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北回帰線は夏至の日に太陽が真上に来る位置のことで、ここから南は熱帯になります(緯度による熱帯の定義)。我々が調査を行った場所は、北回帰線より南、まさに熱帯です。暑いわけですよ。 英語で「熱帯の」の意味のTropical(トロピカル)。よく耳にする英単語かと思いますが、この語源は実は英語の回帰線の意味の"Tropic"(トロピック)からきているんです。熱帯は北回帰線と南回帰線に挟まれた領域のことですからね。(豆知識でした) 写真は瑞穂の北回帰線標誌公園。夏至の日の天球上の太陽の動きを投影して図示してありました(写真下)。見難いですけど、きちんと真上を太陽が通過しているでしょ? 回帰線上に立って、右足は熱帯・左足は温帯(逆でも可)という写真を撮るのが定番だそうなのですが、撮り忘れました。不覚・・・。来年は必ず撮ってきます。 村瀬雅之 |
地球の見所(海外編)
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皆さんは断層と聞くと何を思い浮かべるでしょう? ニュースなどで断層の話しを耳にする時は地震とセットなことが多いので,「地震の原因」とか「断層が動く=地震」と理解されているかもしれません.でも,実は断層の中には,動いても地震を起さないものもあるんです.この池上断層はその一つと言われています. 我々が揺れたと感じるような地震は断層が急に速くズレ動くことによって発生するのですが,なんとこの断層はゆっくりズルズルと年間数cmの速度で動き続けているのです.その証拠に,写真2では地震が起こっていないのにもかかわらず,断層の上に作られた護岸コンクリートが壊されてズレています.ズレをまたいで設置されている緑色の鉄の棒はクリープメータという断層のゆっくりとした動きを測る機械です. その大変遅い動きでは地震を発生することは出来ませんが,年数cmという動きは数千年〜数万年といった時間積み重なれば大変な量になります.写真3は手前に平地,奥に海岸山脈が写っています.平地と山脈の境に池上断層が走っており,海岸山脈は池上断層のズレが蓄積して出来上がったと考えられています. 村瀬雅之 |
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以前ブログで報告しましたが、夏休みの期間を生かして台湾の断層調査に行ってきました。 いくつか面白い写真が取れましたので、ブログでご紹介して行こうと思います。 今回は、観測の目的地の一つである台湾南東部の池上を紹介します(写真1)。池上郷はあたり一面の水田。美しい田園風景が広がっています(写真2)。 それもそのはず、池上は台湾米の名産地。台湾にいかれたことのある方は、街中の食堂やコンビニで池上弁当を見かけたことがあるのではないかと思います(例えば写真3上)。 今回訪れたのは、まさに池上弁当の名前の由来の池上になります。 池上米といったら台湾の高級米です(写真3下)。池上弁当というのは、日本で例えるなら、魚沼産コシヒカリ使用!と弁当に銘打っているといったことろでしょうか? 台湾の人は池上弁当が大好きなようで、一緒に観測に行くと良く食べます。もし、池上弁当を知らないという人。台湾に行く機会があったら是非試してみてください。 次回は、池上断層について紹介したいと思います。 村瀬雅之 |
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ドイツシリーズ3回目は湖の話です.以前もお話したように,ドイツ北部には氷河が去った後に誕生した多数の湖があります(http://blogs.yahoo.co.jp/geogeosys/10105516.html). これらの湖は互いにくっついて広い水域を作り,その水は湿地や河川を通じてドイツ北岸からバルト海に注いでいます.大プレーン(プルーン)湖はその中では最大規模の湖で,面積は約30km2と北海道の網走湖くらいで,深さは数10m程度です.湖の中には木々や水草に覆われた小島がいくつもあり,水鳥の楽園となっています(写真上).夏には遊覧船で観光する人,カモなどと一緒に水泳を楽しむ人,ヨットやカヌーを楽しむ人などがゆったりとした時間を楽しんでいます.地元の人によればこの湖では古くから様々な研究が活発に行われてきたということでした.そこで,水圏環境科学がご専門の当学科の森和紀教授にお伺いしたところ,確かに大プレーン湖はプレーン陸水学研究所(現:マックス・プランク進化生物学研究所)により19世紀末から20世紀始にかけて世界に先駆けた活発な湖沼研究が行われ,近代湖沼学の重用な基礎が作られたことで有名な湖なのだそうです. 大プレーン湖はとてもきれいな湖で,フナ,コイ,ウナギといった日本でもなじみの深い淡水魚の他に,とげだらけの大きな魚など普段日本では目にすることもない魚も多数生息しています.そして湖岸にはこれらの魚について,種類や生態そして食べた時の味などについての説明が色あざやかな看板に詳しく書かれており(写真下),この説明看板の魚の絵自体が芸術作品のように美しく思わず見入ってしまいました.この看板の後ろには魚料理店が並んでいるのですが,魚を使ったサラダやいく種類もの魚のフライのサンドイッチ,大きな魚の燻製など食欲をそそるものばかりです.これだけ豊富な魚を存分に食べられるのも湖沼に汚れた水を流さないよう,環境に気づかっているドイツの人たちに対する湖からの贈り物なのでしょう. 宮地直道 |
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カナディアンロッキーの光景を最後にもう一つ紹介しましょう. 一枚目の写真はアバサスカ滝です.前回紹介したコロンビア大氷原から北極海へ向けて流れるアバサスカ川がこの地で滝となって流れているのです.この川は以前に氷河湖で紹介したのと同様に美しい水の色をしていますね. (http://blogs.yahoo.co.jp/geogeosys/16046237.html) (http://blogs.yahoo.co.jp/geogeosys/17083322.html) 今回は滝の周りにある岩石に注目してもらいたいと思います.背景となっている山や川岸の岩にも地層(層状の筋)が見えますよね.山の頂上から川岸まで連続した地層と考えれば,その層厚は1000m以上でしょうか.これら地層は粘土が圧力を受けて固まった粘板岩という岩石で,中からは二枚目の写真のような三葉虫という化石が出土します.この三葉虫は今から約2億5千万年以前の古生代と呼ばれる時代の海に生きていたといわれています.すなわち,これら地層はこのような古い時代に海で堆積したものなのです.その地層が固化した後に陸地となって,現在はこの川によって3枚目の写真のように深く削られているのです.ここで削られた土砂に目を移せば,川の流れに乗って再び海洋へと戻されます.さらに未来へと思いを馳せれば,この運ばれた土砂はまた途方もなく長い年月をかけて同じような層状の固い岩石となり,再び地表へとあらわれるのかも知れません. 美しい風景を形づくる山や川岸の岩石は,一見不変のもののように見えるかも知れませんが,地球の歴史という非常に尺度で見れば決してそうではなく,岩石を構成する物質はこのような形で循環しているといえるのです. 山中勝 |


