池のから望む中央アルプスの駒ヶ岳です.
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親戚がいるので,昔から駒ヶ根市にはよく行ったのですが,
こんなに良い景色が見られるとは知りませんでした.
ちょうどケータイしか持っていなかったのが残念です.

金丸龍夫

初冬の浅間山

11月上旬に初冬の浅間山へ調査へ行ってきました.

浅間山は黒斑火山・仏岩火山・前掛火山という三つの火山から出来ており,
今回はそのうちもっとも古い時期に活動した黒斑火山の調査へ行ってきました.

数日前の寒波で山頂付近は30cmほどの積雪があったそうですが,
この数日の暖かさで,この日は日陰に雪が残っている程度でした.

湯の平からみた前掛火山です.
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この日もうっすらと噴気があがっていました.

前掛火山は現在も活動中の火山で,今年の2月に小規模な噴火をしましたが,,
そろそろ皆さん忘れかけてきた頃かと思います.
現在も気象庁による噴火警戒レベルは2のままで,山頂付近の立ち入りは禁止されています.
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蛇堀川の源頭部付近,登山道脇にある火山館は明治からの歴史があり,
現在の新しい建物ができてちょうど10年になるそうです.
こちらの館長さんは,1年中この標高2000m近いところで,生活されているそうです.
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今年は噴火の影響か,登山者が例年の3割程度だったそうです.
館長さん曰く「今からが良い季節.誰も立ち入らない真っ白な世界に入る」だそうです.

帰りには,カモシカのタロウ君が見送ってくれました.
冬支度のために一心不乱に草を食べていました.
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金丸龍夫  


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石英エクロジャイト

少し前のことになりますが,
去る9月上旬に岡山理科大学で開催された日本地質学会で発表を行い,
四国の三波川変成帯の巡検に参加してきました.

なんと言ってもこの巡検のハイライトはエクロジャイトです.
参加者のほとんどの方はエクロジャイトを見ることが目的だったのではないかと思います.

エクロジャイトとは,海洋プレートの構成物などが高い圧力下で変成作用を被ることで形成される岩石で,
プレートの沈み込みに関連していると考えられており,またプレートを駆動する一つの要因とも考えられています.

日本はほとんど見ることができない貴重な岩石で,
この地域では,石英が入った石英エクロジャイトという岩石を見ることが出来ます.

↓の写真の薄緑の部分がオンファス輝石,ピンク色の粒がザクロ石,うっすら見える白いところが石英です.
濃い緑色の部分は地下深部から上昇してくる際の後退変成作用によってできた角閃石です.
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またこの地域では,地質の違いにより明瞭に植生が違っていることが知られています.
↓の写真の手前は確か蛇紋岩(だったかな?),奥の方の緑の濃い木々が生えている部分はカンラン岩からなるそうです.
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昔,このあたりはクロムの鉱山として栄えていたそうで,
奥の山の急斜面にはなんと昔の学校の跡地があるそうです.

この巡検には,この地域を研究されているプロ中のプロの方々が何人か参加されていたのですが,
その中のお一人に,蛇紋岩は表面が風化すると赤色になるので,野外で見分けが付きやすいということを教えていただきました.
この赤さが赤石山という名前の由来になっているそうです.
一つ勉強になりました.

金丸龍夫


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