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<Kチャネルに「堅く嵌まり込んだ」状態で、Cs134/137が崩壊を起こしたら、どうなるか>
Csが、Kチャネル内でβ崩壊を起こしたときのことを議論してみたいと思います。 が、ちょっと疲れてきたので、映画の話でもしましょう。 「アルマゲドン」って映画を、見たことある人はいるでしょうか?小惑星が地球に衝突するのを回避しようと、アメリカのヒーローたちが頑張っちゃう映画です。 (他サイトからの転用です)
ヒーローたちが、小惑星を破壊するとき、表面ではなく、地中に穴を掘って爆弾を炸裂させたわけですが、 あのときの議論にも出てくるんですが、爆竹を手のひらの上で爆発させても、かすり傷一つ負わない。 でも、こぶしを堅く握り締めて、その中で爆竹を爆発させると、手が重症を負ってしまう、ということ。 (他サイトからの転用です)
わざわざ、石油掘削人をかき集めて、スペースシャトルを飛ばして、危険な小惑星に降り立って、地面に穴を掘ったのは、実は、そういうことだったんです。奥が深いですね。さて、セシウムとカリウムチャネルの話に戻りましょう。 Csイオンは、Kチャネルの内部(注)に、堅くはまり込んで、長時間居座っているんでしたよね? 火薬の爆発と、原子核崩壊を同列に扱うことは、一種のミスリードだと思うけれど、上記のメスバウアー効果のことを思い起こしてくれれば、 「堅く足場に固定されたとき」の、原子核崩壊が、古典的なの原子核物理の理論の延長線上には留まらない、興味深い挙動につながるということくらいは、予想できるでしょう。 話は変わりますが、オワンクラゲのGFPの話をして見ましょう。 下村脩先生が、GFP(緑色蛍光タンパク)を見つけたとき、イクオリンとGFPがFRET(フェルスター型蛍光エネルギー転移)を起こすんじゃないかと睨んで、混ぜてみたんだけど、 最初の実験では、ウンともスンともいわなかった。 でも彼はそこで、すこし深く洞察し、エネルギー伝達の足場として、 DEAE-dextranか何かを加えたんだよね。すると、ものの見事に、FRETが起こった。 あれなんかも見方を変えれば、足場固定がエネルギー伝達での非線形性の創出に大事だ、といういい例とも見ることができる。 (他サイトからの転用に手を加え作成しました)
実は、γ線の話のメスバウアー効果と、この、蛍光のエネルギーの伝達って、面白い関係にあって、メスバウアー自身も、メスバウアー効果の発見の実験の際には、蛍光のメカニズムを、よく、引き合いに出していたそうです。前者は、原子核の共鳴現象、後者は、電子雲の共鳴現象、と考えれば、その類似性に、先達も気が付いていたのですね。 という風に、元素の挙動の違い、というか、生命体分子(この場合はKチャネル)から 見たときの、K40とCs134/137の「見え方の違い」というのを考えると、
冒頭に書いたように、 K40は、一切障害なし。内部被曝にカウントする必要すらない、(少なくともKチャネルに対する影響は)。 Cs134/137はKチャネルに与える影響あり。 という意見も、一つの可能性としては、考えておかねばならない、と思うわけです。 Kチャネルの開閉部がガチガチに開かれ、デカイCsイオンに嵌まり込まれ、グリグリと押し広げられたような状態で、崩壊が起こり、何らかの結果として化学反応が促進する。 やはり、崩壊時のイベントの結果、チャネルがopenな状態に固定されるようなモデルは、想定してもいいんじゃないかなあ。 どんな化学反応になるのか、、、さすがに、化学に詳しくないんで、ちょっと予想が付かないけれど。 不安定なCs/Baが触媒みたいに働いて、分子内の可動部のヒンジみたいなところでアミノ酸残基のフリーの側鎖どうしで反応が起こるとかでしょうかね。(その後、少し考察を進め、どの位置で反応が起こりそうか、起こった際の影響を具体的に詰めています。全体的な理論を定量的にサポートする反応は起こりそうだというのが現時点での個人的感想です) (他サイトからの転用に手を加え作成しました)
以上をまとめると、ごく微量のセシウム内部被曝で、ごく微量の、ある種のカリウムチャネルが、オープンの形で壊れる、というモデルを可能性としては想定しておくべき、というのが結論です。 次に議論するのは、では、いったい、その極微量のカリウムチャネルの異常で、心臓の伝道系に問題を来たしうるのか?というのが、テーマです。 <<次に進む>> <<最初に戻る>> (11月/2015:注) その後、考察の練度とともに、若干の修正を加えました
(4/15/2016:注) Kチャネルの、どこにはまり込みやすいか、どのような変化が実際に起こると考えられるのかに関しては、現在記事を執筆中です。 |
日記
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さて、基本事項をある程度確認した段階で、放射性カリウム(K40)と、放射性セシウム(Cs134/137)の違いについて、話を戻してみましょう。
説明したいテーマは、K40=無害、Cs134/137=有害、というインパクトの差が生じ得る可能性に関する議論です。 <<K40がβ崩壊を起こす際のことを考えてみる>> 言うまでも無く、K40のβ崩壊は K40-->Ca40 + e- + ν- まずは、細胞質内で起こったら、という思考実験。 前のページに述べたように、自由水に緩く囲まれた、この「緩い」状態では、おそらく、崩壊時に「反跳」でエネルギーを獲得しても熱エネルギーとして消費し、あまり効率よく他分子に影響を与えることもなく、効率的に水分子を電離することもないだろうが、 たとえ、低い確率で水分子を電離してラジカル生成しても、細胞内にはSODという無毒化酵素がたんまりあるので、 すぐに無毒化されるはず。たぶん、生体内にあるK40の量程度では、まったく細胞はダメージを受けない。 一方、Kチャネル通過時に崩壊が起こったときの思考実験。 いってみれば、自由水分子に囲まれているのと同じような「ゆるい」状態のK40イオンが、イオンチャネル通過時に 崩壊を起こしても、やはり、反跳にエネルギーを消費して、K40原子がCa40に変化したところで、K-channelに与える影響はごく少ないだろう、と予想できる。 あ、そうそう、ちょっと違和感を覚えられる議論だと思うので、説明を補足しておきます。
もう一度確認しますが、K40のβ崩壊は K40-->Ca40 + e- + ν- ですね。 生成するe-や ν- の方ばっかり見ると、これがどこに飛んで行こうが、飛んでいく先の相手分子・原子に与える影響なんて、 一旦e-やγが生成した時点で、どの核種も(K40もCs134/137も)同じだろとなりますよね。 (これが、従来の考え方です) でも、こここでは、残されたK40(Ca40)のことに関して、注目しながら、議論をしていってみたいとおもいます。 Csの例を挙げるときに、もうすこし詳しく議論してみます。 話を、Csに切り替えましょう。 <<KチャネルはCsイオンに対して、全く別の認識をする>>
語弊はありますが、Csって、食物連鎖的には、ほぼ無視していい元素です。言ってみれば、希少元素なんです。 だから、哺乳類にはCsチャネルというのは存在しない。神様が設計する必要を感じなかったからです。 じゃあ、生命体細胞はCsイオンを取り込まない、となってくれりゃ、原発事故の心配事も少なくてすむんですが、残念ながら、(乱暴な言い方をすると)Kイオンと誤認識されて、細胞内に取り込まれてしまうんですね。 この時に、Kチャネル(など)が関与する、と考えられています。(実際には取り込みは、「ポンプ」と呼ばれるの分子が主因と考えられていますが) ところで、KイオンとCsイオンがKチャネルを通過するときに、決定的に異なる、あるひとつのパラメータがあります。 通過時間です。 (注1:下記補足説明) 上に書いたように、Kイオンは、ほぼ時間ゼロでKチャネルを通過するが、Csイオンは、通過時間がめちゃめちゃ長いんです(ref)。Kチャネルの中でもKirと呼ばれる一部のグループに関しては、実際に嵌り込んでロッジします。(注2) ちなみに、Csイオンがロッジする生命体分子は、Kチャネル系分子だけだ、と考えられています。 少し、詳しく補足してみましょう。 細胞質内にフリーで浮いているときのCsイオンが自由水和水に囲まれているのはKイオンと同じです。
前に書いたように、Kイオンにしても何にしても、チャネルをくぐろうとするとき、この自由水和水を「脱ぎ捨てて」、 替わりにチャネル構成アミノ酸残基側鎖のチャージを「身に纏う」ことになっています。 だから、フリーのイオンの状態での水和水の配列と、イオンチャネルのアミノ酸のチャージの配列が、完璧にマッチしていないとマズイ、というのは説明しましたね。 (Naイオンが、サイズが小さいにも関わらず、絶対にKチャネルをくぐれない理由です) さて、Csイオンの問題は、K-channelの開閉部をくぐろうとしたとき、その水和水の空間配列のピッチが、Kイオンのそれとは、 かなり異なるわけで、だから、特にKirチャネルと言われるグループのKチャネルには、「嵌まり込ん」で、堅くロッジしてしまう。 (注2) CsイオンはKチャネルに、長時間、「堅く嵌り込んで」そこに居座り続けることになる。 次に考えるべきこテーマは、もうお分かりとおもいますが、 <Kチャネルに「堅く嵌まり込んだ」状態で、Cs134/137が崩壊を起こしたら、どうなるか> (注1:4/15/16補足) 当初の記事では、『Kチャネル一般に関してすら、KイオンとCsの挙動は異なるのだ、出てくる放射線だけでなく、放射性物質の「物性」を考えることが肝要なのだ』、ということを強調するために、(なるべく正確な表現を期すあまり)、Kチャネル一般に関して、「通過時間が異なる」という表現をしました。ここには語弊があります。この段、また、全体を通しての解説上、当初より、議題のKチャネル、強調すべきKチャネルは、Kチャネルの中でも、Kirチャネルと言われるグループのチャネルです。これは、このブログを書き記すずっと前2011年震災後に、当理論の端緒を考え付いた時から不変です。このサブグループのチャネル(Kir)の多くに関しては、Csイオンは、通過時間が長くなるどころか、内部に嵌まり込んで、硬い結合をします。当初より、当理論で扱っているのは、この、結合状態で起こるCsの崩壊が重要という理論です。実は、この記事の次の次の記事(「単一チャネル考察」)まで、ネタを引っ張りたいがため、この記事と、この次の記事においては、当初わざと、「Kirというサブグループこそが核心」というネタバレを避けようと、Kチャネル一般にあたかも言及するかのような曖昧な記述に、意図的に、終始しておりました。訪問者の方々が、記事を順番に読み進めていってくださるだろうと思った上での話の運び方を考えてのことでした。最後まで読んでいただけると、当初の記事でも、誤解無くKirが重要ということは伝わると思うのですが、この記事だけを拾い読みされるであろう、一部の方には、このあたりのニュアンスが捻じ曲がって伝わってしまっていたかもしれません。改めて、Kirに嵌まり込むことが焦点なのだ、ということをこの記事でも補足いたしました。)
(注2:4/15/16補足)上記の通り、当初より、間違った表現というわけではありませんでしたが、誤解を避けるため、より正確な記述に修正しました。
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同じ同族アルカリ金属元素のNaも、Kも、Csもデジタルな認識わけをできる、というのが、生命体の基本です。まずは、これを解説します。
元素表を見てましょう。 (他サイトからの転用に手を加えました)
一番左にあるNaやKやCsは、「アルカリ金属元素」とよばれ、化学的性質や、物理学的性質が非常に似ています。 多くの化学反応においては、NaやKといった、同族元素はほぼ100パーセント置換可能な反応が多いのにもかかわらず、 「進化」の過程で、生命体の中の分子というのは、同族元素の認識わけができるようになった。これが、生物を理解するときに、化学や物理だけの知識では足りない、ひとつの所以です。 つぎに、なぜ、とりたてて、こんなことを解説しているのか? それは、生命体の細胞にとって、NaやKというのは、とても大事な働きをしているからです。 生物の細胞は、細胞膜という脂質の膜で囲まれていて、ちょっと乱暴な言い方をしますが、電荷を帯びたイオンは、通常この膜を通過することはできない。 それでは面白くないんで、神様は、イオンチャネルという分子を設計してくださって、NaイオンやKイオンが、選択的に、細胞内外に、膜を超えて、行き来できるようになりました。(神様なんて言葉をつかっていますが、進化の過程で、そういう生命体分子を獲得した、ということです) イオンチャネルというのは、特定のイオン(NaチャネルならNaイオン、KチャネルならKイオン、など)を、選択的に、細胞膜内外に通すことのできる通路のようなものです(下の図)。目的に応じて、自由自在にこの通路を開いたり閉じたりすることで、いろんな重要な機能を果たしています。 (他サイトからの転用に手を加えました)
そのおかげで、細胞内外のイオン濃度勾配というものを創出できるようになりました。 言ってみれば、生命体の細胞が電池として機能することができるようになり、言ってみりゃ、電池の充電、放電を繰り返して、細胞は機能しているわけです。 で、その電池にの充放電に関わる、ひとつの分子について、説明&確認しておきたいと思います。 Kイオンを選択的に通す、Kチャネルというものに関してです。断面図を描くと、次のとおり。真ん中のチャネルを通って、Kイオンが細胞内外に行ったりきたりします。いろんな種類のKチャネルがあります。 (他サイトからの転用です)
まず、第一の重要事項。Kチャネルの面白い性質にかんして。 <<<KイオンがK-channelを通過するときは、抵抗ゼロ、時間ゼロで通過し、フリーの水分子に囲まれているときと挙動が変わらない>>>
K-channelの3次元構造解析で2003年にRod MacKinnonがノーベル化学賞をとってるんですが、 なぜ、彼の仕事があそこまで評価されているか、というと、 前にも書いたように、NaイオンとKイオン、これは(CsとKの類似と同じように)同族アルカリイオン金属で、 物理的にも化学的にも、ほぼ100パーセント置換可能な反応が多い、ごく似通った元素であるにもかかわらず、 生命体のK-channelは、絶対にNaイオンを通さない。Naイオンのほうが、サイズが小さいにも関わらず、です。 これを、K-channelの「高い選択性」と言います。 一方、Kイオンは、フリーなポアと同じようにこのチャネルを素通りできる。抵抗ゼロ、時間ゼロで通過します。 これを「高い通過性」と言います。 この、どう考えても、矛盾してしまう「高い選択性」と「高い通貨性」をいう設計要求を、如何に生命が達成することができたのか、 その難問に答えたのが、MacKinnonの仕事です。 もう少し、詳しく書いてみることにします。 生体内のKイオンは、細胞内にあるとき、ほとんどの時間、8個の水分子に囲まれて過ごしています。 その水分子も、ゆるーい、「水素結合」で、Kイオンを囲んでいるだけ。 (他サイトからの転用に手を加えました)
一方、KイオンがK-channelを通過するときの挙動に関して。 Kイオンは、抵抗ゼロ、時間ゼロで通過していく。なぜか? K-channelの開閉部、イオン選択部にある アミノ酸の3次元構造上でのチャージが、8個の自由水分子にKイオンが囲まれていたときと全く同じ配列だから。 Kイオンにしても、何にしても、イオンチャネルを通過する際に、それまでまとっていた、自由水分子を「脱ぎ捨てて」、イオンチャネルの構成アミノ酸残基側鎖のチャージを「身にまとう」ことになっています。 だから、この、イオンチャネルの構成アミノ酸のチャージのピッチが、完璧に、自由水分子のピッチと一致していないとまずいわけです。 (他サイトからの転用です)
では、よりサイズの小さい、Naイオンは、このKチャネルをくぐれるのだろうか? Naイオンの自由水分子の配列を比較してみましょう。先ほどと同じように、上から見た図です。 (他サイトからの転用です)
ごらんのように、ピッチが違います。これが、Naイオンが、サイズが小さいにも関わらず、Kチャネルを絶対にくぐることの出来ない理由です。 実際に、無理にNaイオンとKチャネルを混ぜて、その3次元構造をしらべると、イオンチャネルが「虚脱」して潰れてしまうという結果が分かっています。 まあ、この辺は、英語に自信のあるかたは、実際のMacKinnon先生のレクチャーを視聴してみてください。生命体分子の面白さに、感動すること請け合いです。 http://www.nobelprize.org/mediaplayer/index.php?id=550 では、問題のセシウムはどうでしょうか。 もう、予想のついている方も多いとは思いますが、それは、後ほど述べます。 <<次は、Kチャネルから見たときの、KイオンとCsイオンの決定的な違いについて>> <<最初に戻る>> |
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一般論として、非放射性であろうが、放射性であろうが、セシウムという元素(Cs)が、生体内で、カリウムチャネル、という生命体分子にくっつき、影響を及ぼすのは、我々基礎医学者にとってみれば、常識中の常識で、日常的に、医学実験で頻繁に使う手法です。私自身も、原発事故前から、よく細胞に、セシウムを振り掛けていました。ただし、私などが日常的に使用していたのは、「非放射性の」セシウムで、放射能をもっていないセシウムです(これをコールドのセシウムと言います)。一方、放射性のセシウム(Cs/134/137)のことを、ホットのセシウム、などと呼びます。
前置きが長くなりましたが、従って、原発事故後の放射能汚染でセシウムのことがニュースになった瞬間に、おそらく、多くの医学者が、カリウムチャネルのことに思いが至った事と思います。 「放射能」と聞けば、多くの学者は、すぐにDNAの障害、と考えを馳せ、それはとても大事な考え方なのですが、生化学的には、放射線でDNA以外の生体分子がradiolysis(放射線による分子切断)を起こすのは、よく知られた実験事実なので、ここでは、タンパクである、カリウムチャネルにかんして、議論して見ましょう。 前置きに書いたとおり、カリウムチャネルが、何らかの形で影響をうけたら、どういう影響がでるのか?と、放射性セシウムと聞いた瞬間に、懸念するのは、自然な成り行きで、多くの学者が、カリウムチャネルの異常で起こる人間の病気、というものに思いを馳せたに違いありません。面白いことに、各種のカリウムチャネルの遺伝子変異や異常で、「QT延長症候群」という、ある大事な心電図異常がおこることが分かっており、逆に、QT延長症候群の多くは、カリウムチャネルの異常で起こります。 <<他サイトからの転載>>
さて、問題はその先の考え方です。 この議論の結論を先に書いてしまいますが、「ごく微量の放射性セシウムで、ごく微量のカリウムチャネルが、オープンの状態で壊れる」というモデルが想定できる」ということです。 逆に、普通のセシウム(コールドのセシウム)では、クローズの状態にしているだけ。 次回の議論で取り上げることなのですが、世の中の識者の中にはこの2つを全く区別していないために、「弱い化学毒性」と、「内部被曝毒性」の区別がつけられていないという考え方もあるかと思われます。 では、解説を進めていきます。目標は、放射性セシウムで、カリウムチャネルが、オープンの状態で壊れると予想される、というテーマの理解です。 では、続けて、カリウムチャネルというものにかんして基本的事項の解説をしたいと思います。 <<次に進む>> <<最初に戻る>> |
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現行の放射線障害理論の背景にある物理学法則として、どの各種から出ようが、α線はα線、β線はβ線、γ線はγ線で、それぞれの放射線の電離能の強さこそが大事で、これによって、ターゲットに与えるすべての影響がきまり、どの元素、どの各種から出る放射線かは、一切関係ない、というドグマがあります。
つまり、カリウムの放射性同位体であるK40から出るβ線も、セシウムの放射性同位体であるCs134/137から出るβ線も、多少のエネルギーの差こそあれ、全く同じβ線であり、生物に与える影響は、まったく変わらない、という主張です。 ここでは、その他の可能性を、考えてみたいと思います。 簡単に結論を書きますと、「内部被曝として考える際には、カリウム40 (K40)は、全く無害。内部被曝量にカウントする必要すらない。一方、セシウム(Cs137/134)は有害、というゼロ・イチというデジタルな差がある」という可能性が、考えられる、というテーマです。 現行の理論を信じている方には、強いアレルギー反応を起こす考え方だとおもいます。 ひとつひとつ、丁寧に解説してみたいと思います。 まず、私が述べておかねばならないのは、現行の核物理学法則というのは、放射性元素が「気体」のときの観測・実験データをもとに、理論が作り上げられていて、放射性元素が固体中に、堅く固定されているときに崩壊をおこしたときに、どのような挙動をとるのか、また、その際の周囲の原子・分子に与える影響はどのようなものなのか、というのは、ほとんど手付かずの分野である、という点です。 手付かず、と申しましたが、じつは、ほんの少しだけ、とても面白い現象が分かっています。 Moesbauerというドイツの学者が発見したメスバウアー効果、メスバウアー現象というものが知られています。 (付記に少し解説をしておきました) (他サイトからの転用です)
γ線核種が、足場のない自由空間でγ崩壊を起こすと、崩壊後の原子核は、反跳エネルギーで運動エネルギーを獲得し、熱エネルギーとして消費して、それでおしまい。 出てきたγ線も、反跳エネルギー分減少しています。同じ核種の原子核が近くにあっても、γ線がそのターゲット原子核をヒットする際にも、反跳エネルギーをロスしますから、これを再び励起することはありません(エネルギーが少なくなっているから、原子核を励起するに足りない)。 ところが、線源側、ターゲット側の原子核が、固体(結晶)に固定されていたら、反跳エネルギーをロスすることは無く、ターゲット側は結晶全体がエネルギーを吸収します。γ線で共鳴現象が起こっているわけす。結果的に見れば、線源が固体中に固定され、ターゲットが固体中に固定されていれば、原子核から原子核へ、γ線エネルギーを系の外に出さないで、エネルギーの伝達が行われている確率が存在する、と解釈できる、ユニークな現象で、通常の気体状の原子核をモデルとした原子核物理学の、それまでの古典的な核物理学の観察現象などからは逸脱した挙動です。 通常の、気体のときの放射性元素の崩壊が、自由空間でγ線をだし、自由空間でターゲットをヒットするモデルでは、γ線共鳴は、物理学法則からは起こり得なかった。ところが、線源もターゲットも固体中に固定されていれば、ユニークな現象が実現した。 この共鳴現象は、メスバウアー分光、として、元素のスペクトル解析として、広く応用されています。 次項では、この、「原子核が堅く固体中に固定されたときに示す、非線形的な挙動」の例である、メスバウアー現象に助けをかりて、生命体内での、K40と、Cs134/137の挙動の違いについて、理解を進めてみたいと思います。 雑感ですが、この分野は、まだまだ、その他の条件で線源やターゲットが固定されていたときにどのような挙動になるのか、とか、近接固体中に線源とターゲットが隣接存在したら、さらにどうなるのか、とか、共鳴のために原子核励起エネルギーが金属原子のようにそろっていない場合たとえば有機化合物結晶ではどうなるのか(特に隣接時)、観測時にはスペクトルの特定波長成分がしっかりと変化しなければ検出できないため共鳴というパターンでのエネルギー伝達のみ理論化されているかもしれないが波長がそろわない不規則なエネルギー伝達はないのか(特に近接時には)、β核種ではどうなるのか、特に隣接時に波動性質よりも粒子性が高くなると共鳴を飛び越して近接分子破壊が効率よく起こる可能性はないのか、ニュートリノでは、とか、いろいろな興味は尽きない思いを個人的には抱いています。 残念ながら、今の放射線医学の教科書的理論に使われている核物理学法則のモデルは、線源も、ターゲットも、フリーの空間での挙動を想定しています。実際には、放射性物質は、元素として生体細胞内に取り込まれるような場合には、生体内分子と、さまざまな結合、相互作用をしているのは当然で、少なくとも、薬理学的実験から、それぞれの核種の元素が、どの生命体分子と結合するか、ということは、ある程度予想がついているわけです。したがって、ある種の内部被曝では、言ってみれば、線源とターゲットが互いに固定され、しかも隣接しているという条件が成立しているわけです。 雑感が長くなりましたね。 <<次はカリウムチャネルというものに関して解説したいと思います>> <<最初に戻る>> --------------------------------------------------------------- (2013年後半頃:追加補足)結局、ある程度の考察を終えて見返してみると、次々々頁に述べていることなのですが、 (1) 線源とターゲットが互いに堅く固定(含む:その固定時間) (2) 近接(隣接) (3) 放射性元素の崩壊時に起こる配位座の変化 などが、今までの放射線医学、放射線障害理論で扱われてこなかったパラメータで、これらが、放射性元素の「物質」としての生命体分子への影響を考慮する際に本質的になって来る条件なのでしょうね。物理学以外に化学や生化学的な見方が必要だという観想を抱きました。さらに、その生命体分子異常が臓器ひいては個体にどのような影響を及ぼすか、という部分は、生化学・生理学・解剖学・内科学など、多岐にわたる考察が必要だった、という感想です。 以下では、この、物質としての、放射性元素の影響を論じて行きますが、放出された放射線による影響に関しても、医学的な見地からは、現行の理論に関しては、少々議論しておかねばならない点が多くあり、後ほど議論してみたいと思っています。 やはり、従来理論の、物理学オンリー、しかも特定の条件のみの物理学理論だけで成り立った旧来理論では、リスク見積もりが正確に行われているかは、非常に不確定と言わざるを得ないと思っています。 |







Cs137-->Ba137m + e- + ν-
Ba137m-->Ba137+γ
ですよね。
普通の学者は、e-やγのことだけを論じます。教科書に書いてあるとおりです。
でも、私なんかは、残されたBaの状態を見てあげたいなあ、と思うわけです。
e-の放出時の反跳で運動エネルギー(熱振動)も獲得してるし、γ線も放出する(メスバウアーを思い出して)。
現段階では可能性だけの議論ですが、
1.Cs+ --> Ba++ に変わったとき、本来の水和水の配置とその結合の強さが当然かわるだろうから、その変化が、「ガチガチにはまり込んだKチャネルの開閉部」への化学反応の触媒的役割になっていないか、という可能性。
2.メスバウアー効果のたとえが正確かどうかは分かりませんが、β崩壊直後にγ崩壊も起こすので、「共鳴」とまでは行かずとも、K-channelの特定部位にエネルギーを効率よく(フリーの空間での作用に比べて)行っている可能性。
3.足場固定された固体中でのβ崩壊に関しても、メスバウアー効果に似たような、効率よいエネルギー伝達の可能性はあるんじゃないか。
等々。