内部被曝を論じるブログ

Bandazhevskyのデータを論じています。ご意見、間違い指摘などを頂けると嬉しいです。

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散々、QT延長症候群、というのを議論してきました。

いったい、QT延長のなにがまずいのでしょうか?
そういえば、以前、あるかたが、議論に乗ってきてくださり、次のような大事な意見を言ってくださいました。

「心臓なんて進化の過程で強固にできてるんだから、ごくわずかな細胞がダメになったからと言って、機能異常につながるようなヤワな臓器じゃないよ」 という感想をいわれた方がおられ、それはもっともだな、と思うのですが、

QT延長症候群というのは、心臓が「機能異常」を来たしたり、それだけで「脈が乱れたり」、している状態では決してなく、 QT延長だけで、個体がすぐに死んでしまうような状態ではない、というお話をさせていただきたいと思います。

むしろ、心電図上の、あるパラーメータであるQT時間が延長している、ということ以外は、自覚的にも他覚的にも全く無症状。 心臓も全く正常に機能している、という状態。

QT延長の何が問題か、というと、「安全マージンが少なくなっている状態」ということ、というのを、解説してみたいと思います。


生命体には、フィードバック機構というのがあって、何かの異常が起こったり、なにかの変化が起こったときに、これを、もとの状態に戻そうとする働きがあります。

これからの生物学で、もっと真剣に考えていかないといけないのは、こういった、フィードバックの「安定性」ということです。

たとえば、ハンディカムビデオに、「手振れ補正」という機能がついていますが、
これは、手振れによる、ブレ角度の情報を、メカがフィードバックを掛け、撮影のときに上手くブレがキャンセルされているわけですが、 何気なく使っている、こんなメカのこんな当たり前のフィードバックも、下手な設計をしたら、 ブレがキャンセルされるどころが、ブレが余計に大きくなったり、「発振」してしまったり、ということが起こります。 そうならないように、如何に、システムを安定にするようなフィードバックを掛けるか、ということを論じる学問があり、 「制御理論」と呼ばれています。

制御理論的には、(ちょっと乱暴な言い方を許していただければ)、フィードバックが「遅れる」ことは、安定性の余裕が無くなる、という言い方が出きます(附記参照)。




心筋細胞の、電位状態のことを考えると、上記に論じて来たカリウムチャネル、この場合にはKvLQT1と言うのは、膜電位の脱分極状態を感じ取って、 これを、再分極の側に戻そうとする、一種のフィードバック機構に携わる分子と見ることもできます。 外向きK電流IKsをオンにして、フィードバックを掛けているわけです。

再分極が遅れる、ということは、制御理論的に見れば、位相が遅れ、安定性の余裕が少なくなっている、ということです。 QT延長症候群、というのは、言ってみれば、安定性の余裕がなくなっている状態とも言えます。

勘違いされておられる方もおられるかと思うので、断っておきますと、QTが延長したからと言って、すぐに健康障害の状態が起こっているわけでもなく、 すぐに個体が死んでしまうわけでもありません。むしろ、心電図上、QT時間が延長していること以外は、自覚的にも他覚的にも、無症状と言っていいくらいです。

でも、システムとしての安定性の余裕がなくなっているので、ちょっとした刺激があると、
「不安定な状態」(この場合には、不整脈)に至るリスクが高くなっている状態、と解釈しておいてください。

ただ、一旦不安定な状態に陥ると、重篤な不整脈に通じることがあります。下記の図の、Torsades de Pointesという状態が、危険な状態です。


つまり、セシウム内部被曝は、ごく微量、体重50Bq/kgであっても、高率に、心臓伝道路障害を来たす可能性があり、Bandazevskyの明確なデータがある。他の疫学調査とも整合性があり、動物実験でも否定はされていない(私は個人的には、再現が取れている可能性があると感じます)。そして、重篤な不整脈を発症するリスクの高い状態を来たしている。

従って、食事からのセシウム内部被曝は、10B/kg以下を守らないといけません。食品、特に、主食の米は、厳格に検査し、福島の子供たち、日本のこれからの世代を、しっかりと、リスクから守ってあげて欲しいです。


イメージ 1
(他サイトからの転用です)


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