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悪魔が呼んでいる
東宝(昭和45年)

1970年7月に東宝系で公開された山本廸夫監督作品。
同時上映は同じ山本廸夫監督の
幽霊屋敷の恐怖 血を吸う人形
同じ監督の新作が同時に公開されるのは
なかなか珍しい事だとおもう。
(翌年の昭和46年も山本廸夫監督の
呪いの館 血を吸う眼』と『雨は知っていた
が同時公開されている)
ホラーとサスペンスの取り合わせが良かったのか
2年続きで同じような番組が組まれていた・・・
まあ当時は邦画各社は不況のどん底。
そのうち大映は倒産、日活は一般映画から撤退。

助監督として東宝に入社した山本監督は
テレビドラマ『遊撃戦』で一本立ちしたが
やっと劇場映画で監督昇進を果たした。
その監督デビュー作『野獣の復活』(昭和44年)
死ぬまでに一本だけ、人が悲鳴を上げるような映画を作りたい
とこの映画の完成パーティで人前で語った。
それを聞いたプロデューサーの田中文雄がこの映画2本を企画した。
この番組のメインは『幽霊屋敷の恐怖 血を吸う人形』だった。
添え物として製作された『悪魔が呼んでいる』だが
山本監督は実際には幽霊や吸血鬼には興味がなく
ヒッチコック映画ばりのショッカー映画
を撮りたかったと
後年語っている。
山本廸夫監督にとってのメインは本作だったかも知れない。

山本廸夫監督の劇場映画は昭和49年の『血を吸う薔薇』を
最後にその後はテレビ畑に赴き『太陽にほえろ!』
『俺たちの勲章』や『大都会』
また「火曜サスペンス劇場」や「土曜ワイド劇場」で
数々の作品を手掛けた職人だった。2004年没。


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原作は角田喜久雄のサスペンス小説
黄昏の悪魔」(1957年発表)
導入部は原作とかなり近いが中盤から原作から離れて
映画の方はあらぬ方向へひとり歩きしていく・・・。
主演は酒井和歌子さま。東宝映画の永遠の清純派のイメージが
強い彼女ですが、劇中にもバーのママに言われる台詞通り
まるで「幼稚園の先生」みたいな彼女。
テレビの「飛び出せ!青春」でも舞台になる高校の本倉先生を
演じて10代の男性の憧れの的だった。
清潔感があって気丈な面も彼女の魅力のひとつかも。
東宝を離れてからは火曜サスペンス劇場の人気女優でもあった。
69歳の現在も年齢を感じさせないまだまだ綺麗でいらっしゃる。
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旅行会社の契約社員の江原ユリ(酒井和歌子)は普段通り
出社するといきなり仏頂面した上司に呼びつけられ
今日限りで会社を辞めてくれ」と告げられる。
ただ解雇の理由を明かされないのでユリは抗議するが
上司は何も語らない。もうこれ以上無駄だと悟った
ユリは差し出された給料と退職金を受けて去っていく。
この事の愚痴を聞いてもらおうと呼んだ恋人(下条アトム)
からも理由がないまま「別れよう」と切り出され
戻ったアパートの大家からも「出て行ってくれ」と
不幸の連続がユリを襲う。
出版社の面接に出かけたユリだったが
その会社の社員・浦辺(新克利)と知り合い
面接の結果を教えてあげると親切にされる。
試験の結果はトップだと浦辺に教えてもらい
ルンルン気分でアパートに戻るが、部屋に空き巣が
入り預金通帳も全額引き出されていた。
気分転換で入った喫茶店でも財布が無い事を知り
無一文になったユリは飛び込みでバーのホステスと
して雇ってもらうが、客の片桐(大滝秀治)に
財布泥棒の嫌疑をかけられる。
おまけに浦辺の会社から送られてきた採用通知は
不採用だった・・・もうどうでもなれと列車に飛び込み
をしようとするユリを助けたのは藤村(藤木孝)という男で
彼女の相談に乗ってくれるが喫茶店で飲まされた
クスリで朦朧としてアパートまで藤村に送ってもらうが
その藤村はなんと自分とユリの婚姻届を持っていた。
藤村に押さえつけられて意識が遠くなっていくユリ。
目が覚めると「夢だったのね・・・」と思うや否や
足元には藤村の刺殺死体が転がっていた。
アパートから逃げだしたユリは路上で浦辺とバッタリ会う。
「採用通知は合格だったんだぜ」という浦辺は
今までのユリの話を聞かされ信じられない話だが
君を信じようとアパートに見てくると走っていくが
公園で待つユリに2人の男女が声を掛ける。
玲子(田村奈巳)と八十島(今井健二)だ。
拳銃のようなものをユリは八十島に突きつけられ
車で連行されのは何やら怪しい地下のライブハウスのような
場所(看板がCLUBマリファナ(笑))
若者たちが大勢、踊っているがいきなり
クラッカーが鳴らされ「ようこそ 花嫁」と
キザっぽい男、後宮(西沢利明)が登場する。
そこにもまた「ユリさん 私のいう事を訊けば
何も怖い事はないんだよ」とあの片桐が再び現れる。
いきなり照明が消されて闇になりユリは玲子と八十島に
捕まって後宮が運転する車に乗せられてマンションの一室に
連れ込まれるが、そこには猟銃を持った片桐が待ち構えていた。
この場面は酒井和歌子さまのパンチラのサービスあり
みんな私に逆らえないんだよ それは私が、
私の血が高貴だからなんだ
」とうそぶく片桐。
私は・・・片桐伯爵だ
八十島はその言葉を嘲笑し激高して声を上げる片桐。
やめて!いったいあなたたちと私が、
私が、いったい何の関係があるんですか?お願い!教えて
!」
とユリが堰を切ったように叫びはじめた。
ユリ、今はそれは言えない、だがお前もバカな事をしたもんだ
と片桐が冷たくあしらう。「何で藤村を刺殺したんだ
私、殺してなんかいません!死んでいたんです!」
そこに何やら怪しいメロディーが流れてくる。
片桐は手下に八十島たちを監禁してユリを別の部屋に入れる
お前は私の養女になるかは考えておけ
自殺したいなら窓から飛び降りても止めたりしない、
もしお前が死んでも私の目的は達成するんだからな

とユリに告げる。
朝になって逃げだそうするユリ。片桐はソファーで
寝入っているが、手下の佐野に勘付かれ逃亡を阻止されるが
八十島たちが片桐たちを欺いて猟銃を奪う。
片桐たちはマンションから逃げ出すが、事の真相を
後宮を脅して知った八十島にユリが襲われそうになり、
ユリが逃げ込んだ浴室のバスタブには後宮の死体があった。
慌てて浴室から出てきたユリは八十島のナイフで脅される。
思い余ってベランダに出て飛び降りようとする。
ここから飛び降りますよ!」
まあ、待てよ、おめえが死んだら何もならねえ」
「おめえには50億という遺産が入るんだぜ」
「いい加減な事を言わないで、そんな親戚はいません!」
「段原正作ってじいさんを知ってるだろう?」
「段原?...知りません!」
「ケッ、きちがい沙汰だよ」
「そのじいさんがお前に全財産を残そうとしてるんだ」
「じゃあ みんながあたしを
?」
そうだ あの片桐とかいう化物もその段原の義理の弟だよ」
「後宮と藤村はその甥ってわけだ」
「だからあいつらがおまえの周りの連中を金で手懐けてお前を
自殺に追い込めようとしたけど自殺を思いとどまったんだろ?」
「私はその人に会ってやめさせてもらいます

バカな!俺はそのために殺しまでやったんだぞ!」
そこで猟銃の撃鉄を起こす音。
そこには玲子が八十島に向けて猟銃を構えている。
私はこの子と仲良くやっていくわ ねえユリちゃん
「殺人犯のあんたはもう用済みよ」
「この野郎!」ともみ合う玲子と八十島
その隙に玄関から逃げようとするユリの背後で銃声が・・・
玲子が血に染まって崩れるのがユリの眼に映った。
非常用のらせん階段を降りて逃げるユリ、それを逃がすまいと
必死に追いかける八十島。その時、階上で「だれだ?てめえ?うわぁ〜!」
上から絶叫と共に八十島の身体が落ちてきて地面に叩きつけられる。
通行人たちが八十島の死体の周りに集まっている。
それを尻目に逃げようとするユリの背後に突然、
「江原君!」
ぎょっとして足を止めるユリ。
ここから話は混沌としていくのだった・・・・

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全編怯えるように眼を剥いて
口を歪ませて
慄く酒井和歌子さんの表情を
観るだけでも
一見の価値アリかも。
映画はホンマ無理矢理感が強いけど(笑)
冒頭にワンカットだけ出てくる北林谷栄さん
ラストで重要な役で再登場となります。
あの悪役など無縁かと思えるの大滝秀治さんが見事なワル役で登場。
まあ今井健二は絶対悪役なんで心配ないけど、
美人女優の田村奈己さまは「幽霊屋敷〜」の方に出ても
おかしくないくらいの血の気が無い青白いメイクで登場。
西沢利明、この方どっかで見たなぁと思ったら
「宇宙刑事ギャバン」の長官役だったと記憶します。


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本作は残念ながら東宝からはビデオ/ディスク化はされていない。
数年前に日本映画専門チャンネルで放送されたものを録画で残してある。



監督: 山本迪夫 
製作: 田中友幸 
    田中文雄 
原作: 角田喜久雄 
脚本: 小川英 
撮影: 原一民 
美術: 本多好文 
編集: 岩下広一 
音楽: 真鍋理一郎

 酒井和歌子 
 新克利 
 今井健二 
 藤木孝 
 田村奈己 
 北林谷栄
 大滝秀治
 西沢利明


35㍉・カラー(東京現像所)
シネスコ
75分
1970年7月4日封切
同時上映『幽霊屋敷の恐怖 血を吸う人形
東宝映画

1970(C)東宝
Terror in the Streets © 1970, Toho Co., Ltd.

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ノッポで金髪で黒い靴をはいている男』 1972 年
東和の公開ラインナップに入っていたが日本劇場未公開に終わった




ミレーユ・ダルクが逝ってしまった。
79歳だった。

彼女の全盛期は主に1960年代。
かっての恋人だったジョルジュ・ロートネルの『恋するガリア』
に出演して有名になり、『太陽のサレーヌ』や『エヴァの恋人』
『女王陛下のダイナマイト』や『牝猫と現金』などの活劇にも出演。
ジャン=リュック・ゴダールの映画にも出た。
1969年の『ジェフ』でアラン・ドロンと共演後に
彼の愛人となり私生活でもドロンを支えた。
世界一のイケメン、アラン・ドロンをがっちり掴んだ
のは彼女の性格の良さだったとか。

ミレーユ・ダルク、
あんた、いい女だったよな。
安らかにお眠りください。

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爆薬には爆薬! 『女王陛下のダイナマイト』
https://blogs.yahoo.co.jp/gh_jimaku/18214047.html

銃声でワルツを・・・ 『狼どもの報酬』
https://blogs.yahoo.co.jp/gh_jimaku/18613742.html

バッタ娘南欧を行く 『太陽のサレーヌ』
https://blogs.yahoo.co.jp/gh_jimaku/23067511.html

ダイヤモンドは血の匂い 『ジェフ』
https://blogs.yahoo.co.jp/gh_jimaku/27777981.html


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ビッグマグナム77
BLAZING MAGNUM

1976年製作、イタリアとカナダの合作映画。
日本やイタリアではアクション映画として売られたが
北米ではジャッロ映画扱いとして公開されている。
日本では『ビッグマグナム77
イタリアではUna magnum Special per Tony Saitta
トニー・セイタのためのスペシャル・マグナム銃
スペインはEscandalo en la residencia
スキャンダル学生寮
フランスではSpecial Magunum(スペシャル・マグナム
スエーデンやフィリピンではBlazing Magnum
燃えさかるマグナム
アメリカではStrange Shadows in an Empty Room
空き部屋の怪しい影)でAIPが配給した。
各国での公開タイトルの違い、扱いが面白い。

日本では配給会社がほぼこれ1本を公開して解散してしまった
ために東京や大阪の封切館以外に上映されなかったかも。
(自分は幸いにも大阪の南街シネマで劇場鑑賞していた)
数年後に地上波にて放送、日本コロムビアからも
ビデオテープとLDで発売されていたが、もう30年前の話。
その後放送権も切れ、放送もされず、VHSテープも高額で取引され
この作品はファンの間ではカルト映画となっていた。
最近アメリカで「Shadows in an Empty Room」北米英語版が
キノローバというレーベルからハイビジョン・テレシネ
ブルーレイで発売されたため
日本でもそのHDマスターを使ってようやくDVD化された。

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この作品の監督はマーティン・ハーバート
だがアメリカ人でもカナダ人でもない。
イタリアの職人監督アルベルト・デ・マルチーノの変名だ。
『豪勇ペルシウス大反撃』や『無敵の七人』の史劇や
『荒野の10万ドル』などマカロニウエスタン
『077/地獄の挑戦状』『アッパー・セブン/神出鬼没』
『ドクター・コネリー/キッドブラザー作戦』などのスパイ活劇
『アルデンヌの戦い』のイタリア戦争活劇
『レディ・イポリタの恋人/夢魔』
『悪魔が最後にやって来る!』などオカルト・ホラー映画
など何を撮らせてもソツなくまとめてしまう伊太利亜映画職人
それがアルベルト・デ・マルチーノだ。
脚本もフランク・クラークなる人物だが
これもジャンフランコ・クレリチが書いたホンだ。
ルチオ・フルチと組んで『マッキーラー』
や『マーダーロック』『ザ・リッパー』などを書き
『死神の骨をしゃぶれ』や『ベレッタの女/最後の誘惑』
それと世に悪名高い(笑)『食人族』のシナリオも彼の作品だ。
それにヴィセンゾ・マンニーノ
マルチーノ監督の『荒野の10万ドル』や
ジャッロ映画、イタリア犯罪映画の脚本が多い。

そしてこの映画で作品以上に出来が良いとされているのは
アルマンド・トロヴァヨーリによるサウンドトラック。
かって渋谷系と持て囃されたのは多くは60年代のトロヴァヨーリ作品。
70年代の彼の最高傑作と謳われる『セッソ・マット』に匹敵するくらい
素晴らしいのは本作の『ビッグマグナム77』だ。
タイトルバックに流れるやるせないトランペットの響きが
しっかり脳裏に刷り込まれてしまう名曲「 Louise」など
聴きどころが多いサントラCDは伊・BEAT社発売の名盤。


出演者はほとんどアメリカの俳優で固められている。
20世紀フォックス作品に多く出ていた
『コマンチェロ』や『史上最大の作戦』で知られる
スチュアート・ホイットマン(現在は89歳で健在)
『燃えよドラゴン』以降にイタリア映画にも
引っ張りダコになったジョン・サクソン
『スパイ大作戦』や『スペース1999』の
マーティン・ランドー
ミア・ファーローの妹でB級ホラー
が多かった『サンゲリア』のティサ・ファーロー
『ヘルハウス』の美人女優ゲイル・ハニカット
この作品の後にフランスに渡って何作かに出た
『勝利への脱出』のカナダ人女優カロル・ローレなど。
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何者かに毒殺された妹の事件を追うモントリオール警察の
セイタ警部。だが妹の身辺を探るうちに意外な事実が浮き上がって来る。
ストーリーに目新しいものは無いが、観客の目を引くのは
冒頭と物語の半ばくらいに登場する激しいカーアクション。
走っている列車の上を二台の車が飛び越えるシーンが見せ場になっている
作品的にはまとまりの悪さも露見してしまうが、イタリア人スタッフで
カナダで撮影、アメリカ人俳優を使い、全編トロヴァヨーリの洒落た音楽で
70年代B級アクション映画の代表作の一篇として今回のディスク化で
喜んでいる人は結構いるんじゃないかと思う。

クリント・イーストウッドが『ダーティハリー』で使って
世界的に有名になったスミス&ウエッソンのM29 44口径マグナム。
狩猟用に開発された大口径拳銃で、重たい弾頭と強い貫通力を持つが
車のエンジンを破壊したりヘリコプターを撃墜する威力は無い。
この映画のラストもマグナム拳銃で真犯人がヘリで逃走するのを
ビルの屋上から狙撃して墜落させるのだが、操縦する人間を狙って
ならまだしも、ヘリの機関部を数発で狙って撃ち落とすのは映画的演出で
現実はFIM-92スティンガーとかブローニングM2重機関銃などの軍事兵器なら
撃墜は可能と思われる。
本来はM29実銃はリコイル(反動)とマズルフラッシュ(発射火焔)が大きく
映画では当然ながらプロップガン(映画撮影用の発射機構を制限した銃)
で空砲を使い火薬量も最小限に抑えてある。実包と同じ火薬量にすれば俳優や
撮影スタッフが空砲の燃焼ガスで怪我をしてしまう可能性が高いから。

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実銃の44マグナム拳銃のマズルフラッシュ。

フィダ・チネマトグラフィカ製作

監督: マーティン・ハーバート(アルベルト・デ・マルチーノ)
製作: エドモンド・アマティ
脚本: ヴィンセント・マン(ヴィセンゾ・マンニーノ) 
    フランク・クラーク(ジャンフランコ・クレリチ) 
撮影: アントニー・フォード 
音楽: アルマンド・トロヴァヨーリ
 スチュアート・ホイットマン
 マーティン・ランドー
 ジョン・サクソン
 ゲイル・ハニカット
 ティサ・ファロー
 カロル・ローレ
 ジャン・ル・クレール

イーストマンカラー
ヴィスタサイズ(1:1.85)
英語モノラル
99分
日本公開1977年5月28日
ワールド映画配給
(東宝系洋画館にて封切)
劇場版日本語字幕:野中重雄

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1976 (C) Security Investment Trust Co. S/A
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リトル・ロマンス』(1979)
A LITTLE ROMANCE


Legend are but stories about ordinary
people doing extraordinary things.
ofcourse,it takaes courage and
imagination.
“伝説とは平凡なものが偉大になることだ。
 だが夢と勇気がなければ伝説はできない。”
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名匠ジョージ・ロイ・ヒル監督がフランスとイタリアを
舞台に少年少女の初恋と老人との友情を交えた
ティーンズ・ラブストーリーの名作。
イギリスの名優ローレンス・オリヴィエ
この作品がデビュー作になったダイアン・レイン
フランスでスカウトしたテロニアス・ベルナール
(映画はおそらくこれ1本で現在は歯医者になってるとか)
あとはアーサー・ヒル、サリー・ケラーマンなど

音楽はジョルジュ・ドルリュー
ヴィヴァルディの協奏曲ニ長調RV.93 Largoを
アレンジして使ってアカデミー作曲賞を受賞した。

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映画好きの少年が映画館でスクリーンに没頭している。
まだ十代のダニエル(テロニアス・ベロナール)
彼が観ているのはフランスの映画館なので
役者の声は全てフランス語に吹き替えてある。
明日に向かって撃て!』(1969・ジョージ・ロイ・ヒル)
有名なブッチ・キャシディとサンダンス・キッドが
追手に追われて崖から川へ飛び降りるシーン
『俺は泳げないんだ!』
脱出』(1944・ハワード・ホークス)
歌うローレン・バコールがハンフリー・ボガードに
指二本でサインを送る場面いわゆる有名な「ボギー・ポーズ」。
ハッスル』(1975・ロバート・アルドリッチ)
カトリーヌ・ドヌーヴとバート・レイノルズの
ベッドシーン「ビンゴ!」
勇気ある追跡』(1969・ヘンリー・ハサウェイ)
ジョン・ウェインが悪党4人と馬上で対決する見せ場
そして少年は隣の観客の時計を見て座席から飛び出して
ロビーに飾ってあるレッドフォードのスチルを盗んでいく
(Nos plus belles annees ・・・『追憶』(1973)のフランスタイトル)
そして彼はパリの郊外にある古いアパートでタクシーの運転手を
している父親と二人暮らしでダニエルが家事をしている。
父親が外した競馬の予想をダニエルは的確に当てていた、
彼はIQが高く,その故、友人があまり居ないのだが、
偶然に出会わせたアメリカ映画の撮影で、
少女ローレン(ダイアン・レイン)と会う。
ローレンはアメリカの富豪の娘で、実は母親(サリー・ケラーマン)が
アメリカの映画監督に夢中で、撮影現場に連れて来ていたが、
ローレンもIQが高くて友人も出来ず哲学書ばかり読んでいる少女だ。
ダニエルは彼女の名がローレンと知ると
僕はボギーだよ』と囁く
(ハンフリー・ボガードの細君はローレン・バコール)
ルーブルの外庭でお互いの身上を語り、ローレンは
ダニエルに再会を約束する。
「月曜の3時、駅で」「時計の下でね」
だが宿題で来れないローレンは友人に頼み
違う日にしてと伝言を頼む。
そしてようやく再会できた日にローレンが
落とした哲学書からお互いの心は惹かれあう・・・
だが偶然にもその場でジュリアス(ローレンス・オリビエ)という
老人に遭うが、ジュリアスはダニエルたちを誘って
ココアを御馳走するが、亡くなったジュリアスの妻の話で
ブラウニングの詩について語った時にローレンはジュリアスに好意を持つ。
そしてブラウニングの未発表の詩を知っていると語り始めた。
恋人同士がゴンドラに乗り日没の時に”ため息の橋”の下をくぐり
鐘の鳴る時にキスをすればふたりは永遠に愛し合う事ができる

その話に目を輝かせるローレンと、醒めた目で見るダニエル。
別れの際にローレンはダニエルにキスをして、自分の誕生会にダニエルを
招待した。だがパーティの席で映画監督の下品なジョークにダニエルは
怒って彼の腹にパンチをお見舞いしてしまう。
映画監督のゾッコンのローレンの母は怒ってダニエルとの
交際を禁じてしまう。そして娘身上と妻の浮気心を悟った
ローレンの父リチャード(アーサー・ヒル)は米国に帰国する
事を決心する。
それを聞いてショックのローレンはダニエルを誘って
ベニス(ヴェネツィア)に家出することを決める。
だが難題が・・・家出する資金が無い。
ローレンは父親に頼んで会社のコンピューターを借りて
ダニエルお得意の競馬で出目を予想して資金を作る事に。
だが未成年は馬券も買えない、しかもフランスからイタリアへは
未成年だけでは出国出来ない事を忘れていた。
そしてジュリアスに馬券を頼んで、イタリアにも一緒に行ってもらうことに。
だが列車の中に金を忘れて、ローレンの母親にもイタリアに行ってる事が
ばれてしまう。母親は警察に捜索願いを出したが、実はジュリアスは
元大使館員ではなくてスリだったのだ。
新聞にデカデカと少女誘拐の記事が載って3人は自転車レースに
潜り込んでベニスを目指して行動する。
だがジュリアスの妻の話も作り話だったが、
ため息の橋の伝説も作り話なんだろう」とダニエル。
だがジュリアスは「伝説を真実にするのは君たちだ
この言葉でダニエルは心を強く打たれて
ベニスへ行くことを固く決心する。
そしてベニスの到着するが、ここで捕まれば若い2人の思いは
遂げられない。ジュリアスは警官に自首する。
ジュリアスに切符を渡されダニエルたちは映画館で
夕暮れまで待つことに。
そこでは『スティング』(1973・ジョージ・ロイ・ヒル)
が上映されていた。
ジュリアスが警察で時間を稼いでいる間に
ダニエルとローレンはゴンドラに乗ってため息の橋の下に。
あたりに日没の鐘が鳴り響き、夕陽の黄昏の中で
ふたりは橋の下でキスを交わして、永遠の愛を誓う。

そしてフランスに戻ったダニエルとローレン
ローレンがパリを旅立つ日
僕はボギーだ
二人は一緒なんだ
ダニエルとローレンは別れのキスを交わして
その後ろに座っていたジュリアスにも別れのハグをするローレン。
走り去るローレンの乗った車をずっと追いかけるダニエルがいた。

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映画ネタがいっぱい

この映画の主人公のダニエルは映画狂で競馬の予想にも没頭している。
自分の部屋にはバート・レイノルズの『白熱』(1973)のポスターや
『タクシー・ドライバー』などが貼ってあり、
ローレンのバースディ・プレゼントにはロバート・レッドフォードの
サイン入りポートレートを贈る。
またフランスに撮影で来ているブロデリック・クロフォード(本人)
とのやりとりで
「あなたはウォード・ボンドを倒した」
「いつだ?」
「シン・タウン(1942年日本未公開)でですよ」
「リチャード・ウィドマークじゃないのか?」
「いえ、共演してませんよ」
この場面でクロフォードはダニエルの事を「キッド(ぼうず)」と
呼ぶのだが、実はハンフリー・ボガードも妻ローレン・バコールを
キッドと呼んでいた。
またローレンの母親がゾッコンになる映画監督の名が
ジョージでB級映画ばかり撮っているうだつの上がらない
映画監督が出てくるあたりはジョージ・ロイ・ヒルの
自虐ネタと言っていいだろう。
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主演のふたりのキスを見守るジョージ・ロイ・ヒル

名優の演技

名優であったサー・ローレンス・オリビエの演技が光る。
元大使館員だとダニエルたちに嘘をつくが、本当はスリで
旅費に用意した大金を列車に忘れても、スリをしながらダニエルたちを
ベニスに送り届ける。それはかって遠い昔に自分が成し遂げ出来なかった
恋を若い二人に託して警察署で暴力を受けても日没の時間まで
彼らを庇い続ける純真な老人の光った演技が素晴らしい。
You could make it true”
(実現させるのは君たちだ)
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ダイアン・レインの思い出

当時13歳のダイアン・レイン
ローレンス・オリビエはそんな彼女に
グレース・ケリーの再来とマスコミに宣伝してくれたとか。
彼からの賛辞は非常にありがたく
また一緒に仕事が出来たのは女優人生の中でも
貴重な体験となったと語る。
またローレン役にぴったりだったのは
当時は歳のわりにはませていたからだったと。
ローレンとダイアン・レインは似ていると
自身を分析する。
私の人生を運命づけた作品だと
すべてはここから始まったと

ダイアン・レインはこの作品を
振り返ってこう述べている。


日本版イメージソング 

日本公開に先立ち、配給元の東宝東和は
イメージソングとして「サンセット・キス
作曲:木森敏之 作詞:杉山政美・サビーネ金子
曲をパオという歌手を起用して使った。
(おそらく歌っているのはサビーネ金子という説)
ただ本編には使わず、日本版予告やTVスポットで
この曲が流されていた。
歌詞は英語だったが倉田まり子が日本語カバーを出していた。



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クライマックスの舞台となったイタリア、ヴェネツィア(ベニス)のため息の橋



イメージ 8オライオン作品
監督: ジョージ・ロイ・ヒル 
原作: パトリック・コーヴァン 
脚本: アラン・バーンズ
撮影: ピエール=ウィリアム・グレン
音楽: ジョルジュ・ドルリュー

 ローレンス・オリヴィエ 
 ダイアン・レイン 
 テロニアス・ベロナール
 アーサー・ヒル  
 サリー・ケラーマン 
 ブロデリック・クロフォード 
 デヴィッド・デュークス







イーストマンカラー
テクニカラー(プリント)
パナビジョン(2.35:1)
英語
109分
日本公開1979年7月14日
(東宝東和配給)
日本語字幕:山崎剛太郎

1979(C) Warner Bros. All Right Reserved.
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ウォリアーズ(1979)
THE WARRIORS


スピルバーグらとアンブリン・エンターティンメントを
創設した名プロデューサー、フランク・マーシャルが手掛けた
小品ながらパンチの利いたアクション作品。
また製作は同じくアクション作品が多いローレンス・ゴードン

監督はウォルター・ヒルで、サム・ペキンパーの『ゲッタウェイ』(1973)の
脚本を手掛けて注目され、その後、『ストリート・ファイター』(1975)で
監督デビュー。ライアン・オニール主演の『ザ・ドライバー』(1978)は
日本でもヒットして
殺人の濡れ衣を掛けられたニューヨークのストリートギャングの一夜の逃走劇を
描いたこの映画はアメリカ公開時に観客が興奮して乱闘事件が起きて
ついに殺人事件までに発展したいわくつきの作品。


ウォルター・ヒルの作品の特徴は「ズラかる
つまり逃走する主人公の作品に
面白いものが多いと言うことだ。
脚本家として成功した『ゲッタウェイ』を始め
主人公が逃がし屋の『ザ・ドライバー』や
州兵がルイジアナの奥地で現地民の追撃から
逃げる『サザン・コンフォート/ブラボー小隊 恐怖の脱出』(1981)や
浚われた昔の恋人をギャングから奪還する
ストリート・オブ・ファイヤー』(1984)
など初期のウォルター・ヒルの傑作群にはこの手の作品が多い。

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主演はマイケル・ベックがクールなウォリアーズのリーダー、スワンを演じる。
そしてスワンに反目するエイジャックスにジェームズ・レマー
レマーもウォルター・ヒル作品の常連で『48時間』などに顔を出している。
それに紅一点のデボラ・ヴァン・フォルケンバーグ
彼女は『ストリート・オブ・ファイヤー』で主人公の姉リーヴァを演じて
日本でも人気があった。
そして悪役にはデヴィッド・パトリック・ケリーがルーサーを演じた。
小悪党が多いケリーは
アーノルド・シュワルツェネッガーの『コマンドー』(1984)
で崖から落とされる男と言ったら知ってる人は少なくないはずだ。

ストリート・ギャングのウォリアーズたちが追われてブロンクスから
コニー・アイランドへ戻るまでを描いたこの作品、
合間合間に黒人女のDJ(リン・シグペン)のメッセージが入る。
顔は映らないが、口のアップだけでこのラジオトークが
物語の進行を補助する役割となっている。
これはニューシネマの傑作『バニシング・ポイント』(1971)
からの影響を多大に受けている筈だ。
またこの映画では地下鉄が重要なアイテムになっていて、
後年のヒット作品になった『ストリート・オブ・ファイヤー』(1984)でも
『ウォリアーズ』に使われていた設定を使っている
(主人公を町から出せないように地下鉄の駅を放火するなど)

オープニングタイトルの字体が面白い。
ストリート・ギャングたちが自分のチーム(組)の
メッセージやなどを建物や列車のボディに書き込む時に使うカラースプレーで
書いたような真っ赤なフォントが使われている。
(映画の中でもちゃんとカラースプレーは登場するのだ)
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真夏の夜のニューヨーク、ブロンクスのある公園にはギャングの実力者でギャングチーム「リフス」のリーダーサイラス(ロジャー・ヒル)が
各地区の「組」に呼びかけて集会に参加を命じた。
コニー・アイランドに縄張りを張る「ウォリアーズ」も
リーダーのクリオン(ドーシー・ライト)が率いる
9人のメンバーが地下鉄でブロンクスへ向かって移動していた。
そしてブロンクスの公園はニューヨーク中の「組」が集結して熱気に囲まれていた。
そうして「リフス」のリーダーのサイラスによる力強い演説が始まった。
サイラスは「組」の参加者たちを
熱狂させるカリスマ的な演説で彼らの心を掌握していった・・・
「俺たちがひとつになれば・・・ニューヨークを乗っ取れるぞ」
「マフィアも警察も俺たちを無視できない・・・町は俺たちのものだ」
サイラスの演説に心酔する「組」のメンバーたち
。だが不穏な動きをする一団がいた。
ローグスのリーダーのルーサー(D・P・ケリー)だ。
演説中のサイラスに拳銃を構えて
いきなりサイラスを射殺した。
パニックになる公園を前もって包囲していたNY市警の
警官が乱入してきた。ルーサーはすかさずクリオンを指さして
「殺ったのはあいつだ、ウォリアーズが殺ったんだ!」
クリオンは抵抗するが、リフスの集団にリンチを受けて倒れた。
公園から出てきたリフスを除くウォリアーズの残党たち。
リーダーのクリオンが不在ならナンバー2の
スワン(M・ベック)がメンバーに指示する。
「コニーに帰るぞ」
だが「組」の休戦が解けていたら自分のシマまで帰る途中に他の「組」に襲われる。
彼らにはそんな一抹の不安が過っていた。
ボスを倒されたサブリーダーのマサイはラジオを使って
NY中の「組」に呼び掛ける「ウォリアーズを捕まえろ」
各地区の「組」たちはウォリアーズを捕まえるために目を光らせ始めた。
100人のターンブル エーシーズを上手く巻いてスワンたちは地下鉄に乗るが、
先回りされ地下鉄は駅が放火されてこれ以上先へ行けなくなっていた。
地下鉄を降りて、違う駅に徒歩で行くことに。だが進路を妨げたのは
オーファンズという弱い組で
サイラスの集会にも呼んで貰えなかった弱小集団だった。
うまくやり過ごそうとしたが、
マーシー(デボラ・ヴァン・フォルケンバーグ)という
オーファンズの女が邪魔をしてスワンたちはオーファンズに襲われそうになったが、
火焔瓶を投げつけてマーシーと共にその場から逃げ出した。
96丁目駅では警官たちに追い掛けられ、
フォックスが警官と列車に撥ねられた・・・
スワンたちはフューリーズ組を公園で倒したが、
何かとスワンに反抗するエイジャクスは
女性囮捜査官に逮捕されてしまう。
バラバラになっていたウォリアーズだったが、ユニオンスクエア駅で
合流する。その頃、リフスのアジトにはサイラス殺しの真犯人を見たという
男がマサイに会いに来ていたのだった。
夜が明けたコニー・アイランド。スワンたちはやっと自分のシマに戻って来た。
だがルーサーが彼らを追って来ていたのだ。
浜でスワンとルーサーの一騎打ち・・・勝ったのはスワンだったが
そこへリフスの大群がスワンたちを囲んだ。
「君らはいいチームだ」「最高だぜ」
マサイはスワンたちの濡れ衣に謝罪した。そしてルーサーの断末魔の声が
おだやかな浜辺にこだまする。


当時、東映では岡田茂社長の肝煎りで日本版『ウォリアーズ』である
暴力戦士』(1979)が製作され公開されたが、
主演の田中健のコスチュームはまんまウォリアーズのパクリ。
ただ残念なのはこの作品が石井輝男の最後の東映作品になった事だ。



イメージ 10パラマウント・ピクチャーズ製作

監督: ウォルター・ヒル 
製作: ローレンス・ゴードン 
製作補: ジョエル・シルヴァー 
製作総指揮: フランク・マーシャル 
原作: ソル・ユーリック 
脚本: ソル・ユーリック 
    デヴィッド・シェイバー 
    ウォルター・ヒル 
撮影: アンドリュー・ラズロ 
音楽: バリー・デ・ヴォーゾン 
歌: ジョー・ウォルシュ

 マイケル・ベック
 ジェームズ・レマー
 トーマス・ウェイツ 
 ドーシー・ライト
 ブライアン・タイラー
 デボラ・ヴァン・フォルケンバーグ
 デヴィッド・ハリス
 デヴィッド・パトリック・ケリー



ムービラブカラー
ビスタサイズ(1.85:1)
英語・モノラル
93分
日本公開1979年9月15日
(パラマウント映画・CIC配給)
日本語字幕:高瀬鎮夫


1979(C) Paramount Pictures Corporation

イメージ 11
これがbigflyさんの指摘があった2015年のウォリアーズ
地下鉄に乗ってコニーアイランドへ出没。
車内では泣いて喜ぶファンも登場。

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