ここから本文です
字幕映画のススメ

書庫アルジェント

記事検索
検索

全2ページ

[1] [2]

[ 次のページ ]


イメージ 1











イメージ 10

前回の7.2CHで紹介したダリオ・アルジェントの『サスペリア』(1977)
日本では1977年の夏に『決してひとりでは見ないでください・・・』の
キャッチコピーが当たって興収12億円を超える大ヒットしたホラー映画。
そのヒットで全く物語と関係ないアルジェントのジャッロ映画
「赤い深淵」を東宝東和は『サスペリア PART2』と邦題を付けて
翌年に公開した。本来は『サスペリア』の前に製作されていた作品だが
これはイタリアでも評価が高く、ジャッロ映画としても良く出来た作品だった。
『サスペリア』で採用された音響装置「サーカム・サウンド
これは1975年に東宝東和が公開したホラー映画の『デアボリカ』(1974)で
初めて使った音響装置で日本ビクターと協力して開発に1億円を費やしたという。
『デアボリカ』というイタリア映画ははっきり言ってそんなに面白くない。
W・フリードキンの『エクソシスト』の亜流で『ローズマリーの赤ちゃん』も
盛り込んでいる。録音は元からステレオで行われているので、
劇場では磁気4トラックで配給されたと思われる。
東宝東和はこれに「サーカム・サウンド」なる立体音響技術を使用し上映した。
日本ビクターには1970年に開発した4チャンネル・ステレオ技術
CD−4」があり、またあまり知られていないが、ビクターは
映画館や試写室などに映画用音響システムを供給して
日本で初めて70mmの映写機を開発したのも日本ビクターだった。

イメージ 11

サーカム・サウンドとは・・・・
"CIRCUM"とは『取り巻く」とか「回って」とかの意味。
音場が観客の周囲を取り巻くように聞こえるので
このネーミングが付けられたと思われる。
"SURROUND"はユニヴァーサルの「センサラウンド方式」があったため
避けたんじゃないかと。

サーカム・サウンド」方式とは従来までのあらゆる
音の常識をやぶったまったく新しい音響の世界を出現させるもので、
日本ビクターグループが特にその技術を認められ、
米伊合作「デアボリカ」の公開にあたり、
東和(株)の依頼を受けて新開発した驚異の音響立体移動装置の名称であります。
 胎児にとりついた悪霊の不気味な唸り声や特殊な悪魔音が暗い劇場内を
前後左右あるいは回転音となって観客を直撃し、
想像を絶するオカルト世界の不気味なムードを
盛りあげるもので、日本ビクターグループが
約1億円の開発費を投じた世界初の新装置です。
この“サーカム・サウンド”システムはすでに公開された
「大地震」の“センサラウンド”方式の
超低周波のみの単調音の連続とは異り、超低周波から超高周波まで
周波数帯域が広範囲の「ディスクリート・4チャンネルレコードシステム・CD4」
を開発したもので、劇場用映写機のトップメーカーでもある
日本ビクターグループの新技術がいかんなく発揮された新システムであります
1975年公開『デアボリカ』パンフレットより
イメージ 12

映画は輸入するときにフィルムと共にポスターやスチルなどの宣材
台本などと共に予告編やMEテープも送られてくる。
MEテープは(MUSIC EFFECT)で台詞だけ抜いた本編の音声を
オープンリールやシネテープ(35mm)に録音されたもの。
吹替えが主な海外では配給会社がそれを元に自国語の吹替えを作って
劇場公開するのに使われた。マスターがマルチチャンネルの場合は
MEテープもマルチチャンネル仕様になっている場合がある。


イメージ 9


当時の映画用の音響は
磁気4トラックステレオ
映写用フィルム(プリント)に茶色の磁気コーティングを塗布して
そこに前方の左・右・センターおよびウォールスピーカー
(今で言うサラウンド)の音声を独立させて記録録音されてある。
その磁気トラックを映写機の4個のヘッドで読み取る。

磁気6トラックステレオ
70ミリ映画用およびシネラマ用に使用された。
前方の左・右・センターと前方の左右の重低音およびウォールスピーカー。
その磁気トラックを映写機の6個のヘッドで読み取る。

・そして一般用で光学モノラル
プリントに記録された光学サウンドトラックにモノラルの音声が
記録されて映写機のソーラセルで読み取る。スピーカーは
スクリーン中央のセンターからのみ再生。

日本ビクターは山水電気が開発したQS方式4チャンネルステレオ
ソニーのSQ方式4チャンネルステレオ
と違いディスクリート(完全分離)の4チャンネルステレオCD-4を使っていた。
山水電気が開発したQS方式4チャンネルステレオはマトリクス方式で
後にアメリカのドルビー・ラボラトリーが改良して
光学録音式ドルビー・ステレオを開発した。

日本ビクターの開発したCD-4を下敷きにしたサーカムサウンドとは・・・
「仮説」だが磁気4トラックステレオに周波数を振り分けて
前方と異なる音声信号を入れウォールスピーカー側を分離させて
観客席を駆け巡るような効果を出した・・・A説
もしくはCD-4オープンリールデッキを使って磁気4トラックステレオとは別に
音源を用意して劇場内のスピーカーに異なる音響を流した・・・B説
どちらもビクターの音響技術が使われていたのは間違いない。

イメージ 6
イメージ 5
イメージ 4
イメージ 3
イメージ 2








『デアボリカ』も『サスペリア』も大阪のミナミ、東宝敷島という
今のTOHOシネマズなんばの別館がある場所にあった映画館で鑑賞。
(今は劇場があった階にはマルハンが入り劇場は上の階に移動)
そこは70ミリ上映設備があった。キタではこの作品は
北野劇場で封切されていた。『デアボリカ』の時は気にしなかったが、
『サスペリア』を観に行った時は観客席の左右や後方にスピーカーが
増設されていたのをはっきり覚えている。
劇場内で設置された「基本のサーカム・サウンド」とは・・・
左右・後ろに5個のスピーカーを劇場に設置してスクリーン裏の3個に加え
計8個のスピーカーを使用したサラウンド方式。

磁気4トラックステレオではモノラルだったウォールスピーカーからは
明らかに違う音声が左右や後方に分かれて出ていた。
現在のDLP上映のマルチサウンドなら普通だが当時はそれがサプライズだった。
冒頭の空港内から雷鳴が轟く空港外でタクシーを拾う場面や40分過ぎにある
主人公らがバレエの稽古場で眠る場面で聞こえる校長(実は魔女)のいびきなど
臨場感たっぷりの音響絵巻が繰り広げられた。



イメージ 7






























イメージ 8






























方々のウエブでこの「サーカムサウンド」に関する文章を調べたが
普通の4チャンネル音響だった」「大音響だが移動感はない
との文章があったが、どこどこの劇場で観たとかは書かれていない。
大都市では洋画は封切は基本的には1本立てだが、地方では2本立てになる。
東京や大阪、神戸、名古屋などは70mmの映画はその設備のある劇場で
観れるが、その周辺、千葉や埼玉、奈良や和歌山では2本立てであるが
35mmの設備しかないのが圧倒的で、おそらく「サーカムサウンド」も
地方封切では採用されず一般の4トラックステレオのみ供給された可能性が高い。
シネコンが普及した現在と違い当時は「地方格差」が大きかった。
まして4トラックステレオ設備の無い劇場は光学音声のモノラル上映になる。
上映プリントは封切が終わったら2番舘、3番舘へ映画は配給されていくが
そういった音響設備までは貸し出さないのが一般的。
翌年公開の『サスペリア PART2』は「サーカムサウンド」ではなくて
通常の4トラックステレオで国内上映されていた。
キャサリン・ロス主演の『レガシー』(1978)を最後に
サーカムサウンドは計3本の作品で姿を消した。
『レガシー』はイギリス映画でオリジナルはドルビー・ステレオ。
当時はまだドルビーシステムをすべての劇場が完備しているわけではなかった。

結論からを言うと「サーカム・サウンド」は
日本独自の音響立体移動装置だったはずだ。少なくとも3作品に限っては・・・。




だが『サスペリア』のヒットで磁気4チャンネル音響に独自の名称を付けて
宣伝する阿漕な商売も横行した。東和も例外じゃない。

『テンタクルズ』(トレンブルサウンド) 日本ヘラルド
『ファンタズム』(ビジュラマ方式) 東宝東和
『猛獣大脱走』(ロアリング360) 東宝東和 
『バーニング』(バンボロサウンド)東宝東和
『ハロウィン』(スペースサイザー360 ※音楽のみ) ジョイパック・フィルム
『フェノミナ』(クランキーサウンド)
※本編はドルビーステレオ ジョイパック・フィルム
『ザ・ショック』(SCARY−4チャンネル・ステレオ)日本ヘラルド
『サランドラ』(ダブル・テンション・システム)東宝東和

やがてこれらの「ギミック音響」もデジタル・サウンド時代に入り
ドルビー・デジタル、デジタル・シアター・システムズ(dts)
ソニー・ダイナミック・デジタル・サウンド(SDDS)
が登場すると姿を消していく。
エンドクレジットに各システムのロゴが入るからで観客を欺くことは
出来なくなった。


追記
調べたら『サスペリアPART2』と『サンゲリア』が
サーカム・サウンドとして新聞広告のみ宣伝されていた。
ただポスターやチラシなどにはサーカム・サウンドの表示がなかった。
『サスペリアPART2』には「4CH超ステレオ音響』
『サンゲリア』には音声の事は何も書かれていない。
イメージ 13

イメージ 14

イメージ 1
 
フェノミナ』(1984・伊)
PHENOMENA
 
 
ダリオ・アルジェントの『歓びの毒牙』や『サスペリアPART2
のようなジャーロ作品と
サスペリア』や『インフェルノ』の超自然的な作品と掛け合せたホラー映画。
原題にあるPHENOMENAとは映画の舞台になったスイスで
開かれる光学機器の博覧会の名でアルジェントが気に入って使った。
 
主演は当初は実娘を主演に考えていたアルジェントだったが、
セルジオ・レオーネの『ワンス・タイム・イン・アメリカ』に出ていて
オーディションにも参加したジェニファー・コネリーに決めて
役名もジェニファーとした。名優ドナルド・プレザンス
悪魔のはらわた』の女改造人間を演じたダリラ・ディ・ラザーロ
映画監督でもあるミケーレ・ソアビ、それに愛娘アーシアの母親でもある
常連ダリア・ニコロディが出演している。
映画の冒頭でバスに乗り遅れてとある一軒屋で襲われて
首を切り落とされる若い娘は
アルジェントの長女のフィオーレ・アルジェントが演じた。
 
イメージ 13
イメージ 14
イメージ 15
イメージ 16
 
アルジェントの作品は過剰なまでの色彩(鮮やかな赤や青や緑色など)
フィルターを使って表現してきたが、この作品では色彩効果は
抑制され冷たい雰囲気を全編漂わせている。
それはスイスのこの地では逆効果になってしまう
アルジェントの思いからだった。

音楽はサイモン・ボズウェル、ゴブリン、クラウディオ・シモネッティ
モーターヘッドアイアン・メイデン
それにローリングストーンズのビル・ワイマンが担当した。
本来はタンジェリン・ドリームに依頼するもコンサート・ツアー中のために
実現はしなかった。音響はドルビー・ステレオ・システムが使用されたが
劇場でバイノーラル録音された音声を劇場内だけFM音声で流す
クランキーシステムが採用され、希望者にはFMラジオも貸出しされた。
イメージ 19
当時、上映劇場に持って行ったSONYのFM内蔵ウォークマンWM-F5
1983年発売。定価33,000円也。
これの黄色。デートにこんなもの持ってくる奴は自分だけか(笑)
 

スーパーナチュラルな要素は主人公のジェニファーが
昆虫と意思の疎通ができる点で
寄宿舎の生徒たちのいじめにあった彼女を救おうと学校の建物に無数の昆虫が
覆う場面が印象的でこの場面は水槽に入れたインスタントコーヒーを沈めた
画像を合成したものだと言われている。
また物語の真犯人はブルックナーで、殺人を重ねて行くのは
彼女が生んだ奇形の息子でこれに襲われる場面でもまた無数の昆虫が
奇形の息子を襲ってジェニファーの命を救う。
そして最大の危機でブルックナーに襲われるジェニファーの
命を救うのがマクレガー教授の飼っていたチンパンジーのインガだった。
旧約聖書では昆虫を操る者(特に蠅)ベルゼブブは悪魔だとされる
サスペリア』と同じくヒロインは美少女でその学校の生徒が主な犠牲者となる。
この悪魔的な結ぶつきのプロットに『サスペリア』以降にアメリカから発信された
ジェイソンを代表するスプラッタームービーの『13日の金曜日』の母子の設定を
絡めて少し焦点が定まっていなかったが、興行的には成功を収めた。
これは血生臭い映画に天使のような清楚さを秘めたジェニファー・コネリーが
登場するアンバランスな作りが魅力になっている稀有なホラー映画だと思う。
 
イメージ 17
イメージ 18
イメージ 3
イメージ 4
イメージ 5
イメージ 6
イメージ 7
イメージ 8
イメージ 9
イメージ 10
イメージ 11
イメージ 12

スイス北部の都市チューリッヒ郊外。この都市ではか弱い少女ばかりを
標的にした連続殺人事件が起こっており、
警察は高名な昆虫学者マクレガー教授(D・プレザンス)に
腐敗した被害者の頭部を見せ意見を求める。
被害者の頭部に集っている蛆虫が犯人を突き止める手がかりになると
考えた教授は事件解決に向けて協力を約束する。
一方、市内の寄宿制女子学校に、有名な映画俳優を
父に持つ美少女ジェニファー(J・コネリー)が
女子学校の女教師のブルックナー(D・ニコロディ)の付添で転校してくる。
彼女は昆虫と交信できる特異な能力の持ち主だった。
持病の夢遊病で真夜中に徘徊している最中、
殺人現場に遭遇したジェニファーは、
ひょんなことからマクレガー教授と親しくなり、
自分の持つ能力を活かして教授と共に事件の犯人を追うことになる。
そんな中、ジェニファーのルームメイトであるソフィ(F・マストロヤンニ)が
惨殺された上、マクレガー教授も犠牲となってしまう。
そして殺人犯の魔の手は彼女にも及ぶのだった。
 
イメージ 2ダック・フィルム製作
チタヌス提供
監督: ダリオ・アルジェント 
製作: ダリオ・アルジェント 
脚本: ダリオ・アルジェント 
    フランコ・フェリーニ 
撮影: ロマノ・アルバーニ 
特殊効果:
セルジオ・スティヴァレッティ 
音楽: ゴブリン 
    サイモン・ボスウェル
    ビル・ワイマン
 
 ジェニファー・コネリー 
 ドナルド・プレザンス 
 ダリア・ニコロディ 
 ダリラ・ディ・ラッツァーロ 
 パトリック・ボーショー 
 フィオーレ・アルジェント 
 フェデリカ・マストロヤンニ 
 フィオレンツァ・テッサリ 
 ミケーレ・ソアヴィ 
 ファウスタ・アヴェリ

イーストマンカラー
ヨーロッパ・ヴィスタサイズ(1.66:1)
110分
ドルビー・ステレオ
インテグラル・ハード版
115分
日本公開1985年6月8日
ジョイパック・フィルム配給
日本語字幕:岡枝慎二
イマジカBS版:落合寿和
PHENOMENA (C)1984 TITANUS.
 
イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

イメージ 4

イメージ 5

イメージ 6

イメージ 7




祝!ダリオ・アルジェント新作『ジャーロ』公開決定


『シャドー』(1983)
TENEBRE

不本意な形で『インフェルノ』※ を製作した
アルジェントは3年後にまたジャーロの世界に
戻ってきた。これは彼が『インフェルノ』製作の
ために渡米していた時に自称ファンにストーカーされた
実体験を元に構想して作り上げた。

ニューヨークからローマにやって来た売れっ子の推理小説家が、
次々と猟奇殺人事件に巻き込まれる。
それは自分の書いた小説の中の殺人犯とまったく同じ手口だった・・・

TENEBREとは伊語で「暗闇」。
劇中に主人公が書いた小説のタイトルでもある。


※『インフェルノ』は20世紀フォックスの
資金で製作されたが、会社が傾き経営陣が
変わったため米国での公開は中止になった。
結局、米国での劇場公開は1986年だった。


製作総指揮は父親のサルバトーレ・アルジェント
そして製作は弟のクラウディオ・アルジェント
脚本はダリオ自身とジョージ・ケンプ
(ジョージ・ケンプとはダリオの変名だ。)
音楽はシモネッティ=モランテ=ピニャテッリ
マッシモ・モランテ
ファビオ・ピニャッテリ
クラウディオ・シモネッティの3人で
スコアを書き演奏した。

出演は
『空から赤いバラ』の アンソニー・フランシオサ
マカロニ・ウエスタンのスター、ジュリアーノ・ジェンマ
この時もうダリオとの仲は冷えていた内縁の妻、ダリア・ニコロディ
燃えよサクソン!いやドラゴンのジョン・サクソンなど
またワンカットだがランベルト・バーヴァや
ミケーレ・ソアビが出てくる。
イメージ 8


クレーンに載せたステディカムを使った撮影は見事だった。
被害者の家の壁を登り、屋根を越えて侵入口まで到達する
犯人視点の映像をクレーンを使用しワンショットで撮影した。
これはダリオ・アルジェントのドキュメンタリー映画
『鮮血のイリュージョン』で詳しく説明されている。
このカメラは「ロマ・クレーン」と呼ぶそうだ。


最後のダリア・ニコロディの長い絶叫は意味がある。
それは自分が演じたかった役を貰えず彼女なりの
自身の気持ちを表現している。


日本公開に際し、エンドクレジットの曲は
イギリスのロック歌手キム・ワイルド
テイク・ミー・トゥナイト」に
差し替えられ上映された。
また海外でもこの曲に入れ替えた国もある。





幻想の中で砂浜で男が赤いハイヒール
を履いた女にヒールを口の中に突っ込まれ
顔面を踏みつけられる変態HKさんらが喜ぶシーンを
演じたのはエヴァ・ロビンスという女優。
だが彼は男性だった。ロベルト・コアッティという。



監督: ダリオ・アルジェント
製作: クラウディオ・アルジェント
脚本: ダリオ・アルジェント
   ジョージ・ケンプ
撮影: ルチアーノ・トヴォリ
音楽: クラウディオ・シモネッティ
   ファビオ・ピニャッテリ
    マッシモ・モランテ
主題歌: キム・ワイルド

アンソニー・フランシオサ
ダリア・ニコロディ
ジョン・サクソン
ジュリアーノ・ジェンマ
ララ・ウェンデル
ミレッラ・バンティ
ヴェロニカ・ラリオ

テクニカラー(ローマ現像所)
ビスタサイズ(1;1.85)
イタリア語 モノラル
101分
日本公開1983年6月11日

日本ヘラルド映画配給

日本語字幕 進藤光太

ちなみに黒革手袋の手を演じているのは
ダリオ・アルジェント自身です。やっぱり変態の鑑だよ!







そんでアルジェントの新作『ジャーロ』
東京地区は9月11日からだ!
イメージ 9

What the hell are they?
(彼らは何者なの)

There's no more room in Hell
(地獄が満員になったのさ)

When there's no more
room in Hell...
The dead will walk the Earth
(地獄が一杯にになると
溢れた死者が地上を歩き出すんだ)


イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

イメージ 4

イメージ 5

イメージ 8



あれは1978年の秋だった。
日本ヘラルド映画が原田真人監督の
『さらば映画の友よ インディアンサマー』という
映画を配給するのでヘラルド試写室まで観に来ませんか
という誘いがハガキで届いた。
配給会社の試写室なんて行った事なんてないので
興味深々で出かけた。確か夜の8時頃から
始まる遅い試写だったが終わってから、
ちょっと感想聞きたいので、時間が許す方は
集まってくださいと応接室に集まり、皆で
感想を述べ合ったが俺はこの映画はあんまり面白くなかった
ので、黙っていた。
そしてヘラルド宣伝部の人が俺に意見を求めたので
「ヘラルドさんの配給作品のことで聞いていいですか?」
「はい、どうぞ・・・」
「ダリオ・アルジェントの『ゾンビ』はいつ公開ですか?」
「・・・・・・」
まさかヘラルドの社員さんもこんな質問が来るとは思わなかっただろう。
「ら、来年でしょうかね まだプリントが来ないんですよ」
ひとつ間違っていた。ダリオ・アルジェントのではなく
アルジェント製作でジョージ・A・ロメロ監督の『ゾンビ』であったのを
知ったのは公開された後だった。
ジョージ・A・ロメロなんて名は誰も知らなかった時代だった。
その翌年の3月に地獄の門が開いた・・・・。

『ゾンビ』(1978 伊=米)
Zombie
Dawn of the Dead

1968年に製作されカルト映画になっていた『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』(生ける屍の夜)
を低予算で作ったジョージ・A・ロメロがアルジェントの資本で製作した第二幕だ。
ロケーションはロメロの本拠地であるペンシルバニア州ピッツバーグとその周辺で撮影され
ただのホラー映画に終わらせずアクションシーンも目一杯盛り込んで
全世界でヒットしてロメロは一躍ゾンビ映画の巨匠とまで呼ばれるようになる。
この作品の成功に貢献したのはSFXバイザーのトム・サヴィーニのスペシャルメイクにもあるし
クラウディア・シモネッティらのプログレグループ「ゴブリン」の音楽も作品を引き締めている。
(「ゴブリン」の音楽はヨーロッパ版、すなわちアルジェント・バージョンで多用されている)
制作費は50万ドルで世界興収は5500万ドルに上る。
出演者はデヴィッド・エムゲ、ケン・フォーリ、ゲイラン・ロス、スコット・H・ライニガー
の4人でトム・サヴィーニが暴走族の一味で出てくる。
ケン・フォーリーはよく日本にも来ているらしく、数年前も大阪で催されたイベントに出ている。
ゲイラン・ロスもロメロのオムニバス・ホラー『クリープショー』に出演しており
彼女はこの映画ではゾンビを演じていた。
舞台となるショッピングモールはピッツバーグのモンロービル・モールで
今でも営業している。(劇中に出てくるスケートリンクはもう無くなっているらしい)
撮影はモールの営業時間中は避け、夜間や早朝に行われた。

イメージ 6



アルジェントはまずアルフレッド・クオモを通してロメロと出会い彼をローマに呼んで
脚本などの打ち合わせを行い最初のタイトルは「ドーン・オブ・ザ・リビング・デッド」だった。
そして製作はアルジェントの弟のクラウディオとクオモが担当してロメロに製作資金を出資して
英語圏以外の国の配給権と再編集をアルジェント側が取得して1977年暮れに製作が開始された。
(クランクアップは1978年2月)

この作品は大別して3バージョンあるとされている。
まずアメリカで公開されたDawn of the Dead (127分)
アルジェントが監修して音楽や音効を再編集したZombie (119分)
ロメロがカンヌに出品するために編集したDC版(139分)
日本で公開されたのはアメリカのローレルグループからの版ではなく
アルジェント版の英語バージョンが日本ヘラルドへ輸入されて冒頭のテロップの挿入とエンドロールが
カットされ音楽も入れ替わった「日本ヘラルド版」が存在した。
「ヘラルド版」は残虐シーンは静止画像となりさらにブルーフィルターをかけて
極力残酷度を薄くしてしまった。音声は磁気4トラックステレオで配給されていた。
ただ文献に多く出てくる映画『メテオ』の小惑星大爆発のワンシーンをヘラルド版の
冒頭へ付け加えられえた。(もう30年前だから記憶があやふやだけど)
テレビ東京が放送したテレビ放映版には小惑星大爆発シーンは確かにあったけど。


テレビ局に勤務するフラン(G・ロス)は死者が蘇り生者を襲って人肉を喰い始めた混乱している
街から脱出するために恋人でヘリのパイロットのスティーブン(D・エンゲ)と落ち合う。
その頃、街の中にあるアパートにSWATチームが包囲していた。そこはギャング団が篭城していたが
ギャングたちはSWATに射殺されアパートには催涙弾が撃ち込まれ警官たちが突入して
残党を追った。だがSWAT隊員のウーリーが突然発狂して辺り構わず発砲して住民を
殺し始めた。だがウーリーはガスマスクを被ったSWAT隊員に射殺されたのだ。
このアパートの部屋でも蘇った死者がウヨウヨしていた。さらに地下は地獄絵図のようだった。
惨状を目のあたりにして耐えられなくなったSWAT隊員のロジャー(スコット・H・ライニガー)
が屋上でひと息をついていると、さっきウーリーを殺したSWAT隊員が現れる。
彼はピーター(K・フォーリー)といい警官の職務を放棄して街から脱出しようとしていた。
ロジャーは友人のスティーブンがヘリで脱出する計画を話して頼りがいがあるこのピーターを誘う。
4人は合流してヘリで街から脱出を開始した。だが街の外でも危険は変わりなかったのだ。
途中に給油で寄ったガソリンスタンドには複数のゾンビが彼らを待ち受けていたが
なんとか倒して脱出の旅を続けるが、燃料が乏しくなった頃に大型のショッピングモールを
見つけて屋上に着陸した。まずロジャーとピーターが中に侵入して偵察を行った。
モールの通路には死者たちが溢れていたが売り場にはその姿はない。
またこのショッピングモールには緊急用の物資などが貯蔵されこれなら当分の間なんとか
生きていける。そしてスティーブンも加わり、3人はモールの中を制覇するが
フランがはげちゃびんのゾンビに襲われそうになったが危機一髪で彼女は救われる。

だが悲劇は起こった。モールの正面を大型トラックで封鎖しとうとするロジャーとピーターだったが
ロジャーの自信過剰な振る舞いで彼はゾンビに脚を噛まれてしまう。
なんとか正面を封鎖した二人はフランとスティーブンも参加してモールに残ったゾンビを
ひとり残らず撃って倒していく。だがロジャーは噛まれた傷が癒えず寝たきりになってしまうのだった。
ロジャーは「あいつらのようには俺は絶対なりたくない、ピーター、その時は・・・」
そしてその夜にロジャーは冷たくなった。だが顔に覆った毛布が徐々に捲り上がってくるのをピーターは見た。
そこには変わり果てたロジャーの顔が・・・銃声一発。ピーターは友人の最後の頼みを果たしたのだった。
単調な日々が残った3人に続いた・・・だがフランはスティーブンの子を宿していたのだった。
万が一の時にとフランにヘリの操縦を教えるスティーブン。だがそのヘリを遠くから双眼鏡で
見ていた男がいたのだ。「あいつら、上手い事やりやがって・・・あそこは俺たちが貰うぜ」

それはこの終末の世界を生き抜いてきた暴走族グループのリーダー(T・サヴィーニ)だ。
彼らはモールを解放しろと要求してきたがピーターはそれを拒む。
そして車やオートバイの武装した連中がバリケードを破りモール内へ突入してきた。
屋外にいたゾンビたちも中へ侵入してきたのだった。
ピーターは狩猟用のライフルで応戦するが、圧倒的な敵の数だ。
だがまた悲劇が起こる。ゲリラ的な攻撃を仕掛けたスティーブンが撃たれ
エレベーターの中で動けなくなったのだ。そこへ血に飢えたHK・・・いやゾンビたちが
スティーブンを襲った。ピーターは暴走族のリーダーをゾンビの生贄にしてやる。
彼を撃ってオートバイから落とし、群がるゾンビたちにマシンガンで応戦するが
空腹のゾンビは腹を割き八つ裂きにして食ってしまった。
リーダーを失った暴走族は撤収していくが、その時エレベーターのドアが開いた。
そこにはゾンビと化したスティーブンが・・・モールには大量のゾンビが暴走族の肉を
求めてうめいていた。スティーブンはフランの元へ脚をひきずりながらヨタヨタ歩いていく・・・・
フランはピーターと一緒に脱出しようと誘うがピーターはここは守るからお前ひとりで
逃げろとフランを突き放す。そして部屋に入って来たスティーブンをライフルで倒した。
彼は自分のこめかみに拳銃を押し当てていた。
友人のロジャーに安息の時を与えたあの拳銃でまだ弾は一発だけ残っていた。
だがピーターはその銃でゾンビを撃つと屋上へ飛び出してフランの操縦するヘリに乗り込んだ。
「燃料はあるのかい?」
「わずかしかないわ」
「まあいいか」
ヘリはショッピングモールを後にして飛び立っていった。

(1979年3月10日公開   日本ヘラルド映画配給)

ラストシーンはもう1つ考えらえれた。
ピーターが自らの頭を銃で撃ち、フランも絶望のあまりヘリのローターで頭を吹き飛ばす。
ただ救いのないラストだったので見送られたらしい。

ロメロはリメイク版を語った「走るゾンビなんてありえない」

劇中のカメオ出演のジョージ・A・ロメロ
イメージ 7





ローレル・グループ提供

監督: ジョージ・A・ロメロ
製作: クラウディオ・アルジェント
   アルフレッド・クオモ
   リチャード・P・ルビンスタイン
脚本: ジョージ・A・ロメロ
撮影: マイケル・ゴーニック
特殊メイク: トム・サヴィーニ
音楽: ゴブリン
   ダリオ・アルジェント

デヴィッド・エムゲ
ケン・フォリー
スコット・H・ライニガー
ゲイラン・ロス
トム・サヴィーニ
デヴィッド・クロフォード



テクニカラー
ヴィスタサイズ
119分(アルジェント版)
4チャンネル・ステレオ
日本語字幕 野中重雄





開くトラックバック(2)

ダリオ・アルジェントの幻の作品だった1971年製作(日本公開1973年)
4匹の蝿』が6月から再上映されます。
年末にはDVDでリリースされるとの事!
初期の三作(『歓びの毒牙』『わたしは目撃者』『4匹の蝿』)では
いちばんストーリー構成がまとまっていて公開から37年が
経過した今でも十分鑑賞に耐える作品だと思っています。
この作品を愛する者にはうれしいニュースです。

6月19日よりシアターN渋谷で上映(7月16日まで)
その後順次公開予定
大阪:第七藝術劇場、愛知:名古屋:シネマスコーレほか
(但しDLP上映とのことです)

イメージ 1

イメージ 2


米盤DVD(MYA)のメインメニュー
イメージ 3

開くトラックバック(2)

全2ページ

[1] [2]

[ 次のページ ]

GH字幕
GH字幕
男性 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
友だち(22)
  • MARUMA
  • ハム男
  • 茂
  • pu-ko
  • ごや
友だち一覧

スマートフォンで見る

モバイル版Yahoo!ブログにアクセス!

スマートフォン版Yahoo!ブログにアクセス!

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

最新のコメント最新のコメント

すべて表示

ブログバナー

Yahoo!からのお知らせ

検索 検索

よしもとブログランキング

もっと見る
本文はここまでですこのページの先頭へ

[PR]お得情報

CMで話題のふるさと納税サイトさとふる
毎日お礼品ランキング更新中!
2019年のふるさと納税は≪12/31まで≫
数量限定!イオンおまとめ企画
「無料お試しクーポン」か
「値引きクーポン」が必ず当たる!

その他のキャンペーン

みんなの更新記事