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一連の論文は4年前のものです。あしからず・・・・
三つに分割して掲載しています。
〜第1回世界韓商大会に参加して思う〜
海外同胞政策においてすべてに優先すべき韓民族教育
韓 基 徳
海外同胞は全体韓民族の未来を左右する主役
去る10月8日から10日、在外同胞財団主催で、第1回世界韓商大会が開催された。大会の狙いは、全世界で活躍する海外同胞企業人と国内企業人を結び、世界規模の韓民族経済ネットワークを構築しようということにあったが、世界韓人商工人総連合会や世界海外韓人貿易協会、各国各地域の韓人商工人団体などの協力を得て、世界26カ国から約800名の海外同胞企業家が参加したことで、ひとまずは成功したといわれている。
在外同胞財団理事長の権丙鉉理事長は、主催者挨拶の中で「国内外の商工、貿易、IT、科学技術などの各分野が網羅された経済ネットワークを形成し、相互連携をすることは無限の可能性を秘めている」「海外同胞が全体韓民族の未来を左右する主役であると信じて疑わない。」と、海外同胞の新たな可能性を高らかに謳いあげた。
また、基調演説に立った在米同胞のAmBex Ventureグループの李鍾文会長は、「中国の経済発展の原動力は華僑の本国に対する投資にある。そして、本国の経済発展が華僑5600万人の今日の繁栄に直結している。」とし、その“WIN WIN戦略”を世界の韓民族も見習うべきであることを強調した。さらに、経済の分野においても明確な変化を見せている朝鮮民主主義人民共和国に対する、海外同胞の投資のよい参考になるということも付け加えた。
海外同胞企業人が国内企業人と結合して活動を活発化させれば、輸出効果が輸入効果よりも大きいと考えられること、国内への投資誘致が期待できることなどから、本国が海外同胞を経済的に利用しようとする意図が見え見えだという批判的な声も聞こえるが、本国が海外同胞を対等なビジネスパートナーとして認識したことは、海外同胞の立場においても歓迎されることであるはずである。
日本からは在日韓国商工会議所から126名、世界海外韓人貿易協会日本支部からも十数名が参加した。
私は、愛知韓国商工会議所の事務局長という立場で参加させていただいたが、私自身、昂揚する気持ちを押さえられなかった。
中国や米国からの参加者との出会いは、祖国の人々との出会い以上にエキサイティングなものだったからである。海外同胞という共通点から来る共通の課題を発見すれば、見知らぬ国の見知らぬ世界を垣間見ることもあった。韓民族世界ビジネスネットワークという壮大な夢を描くことにも大きな魅力を感じるが、それだけに集約するには惜しい空間が演出されていたからである。
もっと期間が長ければ、多様なプログラムがあればと、欲深いことも考えたが、私の韓民族の血、海外同胞の民族魂が騒いだからであろう。
海外同胞共通の課題として浮上する言葉の問題
今回の大会では、基調演説やセッションの報告などについては、英語と日本語の同時通訳がなされたが、晩餐会その他の交流の場においては、通訳がつけられるはずもなく、公用語は当然ながら韓国語であった。
その結果、韓国語がある程度出来なければ、他の国からの参加者との交流は難しく、実質的な成果をあげるのは困難にならざるを得ないという問題が露呈した。
実際、日本からの参加者は日本からの参加者だけで固まり、他の国からの参加者と交流する姿はほとんど見られなかった。米国や中国からの参加者は、それぞれ同じ国からの参加者との会話は英語や中国語ですることがあっても、韓国語も出来ることから交流が比較的活発に行われていたのにである。
このような姿を見るのは、これまでに参加して来た国際会議でも経験済みではあったが、今回は特に言いようのない悔しさと寂しさを感じた。
それは、皮肉なことに、今回愛知韓商から参加した内の三人の会員が、大会期間中に他の国からきた同胞と縦横無尽の交流をし、実際に取引にいたっている姿を見たからである。彼らは朝鮮学校の卒業生であり、韓国語がある程度出来るということで、水を得た魚のように生き生きとしていたのである。
その彼らから聞こえてくるのは、「セレモニーはいいから、もっと実践的な交流が出来るような工夫が欲しい。」「具体的にどういう業種の方が参加していて、どういう取引を計画しているのか、そういう情報がまったくない中で、無駄な時間を多く過ごした。」というような、至極真っ当な批判であったのだ。
私は、民団社会における民族教育とりわけ韓国語教育の立ち遅れ、無関心、無策などに腹が立って仕方がないのだが、10日の午餐会の時には、本当に衝撃を受けた。
この午餐会は世界韓人商工人総連合会の主催で、まず中国韓人商工会の宋在国会長と在日韓国商工会議所の金建治会長のスピーチがあり、最後に美州韓人商工人団体総連合会のイム・チャンビン会長が壇上に立った。
「中国の宋会長と日本の金会長の立派なスピーチを聞きました。彼らは二世です。ですからあまり韓国語があまり上手ではありません。しかし私は、二人が昨晩寝る間を削って今日のスピーチの練習をしていたのを知っています。(場内大拍手)
私はアメリカに渡って45年になりますが、韓国で教育を受けたのですから韓国語が出来るのは当然です。しかし、二人の会長の姿は、20年後のアメリカの代表の姿なのです。」
つまり、韓国語習得の問題は在日同胞だけの問題ではなく、世界の同胞たちの共通した課題であるということに気付かされたのある。
世界韓商大会は、私の目にも大きな可能性、未来を予感させるものだったが、一方で、海外同胞に韓国語教育を中心とした民族教育が保証されなければ、こういう目論みも、所詮『絵に描いた餅』になる他ないということを、はっきり感じたのであった。
その2につづく
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