内部被曝を論じるブログ

Bandazhevskyのデータを論じています。ご意見、間違い指摘などを頂けると嬉しいです。

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<執筆途中です>

ご存知の方も多いと思いますが、体内にもともとある放射線源として、K40の他に、C14 などがあります。

まあ、過剰量をあえて摂取(内部被爆源として)してしまうことは、いろいろな健康障害のリスクをあげてしまうと考えられますので、ちょっと表題の「C14による内部被爆が安全」というのは、誤解を招く表現でした。過剰量摂取は避けるべきだと考えています。(注:研究者以外はC14 を過剰摂取するというシチュエーションは無いのではないかと思いますが)

そのことを断っておいた上で、体内に存在する程度のC14は、まったく問題にならない、と定量計算できる、という話を、少々論じておきたいと思います。

上記に延々と議論した、K40とC134/137の違い、これは、生体内分子への結合の強度の差で説明出来る、という議論をしました。つまり、生体内で、唯一カリウムイオンを特異的に認識するカリウムチャネル系の分子ですら、K40に対して、ほぼ抵抗ゼロで「素通し」という、ユルユルの状態であるのに対し、カリウムチャネル(特にKir系チャネル)は、Cs134/137にガチガチにはまり込まれてしまう、という部分で、その挙動にデジタルな差があり、放射性核種崩壊時の、生体分子に与えるインパクトが、大きく異なりうる、というモデルが想定出来る、という議論でした。


この流れでいくと、放射性炭素C14(や、トリチウム等も同分類に入りますが)などは、有機化合物として、モロに、生体内分子に取り込まれます。全ての生体内有機分子に取り込まれる訳ですから、影響を受けそうな生体内分子としては、タンパク、DNA、RNA、脂質(およびタンパクにおける脂質修飾)、糖類(およびタンパクにおける糖鎖)、、、と、生体内重要分子に枚挙に暇がありません。

当然、炭素原子ですから、有機化合物のバックボーンとして、ガチガチに、これらの生体内重要分子に取り込まれている訳です。ですから、当然、崩壊時には、上記のCs134/137の崩壊時議論の時と同じように、(単回、単一原子の崩壊でも)その生体分子の破壊が起こると予想されます。崩壊時には、放射線を出すことに加え、元素そのものが変換するわけですから、当然有機分子のバックボーン自体が変化し、分子の形状は変わるわけですし、分子構造や機能に甚大な影響が出ることが考えられます。

では、危険なのか?生体に害があるのか?と言えば、「C134/137-Kir系チャネル」の時の議論と違って、(体内にもとから存在する程度では)、全く影響はないだろうと考えられます、ということを、詳しく議論して行ってみたいと思います。

詳しい計算と、図等を用いた解説は、のちほどゆっくりとさせて頂きたいと思いますが、ポイントは、

1.その破壊分子の破壊のされ方が、dominantかrecessive か?
2.ランダムなターゲットかどうか。
3.生体内代謝(例:ユビキチンープロテアソーム系や、バルク分解系としてのオートファジーなど)、QC 機構(小胞体におけるタンパクQC機構など)、修復機構(DNA修復など)
4.量的議論

これらの点を議論することで、C14 は、生体内分子のバックボーンにそれこそ「堅く」取り込まれ結合しているにも関わらず、(内在する程度では)生体へのインパクトはゼロ、ということを説明させて頂きたいと思っています。
(詳しくは後ほど)。



K40や、C14やトリチウムなどの、生体内常在の内部被曝源のことを考えるたびに、生体分子というのは、進化の過程で、上手くできているなあ、と感じます。
Kイオンを特異的に認識するカリウムチャネルはすべて、カリウムに対して、素通しでユルユルの状態です。通過時にK40が崩壊しようが何しようが、抵抗はゼロで、全く問題ないでしょう。言ってみれば、敵(K40のことです)から見て、姿が見えない忍者のようなものです。忍術、隠れ身の術ですね。

一方、C14なんかは、ガチガチに、生体分子内に共有結合で取り込まれていますから、崩壊時に、生体有機分子の破壊または故障が起こりうるでしょう。しかし、これも無問題。なぜなら、C14が崩壊時に生体分子を故障させても、ほとんどはrecessiveな故障にしか繋がらないと考えられますし、なにより、ターゲットがランダムであり、生体内の他の分子が、全くもって機能をカバーしてくれるからです。忍術で言えば、分身の術と言ったところでしょうか。
イメージ 1

(忍者画像は「オンラインショッピング忍者衣装」様から拝借改変)





(追加注釈)もちろん、この節で、「C14やトリチウムが、自然内部被曝線源として、普通に存在する程度の量では、健康障害は起こらないだろう」とは書かせていただきましたが、言うまでも無く、量の問題です。

過剰量を細胞内に取り込んでしまえば、様々な悪影響が出現しえることは想定しておかねばなりません。
あくまで逸話的な余談になりますが、昔、岡崎令治さんという有名な分子生物学者がおられました。広島ご出身の彼の、「岡崎フラグメント」の発見は、細胞のDNA複製に関する当時の理論上の矛盾点と最大の謎を解決する、分子生物学上の金字塔で、教科書にも載っている大きな発見です。残念ながら、岡崎令治さんは、44歳という若さで、慢性骨髄性白血病で夭折されてしまいました。
岡崎令治さんの白血病は、広島の原爆で、「黒い雨」を浴びてしまったことが原因、という風に解釈する声が多いようです。ご本人も生前から、入市被曝のことを念頭に、自分はいずれ白血病で、、、と思っておられたような記載を、何かの記事で読んだことがあります。

ところで、岡崎フラグメントの発見もそうなのですが、当時の分子生物学実験で、細胞のDNAをラベルする際、大量のC14やトリチウムでDNAをラベルするのがひとつの重要な実験手技でした。上記のように、これらの放射性同位体は、DNAなどの生体分子に取り込まれますから、大量に細胞に入れてやると、都合よくDNAなどをラベルして可視化してやることができるのです。しかし、同時に、DNAも放射性物質により、変性・変異・断裂してしまいます。超大量にC14やトリチウムを用いる、あわただしく難しい実験、そういうものを激務の中こなしていくわけです。不慮の事故が起こらぬよう、岡崎さんも、学生さんには、これらの危険な実験は回避させていたそうです。

研究になじみの無い方にちょっと目安を書いておきますが、ほんのちょっと、ピペットの先に吸った微量の試薬で、簡単にギガベクレル、とかそういう単位です。自然界や日常の放射線源としてのC14やトリチウムでは起こり得なくても、実験の上では、簡単に、「超大量」の放射性物質による、不慮の事故、というのは起こりうるわけです。(私も若い頃、ほかの実験で経験があるのですが、ピペットで、実験の試薬を取り分ける際にも、ピペットの端を、口で吸引しながら、液体を取り分けることも、昔は珍しくは無い風景でした。今では考えられないほどの緩い安全管理ですが。

原爆に絡んだ被曝のことから、放射性物質の危険性を人一倍よく認識されておられた岡崎さん。若い人たちのために、放射性物質取り扱いの際の安全性に腐心されておられた、その心遣いを想像するに、岡崎さんの人柄が偲ばれます。

体内にもとから存在する程度の量なら全く問題ないが、間違って、大量に摂取してしまっては危険、ということです。


(4/10/2016):誤解を招きかねない表現となっていたかもしれませんので、「追加注釈」を補足させていただきました。


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書きかけですが、逐次加筆して参りたいと思います。よろしくお願いします。

2013/11/22(金) 午前 9:40 [ 大山敏郎(*) ]

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dai*o*y_0*04様
まずは、混乱を招いてしまい、申し訳ありませんでした。先ほど、dai*o*y_0*04様のブログの方に、コメントを残させて頂きました。今後とも、ご指導を賜る事が出来ましたら光栄に存じます。

2014/1/5(日) 午前 6:39 [ 大山敏郎(*) ]


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