現代美術と骨董のお話

僕がブログを見るのは、毎週金曜日。コメントの回答が遅くなります。ご容赦下さい。

現代美術

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現代美術作家 豊嶋康子氏の篆刻作品です。

篆刻と聞いて作品のイメージは、全く分かりませんね?

篆刻は大変個人的なものです。
個人を特定するものであり、
所有を示すものであったりします。

そして押す面に、各個人が工夫を凝らし、
彫ります。楽しい時間でしょう。

この大変個人的なものがどんな作品となり、
私達に何を見せてくれるのでしょうか。

豊嶋氏の作品をご一緒に見ていきましょう。


――・――・――・――


立派な石に、図が彫りこまれています。

その篆刻作品が和紙に朱肉で押され、
一緒に展示されています。

一つの、押し方としての形として。
押された和紙も作品の一部でしょう。

押された形がこれまた楽しく面白い形を表しています。

和紙がその形に切り取られ(破かれ)、
その輪郭をより(二重に)表しています。

押したその軌跡が和紙にあります。

特定の個人の(思考)痕として…。


――・――・――・――


側面にも彫られているところがいいです。

ハンコの従来の押す一方向性が複数方向へ。
線が面への拡がりへ、と。
押し方が3次元へ?これは実に楽しいのです。
私、もうペッタンペッタン…、と何度も。

形作られた枠から自由な輪郭線が出来てきます(移されてきます)。
自分の思考も普段から枠に嵌められながらも(自由に)表現していますね。

その軌跡は、個人の押した跡、断片が繋がると形が出来てきます。

篆刻の彫りと紙に写された跡とその集積の個人の跡…。

「輪郭ーread me」の個展タイトルが思い浮かびます。

色々考えてみて下さい。


――・――・――・――


私が蒐集した作品は、
敬愛する画廊主殿が秋山画廊さんにての
オープニングパーティーに出席され、
100点近い作品の中から数点を購入された内の
3作品を譲って頂きました。

この作品は購入すると画像にあるように、
作家により桐箱と袋をしつらえて送られてきます。
作品名の字体は豊嶋氏の字です。

拘り、粋です!
篆刻は個人的なものですからね!?
大切に。


――・――・――・――


作家のコメントを抜粋します。

石の表面に「図」の輪郭を刻む。
輪郭の内側と外側を彫る/彫り残す。

石ー立体表面上の輪郭を紙上に移項する。
同じ対象の無数の在り方の仕組みを作り続ける。
(抜粋)

作家のHPより
(これは輪郭作品の色々なタイプについてのコメントですね)

対象の輪郭を決定する。
その輪郭線は幅広であったり、均一でなかったりする。
用紙の周縁/枠が輪郭/または紙の裏に巻き込まれている。
(抜粋)


――・――・――・――


14日の黒色土器の見込みの白から
今回紹介した輪郭作品までなんとなく私の脳内では繋がっています。

水は方円の器に従うのです、と。
その方円の器が大切です。
頓珍漢な思いつきのような締めです。

来週は骨董作品をご紹介致します。

良い週末をお過ごし下さい。

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吉仲太造氏のご紹介です。

吉仲作品は今までにも、
数記事を掲載しています。

http://blogs.yahoo.co.jp/gigei10/38210372.html

この作品記事は随〜分前に脱稿していました。
掲載に当り、多くの文字を割愛しました。

紹介作品のように削ぎ落としました!?


――・――・――・――


吉仲氏はあまり知られていない作家ですが、
戦後社会の胎動とともに歩み、
その作風の変化は、
戦後美術批評そのものです。

是非、ご興味がありましたら調べて見て下さい。
非色絵画のシリーズは超抜群です。

題 静物
技法 油彩 キャンバス
サイズ 40.9×31.8mm
制作年 1984 状態 抜群です!


――・――・――・――


新潮社の「吉仲太造画集1955-1984」
を参考にご紹介をします。

吉仲氏は当初はシュールでスピード感のある、
多彩な色彩の画面を描いていました。
そして、色々な変貌をし、
白い絵画に到達します。

「非色」と呼ばれる絵画に。

この方法論は、
漆工芸の研ぎ出しの技法に似ています。

初めに、白い絵の具をカンバス一面に塗り、
下地を作ります。
半乾きになったら、ナイフでさらに白い絵具を盛り上げ、
形を作る。

乾かし、全面に黒(この作品は緑)の絵具を塗り込める。
黒絵の具の表面を注意深く拭い去る。

黒を消し、白い絵の具層を露出させる。

ナイフで盛り上げた面と下地の間の溝に、
拭いきれない黒が残り、
ものの輪郭線が染み付く。

能動的に画家が線を引くのではなく、
結果として画面に線が現れる。
(超抜粋)

――・――・――・――


静物が記号のようになっています。
描くこと描かないことの中間があります。

そして、実体のギリギリの消去によって、
存在が明確に現れます。

静かな画面ですが、
この沈黙の内部には、
激しい「語り」があります…。

美と価値…聖なる労働

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前回記事は西本剛己氏でした。

今回は豊嶋康子氏です。

作品を紹介すべきでしょうが、
新年会で飲みすぎ、食べすぎ、踊りすぎ?ています。ガハ。

豊嶋康子氏のカタログをご紹介します。

府中美術館のカタログは面白いです。


――・――・――・――


豊嶋康子さんに関するカタログ2冊です。

府中市美術館で行なわれたグループ展のもと
埼玉近美のカタログ2冊です。

府中市のカタログは、表紙の下の方にあるカヴァーのようなものが、
なが〜く見開かれるようになっていて、
美術館での展示状況が解るようになってます。

なお、復元という作品では、私があげた陶片も…
桃山江戸初の、絵唐津皿の残欠なんかも使われているんです。う〜む?

詳しいことはカタログを買ってからお勉強を……。
(画廊主コメント抜粋)


――・――・――・――


府中市美術館長の本江邦夫氏の文章は、
参考になります。

府中の図録は、
豊嶋氏に関する紹介も簡潔に書かれています。

第2画像真中上段の水槽のような作品は、色調補正。
その下青白い光の作品は、殺菌。
その横の作品は、意思表示。
そして作品、復元が写っています。

第3画像は、
生涯設計、意思表示、復元の作品です。

第4画像は、
発火法、色調補正、定規の作品です。

是非、機会があれば図録を購入してみて下さい。

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今年は、現代美術作家の豊嶋康子氏、西本剛己氏と新年早々から
ご活躍です。

私がご両名を知ったのは、
画廊主殿の推薦作家だったからです。

画廊取り扱い作家でした。

もし画廊主殿にお会いしなければ、
今も知らないままだったでしょう。

そして現代美術にも骨董にも全く興味がなく
過ごしていたでしょう。

このブログ開設もありません。

この両名の素晴らしい作品を知って頂きたい!、
との一念発起がこのブログ開設の一つの理由です。


――・――・――・――


10日に何気に西本氏のHPを見ました。
更新されていました。
本当に暫くぶりの更新でした。

西本氏はデザインの仕事で既に著名な仕事をされています。

最近では「安曇野アートヒルズミュージアム」。
2006年4月1日完成。

http://www.arthillsmuseum.jp/

インテリアだけでなく、コンセプト設定からディスプレイ、
グラフィックデザイン、音楽コーディネイトまで、
空間全体を総合プロデュースをされました。

今後の現代美術作品が楽しみです。


――・――・――・――


画像は2005年の「愛・地球博」
瀬戸日本館の代表アーティストとして選出され、
出品した作品です。
(画像掲載は伏してお詫び申し上げます)

この作品は今、第1画像「螺旋」、
第3画像「共振」が北名古屋市「健康ドーム」に収蔵されています。
お近くの方は是非見て下さいね。

是非西本氏のHPもお訪ね下さい。

http://www.artlabplus.com/

西本氏の作品は過去記事を参照下さい。

http://blogs.yahoo.co.jp/gigei10/41888358.html

良い週末をお過ごし下さい。

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加納光於氏の旧作インタリオのご紹介第3弾!
トリです。

超貴重な名品です!

『花・沈黙』
1960年制作 Ed.5のe.a.
イメージサイズ 424×227mm

当時の摺りで、大変な珍品です。
なぜ珍品かですが、この作品は確かに版は60年に制作されていますが、
e.a.のみなのです。

作家が保存用に持っている作品だけが制作されています。
売れないから、です。

何故分かるか?

画廊主のコメントをご紹介します。

加納さんの、1960年制作、当時の摺りの『花・沈黙』です。

サインが違うんです。当時の摺りは……
普通は、Ed.5のものにしても、
1970年代に入ってから摺られているんです。
’60年当時は、e.a.だけで…もちろん売れる見込みもありませんでしたし…
有名になってから、改めて摺っているんです。

この違いが解る人、プロでも少ないです…
(コメント抜粋)


――・――・――・――


何かの骨のようにも化石のようにも…。
節がある生物の死滅とも見られます。
題の『花・沈黙』から植物、木の枝とも。

そして、この形を見ていると、
言葉を閉じ込めた形があることを、
言葉では表されない形があることを感じるのです。

作品の色合いは茶色がかっています。
雁皮紙の上に摺られておりますから、
地の色は、渋くて薄い紫色に見えます。

美しいのです。


――・――・――・――

第1回に紹介した『流れの中で』は、
本、言葉の溶解。
言葉では侵入できない形への思いだったのかもしれません。

加納氏の立体作品で、
「アララットの船あるいは空の密」 1971年制作 ed.35
があります。

詩人の大岡信氏との共作です。

この作品の中には大岡氏の詩集「砂の嘴、まわる液体」
が封じ込められているそうです。

誰も読めません。
言葉を封じ込め形にしたリーブル・オブジェクトです。


――・――・――・――


以下の文章は、
版画藝術 76  特集/加納光於 色彩の光芒 1954―1992
より、インタビュー記事の抜粋です。ご参考にして下さい。


質問者:
一瞬のうちに成り立つものがあるというのは
加納さんにとって重要な考え方だと思います。
作品には固有の時間性があるという…。

加納氏:
「そうですね。現象世界のかたち、
そのかたちが色彩を装っているのではなく、
かたちそのものをなしているのは色彩なのだという考えがあります。

ゆるやかに、徐々に現れるのではなく、
瞬時に顕現するもの、
それを瞬時のうちに了解できるものとしての色彩を考えています。
そこに色彩のもつ力がある。

言葉には物語ることによって成り立つ大きな力があると思われが、
言語によって体験としての〈色彩〉を語ることは不可能と思われます。」

質問者:
新作版画では、色彩の作品とモノクロームのものを並列して見せておられますが、
これはどういう意図でしょうか。
(下名補足:新作といってもこの時点は1992年のことです。
色彩とモロクロームの対比についての加納氏の回答です)

加納氏:
「色彩の本源的なものとして、
振り捨て選ぶことによった原版の、
そこからどこまで遠くへ飛べるか、
あるいは羽化できるのかという色彩に対する思いがあります。

はたしてもとの状態、原質の中に引き戻せるのか、
そこにあるずれのようなものがそのように引き起こされるのかということですね。」

質問者:
モノクロームをその色彩の原点、
座標軸のゼロ度と考えていいのでしょうか。

加納氏:
「そうかも知れませんね。
多分、そこから羽化したものの、
色彩との間に無名の存在として作者は立ち得るのかどうか…。」


――・――・――・――


加納氏作品の旧作インタリオ紹介は今回で一旦お開きです。
少しでも加納氏の魅力をお伝えできたならば嬉しいことですが…。

今の加納氏作品は色彩が鮮烈に舞っています。
後日、この色彩作品を取上げる機会もあろうかと思います。

是非、機会があれば皆様ご自身で、
加納氏作品の前で対話をしてみて下さい。


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