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字幕映画のススメ

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空を真っ赤な血の色に、そめて夕陽が沈む時、
あのさすらいの口笛に、死人の臭いをかぎつけた
ガンを片手のまよい犬!

さあ「ドル三部作」もラストでおます。
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オレ、汚ねえヤツ(HK)
オレ、悪いヤツ(HK)
オレ、イイ人(GH字幕)

『続・夕陽のガンマン 地獄の決斗』(1966・伊)
Il Buono, il Brutto, il Cattivo

セルジオ・レオーネの第三本目に中る西部劇。
製作はアルベルト・グリマルディで
脚本はレオーネとルチアーノ・ヴィンチェンツォーニ
フリオ・スカルペッリの3人で書き上げた
南北戦争を背景に欲に駆られた3人の男たちが
南軍の軍資金を捜しあて、奪いあう物語になっている。
トニーノ・デリ・コリが撮影を担当して
特にラストの決闘のカメラワークが優れている。
音楽はエンニオ・モリコーネで一度聴いたら忘れられない
メイン・テーマ曲やもはやモリコーネのライブラリーでは
ベストと呼ばれている「黄金のエクスタシー」(L'Estasi Dell'Oro)
からラストの三角決闘のテーマ曲「トリオ」(Il Triello)が
効果を盛り上げる。モリコーネの音楽は前もって完成しており
撮影シーンでそれぞれの曲を現場で流して進行された。
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主人公はクリント・イーストウッド(ブロンディー)
前作に引き続きリー・ヴァン・クリーフ(エンジェル・アイ=伊版ではセサンテ)
そしてジャン・マリア・ボロンテはミレーユ・ダルクとデキてしまいパリへ行ったきり
でもうひとりの悪役はイーライ・ウォラック(トゥーコ)が選ばれた。
スタッフはウォラックがアクターズスタジオ出身だったので猛反対したが
セルジオ・レオーネと意気投合してトゥーコのキャラはほとんどウォラックが
レオーネにアイデアを出して決定したものだった。
クランクアップ後ポストプロダクションの時に英語版ダビングは
ニューヨークで開始された時にイーストウッドは現場に現れなかった。
それはあまりにも英語版台本が酷いものでイーストウッドとウォラックは
シナリオの台詞を考え手直しをしたのがレオーネが気に入らなかったからだ。
当時はイーストウッドは焦っていたからで、「ローハイド」は終了してしまい
イタリアで完成して世界中で大ヒットしていた『荒野の用心棒』『夕陽のガンマン』
はアメリカでは公開していなかったからだ。これが失敗すると彼の俳優人生が
狂ってしまう。これがレオーネと袂を分けた理由となった。

ストーリー自身はイーライ・ウォラックのトゥーコが中心に展開する。
完全版には彼の仲間と再会するシーンや修道僧になった実兄と再会するエピソード
が付け加えてあり、劇中の台詞もトゥーコがいちばん多い。

物語は南北戦争末期が舞台となり武器もお馴染みのコルトSAAは登場せず
コルトM1851・ネイヴィー(ブロンディー、トゥーコ)レミントンM1858(エンジェル・アイ)
の旧式パーカッションタイプの拳銃を使用している。
(パーカッションではなく金属薬莢の実包を使うショットが劇中にあるが)


制作費160万ドル(実際は120万ドル)エキストラ1500人
砲撃で破壊される町や橋の爆破シーン(大きな橋をまるひとつ吹き飛ばす)
数千の墓石が並ぶ巨大墓地など大型セットにかなり制作費を割いている。


南北戦争も末期の西部に3人の悪党が居た。
エンジェル・アイ(クリーフ)はジャクソンという男が隠した
20万ドルの金貨のありかを探していた。ジャクソンはビル・カーソンと名乗っているらしい。
彼は依頼を受ければ誰でさえ殺す冷酷な男だった。
その頃、お尋ね者のトゥーコ(ウォラック)は裁判に掛けられ縛り首になった。
だが処刑の際にライフルでトゥーコの首のロープを切って
逃がした男がいた。彼はブロンディー(イーストウッド)は実は
トゥーコと組んで彼を捕まえては賞金を騙し取り、縛り首の時に逃がしていた。
「人間には2種類いる。首に縄を掛けられる奴と切る奴だ。
縄を掛けられる役は俺がやる。命懸けだ。分け前は多くもらうぜ。」
「だけど縄を切るのは俺だぜ。俺の分を減らせば狙いが外れるかもな?」
「撃ち損じたら承知しねぇ。俺を裏切る奴がいたら俺の怖さを教えてやる」
だが、ブロンディーはコンビ解消を切り出し、トゥーコは放り出されてしまう。
怒ったトゥーコは昔の仲間と組みブロンディーを殺しに行くが
北軍の砲弾が落ちてきたためブロンディーに逃げられるが
遂にブロンディーを捕らえる。砂漠を歩かされる瀕死のブロンディー。
そこへ南軍の馬車がやって来るが、中に居た兵士の最後の言葉を聞いたのはブロンディーだった。
死んだ男はビル・カーソンといい金貨の在り処をつぶやいてこと切れた。
トゥーコは20万ドルの在り処を知ったブロンディーを死なせては大損だと
修道院に連れて行き彼の看護をする。そして乗って来た南軍の馬車で
南軍兵士に化けて金貨のある場所に行く事を企てるが、途中で北軍の兵士に
捕らえられ捕虜収容所に送られるが、そこに居たのは北軍の将校になっていた
エンジェル・アイだった。エンジェル・アイは在り処を知っているブロンディと
組み、金貨のある墓場へ向かう。トゥーコは別の収容所に列車で送られるが
護衛を殺して逃走して、ブロンディーの後を追う。そしてブロンディーと
合流してエンジェル・アイの手下を皆殺しにしてふたりして墓場へ行く。
そこへエンジェル・アイが現れブロンディーはここで決闘して生き残った者が
金貨を独り占めにできる事を提案して石の裏に金貨のある墓石の名を書く。
そして3人が息詰まる三角決闘・・・銃が火を吹いた。倒れたのは
エンジェル・アイだ。トゥーコの銃は弾が出ない、それはブロンディーが
弾を抜いてあったからだ。ブロンディーは10万ドルずつ山わけしたが
トゥーコを十字架の上に立たせて木にロープを架け、トゥーコの首に
ロープを巻いて馬で走り去った。もう十字架の上で立てなくなったトゥーコは
足を滑らした。その時ライフルでトゥーコの首のロープを切ったのは
ブロンディーだった。トゥーコは地面に落ち金貨の袋に顔を埋めた。
「おい、ブロンディ! このくたばり損ない野郎!
てめえなんか、犬に食われちまえ〜! 」

(1967年12月30日公開 ユナイト映画配給)

オリジナルは179分(186分版も存在するという)
アメリカ公開版は161分で2003年に179分版にDVD化された
時にイタリア版にしかなかったシーンを復元したが
英語音声が無かったためイーストウッドとイーライ・ウォラックの本人たちが
台詞を新たに吹き込んだがウォラックは1966年当時の声と
2003年の声は全く別人とも言える声だった。

この映画の大ヒットで(アメリカでもユナイト配給で大ヒットした)
3人組で行動する西部劇が多く作られた。
『黄金の三悪人』『黄金無頼』『荒野の三悪党』など

クエンティン・タランティーノも熱狂して今まで見た映画のベストの1本に加えている。
アメリカでの大成功でイーストウッドは凱旋して『奴らを高く吊るせ』に主演して
スター街道を走って行った。セルジオ・レオーネもパラマウント映画の誘いに
乗り念願のヘンリー・フォンダ、チャールズ・ブロンソンらの出演で
オールアメリカロケの『ウエスタン』を製作することになった。

モリコーネのテーマ曲がアメリカでヒットしたのはサントラ盤ではなく
何と意外なことにウーゴ・モンテネグロ楽団のカヴァー盤だった。


韓国の2009年の『グッド・バッド・ウィアード』は
題名どおりこの作品を元ネタにしている。
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PEA製作
コンスタンティン・フィルム
 
監督: セルジオ・レオーネ
製作: アルベルト・グリマルディ
脚本: ルチアーノ・ヴィンチェンツォーニ
   フリオ・スカルペッリ
   セルジオ・レオーネ
撮影: トニーノ・デリ・コリ
音楽: エンニオ・モリコーネ

クリント・イーストウッド
リー・ヴァン・クリーフ
イーライ・ウォラック
チェロ・アロンゾ
マリオ・ブレガ
ルイジ・ピスティッリ

テクニカラー
テクニスコープ(1:2.35)
179分

メイン・テーマ


黄金のエクスタシー(モリコーネ・オーケストラ)

米版トレイラー(UA)

  • イーストウッドはタバコ喫えなくてレオーニに
    勘弁してくれませんか、と軽く拒否したけど
    アホか、前と同じ役なのになんでキャラが違うんや
    と言われたそうな

    ところで、悪くて汚い奴って最悪じゃん!
    お褒めいただきありがとうございます!

    [ HK ]

    2010/3/2(火) 午前 10:19

  • 顔アイコン

    こんばんは。
    昔テレビで観た時は2時間枠に編集されていたので、後に三時間程の大作と知った時は驚きました。
    ウォーラックの役は間抜けで粗野な悪党といった感じでしたが、実兄とのシーンでシリアスな面も持った人物であるというキャラになって、人間の複雑さや深みが加わったという意見もあるかもしれないですが、個人的には必要なシーンかな?と思います。

    メタリカ、ライヴのオープニングにもこの作品の音楽を流していましたし、マカロニのフレーズがちょこっと忍ばされている曲もありますね。
    ちなみにギターのカーク・ハメットは日本の漫画やアニメが好きなんですよね。

    [ - ]

    2010/3/2(火) 午後 11:17

  • 顔アイコン

    HKさん
    >ところで、悪くて汚い奴って最悪じゃん!
    最高の賛辞でしょ、気に入ってるみたいだね。

    レオーネとはイーストウッドはこれを最後に
    決別したけどアカデミー監督賞受賞作『許されざる者』
    にはちゃんと「ドン(シーゲル)とセルジオに捧ぐ」と
    メッセージが入ってましたな。

    GH字幕

    2010/3/3(水) 午前 0:34

  • 顔アイコン

    bigflyさん
    俺的には日曜洋画劇場で最初に放送された
    バージョン(二時間半枠:正味約123分)が
    ちょうどいい長さかな。
    ウォーラックの吹き替えをやった大塚周夫さんの
    アテレコが最高でした。
    ねずみ男の声で「ごめんなさ〜い!」とわめくのは
    オリジナルに無かった名台詞でした。
    ちなみにイーストウッドは山田康雄です。書くまでも無くですが。

    GH字幕

    2010/3/3(水) 午前 0:40

  • サントラ好きって偉そうにいいながら…
    ドル三部作 テーマしか押さえてないという状態
    そろそろアルバム聴いてみますわ

    ジュリアン

    2010/3/3(水) 午後 0:32

  • オレ、汚ねえヤツ(HK)
    オレ、悪いヤツ(HK)
    オレ、イイ人(GH字幕) あはははw

    いきなり笑ってしまいましたw
    『グッド・バッド・ウィアード』も面白かったですけど、この作品テレビで観てかなりテンション上がりましたよ〜
    裏話も知ることができて感謝です ^^

    恋

    2011/2/5(土) 午前 0:06

  • 顔アイコン

    オレ、汚ねえヤツ(HK)
    オレ、悪いヤツ(HK)

    これは事実です。本人は絶対否定しますが
    客観的に考えても揺ぎ無い事実なんだから! 恋さん

    GH字幕

    2011/2/6(日) 午前 1:12

  • 揺るぎない議論はまだ続いているようで、楽しく拝見させて頂いております ^^
    今回、初めて3時間近くのオリジナルを観ましたけど、いや、やっぱりこっちだと満足できちゃいますね〜♪
    あの実兄とのエピソードは、ちょっといいシーンでした。
    これはやっぱり私には大事な作品です ^^
    トラバさせて下さいませ。

    恋

    2011/2/21(月) 午前 8:00

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