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Suzanne Pleshette

女優のスザンヌ・プレシェット(1937-2008)が亡くなって
今年で10年目。
最近、彼女の映画を観る機会が増えたのでご紹介を。
1937年、ニューヨーク生まれ 身長163センチ
髪はブルネット、瞳はグレーがかったグリーン。
両親とも演技関係で50年代に彼女は舞台に立って
『奇跡の人』のアン・サリヴァン役で絶賛される。
その後はジェリー・ルイス主演の『底抜け慰問屋行ったり来たり』
で映画デビュー。映画の端役やTVドラマにも出ていたが
1962年のワーナー映画『恋愛専科』でヒロインを演じ
一躍スターになって、共演のトロイ・ドナヒューと結婚したが、
数か月で破局。エリザベス・テイラーとナタリー・ウッドを
足して割ったような美貌で日本でも60年代前半は人気だったが、
その後は映画出演を減らして徐々にテレビを中心に活躍。
ただTVのゲスト出演などで重宝されて実質的には
息の長い女優活動となった。
肺がんが見つかり治療に専念していたが、2008年1月に
ロスの自宅で亡くなった。享年70歳。
ジブリ作品『千と千尋の神隠し』(2001)の英語バージョンで
湯婆婆および銭婆の声を吹替えて注目された。
遺作はTV『ふたりは友達? ウィル&グレイス』の
2004年のゲスト出演が最後の仕事となった。

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スクリーン(近代映画社)1964年12月号


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『恋愛専科』(1962)スザンヌ・プレシェットの初主演作。
共演はトロイ・ドナヒュー。ワーナーブラザース映画。



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『40ポンドのトラブル』(1962)この作品のスザンヌさんは
凄く綺麗です。ブルーレイで観たい。ユニヴァーサル映画。



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アルフレッド・ヒッチコック監督の『鳥』(1963)ユニヴァーサル映画。
金髪フェチのヒッチは彼女を無残にも鳥の餌食にしてしまう。



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『若き日の恋』(1964)共演はジェームズ・フランシスカス。ワーナー作品。




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『遠い喇叭』(1964)共演のドナヒューとは撮影後に離婚。ワーナー映画。



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TV『逃亡者』(1964)World's End(絶望の時)



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『不時着』(1964)20世紀フォックス作品
航空機事故で唯一生き残ったCAを演じた。共演はグレン・フォード。
イタリア映画『コンコルド』(1979)はこの映画のパクリ。


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『生きる情熱』(1965)彼女の役は金持ちのセックス依存症(!)ユナイト作品



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『猛犬ご注意』(1965)ディズニー映画。
犬が起こすドタバタコメディ。


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MISTER BUDDWING(1966) ワーナー作品 日本未公開。
ジェームズ・ガーナーの主演。キャサリン・ロスも出ている。

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TV『逃亡者』All the Scared Rabbits(臆病な兎たち)


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『ネバダ・スミス』(1966)スティーヴ・マックィーン主演の西部劇。
幸薄い南部の女性を演じた。パラマウント映画。ヘンリー・ハサウェイ監督。


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『黒ひげ大旋風』(1967)ピーター・ユスチノフ扮する
海賊の幽霊が起こすドタバタ喜劇。ディズニー映画。


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『火曜ならベルギーよ』(1969)ユナイト作品。
ヨーロッパ・ツアーに出かけるアメリカ人観光客の一団。
欧州のスターが多数出てくる。



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『戦争ゲーム』(1970)日本未公開 トニー・カーティス
ブライアン・キース、アーネスト・ボーグナイン共演


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『地平線から来た男』(1971)バート・ケネディ監督のコメディ西部劇。
主演はジェームズ・ガーナー 共演はジャック・イーラム、チャック・コナーズ
おきゃんな西部女を好演。ユナイト作品


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『刑事コロンボ・ホリスター将軍のコレクション』(1971)
犯人の退役軍人と恋に落ちる男運のないオールドミスを好演。ユニヴァーサルTV


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『ホット・スタッフ』(1978)コロムビア作品
犯罪摘発のために偽故売屋を開く警官が活躍するコメディ映画。
スザンヌ・プレシェットの最後の日本劇場公開作品。




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『恋愛専科』宣伝用スチール

国内で入手できるスザンヌ・プレシェットのディスク。(2018年3月)
『恋愛専科』復刻シネマライブラリー DVD ※
『遠い喇叭』復刻シネマライブラリー DVD ※
『不時着』復刻シネマライブラリー DVD(発掘良品扱いでレンタルあり)
『鳥』ユニヴァーサルビデオ DVD/BD
『黒ひげ大旋風』ディズニーDVD
『刑事コロンボエピソード#3』ユニヴァーサルジャパン DVD/BD
『ネバダ・スミス』パラマウント・ジャパン DVD

※販売のみ

Rome Adventure 1962 Warner Bros All Right Reseved.
40 Pounds of Trouble  (1962)  Universal Pictures All Right Reseved.
The Birds (1962)  Universal Pictures All Right Reseved.
A Distant Trumpet 1964 Warner Bros All Right Reseved.
Fate Is the Hunter 1964 Twentieth Century Fox All Right Reseved.
Youngblood Hawke 1964 Warner Bros All Right Reseved.
A Rage to Live  (1965) MGM/Mirisch Corporation All Right Reseved.
THE FUGITIVE (1964-1965) Quinn Martin Productions  All Right Reseved.
The Ugly Dachshund (1966)Walt Disney Productions All Right Reseved.
Nevada Smith(1966)Paramount Pictures All Right Reseved.
1966 Mister Buddwing  Metro-Goldwyn-Mayer All Right Reseved.
Blackbeard's Ghost (1968)Walt Disney Productions All Right Reseved.
Suppose They Gave a War and Nobody Came?
(1970)Metro-Goldwyn-Mayer All Right Reseved.
If It's Tuesday, This Must Be Belgium (1969)
Metro-Goldwyn-Mayer All Right Reseved.
Support Your Local Gunfighter (1971)Metro-Goldwyn-Mayer All Right Reseved.
COLUMBO 1971 Universal Pictures All Right Reseved.
HOT STUFF 1979 Columbia Pictures All Right Reseved.


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恋のマノン』(1968)
MANON 70

カトリーヌ・ドヌーヴが『昼顔』の次に
出演した彼女の美しさが絶頂期の頃の作品。
なぜか日本では公開が遅れて1971年に劇場公開された。
タイトル通りアベ・プレポーの古典名作「マノン・レスコー」を
現代に置き換えヒロインのマノンが世界を股にかけて
自由奔放に愛を求めてさまよう姿を描いている。
主演のドヌーヴ以外にサミー・フレイジャン・クロード・ブリアリ
エルザ・マルティネリ
らが出演している。
監督は『スタンダールの恋愛論』のジャン・オーレル
彼は監督より脚本家としての名前が有名で
ジャック・ベッケルの名作『』やトリュフォーの晩年の作品の
脚本を手掛けていた。
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とにかくカトリーヌ・ドヌーヴの美しさだけが目に付く。
撮影当時は25歳。ロジェ・ヴァディムの子供を産んでいた未婚の母
だが、そんな所帯じみた雰囲気は微塵も感じさせない完璧な美しさ。
ドヌーヴと言えばイヴ・サン=ローランの衣装で有名だったが
この作品で彼女が纏う華やかな衣装はエマニュエル・ウンガロ
場面ごとにウンガロの当時の最新モードで登場するドヌーヴは
まさにフィルムに収められたウンガロの動くカタログの様だった。
音楽はセルジュ・ゲンズブー
それにバロック音楽の巨匠ヴィヴァルディの曲も使われている。

いきなり赤い提灯が画面いっぱいに登場する。
話は羽田空港から始まるからだ。
でも出てくる航空機はSASスカンジナビア航空。
これは本作がSASとタイアップしていたからで
スウェーデンのストックホルムも出てくるのも自然な成り行きかも。
美しく自由奔放な悪女に振り回される男が可哀想だが
ドヌーヴの悪女ぶりはそう嫌味ではない。
むしろトリュフォーの撮った『暗くなるまでこの恋を』(1969)の
ドヌーヴの方が悪女らしい悪女だったが。
スウェーデン娘を演じたマヌエラ・フォン・オッペンが可愛い。
後ろ向きだが全裸ヌードで登場する。
 
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パリのラジオ放送局のルポルタージュ記者のデ・グリュー(S・フレー)は、
中国大陸取材を終え、東京の羽田空港から帰国の途についた。
同じ飛行機には美しく挑発的な女マノン(C・ドヌーブ)が同乗していた。
デ・グリューはパリ空港の玄関に迎えたベントレーに
乗りこもうとするマノンに、声を掛けた。
マノンは動き出そうとするベントレーに男を残して、
デ・グリューのタクシーに乗り移ってきた。
デ・グリューはホテルに一室をとってマノンとの一夜を過した。
マノンの兄ジャン・ポール(J・C・ブリアリ)は、粋なパリッ児で、
美しい妹マノンを愛し、かつ利用してぜいたくな暮しを送っていた。
したがって、デ・グリューのような嫉妬深く、稼ぎの少ない男は願い下げである。
パリの一流モード展で兄のジャン・ポールに引き合わされた
シモン(P・ユプシュミット)に傾いたマノンは、
デ・グリューをすっぽかして、シモンたちと船旅へ出た。
だが、デ・グリューが、取材でストックホルムに向ったことを聞いたマノンは、
矢もたてもたまらず、北に直行した。夜明けのストックホルムのホテルに、
金髪のスウェーデン嬢と一緒のデ・グリューを見つけたマノンは
はじめて彼を深く愛している自分を知った。
パリに帰った二人は豪華なマンションで同棲をはじめた。
しかし金に困ったデ・グリューは、ジャン・ポールと組み、
アメリカ人の実業家ラバッツィをたぶらかして、
金を引き出させることを計画した。
マノンの美貌にまいったラバッツィだが、
兄と称するデ・グリューとマノンの関係が腑に落ちず
二人の秘密を探ろうと試みた。しかし逆にマノンとラバッツィの睦言を
盗み聞きしたデ・グリューは、
その夜仕返しにとわざと二人のベッド風景をラバッツィに盗聴させた。
からくりをばらした二人の会話で、すべては終った。夜明けの白々とした海に、
着の身着のままのマノンとデ・グリューはモーターボートを走らせ、
いずことも分らぬ海岸に船を乗り棄てて、あてどのない未来に二人は歩きだした。
(キネマ旬報より引用)

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パンダ・フィルム
トランジンター・フィルム

監督: ジャン・オーレル 
原作: プレヴォー 
脚本: ジャン・オーレル 
    セシル・サン=ローラン 
撮影: エドモン・リシャール 
音楽: セルジュ・ゲンズブール
 
 カトリーヌ・ドヌーヴ 
 サミー・フレイ 
 エルザ・マルティネリ 
 ジャン=クロード・ブリアリ
 ロバート・ウェッバー
 
 
イーストマンカラー
ヴィスタサイズ(1.78:1)
フランス語・モノラル
102分
日本公開1971年11月13日(東和=現代映画)
日本語字幕:山崎剛太郎

MANON 70 1968(C) Studio Canal.
 
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アンナ・カリーナ(1940−)
ANNA KARINA

ジャン=リュック・ゴダールが愛した女優。
アンナ・カリーナは1940年にデンマーク、コペンハーゲンで生まれたが、
親の愛情と家庭では恵まれず、中学を中退後にエレベーターガールとして
働き始めたが、頻繁に痴漢に会うので辞めて職を転々とする。
デンマークで一本の短編映画に出た後にヒッチハイクしながら
やっとフランスのパリにほぼ無一文に近い状態で、到着する。
彼女はフランス語は全く話せなかったという。
それでパリの安い映画館に入り浸ってなんとか会話が出来るまで
フランス語を習得したと言われる。
やがて彼女にチャンスが巡ってくる。それは雑誌のモデルにならないかと
誘いがあり、著名な雑誌「エル」などにも彼女が登場することになる。
それまでは彼女は本名のハンネ・カリン・バイヤーを名乗っていたが、
ある日、世界的なファッションデザイナー、ココ・シャネルと偶然
会った時にココから「アンナ・カリーナ」にしなさいと助言をもらい、
こうしてアンナ・カリーナがココ・シャネルの命名によって誕生した。
 
彼女が雑誌以外に仕事をしたのはTV用のコマーシャル・フィルムで、
バスタブに石鹸の泡の中で微笑むアンナ・カリーナ。
このフィルムを見て気に入ったのが、ゴダールであった。
当時は1959年の夏、ゴダールは『勝手にしやがれ』の準備中で
劇中でセミ・ヌードになってくれる端役の女優を捜していた。
ゴダールに会って役柄を聞いてアンナ・カリーナはきっぱり断った。
だが、ひと目で彼女を気に入ったゴダールは
三か月くらいしたら、また会ってほしい」と彼女に告げる。
アンナは冗談かと思って聞き流して帰宅した。
実はそれは冗談ではなく、ゴダールは本気で彼女を気に入り
長編第二作『小さな兵隊』の主役に是非出演してくれと彼女を説得する。
その時はフランスじゅうが『勝手にしやがれ』の話題で持ちきりで
ゴダールは「時の人」で、マスコミはアンナをゴダールの恋人だと
報道して、彼女は精神的にナーバスになってしまう。
ゴダールが彼女のアパルトマンを両手一杯の赤い薔薇を抱えて
慰めに行き「アンデルセンの国の娘がそんな事で泣いちゃいけない」と
ゴダールは告げたらしい。(この後、ゴダールが求婚して結ばれるのだが・・・)
ゴダールは『小さな兵隊』からはヒロインにアンナ・カリーナを使い
女は女である』『女と男のいる舗道』『はなればばれに』を撮る。
だが結婚生活は長く続かなかった。
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ゴダールは『恋人のいる時間』、『軽蔑』、『男性・女性
を放つがアンナ・カリーナは出ていない。
この夫婦が決定的に破局を迎えたのは『軽蔑』の頃だろうと伝えられる。
正直にいって結婚生活は難しかった。わたしはまだ若くて
何が何だかわからず、彼と良い関係を保つことができなかった

とアンナ・カリーナは後年にこう語った。
そして再びゴダールと組んだ、『アルファヴィル
傑作気狂いピエロ』『メイド・イン・USA』・・・
『メイド・イン・USA』はその前にアンナ・カリーナが出演して
上映禁止処分となった『修道女』(ジャック・リヴェット監督)
の現状復帰のためだけに作られた作品だった。
『修道女』の製作者を経済的に救い、アンナ・カリーナの
名誉が傷つかないように急ごしらえした作品に違いない。
『メイド・イン・USA』はその前から撮影中だった
彼女について私が知っている二、三の事柄』と同時進行で
撮影されたと伝えられる。
ジャン=リュックは天才よ。彼はいつも何か本を読んでいて
パッと姿を消してしまう。誰も彼のようにはできないわ。
じっとしているということがなく、いつも何かしているわ
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2000年には日本でもリサイタルを行って大盛況だった。
彼女はもう70歳を過ぎているが「現役のアイドル」なのだ。
 
参考文献
ゴダールと女たち(四方田犬彦著 講談社)
ゴダール、わがアンナ・カリーナ時代(山田宏一著 ワイズ出版)
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 L'éditorial au sujet de Catherine Deneuve
 
仏文学者・小説家でマルキ・ド・サドの翻訳者でもある澁澤龍彦氏(1928−1987)
が論じたカトリーヌ・ドヌーブに関する文献を発見したので
抜粋して紹介します。
但しおよそ40年前に書かれた文章なので現在と相違する部分があるけど
その辺はご容赦願います。
 
カトリーヌ・ドヌーヴ ―― この人気絶頂の、若いフランス女優のふしぎな魅力は
そもそも何と表現したらよいのだろうか。
私の思うのに、それはフランス文化のデカダンスの味ではないだろうか。
あえて言うならば、それは何か倒錯的な臭いのする魅力なのである。
デカダンスの味とはフランス十九世紀の小説家ユイスマンの定義によれば
貯蔵された猟獣肉の腐った味」であり、「熟れ過ぎて腐る一歩手前の死斑の美しさ
ということである。うまいことを言うものだ。長い歴史と伝統の末に、文化が爛熟して
こなければ、こういう魅力は生じないだろうし、こういう魅力を味わう人も現れようがないだろう。
デカダンスにかけては、やはりフランスと中国が世界第一なのではあるまいか、
と私はひそかに思っている。料理の発達した国は、エロティシズムも発達している
「味わう」ということにかけては、料理も女も同じだからである。
もっとも、かく申す私自身は、きわめて現実的経験に乏しく、かって日本の女以外には、
どこの国の女も味わったためしがないので、えらそうなことは言えた義理ではないのである。
ただ、スクリーンの上の世界各国の美女の幻影を、目で味わっているにすぎず、その点では、
完全にスコプトフィル(窃視症者)の仲間なのだ。
そういう次第で、スコプトフィリアにかけては、かなり自信があるつもりなのである。
まあ、それでもよかろう。ここでは、カトリーヌ・ドヌーヴという女の肉体の特徴を、
私の観察した限りにおいて、ややくわしく分析してみよう。
どちらかと言えば痩せた、ぎすぎすした植物的な身体をしているのに、
カトリーヌ・ドヌーヴの第一の特徴である、その壮麗な金髪だけは、挑戦的にふさふさして、
獣のように脂くさい感じがする。
やや下唇を突き出すようにして、彼女はいつも薄く口をあけている。
左右の瞳が多少アンバランスで、その焦点の定まっていないのが、何か投げやりな、
道徳観念の欠如した、マゾヒスティックな感じをあたえる。
身体ぜんたいの線は、ちょうど十六世紀ドイツの画家クラナッハの描く女のように、
ウエスト・ラインが高く、したがってヒップの張りが比較的ゆるやかな、めずらしい女の
タイプに属している。
要するに、一口に言うならば、それらの特徴が集まってデカダンスの味を醸成しているのである。
そうだ、カトリーヌ・ドヌーヴは、奇妙な一種のデカダン人形なのだ
そこに私には、大変貴重な彼女の特質のように思えるのである。
ここまで書いてきて、私は少しばかり心配になってきた。
世間一般のドヌーヴ・ファンは、もっと違った目で、彼女を眺めているのではあるまいか、
という気がしてきたからである。私の見方は、あまりに自分の個人的な趣味に偏した、
一方的なものではないだろうか。
とくに日本の女性ファンは、清純とか、高貴とかいった形容詞を彼女に冠せたがるらしいので、
デカダン人形などといった、私の一方的な断定を聞けば、あるいは怒りだすのではないだろうか。
しかし、たとえば彼女の脚にブーツをはかせ、彼女の手に鞭を持たせて、女サディズムの扮装を
させてみたまえ。それは、まるでサマにならないはずである。
やはりどうしても、彼女は陵辱される側でなければならないはずである。
 
澁澤龍彦映画論集成より (河出文庫)
 
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  Belle de jour   1967(C) - Valoria Films
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1969(C)doric film .
 
悲劇あっての快楽.....
クスリはコワイなぁ・・・
 
 

モア』(1969・ルクセンブルグ=西独)
MORE
 

バルベ・シュローデルが初監督したルクセンブルグ製の映画。
ドラッグに溺れていく若い男女の破滅を描く。
当時流行ったカウンター・カルチャー作品だが、近年にようやく完全な形で
劇場上映された。それは製作の翌年に大阪万博映画祭(日本国際映画祭)に出品され上映されたが、
性描写のあるシーンは税関で通関できず、(が出るからな・・・・
該当場面は真っ黒い画面にされるなど世界中の文化人の顰蹙を買った。
翌年の1971年に東和映画の傍系の現代映画配給で劇場公開されたが、
上映用プリントは光学処理で修正されて上映されたらしい。(ボカシと言え!ボカシと!)
(そんな過激なシーンはあまりないのだが・・・・)
主演はハリウッドB級映画のミューズになっていたミムジー・ファーマーと 
ドイツ俳優のクラウス・グリュンバーグ
音楽をピンク・フロイドが担当して彼等にとっては3作目のこのアルバムは有名になった。
撮影はフランス・パリとスペインのイビザ島で行われた。
ドラッグでハイになったステファンがドン・キホーテのように風車に飛びつくシーンは
ピンク・フロイドのアルバムのジャケットになっている
60年代末のヨーロッパはDS映画だらけじゃないか!
これと『セックス・オブ・エンジェル』(1969)は
二大ユーロ・ドラッグ・シネマトグラフィだよなぁ・・・
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1969(C)doric film .
 
ドイツ青年ステファン(K・グリュンバーグ)はヒッチハイクでやっとパリに着いた。
彼はイカサマ賭博をやっているチャーリー(M・シャンデルリ)と親しくなり、
連れて行ってもらったヒッピーたちの溜り場でアメリカ人の娘エステル(M・ファーマー)
に惹かれたが、チャーリーはあの女はやめておけと忠告するが、ステファンは
エステルに近づく。ステファンはチャーリーと強盗を働き、得た金でエステルのアパートを
訪ねて、生まれて初めてマリファナを吸ってエステルとセックスをする。
エステルは地中海の島イビサに行くが、ステファンもエステルの後を追いイビザに向かう。
ウォルフ(H・エンゲルマン)の家でエステルと再会するが、ドイツ人のウォルフは
今ではホテルなどを経営する実業家だが、元はナチスの戦犯で亡命してきた男で
裏では麻薬も扱っているらしい。ステファンは海岸べりの別荘を借りるが
エステルはウォルフが隠し持っている麻薬と金を失敬してステファンと逃げる。
太陽と自然とドラッグ三昧の刺激的な日々が過ぎていく・・・・
エステルの友人キャシー(L・ウィンク)も別荘にやって来るが、実は
彼女も麻薬常習者で、エステルとは同性愛に仲だった。キャシーが持ってきた
アッシド(LSD)をステファンも試して幻覚の快楽に酔いしれる男女がそこにいた。
まもなくウォルフが居場所を突き止めてやって来た。エステルとステファンはウォルフに
捕まってしまうが、ステファンは麻薬の売人をやらされ、エステルは麻薬欲しさに
ウォルフの慰み物になる。麻薬から逃れられないエステルとステファン・・・・
ある日、ステファンの目の前からエステルが姿を消した。必死で島中を捜すステファンだったが
エステルは見つからない。チャーリーが訪ねて来たが、麻薬でおかしくなったステファンは
チャーリーを殴って飛び出して行く。ステファンは麻薬の禁断症状で売人から買ったヘロインを
大量に注射する・・・・道端で野たれ死にしていた。
粗末な木の棺桶に入れられたステファンの亡骸は馬車に乗せられ島の墓場へ運ばれる。
その葬式にはこわばった顔つきのチャーリーが参列していた・・・・
(1971年5月公開 現代映画配給)
 
 
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1969(C)doric film .

ミムジー・ファーマーは『スペンサーの山』(1963)でデビューしたが
その後は『暴走52マイル』など若者風俗を主体としたB級映画でもてはやされ
その後に反戦運動で左翼思想に傾倒してアメリカを離れて、
ヨーロッパに渡ってイタリア、フランス映画で活躍するようになった。
『モア』は事実上の彼女の初主演作だ。

バルベ・シュローデル(バーベット・シュローダー)はドイツ系スイス人で
フランスでエリック・ロメールと映画製作会社を設立した後に
『モア』で有名になり、その後にメナハム・ゴーランに呼ばれて
アメリカに渡り『運命の逆転』(1990)や 『ルームメイト』(1992)
を監督して売れっ子になった異色人物だ。
 
昔に大映からビデオで発売された時は
『ピンク・フロイド/モア』というタイトルになっていた。
別にピンク・フロイドが本編に出てるわけでもないが、
アルバムが有名すぎたからだろうか?
実はこの作品はフランソワ・トリュフォーも高評価していたとの事。
彼の『恋愛日記』(1977)の撮影はネストール・アルメンドロス だからか?
 
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1969(C)doric film .
 
イメージ 8ジェット・フィルム
レ・フィルム・ロサンジェ製作

監督: バルベ・シュローデル 
脚本: バルベ・シュローデル 
       ポール・ゲゴーフ 
撮影: ネストール・アルメンドロス 
音楽: ピンク・フロイド

 ミムジー・ファーマー 
 クラウス・グリュンバーグ 
 ハインツ・エンゲルマン 
 ルイーズ・ウィンク 
 ミシェル・シャンデルリ

イーストマンカラー
ヨーロッパ・ヴィスタ(1:1.66)
英語/フランス語
モノラル
 
 
 

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