今年は平成30年ですね。来年の4月で平成も終わりますが昭和の30年は半分にも行ってなくて映画は「七人の侍」や「ゴジラ」が前の年に公開されたばかりで黄金期でした。テレビは2年前にNHKが放送を開始しましたが、サラリーマンの月給が3万円の時代に30万円もするテレビは庶民には高嶺の花でした。
しかしその後の普及率は目覚ましいものがあり、約10年で娯楽の王座を映画から奪い取るまでになりました。そして昭和58年にテレビ放送30周年記念としてNHKで大型ドラマが製作されました。城山三郎原作の「勇者は語らず」です。
日本の自動車産業の世界進出を背景に、激しい日米経済摩擦、経営方針を巡る社内対立、下請けとの葛藤など多様な問題を正面から描いた作品で、これがNHK初出演で話題となった三船敏郎を筆頭に丹波哲郎、鶴田浩二、二谷英明、寺島純子(現・富司純子)、山崎努、永島敏行
、名取裕子、柴田恭兵らの超豪華な顔ぶれが揃いました。
川奈龍三(三船)が一代で築き上げた巨大自動車メーカー・カワナ自工は、一層の成長を目指してアメリカ・オハイオ州に自社工場を建設しようとしていた。しかし、アメリカでは怒涛の進出を続ける日本車排撃の嵐、米自動車労組の反対に加えて、イタリアのレースでカワナのマシンが事故を起こしてドライバーが死亡するなど、様々な困難に見舞われる。
社長になっても素晴らしい車を作ってアメリカを走ると言う少年の夢を持つ川奈は時として採算を考えない計画を立てる。カワナ自工の経営立て直しを図る専務の野村(二谷)は経理のプロであり反対するが、社長の夢と会社の経営を両立させようとする専務の冬木(丹波) 。
その冬木とは戦友で部品製作所を経営する山岡(鶴田)はカワナの下請けとして苦労させられながらも協力していく。山岡の次男(柴田)はカワナの車で走るレーサーとして活躍するも事故死する。その恋人で有名なモデルの京子(名取)は瓜二つの青年(柴田・二役)と出会い驚く。
カワナが工場を建てるオハイオで敏腕社員がビルから転落死する。妻(寺島)が現地に行くと事故か自殺かは不明で夫の意外な一面を知る事になる。有名なカーデザイナーの川村(山崎)はカワナの海外進出が苦境に立った事で貴重な情報を冬木に提供する。冬木はカワナのアメリカ進出反対の主導者で日本を嫌う法律の専門家と交渉するが…
その他にも多彩な人物が登場してドラマを作って行きます。最近のドラマに多い悪役の過剰に憎々しい演技も、一発逆転の派手な展開もなく淡々と進んでゆく大人のドラマです。アメリカ・ヨーロッパへの海外ロケも行いアメリカ人とは英語での長いセリフ(字幕付き)もある本格的な作りです。
そして何と言っても出演陣の豪華さ!全4回ですがクレジットの順序が毎回変わると言う珍しさで、1回目は三船敏郎がトップでトリが丹波哲郎、2回目と4回目は丹波哲郎がトップ、3回目は鶴田浩二、2〜4回のトリが三船敏郎で二谷英明は4回とも中トリでした。出演者は下記の通りです。
三船敏郎
丹波哲郎
寺島純子
山崎 努
永島敏行
名取裕子
柴田恭兵
近藤洋介
加藤和夫
鳳八千代
高森和子
角野卓三
沢 鮎美
二谷英明
山内 明
中条静夫
夏木マリ
加藤治子
吉行和子
樋浦 勉
西田 健
ウィリアム・ロス
ダン・ケニー
高松英郎
渡辺文雄
鶴田浩二
第一話 いま、日米自動車戦争は
第二話 きょう、オハイオの大地に立つ
第三話 きのう、二人は戦友だった
最終回 あした、生きるために
「勇者は語らず」はDVD2枚組で発売されています。
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