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誤解されやすいポイント ---------------------------------------------------------------- 外向きK電流が重要となる心筋再分極相(phase 2)では、外向きK電流用のチャネル(KvLQT1)が、微細なタイミング・コントロールを行っている。その他のKチャネル(特に内向き整流型KチャネルKir)は、これを邪魔しないように、絶対に閉じてなければならない。 ----------------------------------------------------------------- K-channelには、いろんな種類のものがあります。 大きな電流を通すもの、小さな電流しか通さないもの、整流機能のあるもの、ないもの。いろんなon/offの仕方をするもの。 それから、細胞内外のK濃度勾配について。 もしかしたらご存知の方も多いと思いますが、細胞内=高カリウム濃度、細胞外=低カリウム濃度、となっています。 でも、電位のことを見ると、細胞内には逆に陰イオンが過剰となっています(図のAというのが、陰イオンを指します)。 Kチャネルが仕事をするとき、我々が理解しておかねばならないのは、ちょっと語弊もあり感覚的な説明になって申し訳ないのですが、濃度勾配と、電位勾配の2つのdriving forceがあるということ。 細胞内には、Kが多く、細胞外には少ない。 だから、心臓の再分極時の外向きK電流、これは、KvLQT1チャネルがopenになれば、自然に、濃度勾配によって流れ出ていくだろう、というのは感覚的に分かってもらえると思います(図中のチャネルは、これに相当します)。 でも、別の見方をして、電位のことを考えてみます。実は、細胞内って、陰イオンが過剰で、電位的には、陽イオンを流れ込ませようとする方向も、また自然なんです。だから、内向きKチャネルなんてのもあって、(ある条件下で)自然に内向きにKを流すこともできるんです。(ここの説明は、本当は、正確にはKirなどに整流機能があるからでもありますが)。 上の方に述べた、KvLQT1対Kirの議論で、Kirがオープンで壊れたらどうなるか、という議論は、分かりやすく言うと、外にKを出そうと、みんなが頑張っているときに、ひとりそれと反対の行動をとって、全力でみんなの足を引っ張るチャネルがいたら作業が遅れるよね、という話をしています。 (余談)それから、これは近年わかってきたことですが、不思議なことに、Kirチャネルというのは、常にNav1.5というNaチャネルと挙動を共にしているのです。チャネルが生まれてから折りたたまれ、細胞膜に輸送され、役目を終えて分解されるまで、いつも一緒!大変不思議な挙動なのですが、心筋のイオンチャネルの開閉のタイミングを考えると、実に理にかなった挙動でもあることが分かります。そして、実は当理論を厳密に計算していく上で、この不思議な挙動が、イオンの流れを考えていく上で、とても大事な働きをしていると考えられます。詳しくは、後ほど議論してまいりたいと思います。
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