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続・夕陽のガンマン 地獄の決斗』4K
THE GOOD,THE BAD AND THE UGLY
(IL BUONO, IL CATTIVO,IL BRUTTO)

セルジオ・レオーネ監督の「ドル三部作」と言われる
クリント・イーストウッド主演のマカロニ西部劇の
三作目がやっと49年ぶりに銀幕で上映された。

本作の製作は1966年で今年は製作から50年目にあたる年。
ただもう今は存命しているのはクリント・イーストウッドと
音楽を担当しているマエストロ、エンニオ・モリコーネだけと
なってしまった。

当初はイーストウッド、リー・ヴァン・クリーフ
ジャン・マリア・ボロンテのお馴染み三人で製作されるはずだったが、
テュコ役を演じる予定だったジャン・マリア・ボロンテが
ミレーユ・ダルクと愛人関係に陥ってパリへ行ってしまったために
ボロンテの代わりにアクターズ・スタジオ出身のアクの強い俳優
イーライ・ウォラックをアメリカから招いて製作したと言われている。
ハリウッド俳優三人がイタリア製西部劇でスペインの荒野で争う映画は
これが初めてだったろう。
公称150万ドルと言われたこの映画は「荒野の用心棒」の製作費の
15倍。まあ大風呂敷でも80万ドルくらいは製作費はかかったとされている。
オリジナルの上映時間は177分43秒あったが(イタリア版)
1967年12月の全米公開では161分に再編集され上映された。(英語版)
セルジオ・レオーネは177分版で全米上映を望んだが、
劇場の回転率が下がる事を盾に配給会社ユナイテッド・アーチスツ(UA)
に押し切られる形で25分を切って161分版の米国上映版を再編集した。
2002年に版権元のMGMは177分版のイタリア版で英語バージョンを
復元する事を開始した。
修復専問のトリアージ・ラボではオリジナルのネガから修復した。
レオーネの作品を含むマカロニ西部劇は多くは「テクニスコープ」で
撮影され今となっては特殊な方式だった。
(市川 崑の『東京オリンピック』もテクニスコープで撮影された)
テクニスコープは2Pと呼ばれ通常のネガの半分で撮影できる。
同じタイプのものでクロモスコープと呼ばれた撮影プロセスもある。
撮影用のアナモフィックレンズは不要で様々なレンズが使えるのが
利点で、セルジオ・レオーネは超クローズアップを好み、
倍率の高い望遠レンズを使った。
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英語版製作にあたり1967年より25分長くなっているので
クリント・イーストウッド本人と当時はまだ存命していた
イーライ・ウォラックに追加分の英語アフレコを依頼して
177分の英語バージョンが完成した。音声も5.1ch化された。
ただイースウッドも声質もかなり変わっているが、
イーライ・ウォラックは老人の声に変っていたのが惜しまれる。
元の英語版を聞いて、まさに山田康雄大塚周夫が英語で喋っている
のかと錯覚してしまうほどTVの吹替え版の声優のチョイスはベストだと
改めて認識してしまった。


マエストロ、エンニオ・モリコーネの楽曲も素晴らしい。
今年のアカデミー賞で『ヘイトフル・エイト』でオスカーを獲得した
モリコーネだが、この『続・夕陽のガンマン』の主題曲
フクロウが鳴いているようなピッコロの響きと
口笛やハーモニカや大砲の音まで加えられている。
そしてラスト近く広大な墓場に走り回るテューコの場面で
鳴り響く「黄金のエクスタシー
THE ECSTACY OF GOLD/ L'ESTASI DELL'ORO
それに続く「三強相うつTHE TRIO/IL TRIELLO)
撮影中はもうすでにモリコーネの音楽は完成して録音されており
撮影現場で実際に流して撮影が行われたとと言われる。
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TOHOシネマズなんば別館のスクリーンで鑑賞した
4K上映の『続・夕陽のガンマン 地獄の決斗』はそんなに
高画質な印象は無かったが、50年前のパワフルなレオーネの
「代表作」に触れれた三時間だったことは有意義だったと思う。

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午前十時の映画祭
TOHOシネマズなんば別館
12スクリーン
デジタル4K(4096×2160)上映
デジタル音響
配給:東宝東和株式会社
英語版(MGM製作版)
原版テクニカラー(ローマ現像所)
テクニスコープ(2.35:1)
178分
日本語字幕:宍戸 正

THE GOOD,THE BAD AND THE UGLY
1966(C) ALBERTO GRIMALDI PRODUCTIONS S.A.
ALL RIGHT RESERVED.
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H&K MP5Aを構える松本警部補(高倉健)
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11月10日に逝去された俳優・高倉健(享年83歳)
ここ数日のニュースや帯番組でも話題に取り上げられているが、
ブロ友ゾンビマンさんのブログで1989年に出演した3本目の
ハリウッド資本の映画『ブラック・レイン』が21日まで
大阪ステーションシネマの「新・午前十時の映画祭」で
上映されている事を知り、亡くなった映画俳優はその出演作を大きな
スクリーンで観て故人を偲ぶのが最大の供養と思い、劇場へ行って鑑賞してきた。
(実は今回が初めての劇場鑑賞、初公開当時は多忙で行けずその後
 セルビデオを購入して鑑賞)

監督はリドリー・スコット。『ブレードランナー』でネオンと
酸性雨が降りしきる未来の都市を視覚化した彼が実在の大阪の
街を彼なりのイメージで体現している。
(実際のロケーションは大阪市内で心斎橋や十三、
京橋の商店街から神戸元町など)
そして『スピード』で監督としてデビューする前の
ヤン・デ・ボンが撮影監督として参加している。
音楽はハンス・ジマーがスコアを書いている。
 
主演はマイケル・ダグラス高倉健、、
それに劇場用映画ではこれが遺作になっている松田優作
特に癌に侵されて痛みに耐えながら鬼気迫る演技を通した
松田優作の演技は忘れられない
当時売出し中のアンディ・ガルシア
後にスピルバーグの奥さんになったケイト・キャプショー
若山富三郎、神山繁、小野みゆき、ガッツ石松、内田裕也
安岡力也、國村隼らが参加している。

高倉健は、生涯4本の外国映画に出演している。
最初はロバート・アルドリッチの『燃える戦場』(1969)
次に東映京都撮影所で撮影したワーナー映画で
シドニー・ポラック監督の『ザ・ヤクザ』(1974)
三本目が本作で最後が1992年のユニヴァーサル映画『ミスター・ベースボール
200本以上ある高倉健のフィルモグラフィーでも警察官の役柄は
これと『駅-STATION-』(1981)での
北海道県警の三上英次役以外ない珍しい役柄であった。
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NY市警の刑事ニック・コンクリン(M・ダグラス)は
離婚して慰謝料や子供の授業料の払いに悩む日々を送り
内部調査でも汚職の容疑で査問を受けていた。
相棒の若い刑事チャーリー・ビンセント(A・ガルシア)と
ランチを取って愚痴をこぼしているところへレストランに
マシンガンを持った一団が押し入ってきた。
それは強盗ではなくボス挌の男は客の日本人ヤクザから何か奪って
そのボディガードも刺殺して逃走する。
ニックはマシンガンを持った手下を射殺すると刺殺した男を
追って精肉工場へ男を追い詰める。
争った末にニックは軽い怪我を負ったが男をチャーリーと共に逮捕する。
捕まえた男は日本から指名手配されている日本の
新興ヤクザ佐藤(松田優作)だった。
だが佐藤は日本へ引き渡しが決まりニックとチャーリーに大阪まで
佐藤を護送する命令が下る。
日本で芸者と遊んで来いと上司に言われ軽い気持ちでNYを
旅立ったニックたちだったが、
到着した飛行機の中で大阪府警の警官と名乗る連中に
佐藤を引き渡すが、これはトリックですぐに本物の
大阪府警の警官が現れる。佐藤に逃走されたニックたちは
大阪府警に呼び出されて警視の大橋(神山繁)に叱責されるが、
我を通して日本の警察の捜査に介入しようとする。
大橋は2人の”よそ者の”ために英語が話せる
警部補の松本正博(高倉健)を付ける。
ニックは飛行機の中で警官を装った男が殺されている現場である
クラブ・ミヤコに連れて行かれた時に
アメリカ人ホステスのジョイス(K・キャプショー)に出会い情報を聞き出す。
だが佐藤の罠で暴走族にパスポートが入ったコートを奪われた
チャーリーは追いかけるうちにニックとはぐれる。チャーリーは
佐藤の手下たちに囲まれニックが見つけた時は佐藤に長ドスでチャーリーが
首を撥ねられる直前だった。落胆したニックを慰めるジョイス。
そこに松本もやって来てニックにチャーリーの遺品を渡す。
遺品の中にはチャーリーの警官バッジと愛用の拳銃S&WのM66もあった。
その拳銃とホルスターを持ってニックは佐藤を捜して街に飛び出す。
うどんをすするニックと松本。
ニックさん NYの上司から聞いたが汚職で疑われていると?」
ヤクの売人からくすねたんだ」「盗ったのか?」
カネを自由にしてやっただけだ
離婚して養育費で生活が苦しいんだよ」「盗みは― 君自身を汚し私まで汚す

そして佐藤のアジトである京橋のパチンコ屋の一室でスパンコールを発見する。
これはクラブミヤコのホステスで佐藤の情婦のものだと感じたニックは
ホステスを尾行、神戸の銀行から出てくるホステスにスイッチして
何かを受け取った佐藤の手下の梨田(内田裕也)を尾行して製鉄所まで追う。
製鉄所の一室には佐藤と広域暴力団の組長、菅井(若山富三郎)がいた。
佐藤がNYで奪ったのは偽札の原版で、元は菅井の子分だった佐藤が縄張り欲しさに起こした抗争事件だったのだ。
ニックは佐藤を捕まえようとするが、
手下の梨田と吉本(國村隼)に阻まれ2人を射殺するが、佐藤を逃がしてしまう。
そこへ大橋ら警官隊が押し寄せて佐藤を追うニックの行く手を阻む。
チャーリーの遺体と共にNYへ強制送還で飛行機に乗せられる
ニックだが、空港から逃げ出して松本の自宅の団地へ。
松本も停職処分となり警部補から降格されていたのだ。
日本の警察も当てにならないニックは一計を案じてジョイスに
協力を求めて菅井の立ち回り先に行く。
ゴルフ練習場にいた菅井に偽札を手渡すと、
ニックは菅井の屋敷に連れて行かれる。
過去のアメリカに対する私怨をニックにえんえん聞かす菅井
10歳の頃、B29が飛んできた後は街が消えていた。
燃える炎は雨を呼んだ。それが黒い雨。」
お前らは黒い雨を降らせて価値観を押し付けたのだ。
俺たちは自分を見失い、佐藤のような男が大勢生まれた
ニックは菅井にある提案をする
仁義がどうとか体裁を重んじるなら、俺があんたの手を汚さないように
佐藤を消してやる。この国に関係のないガイジンがね・・・

そしてある田舎の畑の真ん中にある屋敷。
じつはここが菅井たちの集会場で、菅井や他の組の親分集に
今日、ここに佐藤が原版を持って現れ菅井に盃を貰うと言うのだ。
菅井の子分に散弾銃を与えらるニック。
まわりは人家も無くて畑に農民が数人いるだけだ。
ニックは銃を構えて佐藤が現れるのを雑木林の中でじっと待つ・・・
そこへ農民に変装して短機関銃を持った佐藤の手下がニックに近づく。
にぶい音とともに地面に伏したのは佐藤の手下だった。
倒したのは松本で、ニックの身を案じて菅井の屋敷からニックを
尾行して来たのだ。
農民たちは全員佐藤の手下で消音銃で菅井らのボディガードを
消して屋敷に近づいて行く。
佐藤の腹は偽札の原版を奪って菅井らも殺して組織全体を
乗っ取る計画に違いないのだ。
そして佐藤が現れて菅井に原版を渡す。
だが盃を渡す前に菅井に「オトシマエをつけろ」と小指を詰めさされる佐藤。
ニックは佐藤の手下が屋敷の中に入ったのを確認すると、
松本に援護を頼んで屋敷の中に入っていく・・・・
小指を落として盃を菅井から受け取ろうとした時に佐藤は
隠し持っていた短刀で菅井の胸を突き刺殺してしまうのだった。
その時に佐藤の手下が駆け込もうとしたところをニックの散弾銃が
火を吹いてあたりは双方入り乱れての銃撃戦となって
菅井側や佐藤の手下もニックや松本の放った銃弾で倒されていく―
佐藤は置いてあったバイクにまたがり畑を逃走するが、
NYでチキンレースの常勝であるニックには佐藤を追い詰めることなど
簡単であった。バイクが転倒して逃げる佐藤、
泥だらけになりながら、ついにニックのパンチに佐藤の身体が揺らいだ。
地面には鋭い切り株が佐藤の身体を狙っている―
このまま佐藤を押し倒せばチャーリーの仇が討てる・・・・

ドアが思い切り開いた―。大阪府警の刑事部屋だ。
「大橋警視は?」松本は同僚の警察官に訊いたのだった。
泥だらけになって松本とニックに両腕を抑え込まれながら
ふてぶてしい表情の佐藤の3人が戻って来た―。
松本警部補 逃走犯佐藤浩史の逮捕を警視に報告します」 
ご苦労、警部補から詳しく事情聴取をする
場面は変わって、大橋から犯人逮捕の感謝状を贈られ
Congratulation(おめでとう)」と労いの言葉を掛けられるニック。
式典にはジョイスも祝いに来てくれていた。キスを交わすふたり。
そしてニックが帰国する日、空港で松本はニックに漏らす
偽札の原版が見つからない、あの家にも、道路にも
運のいい奴が拾ってるよ、そっちのコネと原版があれば一生暮らせるぞ 
左うちわさ
そして松本はNYのニックの子供たちにと玩具が入った土産を渡してやる。
ニックも世話になったお礼にと松本に阪急百貨店の包装紙に入った
プレゼントを渡す。
そしてニックが松本に一礼をしようと頭を下げると
違うよニックさん 親友はこうだ
松本が大きく手を開いてニックの手を固く握りしめる。
元気でな カウボーイ」と言ってニックは去っていく。
今貰った包みを開く松本、中身はワイシャツだったが―
その下には偽札の原版が2枚光っていた。
親友になった男は互いに笑い、ニックは右手を差し出して
親指を突き出して微笑んだ。
 
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高倉健の流暢な英語に惚れ惚れする。
丹波哲郎は別人の吹替えだったが(007は二度死ぬ)
これは紛れもなく高倉健自身の英だ。
東映出身の俳優には珍しくインテリであったという。
また劇中はアンディ・ガルシアとレイ・チャールズを唄う高倉健
これは日本映画じゃないから演じてくれたのだと思う。
邦画なら誰も(監督もプロデューサーも)あんな事は頼まないから。
だからこの映画は貴重なんだ。
まあ物語の締めくくりは変にならず、男と男の友情で終わってるんで
いいかなと思っている。
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    マイケル・ダグラスに演技指導する監督のリドリー・スコット

まあ大阪らしくないという声が高い映画だけど、
1988年当時(撮影時)の大阪の街が映し出される。
最初に空撮で登場するのは大正区の中山製鉄所とめがね橋こと千本松大橋
(昔、深夜に車に乗ってるとめがね橋で変なおっさんに絡まれた事があった)
ニックたちが護送車で行く道は阪堺上町線の軌道が見える。
あれはあべの筋で撮影されているが
大阪府警本部の内部は実は大阪府庁の中で撮影されている。
大阪府警から護送車が出てくるのも実は大阪府庁。
佐藤のアジトは京橋商店街にあるパチンコ屋の京一会館。
(背後にオレンジ色のJR環状線の車両が走っているのが見える)
クラブミヤコはかっての戎橋キリンプラザだし、
ニックたちが暴走族に囲まれるのは十三の栄町商店街。
チャーリーがコートを奪われるのは改築される前の阪急ビル・コンコース。
ニックと松本がうどんをすするは大阪市中央卸売市場本場(福島区野田)
菅井がいたゴルフ練習場は「ゴルフシティー」という
新大阪から大阪の間にあった(今は更地)
そしてニックが佐藤を追う製鉄所は新日鐵住金堺製鐵所(堺市)
松本が住んでいる団地は南港ポートタウン(大阪市住之江区)
 
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パラマウント・ピクチャーズ提供
 
監督: リドリー・スコット 
製作: スタンリー・R・ジャッフェ 
    シェリー・ランシング 
製作総指揮: クレイグ・ボロティン 
    ジュリー・カーカム 
脚本: クレイグ・ボロティン 
    ウォーレン・ルイス 
撮影: ヤン・デ・ボン 
音楽: ハンス・ジマー
主題歌 "I'LL BE HOLDING ON "(歌 グレッグ・オールマン)
 
 
 マイケル・ダグラス
 高倉健 
 アンディ・ガルシア 
 松田優作
 ケイト・キャプショー 
 若山富三郎
 神山繁
 内田裕也
 國村隼
 安岡力也
 小野みゆき 
 島木譲二 
 ガッツ石松

オリジナルデータ
テクニカラー
35mm(スーパー35)
パナビジョン(キャメラ&レンズ)
シネスコサイズ(2.35:1)
ドルビー・スペクトラル・レコーディング
SRステレオ(2−4トラック)
125分
新・午前十時の映画祭
デジタルDLP上映
デジタル・ロスレス24ビット音響(6.1CH)
125分
日本語字幕:戸田奈津子
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こちらもご参照あれ。
歌うサイレント・ウォリアー『ブラック・レイン』
 
 
 
 
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「ブラック・レイン」で使われたスーパー35は左のフルフレーム版で撮影され
右のシネスコサイズで劇場で上映。
TV放送は左のバージョンで放送されたと思われる。
過去に『ヴェラクルス』で使われたスーパースコープと同じ。
少しアスペクト比に違いはあるけど。
 
Copyright © 1989/2014 Paramount Pictures. All rights reserved.
 
大阪ステーションシネマ10で鑑賞。
ここのスクリーンはフルサイズがビスタサイズで
『ブラック・レイン』はシネスコサイズなのでスクリーンの真ん中に映していた。
いわば今のデジタルテレビでシネスコの映画を観る原理と一緒だった。
音響はかなり良好だと思うけど。チャンネルセパレーションも
低域(LFE)の効き方も。
 
 
 
上映中の劇場に出た東映からのメッセージ
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1976 (C) Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc.
 
 
I'm right. He's gonna laugh at you.
They're all gonna laug at you!
「笑いものにされるのよ みんなに」

キャリー』(1976)
 CARRIE 
 
スティーブン・キングの原作に惚れ込んだ
ブライアン・デ・パルマが映像化して彼とキングの出世作になった。
(初めて興行的に成功したデ・パルマ作品)
17歳の高校生、キャリー・ホワイトは初潮を迎えた日から
彼女の知れざる力が身につく。サイコキネシス(念動)の能力を持った思春期の少女が
巻き起こす恐怖を描いているが、クライマックスを除けば全体の雰囲気は
青春映画と言っても良い出来で、いじめられっ子のキャリーの心情や
彼女を取り巻くクラスメイトや女性教師が上手く描かれている。
ただプロムのシーンから物語は一変して容赦なくパーティ参加者を皆殺しにする。
キングの原作では町ひとつが崩壊してしまうが、低予算映画ゆえそれは実現せず
そして狂信的なキリスト信者のキャリーの母親。彼女の家のクローゼットには
聖セバスチャンの像があって、母親はその像と同じ磔刑みたいに絶命する凄まじさ。
 
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1976 (C) Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc.
 
出演者はジョージ・ルーカスの『スター・ウォーズ』と共同でオーディションを行った。
その結果、エイミー・アービングウィリアム・カットジョン・トラボルタ
などが決まり、最終オーディションでナンシー・アレンが入った。
デ・パルマの要望で『ハスラー』(1962)を最後に15年も映画に出てなかったパイパー・ローリー
担ぎ出し、教師役のベティ・バックリーは当時のデ・パルマのガール・フレンドだった。
だが美術監督のジャック・フィスクの妻のシシー・スペイセクがキャリー役を欲しがり
デ・パルマのカメラテストの結果、キャリー役に決定していたアービングはスー役に替わり
シシー・スペイセクとパイパー・ローリーの二人のアクターズ・スタジオ出身の女優の演技は
お世辞ではなく、申し分なく素晴らしい。
 
 
この映画でも熱烈なるヒッチコッキアンであるデ・パルマは、その趣味性を随所に
用意している。まずキャリーが通う高校はベイツ・モーテルならぬベイツ・ハイクール
それとヒッチコック映画を多数手がけた作曲家バーナード・ハーマンが他界したために、
この映画はピノ・ドナッジオが音楽を担当したが、キャリーがサイコキネシスを使う場面では
あの『サイコ』(1960)のシャワー・シーンの有名なキュ〜ン、キュ〜ンという音楽と酷似している。
またラストでスーが錯乱状態になる場面も生前のハーマンが書いたデ・パルマ作品の
悪魔のシスター』(1973)と似通った旋律が使われた。

ブライアン・デ・パルマのテクニックもこの映画では遺憾なく発揮されていた。
まずスプリット・スクリーン(分割場面)は怒りに狂って絶望状態のキャリーの顔のアップと
彼女のサイコキネシスによって犠牲になる者たちの画面が同時に映し出された。
迫力あるシーンだが、デ・パルマはインタビューで失敗だと語っているが・・・・。
それとお馴染みの360度旋廻するサラウンドカメラ
これはトミーとキャリーが踊る場面で使われて、彼らの周りに円形のドリーを用意して
俳優のふたりはさらに回転台に載せられて回されて、その周りもカメラが回ったという念の入れようだった。
それとディープ・フォーカスで数えても三箇所に使われたが、手前の被写体と奥の被写体が
ディオプターレンズによって同じカットで収めることができる。
教師役のベティ・バックリーが右でその左後方にはナンシー・アレンらの生徒たちが
伸縮運動をしているカットでその遠近の境界線が少しボケ気味だったので気になったがレンズのせいだろう。
それにデ・パルマの作品にも劇中にテレビ番組や映画がよく出てくる。
ここでは配給会社UAの西部劇『砦の29人』(1966)が登場していた。
そしてオープニングからすぐ使われるのが俯瞰ショットで、バレーの試合を上から
クレーンを使ってぎこちない動きをするキャリーに視点をあわせたり、
プロムの会場全体や、舞台の上に仕掛けられた大量の豚の血が入ったバケツを上から
撮ってその脇をすり抜けるように客席に座っているトミーとキャリーをズームで追う
素晴らしいカメラワークもお目にかかれる。
 
 
特に不気味なのはパイパー・ローリが演じたキャリーの母親で、初潮を迎えた娘に
祝いの言葉どころか、「最初の罪は性交だ」と呪いの言葉を投げかける。
宗教に狂った信者で、俗世間的な事は一切口にしない。
しかもリビングのテーブルの後ろの壁には大きな「最後の晩餐」の絵のタペストリが飾ってある。
また自分の娘を魔女だと言い張り、毎日のように虐待に虐待を重ねている。
また家の中は昼間でも薄暗く、キャリーは屋根裏の部屋に住んでいて
年頃の娘のようなおしゃれや化粧も許されず、近所の子供らも
「オバケ」だとからかう(このからかう自転車の子供はデ・パルマの甥だそうだ)
トミーにプロムに誘われたキャリーは生まれて初めて母親に反抗する。
ドレスを自分で縫って高校最後のプロムに賭けるキャリー。そのドレス姿を見て
母親は「赤だ」と言う。だがキャリーのドレスは薄いピンクだ。
だがそのピンクのドレスが真っ赤な血に染まる事を母親は知っていたのだろうか・・・
惨劇のパーティ会場から家に戻った血まみれのキャリーは驚く。

家の中が火のついた蝋燭だらけなのだ。その数はなんと700本!
ローソク屋じゃあるまいし・・・(SMマニアの徳島の某氏を連想しちゃったよイメージ 12まぞ

そして血を洗い流したキャリーを母親は肉切り包丁で刺す。もうしっかり狂ちゃってます。
だがキャリーは台所の刃物を念力で飛ばして母親の両手を突き刺し自由を奪い、
次々に包丁類を胸や腹にサイコキネシスで刺して行く。最後の一本はご丁寧なことにスピンしながら
空中を飛んで行き胸に突き刺さる。母親は激痛によるうめき声とも快感による歓喜の声とも
思えるような官能的な喘ぎを最後に聖セバスチャン像と同じポーズで台所で息絶える。
自らの力で母を殺した絶望感と刺された致命的な傷でキャリーの念動は最大限を発揮する。
家の天井が抜け、火事が起こり、キャリーの家は地獄に落ちるかのように地面に沈んでゆく。
(本当は空から大きな石の雨が降って家を潰す設定だったけど、石を降らすコンベアが故障して
撮影できなくなり、火事に設定変更された。それによってキャリーが子供の時に母親に
叱られ小石の雨が降るシーンも編集でカットされてしまった)
 
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1976 (C) Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc.
 
エイミー・アービングがラストに迎える衝撃的な場面は劇場で女性が悲鳴をあげた。
この同じ仕掛けは『13日の金曜日』(1980)でも使われたね!
あのシーンの直前に通りをやって来る彼女のはるか後方に赤い車が走るけど
高速でバックで道路を走っている。あれは実はエイミー・アービングを後ろ向きに
歩かせて撮ったので車がバックで走っているように見える。(逆転撮影)
 
 
キャリーが血を被って女教師コリンズ(ベティ・バックリー)が嘲笑するシーン
あるが、脚本のローレンス・D・コーエンによるとあれはキャリーのイメージの視覚化
彼女は笑わずバケツが落ちて気を失ったトミーを助けようとしているとのこと。
だが彼女が死ぬシーンを削ってとベティ・バックリーはデ・パルマに進言したが
聞き入れてもらえなかったとのことだ。
 
イメージ 11ポール・モナシュ・プロ製作
ユナイテッド・アーチスツ提供

監督: ブライアン・デ・パルマ 
製作: ポール・モナシュ 
原作: スティーヴン・キング 
脚本: ローレンス・D・コーエン 
撮影: マリオ・トッシ 
美術: ジャック・フィスク 
音楽: ピノ・ドナッジオ

 シシー・スペイセク 
 パイパー・ローリー 
 ウィリアム・カット 
 ジョン・トラヴォルタ 
 エイミー・アーヴィング 
 ナンシー・アレン 
 ベティ・バックリー 
 P・J・ソールズ 
 シドニー・ラシック 
 プリシラ・ポインター
 
メトロカラー
ヴィスタサイズ(1:1.85)
英語
モノラル
98分
日本公開1977年3月3日 (ユナイト映画配給)
午前十時の映画祭
配給:東宝東和
日本語字幕:菊池浩司
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1984 (C) Universal Pictures.

ストリート・オブ・ファイヤー』(1984・UNI)
STREETS OF FIRE

おおよそ一年前に記事にして再上映される事を書いたのだけど
ちょうど上映されていたので観て来ました。
第一回の「午前十時の映画祭」にはコレが入っていなかったのでね。
最初に観たのは1984年の夏、大阪なんばの東宝敷島
(現・TOHOシネマズなんばの別館のある場所にあった劇場)
で鑑賞。当時これを観た直後はマイケル・パレが格好良く、ダイアン・レインに一目惚れ。
約四半世紀ぶりにあの時に面白かった懐かしい作品をスクリーンで再会しました。
「ロックンロールの寓話」と冒頭に出るが、ロックじゃなくほとんど歌謡ショウの範疇だけど、
そんな事はどーでも構わない。もうこれは西部劇そのものだ。
舞台はリッチモンドという架空の街で、時代は1950年代を
意識してるかも(正確な時代は記されない)
この作品の根っこにある映画は『捜索者』と『大いなる西部』に
まず間違いはないと思う。
『捜索者』は主人公がインディアンに浚われた姪を捜す話だし、
ラストのタイマン勝負は『大いなる西部』のG・ペックとC・ヘストンを
彷彿させる。
 
以前の記事はこちらから
今夜は青春!ストリート・オブ・ファイヤー』 
 
 
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1984 (C) Universal Pictures.
 
 
 
 
 
当時は映画は音楽と密接な関係を保ち、ヒット曲はまず
新作映画からという時代だった。
最初に火をつけたのは『サタディナイト・フィーバー』あたりか。
80年代に入ると、『フェーム』、『フラッシュダンス』
『グリース』、『愛と青春の旅立ち』、『フットルース』、『トップガン』
のように映画を売りたいのか、音楽を売りたいのか・・・
MTV時代の寵児のような音楽風映画が流行した。

当時はまだ売り出し始めたなっち(戸田奈津子女史)の
日本語字幕。最近の垣間見られる暴走翻訳などなく安心できる
戸田字幕だった(今ならもっと違う字幕になるかも)
 
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 (撮影スナップ:ウォルター・ヒル監督の左は撮影の名匠アンドリュー・ラズロ  )
 
残念なのは今回の上映では音響効果に迫力がない。
それは上映館の設備か、プリントの状態か判らないが
この作品はアナログ時代の光学ドルビー方式でも
十分にサラウンド効果に迫力があった映画で、トム・コーディが
奪ったバイクで逃走する場面などは劇場のサラウンドスピーカーが
全て鳴り響き、バイクが画面中央に小さくなれば連動されてスクリーン裏の
センタースピーカー1本に集約されるサウンドデザインに秀でた作品だったのに・・・
アナログでは高品位のドルビーSRでプリントされているのに残念だった。
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イメージ 7ユニヴァーサル・ピクチャーズ提供
RKO製作

監督: ウォルター・ヒル 
製作: ローレンス・ゴードン 
    ジョエル・シルヴァー 
脚本: ウォルター・ヒル 
    ラリー・グロス 
撮影: アンドリュー・ラズロ 
音楽: ライ・クーダー

 マイケル・パレ 
 ダイアン・レイン
 ウィレム・デフォー
 リック・モラニス 
 エイミー・マディガン
 リック・ロソヴィッチ 
 ビル・パクストン
 デボラ・ヴァン・フォルケンバーグ 
 リチャード・ローソン
 
テクニカラー
ヴィスタサイズ(1:1.85)
92分
(日本初公開:1984年8月11日/CIC配給)
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午前十時の映画祭
配給:東宝東和
フォーマット:35㎜プリント上映
音声:ドルビー・SR方式(アナログ)
日本語字幕:戸田奈津子
TOHOシネマズ梅田
(アネックス:スクリーン10)で鑑賞。
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だいぶ熟したけどダイアンさんはまだお綺麗ですなぁ。
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かなり丸くなったね。
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1967(C)Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc.
 
They call me Mister Tibbs!
(みんなはティッブスさんと呼ぶ)

夜の大捜査線』(1967・ユナイト)
IN THE HEAT OF THE NIGHT
 
公民権運動(civil rights movement)とはアフリカ系アメリカ人すなわち
黒人に平等を獲得する運動でキング牧師(1968年に暗殺)を
指導者として非暴力により
レストラン、ホテル等の施設、公共の交通機関における
人種隔離を撤廃する運動だった。
だが長い間、黒人を奴隷として扱ってきたアメリカの中南部は、
この運動に反撥する
白人が多く、KKK(カー・クラックス・クラン=白人至上主義者)
たちが活発だった
地域は今でもその活動はかなり縮小されたが、生き永らえている。
綿畑で綿を摘む貧しい黒人たち。そこへ車で通る白人の署長と黒人の刑事。
そこで署長は彼に言う「お前は(やつらと違って)いい身分だな
この映画が製作された当時は、東部から来た頭の切れる黒人のエリート警察官と
威張り散らすだけで何も出来ない白人の警察署長という設定は
かなりセンセーショナルだった。
黒人は白人に勝る訳がない、黒人は白人にひれ伏す存在というのが
まだ当たり前の時代だった。
だが・・・21世紀のアメリカはどうだ?
第44代アメリカ大統領バラク・オバマはアメリカ史上初の黒人大統領だ。
 
ジョン・ボールの原作『夜の熱気の中で』(1965年発表)を読んだ
ノーマン・ジェイソン監督は、映画化権を持っているウォルター・ミリッシュに
ギャラは半分でもいいからやらせてくれと頼んだらしい。
監督やスタッフ、キャストたちは熱意を持ってこの作品の製作に臨んだ。
脚本はスターリング・シリファント、編集はハル・アシュビー
(共にオスカー受賞)
撮影はリベラルな映画人として知られており、
アメリカを斬る』(1970)も
監督したハスケル・ウェクスラーが担当した。
音楽はクインシー・ジョーンズで主題歌を歌ったのは
盲目のシンガーとして有名な
レイ・チャールズ。この歌は大ヒットした。
主演は『野のユリ』(1963)で史上初の黒人俳優として
アカデミー主演男優賞を獲った
シドニー・ポワチエ。それにポワチエと同じアクターズ・スタジオ出身の
ロッド・スタイガー(この作品でオスカーを獲得)
それとウォーレン・オーツ。被害者の妻を演じたのは
1950年代の非米活動委員会に睨まれ、映画俳優として活動を停止していた
美人女優リー・グラント(この映画で復帰)
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ロッド・スタイガーと撮影のハスケル・ウェクスラー

劇中ではミシシッピー州スパルタという架空の町が舞台となっているが
撮影は実際のイリノイ州のスパルタで行われた。全編オール・ロケーションで
撮影が行われたが、エリック・エンディコット邸のある綿畑だけは
テネシー州でロケされている。
またポワチエのヴァージル・ティップスは原作では
カリフォルニア州パサディナ警察のホミサイド(殺人課)の刑事だが
映画ではペンシルバニア州フィラデルフィアの刑事の設定となっている。
おそらく「ミシシッピー州フィラデルフィアなのか?」という署長の
一言を入れたくて設定を変更したと推測される。
バジェットは200万ドルで興収は1090万ドル。

物語は真夏のミシシッピーが舞台だが、実は1966年の9月にクランクインされ
スタイガーの署長が容疑者をパトカーで追い詰める場面では背景の山々が
紅葉に染まっている。また昼の駅の場面や、綿畑の場面は夏とは思えない
寒々とした光景がフィルムに刻みれていた。工場用地にポワチエとスタイガーが
居るシーンの撮影現場のスチル写真ではポワチエがランチ・コートを着ていた。
夜間のシーンでは台詞を言う役者の白い息が見えるために、撮影直前に
氷を口に含んで口中に温度を下げて撮影が行われた。
彼等が真夏なのに汗だくにならない理由がこれで明確になったが、
それ以上にアクターズ・スタジオのポワチエとスタイガーは
真に迫った演技を見せてくれる。
特にロッド・スタイガーのギンスレー署長は撮影前日には
もう完全に役に成り切っていたと
ポワチエは後に述壊する。メソッド演技法を完全に
自分のものにしたロッド・スタイガーの
アカデミー主演男優賞は、当然の結果だったに違いない。
(彼は最初から最後まで南部訛りで通した)
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1967(C)Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc.
 

1960年代はメジャー各社がヨーロッパに目を向け、
『ウエストサイド物語』(1961)
以降は、『アラビアのロレンス』(1962・イギリス、デビッド・リーン監督)
『トム・ジョーンズの華麗な冒険』
(1963・イギリス、トニー・リチャードソン監督)
『マイ・フェア・レディ』
(1964・ジョージ・キューカー監督、ロンドンが舞台)
『サウンド・オブ・ミュージュック』
(1965・ロバート・ワイズ監督、舞台はオーストリア)
『わが命つきるとも』(1966・イギリス、フレッド・ジンネマン監督)
で5年間のアカデミー作品受賞作はイギリス映画か、舞台がヨーロッパだ。
この映画はやっとアメリカ人が作りアメリカが舞台となっている。
ただしアメリカの暗部がテーマになっているが・・・・。
 
ミシシッピー州スパルタの町。真夏の熱気で寝苦しい夜。
深夜、警察官のサム・ウッド(W・オーツ)はパトカーで
いつものコースを巡回していた。
サムは住宅街に入り、深夜でも明りのついている一軒の家の前で
パトカーを停めた。
この家の少女ドロレスが毎夜、全裸で家の中をうろついているからだ。
サムはそれを見届けて、町の中心部へパトカーを流すが、
道の真ん中に男が倒れていた。
それはコルバートでこのスパルタの町に工場を建てようと
やって来た企業家だった。
財布は無くなっており、物盗りの犯行に見えた。
サムは署長ギレスピー(R・スタイガー)の命令で深夜の駅に向かった。
駅の待合室にひとりの黒人が座っていた。
サムはその黒人を拘束して署に連れて来たのだ。
しかも彼の財布には大金が入っている。サムは意気揚々として
ギレスピー署長の元に黒人を引き渡す。
「名はなんて言う?」
「ヴァージル・ティップスだ」
「ヴァージルだって?笑わすなよ」
ギレスピーは彼を疑ったが、列車の時間も言うことが筋が通っていた。
「何でこんな金を持っている?」
「自分で稼いだ金だ」
「何をやったらこんな大金を稼げるんだ?ええ?」
「あんたと同じ私も警察官だ!」
「どこだ?」
「フィラデルフィアだ」
「ミシシッピーか?」
「ペンシルバニアだ」
ティップス(S・ポワチエ)は警察バッジをギレスピー署長に見せた。
ギレスピー署長がティッブスの上司の署長と電話でやりとりしたところ、
ティップスは殺人課のベテラン刑事で事件に協力すると言う。
やむなくティッブスはコルバートの検死をする事になる。
医者が言うより死亡推定時刻が早かったのだ。
その頃、容疑者が見つかったとギレスピー署長に連絡が入り、追跡中だった。
男はアーカンソー州へ逃れようとしていたが、ギレスピー署長が先回りして
容疑者を確保した。男はバーベィといいコルバートの財布を持っていて
拾ったと言う。だが、検視の結果はコルバートは右利きの人間に殴打されたが、
バーべィは左利きだった。ティッブスはバーベィは無実だと断定する。
ティブスはバーベィの牢に入って彼のアリバイを聞き、味方に引き入れる。
ギレスピー署長は市長に圧力をかけられ、
コルバート夫人のレズリー(L・グラント)
は黒人の刑事に全権を与えて、真犯人を捕まえるように市長に進言する。
駅から列車に乗ろうとするティッブスをギレスピー署長は
いやいやながらもティッブスに協力を要請する。
ギレスビー署長は町の有力者で大地主のエンディコットに
ティッブスを会わすが意見の相違で彼に平手打ちをされ殴り返すティッブス。
黒人に殴られたエンディコットは屈辱を味わい、陰で彼を痛めつけようと
不良グループに追わすが、間一髪のところにギレスピー署長が現れ、
一喝してティッブスの危機を救う。どうもコルバートは別のところで殺害され、
街中へ運ばれたようだ。そしてギレスピー署長は600ドルを銀行へ預けた
サムを疑い、彼をギレスビー殺しの容疑者として拘留する。
そこへドロレスの兄バーディとドロレスが現れた。
何でもドロレスはサムと関係して妊娠したとうことだ。
ティッブスは牢のハーベィに聞き、モグリの黒人の堕胎屋の情報を聞き出す。
妹の恥を黒人に聞かれたドロレスの兄バーディはティッブスを襲おうと
仲間と一緒に街中を捜しまわる。
ティッブスは聞き出した堕胎屋の店を訪れて、ドロレスの相手を探ろうとした
その時に、店にドロレスがやって来た。追いかけるティッブス・・・
そこへドロレスの相手で銃を握ったカフェのコックの
ラルフ(A・ジェームズ)が立っていた。
そこへバーディたちが、ティッブスを襲おうと車で乗りつけたが、
ドロレスの相手がラルフだと分かると、ラルフはバーディを銃で撃った。
兄の死体に寄りすがって泣くドロレス・・・そこへギレスピー署長がやって来た。
事件は解決した。ドロレスの堕胎代を作るためにラルフが金を持ってそうな
コルバートを襲っただけだったのだ。
朝になり、駅にやって来たティッブスとギレスピー署長・・・
ふたりは握手をして別れの言葉を交わす。ふたりには黒人と白人という
しがらみはもう消えていた・・・ティッブスは列車に乗りスパルタを去った。
(1967年10月25日公開 ユナイト映画配給)
 
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1967(C)Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc.
 
シドニー・ポワチエ主演でバージル・ティッブスのキャラクターだけ
スピンオフさせた続編『続・夜の大捜査線』(1970)と
『新・夜の大捜査線 霧のストレンジャー』(1972)
が制作されたがこの第一作目には及ばない出来だった。
またこの映画では「書き出し」(俳優のタイトルの序列)は
先にシドニー・ポワチエ、二番手がロッド・スタイガーだった。
 
イメージ 7ミリッシュ・コーポレーション製作
 
監督: ノーマン・ジュイソン 
製作: ウォルター・ミリッシュ 
原作: ジョン・ボール 
脚本: スターリング・シリファント 
撮影: ハスケル・ウェクスラー 
編集: ハル・アシュビー 
作詞: アラン・バーグマン 
    マリリン・バーグマン 
音楽: クインシー・ジョーンズ 
主題歌: レイ・チャールズ

 ロッド・スタイガー 
 シドニー・ポワチエ
 ウォーレン・オーツ
 リー・グラント
 スコット・ウィルソン
 ジェームズ・パターソン
 クエンティン・ディーン
 ラリー・ゲイツ
 ウィリアム・シャラート 
 ビア・リチャーズ
 マット・クラーク
 ピーター・ホイットニー
 カーミット・マードック
 ラリー・D・マン 
 アーサー・マレット
 ティモシー・スコット
 ウィリアム・ワトソン
 エルドン・クイック
 アンソニー・ジェームズ
 フレッド・スチュワート
 
 
デラックスカラー
ヴィスタサイズ(1:1.85)
英語・モノラル
109分
午前十時の映画祭
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東宝東和配給
日本語字幕:佐藤一公
第40回アカデミー作品賞、主演男優賞、
脚色賞、編集賞・音響賞
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