日大 地球システムのスタッフブログ

日本大学文理学部 地球システム科学科 のブログアーカイブ

地球の見所(海外編)

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スレート

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イギリス湖水地方の特産物にスレート(粘板岩)があります.スレートは泥岩に圧力が加わってできた変成岩の一つで板状に割れるため,昔は屋根瓦や家の建築用資材として用いられ,イギリス国内はもとより海外にも輸出されていたようです.

 また,湖水地方では羊などの放牧地の境界部分の石垣としても用いられています(写真上).このスレート製の石垣の上面は羊が乗り越えないようにするため,尖った面が上に来るよう斜めに積まれています(写真中).石垣にはセメントなどの接着剤は使用されていないそうです.この石積み技術は一時すたれていましたが,最近,見直されて復活し,壊れた石垣の修復などが進んでいます.新たにできた石垣の隙間には鳥が巣を作り,多様な生物がすみかとして利用するようになったそうです.

 スレートは普通,黒色ですが,この地方のスレートは緑色も多いようです.お土産に幅30cm程度のものを買いましたが,堆積したときに変形してできた構造もあり見飽きません(写真下).本来は表札などに使うようですがもったいない.さて何に使いましょうか.

宮地直道

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台湾最大の都市台北市の約20km北にある活火山七星山には,活発な噴気地帯があります,その中で最大のものが写真の大油坑です.その地域一帯は見渡す限り黄色く異様で,腐卵臭が立ち込めます.その原因は硫黄です.昔は硫黄の鉱山として使われていたそうで,腐食したパイプが転がっています(写真1・2).

この大油坑噴気孔の直下では群発地震が起こっていて,台湾中央研究院のLin先生によって地震観測がなされています(写真3)我々も中央研究院・名古屋大・北海道大と共同で地殻変動調査をし,大油坑を中心とした隆起を検出しています.これら地球物理学的調査の結果は,大油坑噴気孔へ熱水が供給されていることを示しています.活発な噴気があるのはこの為かと思われます.

現在の所,噴火の予兆はありませんが,大都市に近い活火山の様子を常にモニターしておくことは防災上重要なことです.

村瀬雅之

湖水地方

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イギリス中部の湖水地方は,ワーズワースが自然を賛美する詩を作り,ピーターラビットの話が生まれた風光明媚な山地として知られています.この地方の湖は南北に連なる標高800〜900mのカンブリア山地と呼ばれる山々の裾野に車の車軸のように放射状に広がっています.ちなみにこのカンブリア山地は地質時代の一つ,カンブリア紀の名前のもとにもなっています.カンブリア紀は約5億年前の時代で,海中に三葉虫などの生物が爆発的に増えた時代です.

 訪れた8月は雨の多い季節で曇っていましたが,ハリーポッターの映画に出てきそうな静かな湖がいくつもありました(写真上).これらの湖は1〜5万年前の最終氷期にカンブリア山地の岩を氷河が削ってできたU字谷(写真中)にカンブリア山地からの水が溜まったものです.

 この地方は岩石が地表付近まであり,土地がやせているため,作物を作ることが困難で羊の放牧が盛んです.湖の周囲にはヒースと呼ばれる荒地に生育する花々が咲いているのが印象的でした(写真下).湖水地方というとピーターラビット関連の場所が有名ですが,それ以外にも素晴らしい自然が多数残されています.皆さんも是非一度,湖水地方の湖岸を散策して三葉虫に思いを巡らせ,午後のティータイムを楽しまれてはいかがでしょうか.

宮地直道

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今年も台湾に断層調査に行ってきました.初日に台風の直撃を受けどうなることかと思いましたが,その後は一転,台風一過の青空で大変暑い中の測量となりました(台湾では台風後天気が愚図つくそうで,台風一過は珍しいとか).

断層を挟んだ狭い地域に1年で約2cmの変化を検出しました.通常,断層は地震がない時期はくっついていて動かず,ひずみエネルギーをためています.そしてエネルギーの蓄積量が限界に達すると,断層がズレ動いて地震を発生します.しかしこの断層,地震も起こっていないのにズレているんです.これは珍しい現象で,断層クリープと呼ばれています.

断層クリープしている部分は地震が起きないので安心なのですが,どういった条件が断層にクリープを起こさせているのか?断層のどの領域でクリープしているのか?疑問はつきません.今回の調査がその理解の一助になれば良いなと思っています.断層に関する理解を深めることは活断層大国日本にも重要なことです.

村瀬雅之

接地逆転層

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内陸や盆地などでは寒い冬になると接地逆転という現象が見られる。これは雲のない夜間などに放射冷却により地表面が冷やされ,地上付近の温度が上空の温度よりも低くなる現象である。通常の大気では上空に行くに従って温度は下がるので,このように逆の関係になる層を接地逆転層と呼ぶ。逆転層の中では大気は安定な(静的安定度が大きい)ため,上層へ拡散しにくく,大気汚染の被害が出やすい。例えば地上付近で燃焼した空気(煙)は周辺に比べて温度が高いため浮力が生じ上昇するが,上空に行くに従って断熱膨張や周囲の空気の取り込みのために温度が下がり,ある高度で周囲の空気(すなわち上空に行くに従って温度が上がる空気)との温度差がなくなった時,それ以上は上昇できずに水平に拡がる。つまり下層からの汚染物質を上空に輸送しない見えない蓋の役割をする。このような逆転層があると,地表付近から運ばれた汚染物質はその逆転層の中に閉じ込められることになる。
 写真は,1990年代のはじめにサン・フランシスコに住んでいた時,ロス・アンジェルスへ向かう途中にフレスノという街の近郊で撮影したものである。12月25日の寒い朝であった。畑で何かを燃やした煙が上空にたなびいたあと,見えない蓋に抑えられて横にたなびいているのがわかる。この写真はフィルムからデジタル画像としているのでわかりづらいかもしれないが,良く見ると煙が見えない蓋にぶつかったところでは,ほかに比べてやや盛り上がっていることがわかる。このような拡散形態は数値モデルや水槽実験により再現され,通称トップハットモデルと呼ばれている(昔の日本人はシルクハットという言葉を使ったようだが,正式にはトップハットが正しいとのこと)。実はトップハットモデルは私が研究所勤めをしていた時に先輩の研究者が手掛けたものである。その研究中に内容を知り,この写真を紹介したところ,まさにそのモデルの証拠として用いられ,共同研究をしていた某大手メーカーの実験施設にも当時,パネルとなって掲示された。その後,拡散研究の大家である横山長之先生の書物にもこの写真を提供している。興味がある方は参考にされたい(横山長之(1997):煙−大気中における振る舞と姿.白亜書房,150p)。
 後日談ではあるが,この写真は実は偶然とられたものである。この日はクリスマス休暇を利用して車でサン・フランシスコからディズニーランドを目指していた。さすがにキリスト教の国だけあってクリスマスの日は驚くほどほとんどの店が閉まっていた。高速道路を降り,開いているファストフード店をさがして道を間違い,再度高速の乗り口をさがして畑の中の道を走っていたところであった。かみさんが車窓からこの光景を見つけ,研究に関係するんじゃないの?と聞いたのがきっかけだった。正直,この手の現象は過去に何度か見てきたつもりだったので,二つ返事で答えたが,何となくそれでは写真をとっておこうかということで車を止めた。この写真が後日,様々なところで使われようとは,その時は知る由もなかったが。やはり出会ったら記録に残しておくという姿勢は研究者にとって重要であると言うことかもしれない。


加藤央之

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