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ロリ・マドンナ戦争』(1973)
THE LOLLY-MADONNA WAR
LOLLY MADONNA XXX


鮮血は青春の花びら―
〈バニシング・ポイント〉の鋭才サラフィアン監督が 超暴力で描く衝撃の名作!

1971年に発表したニューシネマの一編にして名作の『バニシング・ポイント』で
頭角を現した映画監督、リチャード・C・サラフィアン
だが彼はそれまでTVドラマを数多く演出して、ロバート・アルトマンとは
親友で彼の作品を手伝ったりしていた。
日本でも劇場公開された『野にかける白い馬のように』(1969)で
劇場映画に進出、そして『バニシング・ポイント』で脚光を浴びる。
期待されてMGMからオファーを受けたのがスー・グラフトン女史の
ベストセラー小説の『ロリ・マドンナ戦争』だった。
テネシーの高原地帯を舞台に土地を巡っていがみ合う二つの家族の
壮絶な物語で、主演はロッド・スタイガーロバート・ライアン
ジェフ・ブリッジスなどで新人のシーズン・ヒューブリーが加わる。
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作品は1972年に撮影され、アメリカでは1973年の2月に公開され
日本でも1973年11月に東京ではみゆき座(当時)で単館公開されたが
興行的にもヒットしなかった。
リチャード・C・サラフィアンはその後に
バート・レイノルズ、サラ・マイルズの西部劇『キャット・ダンシング
を発表するがこれもパッとせず、再びTVドラマ畑に戻って行く。
そして1979年当時、人気絶頂のファラ・フォーセット主演の劇場映画
サンバーン』を撮るが、これも惨めな結果に終わる。
1990年、日本のNHKが資金を出した『クライシス2005』も手掛けるが、
あまりの出来と日本側の勝手な編集に怒って監督名を
アラン・スミシー名義にしてそれ以降は俳優として活躍して
2013年に没した。

町山智浩氏の名著「トラウマ映画館」(集英社)にも紹介されたこの作品、
掲載されている他作品は幾本もDVDリリースされ陽の目を見ているが、
同じMGMで製作された『去年の夏』(1970)と同様に
日本ではビデオ化DVD化はされていない。

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セピア色の家族写真 「フェザー家 1969年」
「幸福な結婚35周年 1966年」「フィンチの妻 ライダジョー 1968年」
「隣人ガットシャル家 1972年」
などが映し出されテネシーの山中の景色が続く。
この土地にはレイバン・フェザー(R・スタイガー)の一家と
バップ・ガットシャル(R・ライアン)の一家が隣り合わせ暮らしているが
お互いは牧草地を巡って対立している。
いきさつはフェザーが税金滞納で取り上げられた先祖代々の土地を
ガットシャルが競売で手に入れたからこの争いは始まった。
フェザー家は男ばかりの五人兄弟
長男スラッシュ(S・ウィルソン)次男スカイラー(T・スコット)
三男ホーク(E・ローター)四男ザック(J・ブリッジス)
末弟のフィンチ(R・クエイド)それに母親のチッキー(K・スクワイアー)
ガットシャルは長男ビラム(P・コスロ)次男ルーディ(K・マーティン)
三男セブ(G・ビジー)、末妹のシスターE(J・グッドフェロウ)
母親のエルスペス(T・ヒューズ)
それにスカイラーとシスターEは密かに愛し合っているが
シスターEまだスカイラーに身体を許していない。
オンボロのシボレーのトラックに乗ってホークがスラッシュを
誘いに来た。それはガットシャルの郵便ポストに一枚の葉書を見つけたからだ。
ロリマドンナという娘がルーディに惚れて嫁にやって来るという内容だ。
バス停で待つから迎えに来てという文面にスラッシュたちは
先回りしてロリマドンナなる娘を誘拐しようとする。
森の中でスラッシュたちがバス停に急ぐのをビラムたちが見張っていた。
トラックが走り去るのを確認するや彼らはフェザーの土地に入って行く。
牧草地に紛れ込んで奪われた自分たちの豚を取り戻すために
わざとロリマドンナなる架空の女を作って裏をかいたのだ。
フェザー家は山中に密造酒の蒸留所を作っていたが、ビラムたちは
それを壊して豚を取り戻す。
しかしバス停にはナッシュビル行きのバスを待っていた
短髪のボーイッシュな美少女ルニー(S・ヒューブリー)がいた。
スラッシュとホークはルニーをロリマドンナと思い込み
トラックに無理矢理押し込んで家に戻って来る。
ルニーはいくら弁解してもフェザーの家の連中は
彼女をロリマドンナと思い込んでルニーを軟禁状態にする。
壊された蒸留器を直していたホークとスラッシュだが
ホークはルニーから奪った化粧品で女装してふざけている。
そこへ密かにスカイラーに会いに来たシスターEがやって来るが
2人は彼女を強姦してしまう。
愛する男の兄弟に無残にも処女を奪われた娘に
母親は慰めてやるが、ガットシャルの男たちの怒りは収まらない。
一方監視されて何処へも行けないルニーだが
ザックが孤児だったルニーに優しく接してくれ
彼女も心優しいザックに魅かれて行く・・・・
そして翌朝にガットシャルは手籠めにされた娘を連れて
フェザーの家に乗り込んでくる。
自分の息子に恥をかかされたフェザーは激怒するが
その怒りの矛先はガットシャルに向けられる。
ガットシャルも自分の土地に立ち入り禁止の看板を立てるが
面白くないフェザーはそこにガットシャルの豚を繋いで
火を付ける。火が迫って断末魔の声を上げる豚を放そうと
一緒いたルニーが走り出した。同じくエルスペスも走って来たが
スラッシュが放ったライフルの銃弾で即死。
だがホークも肩を撃ち抜かれて重傷を負う。
フェザーはスラッシュに怒り殴りつけるが、ここで
初めてスラッシュは父親に刃向う。
それは過去にザックの嫁でありながら自分の実の娘以上に溺愛して
ライダジョーがスラッシュの馬に乗って落馬して死んだことで
フェザーがスラッシュの馬を全部ライフルで撃ち殺した恨みに遡る。
フェザーは何度もスラッシュを蹴り上げるが思い余って
息子を殺してしまう。ガットシャルもフェザー家を全滅すべく
ライフルや拳銃、カービン銃で武装してフェザーの屋敷を囲う。
その時だった、ガットシャルのセブが大事になる前にフェザーの
屋敷に来てホークを差し出せばこの争いに一応の決着がつくからと
説得に乗り込んできた。だがフェザーは長男を殺したショックで
狂っていた。一番冷静なスカイラーは事の収拾を保安官に任せようと
町へトラックを走らせるが、ガットシャルらの放った銃弾でトラックは
横転、スカイラーも息絶える。
それを見たフェザーの人間は唖然とするが、セブが頭を撃ち抜かれて
床に伏した。撃ったのはチッキーだった。
そこへガットシャルの声が・・・「ホークを差し出せ!」
出血が止まらずもう先が無いと思ったホークは自ら出て行く決心をする。
最後くらいは恰好よく死なせろ
自分がスーパースターと普段から妄想癖のあるホークは
死に際までその妄想に酔っていた。拍手喝采の中でホークは銃弾を浴びて倒れる。
「殺ったぜ!」と歓喜に踊るビラムとルディ
ガットシャルが「行くな!」と制止する声が聞こえず飛び出して行くが
ザックが放った銃弾に倒れる2人。「親父!」と悲痛な叫び声をあげるルディに
止めを刺したのはザックの拳銃だった。
みるみるうちに悲愴感で顔が強張って行くバップ・ガットシャル・・・・
家の中では何が起こったか理解できないレイバン・フェザー・・・
再びセピア色の写真が何枚か映し出される。
まだ平和な頃だった両家の写真が。

撮影スナップより(1972年)
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原題はLOLLY MADONNA XXX だったが
XXXは手紙の「キスキスキス」を意味する。
だが映画業界ではXレイテッド、すなわち成人指定の
本番ハードコア・ポルノとなる。
危険を感じた製作のMGMは原作通りに
THE LOLLY-MADONNA WARと戻されたが、
北米版でリリースされたDVDはLOLLY MADONNA XXX版だった。

この作品でデビューしたシーズン・ヒューブリーは初々しくてよかったが
後は女優としてパッとしないで、TVムービーの『ザ・シンガー』で
共演したカート・ラッセルと結婚したが、早々と離婚してしまった。
他にハゲながら強烈な印象を残したエド・ローター
それに悪役で活躍する前の若かりし頃のゲイリー・ビジーも出ている。

シーズン・ヒューブリーが演じたロリ・マドンナ間違われたルニーが
中心に物語は展開すると思いきや、彼女の設定は単なる添え物程度にしかなく
ロッド・スタイガーとロバート・ライアンの大物俳優と
特にスコット・ウィルソンが扮したスラッシュと
エド・ローターのホークに重きを置いたストーリー展開で流れは悪くないが
ラストの終わり方が少々尻切れトンボのような印象を受けた。
ベトナム戦争の最中に製作された事もあって幾分反戦メッセージも兼ねた
アイロニーな味付けを施されていたかも。
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メトロ・ゴールドウィン・メイヤー製作

イメージ 2監督: リチャード・C・サラフィアン 
製作: ロドニー・カー=スミス 
原作: スー・グラフトン 
脚本: ロドニー・カー=スミス 
    スー・グラフトン 
撮影: フィリップ・H・ラスロップ 
音楽: フレッド・マイロー

 ロッド・スタイガー 
 ロバート・ライアン 
 ジェフ・ブリッジス 
 スコット・ウィルソン 
 シーズン・ヒューブリー 
 エド・ローター 
 ランディ・クエイド 
 トレサ・ヒューズ 
 ポール・コスロ 
 キール・マーティン 
 ゲイリー・ビジー
 ジョーン・グッドフェロウ



メトロカラー
パナビジョン(2.35:1)
英語モノラル
106分
日本公開1973年11月3日(MGM配給)
日本語字幕:岡枝慎二

1972(C)Turner Entertainment.All Right Reserved.



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1971 (C) RUSSO PRODUCTIONS.
 
 

肉体の悪魔』(1971・英)
THE DEVILS
 
ケン・ラッセル監督による17世紀にあったフランスの町ルーダンの
聖ペトロ会の司祭、ウルバン・グランディエが魔法使いとして
生きたまま火刑にされた事件を映画化した問題作。
これは原作があって1952年にオルダス・ハクスリーが書いた
ルーダンの悪魔」(THE DEVILS OF LOUDUN)がベースになっている。
実在の司祭、ウルバン・グランディエ(1590−1639)は自分の容姿と
才能に過信して町の広場で公開火刑に処せられた。
罪状はウルスラ修道院の尼僧に悪魔が憑くように働きかけたという
ことだった。実は宰相リシュリューが城壁に囲まれたルーダンの町の
壁を破壊しようとしたが、疫病で死亡したルーダンの知事ダルマニャックから
町の代表権を委任されていたグランディアと対立したため、邪魔になった
グランディエを失脚させようと修道院の院長ジャンヌの嫉妬心を利用して
宗教裁判に掛け、サタニストの烙印を捺されたグランディエを抹殺した。
リシュリューは新教徒の拠点にもなっていたルーダンを圧政下に置き
絶対王政の確立を目論んだことでこの事件が起こった。
 
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1971 (C) RUSSO PRODUCTIONS.
 

冒頭からほぼオカマストリップで「ヴィーナスの誕生」を踊るのは何んとルイ14世!
舞台も女装した男たちなら、観客も女装した男たちに埋め尽くされる。
中世フランスの退廃的な一面からこの映画は始まる。
そして舞台を見ながらあくびを連発する枢機卿リシュリューの手にキスを
するおぞましい面のルイ14世のアップに”THE DEVILS”のクレジットが重なる。
変態ケンちゃんこと、故ケン・ラッセルはTV界で活躍した後、ハリー・サルツマン製作の
ハリー・パーマー第3作、『10億ドルの頭脳』(1967)で劇場映画にデビューするが、
非凡な才能を世に知らしめたのは『恋する女たち』 (1969)で過激な作風とエキセントリック
に満ちた作品群を発表したが、特に物議を呼んだのはこの『肉体の悪魔』だった。
宗教的戒律の裏に潜む性の不道徳およびキリストの冒涜を直接的に描いた内容で
教会や宗教関係者から反撥を受けて、アメリカやヨーロッパでも興行的には失敗した。
内容はやや過度でエクスプロイテーションの要素も多いが、中世フランスのデカダンスを
ストレートに捉えた点では、まさにケン・ラッセルの狂った大傑作と評価したい。
主な出演者はオリバー・リードヴァネッサ・レッドグレイヴ
特に当時34歳のレッドグレイヴは大胆な演技を見せてくれる。
背中にある巨大なこぶのせいで終始、顔を斜めに歪めて奇異な笑いを発し
修道女でありながら、性的不満で淫夢で我を忘れ、秘密の小部屋で様々な
小道具で自慰に狂うウルスラ修道院の院長ジャンヌ・デ・サンジュを熱演する。
(当初はグレンダ・ジャクソンが候補に上がっていたそうだ)
グランディエを演じたオリバー・リードも、坊主頭にされ、町を引きずられ
火あぶりにされる司祭は英国演劇界の異端児であった彼が演じるのは
相応しい役だったかも知れない。彼自信も最高の演技だったと自画自賛した
この作品の公開後、3年間はオリバー・リードとヴァネッサ・レッドグレイヴは
イタリアに入国を拒否される。破れば禁固刑だと警告されている。
映画は1970年の夏から撮影に入って、デレク・ジャーマンの手によって
高い壁が聳え立つルーダンの町がパインウッド・スタジオに建設された。
 
 
 
この作品はVHS(権利はワーナー)で109分版がリリースされ
2008年には初めてDVDでリリースされるはずだったが、
未だに宗教的な問題が解決していない事を理由にワーナーは
DVDリリースを断念した。そして2012年にイギリスのレーベルであるBFI
からPAL方式のDVDが世界初リリースされた。(英国が1971年に成人映画に
指定したバージョンでのリリース)
だがこの作品で一番の物議を呼んで問題になっていたシーンであるイエス・キリストの偶像が
床に降ろされ狂った尼僧たちが像の上で裸でまたがって「キリスト像をレイプ」するシーンは
本編からは削除されたままになっている

米タイム・アウト誌「映画史上もっとも物議を醸した映画50本
第47位にランクされている。ちなみにトップはスコセッシの『最後の誘惑』(1988)
やっぱり宗教映画は物議を醸す?
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これが問題になって削除されたキリスト像のレイプシーン
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1971 (C) RUSSO PRODUCTIONS.
 
 

他の登場人物も決してまともじゃない。グランディエの同僚である聖ペトロ会の司祭
ミニョン(マーレイ・メルヴィン)も風貌はスタートレックのスポックのようで不気味だし
シスター・ジャンヌの悪魔祓いに呼ばれる異端審問官バレー神父(マイケル・ゴザード)などは
その儀式を一般公開して観客の前でジャンヌに特大サイズの浣腸を施して、
まるで見世物小屋の座長気取りのいやらしい変態だ。
国王勅使のローバルドモン(ダドリー・サットン)と結託して、ジャンヌを利用して
グランディエを陥れる。ジャンヌが正気に戻って告白を撤回しようものなら、彼女を性的に支配して
彼の心の中にこそ悪魔が潜んでいるのではと思わせるほどのバチ当たりなエクソシストだ。
グランディエが弄んで子供を孕ませた検事の娘フィリップ(ジョージナ・ヘイル)は
まるで花魁のような顔だけ白塗りのビッチ。実の父親にも毒づく可愛い気の無い娘だ。
結局、ノーマルな登場人物はグランディエが愛して妻にしたマドレーヌ・ド・ブルー(ジェマ・ジョーンズ)
愛した夫、グランディエを火刑にされ、破壊された城壁から地平線まで延びる白い一本道を
歩き始めるマドレーヌの姿でこの映画は幕を閉じる。
 
だが、この後にルーダンの町には新しい司祭が修道院に派遣されてくる。
その名はジャン・ジョセフ・スラン。この人物が中心となった映画がポーランドで作られた。
それはイエジー・カヴァレロヴィッチが監督した『尼僧ヨアンナ』(1962)だった。
舞台をフランスのルーダンからポーランドのルーディンという町に移して
ジャンヌをヨアンナ、スランをスーリンに奪胎換骨されているが、これも事実に
基づいたものとか。
 
ケン・ラッセル監督 オリバー・リード、ヴァネッサ・レッドグレイヴ
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イメージ 6ルッソ・プロダクション製作
 
監督: ケン・ラッセル 
製作: ロバート・H・ソロ 
原作: オールダス・ハックスレー 
脚本: ケン・ラッセル 
撮影: デヴィッド・ワトキン 
美術: デレク・ジャーマン 
音楽: ピーター・マックスウェル・デイヴィス
 
 オリヴァー・リード 
 ヴァネッサ・レッドグレーヴ 
 ダドリー・サットン 
 マーレイ・メルヴィン 
 ジョージナ・ヘイル
 
テクニカラー
パナビジョン(2.35:1)
115分
英語・モノラル
日本公開1971年10月30日(WB配給)
日本語字幕:高瀬鎮夫
 
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1968 (C) 松竹
 

吸血鬼ゴケミドロ』(1968・松竹)
 
 
元は特撮プロのビープロ主催者の鷺巣富雄(うしお・そうじ/漫画家・特撮技術者)が企画した
TV用の映画「ゴケミドロ」が元で、この企画を松竹に持ち込んで実現した。
おそらく日本映画初となるSFホラーが誕生した。
ゴケミドロとは京都の苔寺と深泥池を足した鷺巣富雄の造語で侵略者である宇宙生物を指す。
シナリオは高久進、小林久三が共同で執筆して、東映の専属監督だった佐藤肇が松竹に呼ばれた。
なお、併映作は同じく東映の深作欣二監督が松竹に呼ばれて監督した美輪明宏の『黒蜥蜴』だった。
撮影所は松竹京都太秦撮影所で、スタジオ内に旅客機の実物大の内部セットが組まれた。
屋外のロケ地はどうも滋賀県らしい。
主演は吉田輝雄。新東宝出身で、松竹を経て東映に移ってから、同じく新東宝出身の
石井輝男監督の「異常性愛映画」路線に連続で出演して翌年の石井輝男の大傑作、
江戸川乱歩全集・恐怖奇形人間』(東映)でカルトファンに後世までその名を知られるようになる。
ヒロインは俳優座出身の美人女優、佐藤友美。ハスキー声でまるでモデルのようなナイス・バディ。
それにシャンソン歌手として名高いの高 英男
悪役俳優としても有名で晩年は料理研究家としてもTVに出た金子信雄
それに『宇宙大怪獣ギララ』、『ガンマー第3号/宇宙大作戦』(東映)
昆虫大戦争』、「怪奇大作戦」〜第4話『殺人回路』にも出て当時活躍した
謎の外人タレントキャッシー・ホ-ランが犠牲者の金髪女性で登場。
あとはゴケミドロの声も担当していた高橋昌也(文学座)や山本紀彦など
映画やTVドラマでもよく見かける俳優が脇を固めていた。
しかしよくまあこんな濃い俳優ばかり集めたなぁ
高 英男目張りメイクのゲイっぽい殺し屋は素敵だ。こんなキャラはそれまでの日本映画
には無かったと思われる。しかもその額にゴケミドロが進入する傷が縦割れで卑猥だ。
あのゴケミドロの造形は実際には避妊具を使ったとか。縦割れに避妊具・・・猥褻だ。
東宝のホラー『マタンゴ』(1963)とよく比較されるが、世紀末感はこの『吸血鬼ゴケミドロ』の
方が一歩軍配が上がる。
特撮映画に関してはそのアイデアとストーリーで、『昆虫大戦争』と共に
本家・東宝を一瞬でも越えたかも知れない!低予算のアイデア勝負とはコレかな!
金子信雄の怪演も見逃してはいけない! 政治家に自分の妻を抱かせる武器商人が登場したりで
決してこれはお子様向けの映画ではない。でも当時、劇場でお子様(俺は)小学生は楽しんでいた。
 
ジャンヌ・モローの吹き替えなど声優で有名な楠侑子さん
アンニュイで疲れた人妻を好演。だが彼女もゴケミドロに乗り移られ
生存者たちにメッセージを唱えるのだが、なぜか額がパックリ割れていない・・・?
彼女のどこから体内に侵入したのか?
 
 
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1968 (C) 松竹

 
 
真っ赤な血のような雲海の上空を飛ぶ旅客機。JA307号機、目的地は大阪・伊丹空港を目指していた。
だが不吉な事が・・・機体に鳥が次々に自らぶつかり、死んでいったのだ。鳥の自殺・・・?
管制塔から緊急連絡が入る。JA307号に爆弾が持ち込まれたという。
犯人は自殺志願者で警察に声明文を送りつけたと。JA307号はすぐに羽田空港に引き返す。
機長は副操縦士の杉坂(吉田輝雄)に乗客の荷物を探らせる。
そして貨物室から出てきたスーツケースには組み立てライフル銃があった。
それはブリタニアの大使をそのライフルで暗殺した殺し屋・寺岡(高 英男)のものだった。
寺岡は拳銃を取り出し、杉坂を脅して操縦室になだれ込み、ハイジャックを宣言した。
だがその直後、JA307号は謎の巨大な発光物体と遭遇して計器が破壊して
高度が維持できなくなりどこかの山中に不時着する。主翼は捥げ、生存者はわずかだった。
だが死んだと思われた寺岡はライフルで生存者を脅して、CAの朝倉(佐藤友美)を
人質に機外へ逃走するが、そこにはアダムスキー型の円盤があって、寺岡は吸い込まれる
ようにひとり入っていく。中に入った寺岡の額がぱっくり割れ、そこにゼリーみたいな生物が
寺岡の身体に進入していく。寺岡は宇宙生物に乗っ取られたのだ。
寺岡が怪我していると思い、機内に引き入れこむが、次々と犠牲者が増えていく。
侵略者の攻撃でパニックになる生存者たち。エゴ丸出しで自分が助かりたい一心で
他の者を生贄にしようと企むものも出てくる始末。
侵略者ゴケミドロは犠牲者の身体を使って生存者たちにメッセージを送ってきた。
「我々の目的は人類の皆殺しだ
襲ってきた寺岡に身体にガソリンを浴びせ、滅ぼした杉坂だったが、
ゴケミドロは宇宙生物学者の佐賀(高橋昌也)の身体を乗っ取り、政治家・真野(北村英三)
を殺して、逃げる杉坂と朝倉を襲うが、落石によって杉坂と朝倉は難を逃れる。
やっと町まで降りて来た二人だったが、人々は全て襲われて町は全滅していた。
やがて多数の円盤が地球に襲来して青い地球は茶色く変色して地球へ滅亡する。
(1968年8月14日公開 松竹映画配給)
 
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額パックリおっさんは高名なシャンソン歌手なのだ。  1968(C)松竹
 
 

宇宙猿人ゴリ』で使われたのはこの『吸血鬼ゴケミドロ』の円盤を
流用して使われていた。タランティーノは『キル・ビル』で
日本の空を、またティム・バートンは『マーズ・アタック!』で
円盤の襲来をこの映画からインスパイアしていた。
救いのない結末はルチオ・フルチの『サンゲリア』にも伝承されている。
 
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2003(C) MIRAMAX
 
 
 
高久進と小林久三の脚本はSF映画の名を借りた反戦メーセージが込められている。
戦争未亡人ニールの数少ない台詞は「戦争はいやだ! みんなが悲惨になるから
そしてインサートされるスチル写真はベトナム戦争のものばかりだ。
宇宙生物学者の佐賀(高橋昌也)が総括的に代弁するのだ。
人間同士で争っている時ほど、宇宙生物にとっては絶好のチャンスなのだ
(だから戦争なんて無益なことはやめろ!ってことだね)
 
 
 
 
イメージ 13監督: 佐藤肇 
製作: 猪股尭 
脚本: 高久進 
    小林久三 
撮影: 平瀬静雄 
美術: 芳野尹孝 
編集: 寺田昭光 
音楽: 菊池俊輔
 
 吉田輝雄 
 佐藤友美 
 高橋昌也 
 高英男
 金子信雄
 楠侑子
 加藤和夫
 キャッシィ・ホーラン
 北村英三 
 山本紀彦 
 西本祐行

フジカラー(東洋現像所)
松竹グランドスコープ(1:2.35)
84分
6巻 2,292m

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1968 (C) Warner Bros.
 

愛すれど心さびしく』(1968)
THE HEART IS A LONELY HUNTER
 
 
「町にはふたりの唖(おし)がいた。ふたりはいつも一緒だった。」
で始まる原作はカーソン・マッカラーズの「心は孤独な狩人」(新潮社・河野一郎 訳)
彼女が1940年代に発表した最初の長編小説。ある意味、舞台といい
主人公の境遇といい、作者の経験をもって描かれていたと言われている。
当初のタイトルは「THE MUTE」(唖の男)だったが、出版社の意向によって
「心は孤独な狩人」に変更され世に出た。
それはフィオナ・マクラウドの詩の一片
私の心は孤独な狩人、淋しい丘で狩をする」から引用したとされている。
映画化にあたり、舞台はアメリカの南部(マッカラーズはジョージア出身)の小さな町
に置き、時代も1960年後半に変更されている。
ベトナム戦争や公民権運動でアメリカが揺れ動いていた頃の話だ。
ただ現在ではなかなか見る機会が少ない作品だ(最近、ツタヤのODVで手に入るらしい)
日本での劇場公開は1969年。それから日曜洋画劇場で放映されていた。初放映は1976年03月28日。
80年ごろにWHVからレンタルビデオが発売されていたが、とっくに廃版。
なかなか、TVではお目にかかれなくなった。それはこの作品は障害者や黒人差別を
扱っているからで、まだまだTVコードがうるさくなかった30年前と違い
今は有料チャンネルでも放送できない。それは「CREEP 」や「DUMMY」といった
差別用語とも取られる台詞が出てくるからだろう。
それと黒人への差別。映画の中には「アンクル・トム」という言葉が出てくる。
それは白人に従順な黒人を指し、露骨な蔑称として白人の優位性を強調させる場面に
使われていた。
しかも、登場する人物はみんな不幸になっていく・・・
自殺、癌、不治の病、片脚切断、経済的理由で高校中退など思えばネガティブな内容だ。
 
 
主演はアラン・アーキン聾唖者のシンガーを演じるにあたり彼の台詞は
一切ないが、顔の表情や目の動きで非常に難しい役をこなしている
(この年のアカデミー主演男優賞にノミネートされていた)
まさかオードリー・ヘップバーン主演の『暗くなるまで待って』(1967)の冷酷な殺し屋などは
同じ俳優とは思えない演技の懐の広さ
そしてこの作品がデビュー作になったソンドラ・ロック
愛人だったクリント・イーストウッド映画やそのほかのヘンな映画の彼女じゃなく
実に表情豊かであり、ガラス細工のようなヒロインを見事に演じている

彼女のフィルモグラフィーでは間違いなくこれはベストの作品だと思う。
(彼女もアカデミー助演女優賞にノミネートされている)
 
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1968 (C) Warner Bros.

深夜の町、太った中年の男がひとりで徘徊している。
彼はケーキ屋の前で立ち止まり、いきなりショーウィンドを
ゴミバケツの蓋で割って中のケーキや菓子を食べ始めた・・・・
彼、スピロス・アントノプロスは聾唖で精神薄弱者だが、親友で同じ聾唖者のシンガー(A・アーキン)
と暮らしていた。胸騒ぎを覚えたシンガーはスピロスを捜しに来たが
パトカーに乗せられ連行された後だった。翌日、弁護士の計らいでスピロスは釈放されたが、
彼の身内の従兄弟はスピロスを州立精神病院へ入れてしまう。
シンガーは弁護士の勧めでスピロスの法的な後見人になることに同意するが
手続きまで時間がかかるために、病院に一番近い町に移り住むことにする。
町に着いたシンガーは新聞に目をやると、空き部屋の広告を探した。
彼が訪れたのは静かな住宅街にあるケリー家だ。
ケリー家は時計修理業の父親が腰を痛めて三ヶ月も働けないために
長女ミック(S・ロック)の部屋を貸し部屋にして家計の足しにしようとしていた。
母親も洋裁の内職をしているが、それだけでは追いつかない。
ミックの下には二人の弟もいる。部屋代で週20ドルの収入はケリー家に
とっては馬鹿にできない。だが自分の部屋を他人に貸すミックは不満だった。
しかもやって来たのは「わたしは話ができません、唇の動きで言っている事が分かります」
と書かれたカードを持った障害者だ。「私の部屋にダミーなんて気味が悪いわ」ミックは困惑するが、
母親はシンガーに部屋を貸してしまう。車椅子に乗った父親は何も言えない。
ミックは音楽好きな少女で、近所のクラスメイトで裕福なドロレスの弾くピアノの音色に
うっとり聞き惚れる。だがミックはモーツァルトも知らない少女だが、音楽のあこがれはある。
その夜に父親にピアノをねだるミック。娘に甘い父親は生返事をしてしまうが、
そこへ現実主義の母親が、そんな余裕のない我が家にピアノなど買えないとピシャリ。
「じゃパーティをしてほしいわ」誰の家からもパーティの招待が来ないミックは
パーティに出ることもあこがれだった。「パパに任せておけ、ママを説得するよ」
パパはアテにならないわ、私の部屋もそうよ、あんな【クリープ】に部屋を貸して!」
腹を立てた父親に平手打ちを食らったミックは泣きながら表に飛び出す。
そこへ帰って来たシンガーだったが「お前なんかキライだわ!」と泣き崩れる。
ある晩、シンガーが町のカフェで食事をしていたところ、酔っ払いが絡んできた。
お前だけは俺の話を聞いてくれる、他の連中は笑って聞こうともしないぜ
だが店主には「この人はな、耳が聞こえないんだよ」
この酔っ払いのブライアント(S・キーチ)は自暴自棄になってわざと壁に頭をぶつけて
その場に倒れこむ。戦争では英雄だったが、国へ帰ったら誰も相手にしてくれなく
町から町を放浪していた。居合わせたシンガーは、その場でブライアントの暴れぶりを
傍観していた黒人医師のコープランドにブライアントの手当てを頼んだ。
コープランドは「私は黒人専門の医者だ、白人は診ないんだ」と断るが、シンガーが
聾唖者のカードを見せ、しぶしぶブライアントの応急処置をする。
コープランドにも一人娘のマーシャがいたが、苦学して医師になったコープランドは
娘にはちゃんと学をつけ、医師を継がそうとしたが、無学なウィリーと一緒になり
医師の道を放棄していた。翌日、シンガーはコープランドの診療所を訪ねて
ブライアントの治療代を払おうとしたら、コープランドはシンガーに
私は白人を診ないんだ、だがこの事は世間にはバレないからさ
君が喋れない事が幸運だったよ」と冷たくシンガーに言った。
怒って診療所を飛び出すシンガー・・・コープランドも心外な事を言ってしまったと
彼の後を追い、シンガーに謝罪した。「治療費の代わりに手伝ってほしいんだ」
患者に黒人の聾唖者がいるが、彼の通訳をしてくれないか?」
その夜、シンガーは町でミックを見かける。それはオーケストラのコンサートで
チケットを買えないミックは劇場の裏で漏れてくる演奏に耳を貸して聞き入っていた。
シンガーはそんなミックに同情して、モーツァルトのレコードを買い
聞こえないがレコード・プレーヤーでそのレコードを部屋で掛ける。
ミックが帰宅すると、好きな曲がシンガーのいる部屋から聞こえてくる。
思わずミックはシンガーの部屋に行きレコードの演奏に夢中になる。
この事でミックとシンガーの間に溝がなくなり、ミックはシンガーにやさしく接するようになる。
ブライアントは町外れの移動遊園地で職を見つけ、シンガーやミックを招待する。
ここでマーシャとウィリーが白人に因縁をつけられ、傷害事件を起こして
ウィリーは逮捕される。マーシャはコープランドに嘘の証言をするように懇願するが、
コープランドは聞き入れず、ウィリーは刑務所に送られてしまう。
この件でブライアントはまた失職して、ウィリーが有罪になった事で町を出てしまう。
またコープランドも自分は癌に侵され、余命少ないことをシンガーに打ち明ける。
ケリー家ではミックが着飾り、待望のパーティを開いてた。ドロレスもその兄ハリーも
ミックのパーティにやって来た。だがミックの弟のババは締め出しを食って面白くない。
ババは仲間と花火を使って悪戯を始めて、これでパーティは滅茶苦茶になってしまう。
みんな帰って!なにさ花火なんか!あいつら全くガキなんだから!」
だがミックはドロレスの兄ハリーに映画に誘われて、有頂天になる。彼女にとって
初めてのデートだった。だがコープランドの家ではマーシャが酒を飲んだくれていた。
聞けばウィリーが刑務所で脱走を試みて失敗して片脚を失ったという。
シンガーもスピロスを連れて外出許可をもらい町へ遊びに行くが、前にも増して
彼は扱い難くなっていた。そして厄災はミックにもやってきたのだ。
父親の腰が不治の病で仕事に復帰できないと母親から聞かされ、高校を辞めて
雑貨屋で働けと言われるミック。コープランドは刑務所から戻ってきたウィリーの
件で判事に抗議に出かけるが、白人の保安官はコープランドを馬鹿にして判事に会わせない。
もう将来は何の夢もなくなったミックは泳ぎに出かけたハリーにバージンを捧げる・・・
だが、ハリーの女々しい態度に失望するミックだった。ミックはひと夏の経験で
自分の夢と少女時代に別れを告げた。
コープランドとマーシャの確執を目の辺りにしたシンガーは、ついにコープランドの癌の
事をマーシャに教え、父親を疑問視していた父娘はやっと理解しあえる。
シンガーにも不幸が訪れる。スピロスを病院に訪ねたシンガーは看護婦の口から意外な事実を
得るのだった。スピロスはもう既に死んで埋葬されていた。
彼の墓の前で呆然と天を見上げる失意のシンガー・・・・その夜、静かな夜だった。
階下にいたミックが銃声を聞きつけ、シンガーの部屋に行くと彼は自殺していた。
ミックは花束を持ってシンガーの墓を訪ねる。そこにはコープランドもやって来ていた。
コープランドは「みんな自分の悩みを彼に問いかけていたんだ。
だが、彼自身の悩みは誰も分かっていなかったんだよ
ミックは「彼は私が必要な時は傍にいてくれた。だけど彼が必要になった時は私はいなかったのよ
そしてコープランドも墓地から去り、ひとり残ったミックは墓石に問いかけるように囁く。
シンガーさん、聞こえる?知ってほしかったの、本当はあなたを好きだったのよ・・・・」
(日本公開1969年4月29日 ワーナー・セブンアーツ配給)
 
 
 
本屋になかったんで図書館で見つけた原作本。
右のオバハンがカーソン・マッカラーズ。
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ディブ・グルーシンのスローな旋律が心地よい。
やはり健康的でボーイッシュなソンドラ・ロックが素晴らしい。
70〜80年代の彼女の作品しか知らない方は是非観るべきだと思う。
しかし言葉を聞きも喋りもできない主人公に「シンガー」という名前を
つける女流作家マッカラーズも辛口な小説家だ。
またシンガーとスピロスはホモセクシュアルな関係とも思わせるが、
あまりこの映画はそのへんは強調はしていな い。
未見の人は松山善三の『名もなく貧しく美しく』(1961)のアメリカ版かと
思われるかも知れないが、全然違う。誰かに自分の悩みを聞いてもらえる者も
なく、突然親友の死を知らされた主人公シンガーは絶望の淵に立たされ
自らのこめかみに拳銃を撃って自殺してしまう。この一発の銃声により彼が
決してキリストのような聖人ではなく、彼も悩める青年であった「現実」に
観客は引き戻されてしまう。
 
※ザ・シネマ(CS227)でこの作品が何十年ぶりかで放送されます。
放送日は2016年4月28日(AM1:45〜)シネマ解放区
 
 
イメージ 3ワーナー・セブン・アーツ提供
 
監督: ロバート・エリス・ミラー 
製作: トーマス・C・ライアン 
    マーク・マーソン 
原作: カーソン・マッカラーズ 
脚本: トーマス・C・ライアン 
撮影: ジェームズ・ウォン・ハウ 
音楽: デイヴ・グルーシン

 アラン・アーキン 
 ソンドラ・ロック 
 ステイシー・キーチ 
 ローリンダ・バレット 
 チャック・マッキャン 
 シシリー・タイソン

テクニカラー
ビスタサイズ(1:1.85)
英語・モノラル
124分
 
 
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1968 (C) Warner Bros.
 
 
 

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1970 (C) Twentieth Century Fox corporation
 
成功を夢見てロスへ向かう三人娘のロックグループとマネージャー。
しかし彼らを待っていたのはセックス&ドラッグのハリウッド・バビロンだった。
 
ワイルドパーティ』(1970・FOX)
Beyond the Valley of the Dolls
 
世の中の男性は巨乳がお好き?
あたり前田のクラッカーじゃねぇか!
それでも人一倍巨乳好きなおっさんがいたんだそーだ。明けても暮れても巨乳・巨乳・巨乳!
その名は・・・泣く子も黙るラス・メイヤーだ!!!
 
映画とはそもそもサーカスや芝居みたいに「見世物」だった。
すなわち観客の好奇心をそそり、彼らの財布から金を巻き上げる見世物。
それは普段見られないもの・・・暴力、ヌード、セックス。
それを「エクスプロイテーション」(搾取)と呼んだ。
ラス・メイヤーは第二次世界大戦で従軍映画カメラマンとしてヨーロッパに
渡り最前線を含め戦場を16ミリカメラの収め続けた。
終戦を迎え復員後に彼はプロの写真家を目指すが、ヌード写真も手掛ける。
彼は妻のイヴを被写体に数々のヌード写真を撮影するが、彼の撮ったイヴの
写真がヒュー・ヘフナーの目に留まり、イヴのヌードは「PLAYBOY」の
グラビアを飾る。そして彼女がプレイメイト・オブ・イヤーに選ばれると同時に
ヌードラメラマンのラス・メイヤーも本格的に活動を始め、スチルカメラから
ムービーカメラに持ち替え数々のヌード映画を撮り始めた。
そして彼が製作したヌーディスト映画「THE IMMORAL Mr.TEAS」は撮影に4日、バジェット2万4千ドル
で撮影され、劇場にかかった。結果は収益150万ドルの大ヒットになった。
これがブームに火をつけてヌーディスト映画は3年間に150本以上も製作された。
上映される場所はメジャーの非チェーン映画館やドライブ・イン・シアターだ。
だがこんなブームはすぐ去ってしまうだろう・・・ラス・メイヤーは
セックスと暴力を描いた劇映画を製作する。その『肉体の罠』(1964)はレイプや殺人
を描いた内容で脳天気なヌーディスト映画と一線を画する映画だった。
やがてラス・メイヤーはDカップのエリカ・ギャビンを使い彼の作品で最高収益を上げた
映画(予算6万8千ドルに対し収益は何と900万ドル)の『女豹ビクセン』(1968)を発表する。
ニューシネマの到来でハリウッド・メジャーは今までの映画作りの転換期を迎えていた。
だがどの会社も判っていたのだ。「セックス映画は金になる!儲かるんだ!」
ヘイズコードが遵守されなくなり『バージニア・ウルフなんかこわくない』(1967)では
汚い言葉を、アントニオーニの『欲望』(1966)は女性の恥毛が登場する。
カナダで撮られた『女狐』(1967)は同性愛が描かれ、女同士の生々しい愛欲シーンが登場した。
従来の承認シール制から1968年にMPAAはレイティングシステムに移行した。
極めつけはヴィルゴット・シェーマンが監督したスウェーデンの映画『私は好奇心の強い女』(1967)
当初はアメリカ合衆国での公開ができなかったが、最高裁の判決で上映が可能となった。
(この判決でアメリカも西ドイツやデンマークより遅れをとったが事実上のポルノ解禁に向かう)
金のなる木だった「セクスプロイテーション映画」(過激な性描写を売り物にする映画)に
望みを託すほどメジャー会社の凋落ぶりはひどかったのだった。
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1970 (C) Twentieth Century Fox corporation

ラス・メイヤーに白派の矢を立てたのは20世紀フォックスだ。早速、フォックス側は
メイヤーと2本の契約を行った。その最初の作品が『ワイルド・パーティ』だった。
出演者はPLAYBOY誌(1968年4月)で美しいヌードを飾ったドリー・リードバスト94センチ!)
彼女はイギリス出身で映画は『吸血鬼の接吻』(1964)でデビュー。
同じく68年12月号のプレイメイト、シンシア・マイアーズバスト99センチ!)
女豹ビクセンのエリカ・ギャビン(96センチ!)フォックスから出せと頼まれてラス・メイヤーと
後に結婚したイーディ・ウィリアムズバスト94センチ!)もう巨乳の同窓会やわぁ〜
ラス・メイヤーは当時はもう50歳を越えていたので最新の若者文化など理解できない。
そこで協力したのが若い映画評論家のロジャー・エバートだ。
エバートはかねてからラス・メイヤー作品を賞賛し支持していたからだ。
ラス・メイヤーに言わせると「ロジャー・エバートも巨乳が好きなんだ」
ロジャー・エバートは一ヶ月の休暇を取り、ラス・メイヤーとシナリオを組むことにした。
フォックス側は同社のヒット作『哀愁の花びら』(1967)の続編としてこの企画を
出して原作のジャクリーン・スーザンに脚本を依頼したが、
「ポルノ映画の監督の作品の脚本なんて書けるわけがない」と拒絶されたのだ。
だから内容は一見『哀愁の花びら』のようだが風刺の効いたパロディになっている。
そしてジャクリーン・スーザン側の攻撃を避けるために冒頭に
『哀愁の花びら』と関係がないとわざわざテロップが入れてある。
 
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             ラス・メイヤー(左)とロジャー・エバート
 

一旗上げるために女三人のロックバンド「ケリー・アフェアー」
ケリー(D・リード)とケイシー(S・マイヤーズ)ペトロネラ(M・マクブルーム)
とケリーの恋人でマネージャーのハリス(D・ガリアン)はカリフォルニアを目指す。
そして知り合った凄腕のプロモーターのZマン(ジョン・ラザー)に
バンド名を「キャリー・ネイションズ」に変えて売り出してやると持ち掛けられる。
しかし、麻薬やLSDや毎夜行われる乱痴気パーティで彼女たちはだんだん
深みにはまって行く。ケリーはハリスを捨てて新しい男とねんごろに。
だが絶望したハリスは自殺を図り半身不随になってしまう。
ペトロネラも新しい恋人が出来たが黒人ボクサーに身体を許し別れ話が。
ケイシーもレイプされて知らない男の子供を宿して堕胎する。
そのケイシーはレズのデザイナー(E・ギャビン)に誘惑され
Zマンが主催するパーティへと呼ばれる。
だがZマンは突如狂いだしてサーベルで首をはね、45口径を乱射して
客を殺しまくる。ケイシーはケリーに電話して助けを求めるが、
Zマンに眉間を撃たれて絶命し、Zマンの屋敷は修羅場と化した。
駆けつけたケリーらにZマンは押さえ込まれ自分の銃で死んでしまう。
悪夢のような一夜の「ワイルドパーティ」は終わった。
ただ残されたケリーに希望の光が射した、それはハリスの足が動いたのだった。
ケリーとペネロレラはそれぞれの伴侶を伴って同じ教会で式を挙げた。おしまい。
(1971年11月14日公開 20世紀フォックス映画配給)
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1970 (C) Twentieth Century Fox corporation   ドリー・リード94センチのおっぱい♪

これは20世紀フォックスが初めて製作した「成人映画」(X-レイテッド,現在のNC-17))
で同じ年に公開されて徹底的に世間から叩かれたマイケル・サーン監督『マイラ
もXレイテッドになった

『ワイルドパーティ』の原題はBeyond the Valley of the Dolls(人形の谷の彼方に)
『哀愁の花びら』がValley of the Dolls。だが人形の谷ではどちらも
邦題は意味が分からないため、男なのにオッパイつきのZマンが引き起こすクライマックスの
殺戮パーティを日本公開タイトルに持って来たと思われる。
この殺人パーティはマンソンファミリーが起こしたシャロン・テート惨殺事件を
ヒントに作られている。サーベルで男の首を刎ねる場面はご丁寧に
20世紀フォックスのあのファンファーレがバックに鳴り響く念の入れようだった。
本作のバジェットは90万ドルで劇場公開の収益は900万ドルを越えた。
続くフォックス製作でラス・メイヤー監督作「7分間」は
恍惚の7分間・ポルノ白書』(1971)というタイトルで公開されたが、
セクスプロイテーションというより法廷劇に近いもので、こちらレイティングはPG(一般映画)だった。
この映画の2年後にジェラルド・ダミアノはハードコアポルノ映画『ディープ・スロート
ミッチェル・ブラザースはマリリン・チェンバース主演で『グリーン・ドア』を公開して大成功を収めるが
ラス・メイヤーはソフト・コア路線を貫き、生涯一度たりともハード・コア作品は撮らなかった。
Zマンのモデルとなった音楽プロデユーサーのフィル・スペクターは2003年に自宅で
女優を拳銃で殺害して禁固19年の判決を受けて現在刑務所に服役している。
 

イメージ 620世紀フォックス提供
監督: ラス・メイヤー 
製作: ラス・メイヤー 
原案: ロジャー・エバート 
    ラス・メイヤー 
脚本: ロジャー・エバート 
撮影: フレッド・J・コーネカンプ 
音楽: スチュー・フィリップス

 ドリー・リード 
 シンシア・マイヤーズ 
 マーシア・マクブルーム 
 デヴィッド・ガリアン 
 ジョン・ラザー 
 マイケル・ブロジェット 
 エディ・ウィリアムズ 
 エリカ・ギャヴィン 
 フィリス・デイヴィス 
 チャールズ・ネイピア 
 パム・グリア 
 ハリソン・ペイジ
 
 
デラックスカラー
パナビジョン(1:2.35)
英語・モノラル
108分

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