希望の英語教育へ(江利川研究室ブログ)

歴史をふまえ、英語教育の現在と未来を考える、和歌山大学江利川研究室のブログです。

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ジャパンライム社の依頼によるオンデマンド版の連続講座「英語教育の歴史から学ぶ」が、10月5日よりネット配信されます。


これからの日本の英語教育を、どうすべきでしょうか。

進むべき方向を見定めるためには、日本人が英語をどう学び・教えてきたかの歴史を謙虚にふり返り、その足跡を確かめるしかありません。

そうしないならば、現にしばしば目にするように、「改革」は現実を無視した「思いつき」の域を出ないのではないでしょうか。

教科化が決まった小学校英語を例にとれば、教員の研修と資質向上、中学校との連携、教授法の不備、国語教育との関係など、今日抱える様々な問題点が明治期にほとんど出つくしていました。

さらには、音声・コミュニケーション重視も、英語入試改革も、日本という特異な言語環境にふさわしい勉強の仕方も、みな明治期から試行錯誤を重ねてきたのです。

講座では、そうした先人たちの豊かな経験から、現在のさまざまな問題を解決するためのヒントを得ようと思います。

歴史は知恵の宝庫です。

そのことを再認識しながら、未来を拓くために、歴史から謙虚に学びたいと思います。

第1回 小学校の英語教育は明治から

第2回 英語教科書の歴史

第3回 受験英語と参考書の歴史

第4回 英語学習法の試行錯誤史

第5回 コミュニケーション重視への挑戦

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和歌山英語教育研究会はどなたでもご参加いただけます。

ぜひ、和歌山大学にお越し下さい。

日時:2018年 10月6日(土)14:00〜16:30

会場: 和歌山大学 東2号館(教育学部講義棟) L-105教室(〒640-8441和歌山市栄谷930)


内容:
14:00 受付
14:15 発表

タイトル:生徒の英語パフォーマンスを通じて、授業経営の向上を考える

発表者:赤井 繁之 先生(和歌山県立桐蔭中学校)

要旨:
パフォーマンステストにおける生徒の姿を見ると、自分の授業の在り方について深く考えさせられます。「今回の指導で足りていなかったところはどこだろう?」「思っていた以上に生徒のパフォーマンスが高まった要因は何だろう?」授業者がそのように振り返ることが授業向上の原動力となり、指導方法の改善につながっていくのだと思います。
本発表では、授業経営の軸となるパフォーマンステストの実施と改善について考えながら、生徒の英語力アップの可能性を探りたいと思います。

15:45 休憩
15:55 質疑応答
16:25 諸連絡
16:30 閉会

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17:00: 懇親会(実費自己負担):「赤鬼本店」(〒640-8451和歌山市中347-1 電話073-455-7954)

資料代: 会員無料・非会員一般300円・学生200円

入会: 年会費(一般800円・院生・学生600円)


資料代: 会員無料・非会員一般300円・学生200円

入会: 年会費(一般800円・院生・学生600円)

メーリングリスト: 件名「WASETのML登録」、本文に「登録アドレス(複数可)」と「お名前」をご記入の上、下記の問合先までご送信いただくか、受付でアドレスをご記入いただきますと毎回ご案内をお送りします。

ホームページ: http://www.nnc.or.jp/~waset/

※当日のご感想も、下記問合先までお送り下さい。情報管理に十分注意を払いホームページでご紹介させていただきます。

問合先: waset2[@]gmail.com 

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夏の想い出 ゼミ合宿

記録的な猛暑の夏も終わり、9月も半分ほど過ぎました。

昨年は台風のため痛恨の中止となったゼミ夏合宿を、今年は台風の翌日に開催できました。

とはいえ、前日の暴風雨で、和歌山県の有田川は濁流。

そのため、恒例のいかだ遊びも、そうめん流しも、鮎つかみもできませんでした。

なのに、すごく楽しくて、大満足でした。

周囲の環境がどうであれ、大切なことは仲間との人間的な関係性。
それを再確認しました。

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一人ひとりの個性が多面的に理解され、認められ、結束が強まりました。

やはり、合宿は最高の協同学習でした。

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鳥飼玖美子さんから『子どもの英語にどう向き合うか』(NHK出版新書)を恵贈いただきました。

素晴らしい本です。

親たちが不安に思っている小学校英語問題への対応の仕方を、学問的な裏付けに基づき、また自身の体験も交えて、たいへん分かりやすい文体で書かれています。

まさに時代が求めている本だと思いました。

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序 章 親の役割

第1章 子どもと言語

第2章 英語教育史から探る

第3章 2020年からの小学校英語

終 章 未来に生きる子どもたちと英語

このように、和歌山大学の私の研究室で鳥飼さんと初めて仕事をご一緒したNHK教育テレビ「英語は眠らない 英語・愛憎の二百年」(2011年放映)の内容が、「第2章 英語教育史から探る」として盛り込まれています。

このときの意気投合が「4人組」結成につながりました。

内容的にも、英語教育史的な内容を盛り込んだことで、本に深みが増したと思います。

それにしても、『英語教育の危機』(ちくま新書)に続けて、今年すでに2冊目の本を刊行されている筆力の高さ、内容の豊かさに脱帽です。

日本の英語教育政策は惨憺たる状況で、事態はまさに「危機的」です。

だからこそ、「書きたくない・書けない」という気持ちを乗りこえて執筆された鳥飼さんのように、あきらめずに発信を続けることが大切だと思います。

「知は力なり」です。

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政府・文部科学省が2020年度から大学英語入試の評価尺度にしようとしているCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)が、大幅に改訂されつつある。

現在の6段階が11段階に増え、評価も5領域から7領域へと拡張される。

そうした大幅改訂の時期に、厳格な公平性が要求される大学英語入試の「評価尺度」としてCEFRを使うことは、ただちに中止すべきである。

以下は、我が「4人組」の盟友である鳥飼玖美子さん(立教大学名誉教授)からの報告メールを参考にさせていただいた。

鳥飼さんは今年8月にイタリア・ヴェネチアで開催された日本語教育研究会国際大会で基調講演をした際に、欧州評議会特別顧問であるMichael Byram氏に会い、2018年春に公開された、CEFRの補足版である COMPANION VOLUMEについてお話しを伺った。

CEFR COMPANION VOLUMEの特徴は以下の通り。

1)参照レベルが一新された。

*Aレベルの下に、"pre-A"レベルを新設。
*A2, B1, B2には、それぞれ “plus➕”レベルを追加。
 "Above C2 (C2以上)"というレベルも追加。

その結果、6レベルだったものが11レベルになり、それぞれがlistening comprehension, reading comprehension, spoken interaction, written interaction, spoken production, written production, mediation(仲介)の7領域に分けて評価される。
 
2)CEFRは「複言語」だけでなく「複文化」主義であることを改めて強調し、mediation(仲介)という、これまでは影が薄かった領域のCan Do 記述文を充実させ、「通訳 翻訳」だけでなく、外国語学習も「仲介」に含め、二つの異なる言語を行き来すること(translanguaging)を重要な能力として加えた。

「言語コミュニケーション活動とストラテジー」は、「reception受容」「production 産出」「interactionやりとり」「mediation 仲介」の4つに大別され、最終目標は「仲介」だとされている。

3)CEFRは、外国語教育改善のために策定されたものであり、標準化に使うツールではない、調整したり監視する機関はない、と明記している。

...it is important to underline once again that the CEFR is a tool to facilitate educational reform projects, not a standardisation tool.
Equally, there is no body monitoring or even coordinating its use.

*文科省は「国際標準としてのCEFRルール」に従うと説明しているが、欧州評議会に「ルール」はない。

4)学会ではヨーロッパ各国でCEFRがとのように使われているかというシンポジウムも開催された。

*中等教育では最低でも3言語を扱うので、各国の教育省はCEFR準拠の指導要領を策定し、各言語のカリキュラムや評価を共通にしており、日本語も必然的にCEFRに準拠して教育される。

*上で述べたように、欧州評議会は「標準化」はしない方針なので、参照レベルの分け方は各国に任せている。結果として、例えば同じB1レベルでも各国で難易度が違うことがありえる。
CEFRは外国語教育の理念であってレベル分けは中心的な問題ではない、という理解のようである。

*CEFRは複数のヨーロッパ言語を教える際の指標として開発されたもので、特に学習者自身の自己評価を重視していることもあり、厳密どころか相当に緩やかな尺度である。

公平・公正が求められる日本の大学入試に使うことには無理があると判断せざるをえない。

まして今回の改訂によって、文科省が2018年3月に発表した「各資格・検定試験とCEFRとの対照表」(下の図。これ自身がいいかげんなもの)を再検討する必要があり、2020年度からの入試には間に合わない。

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4)日本の政府・文科省は英語「4技能」化を絶対視しているが、CEFRでは4技能についても、「コミュニケーションの複雑な現実を捉えるには不十分」だと指摘し、「CEFRでは4つのモード<受容、産出、やりとり、仲介>を使う」とある。

With its communicative language activities and strategies, the CEFR replaces the traditional model of the four skills (listening, speaking, reading, writing), which has increasingly proved inadequate to capture the complex reality of communication. Moreover, organisation by the four skills does not lend itself to any consideration of purpose or macro-function. The organisation proposed by the CEFR is closer to real-life language use, which is grounded in interaction in which meaning is co-constructed. Activities are presented under four modes of communication: reception, production, interaction and mediation.

「受容」は読む・聞く、「産出」は書く・話す、「やりとり」は書く・話すで、「仲介」を加えると7種類を、Can Do 記述文リストで細かく分けて評価する。

文科省は新学習指導要領でスピーキングに「やりとり」と「発表」を加えたばかりだが、CEFRは「仲介」を盛り込み、すでにその先を行っている。

CEFR COMPANION VOLUMEは、以下から無料ダウンロードできる。
https://rm.coe.int/cefr-companion-volume-with-new-descriptors-2018/1680787989

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