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泥で作られた「作品」がありました。「作家」はだれなのでしょうか?
比較的新しく、作りかけのようにも見える。ひょっとすると作者が
戻ってくるのではないか・・・と思ってしばらく待ったが、現われな
かった。ドロバチの仲間であることは間違いないが種まで特定
するとなると、次のハチが候補に挙がるかもしれない。
巣の形状、営巣場所などを総合すると、スズバチかもしれない。
スズバチなら、この後いくつかの壷を作って泥で覆いをするはず。
そうだとしても、雪が降るようになる時期では、厳しい。作っては
みたものの途中で力尽きたのかもしれない。次回訪れたときに
確かめてみることにしよう。駆除されていなければの話だが・・・
いずれにしても、このような壷を作る労力は大変だろう。ある観察では、ひとつの壷を
作るのに30個の泥玉が必要だったという。下から積み上げていって徳利に仕上げる
方法は、人の陶芸のよう。完成した穴は狭く母親は入ることができないので、その前
に卵を産んでおかなければならない。寄生者対策の入口だろうが、外出時には蓋を
しておく入念さはない。セイボウ類などの寄生者は、十分に侵入可能な体の大きさだ。
幼虫の餌は蛾の幼虫だが、あまり大きすぎると入らず難儀するという。ドロバチたちの
様々な苦労がうかがわれるが、それでも「家」を作ることは一定の効果があるはずだ。
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札幌のハチ・アリ
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知り合いが飼っているミツバチの巣箱を見せてもらいました。
ミツバチとオオスズメバチの攻防はよく知られている。養蜂家
にとってオオスズメバチは迷惑な存在。次々やって来て、巣箱の
幼虫などを狙う。この侵略者に対するミツバチは、個別に対決す
るものの力の差は歴然だ。外来種であるセイヨウ(ヨウシュ)ミツ
バチは、天敵となったオオスズメバチに対応する知恵がない・・・
一方、在来種のニホンミツバチは集団でオオスズメバチに対応し、
蒸し殺しにする技を身につけた。長年の攻防から生まれたものな
のだろう。日本の野山に「セイヨウ」が導入されて、どのくらい経つ
だろうか・・・そう簡単に技を身につけるわけにもいかないかもしれ
ない。しばらくはオオスズメバチ天国が続くのだろうか?
オオスズメバチにとって、ミツバチの巣箱は魅力的な餌場だが
それが人の手によるものとは分からない。巣箱を襲うことが続
けば、昆虫界最強とされるオオスズメバチも、人が最大の天敵
となるかもしれない。生態系撹乱のおもな原因は人にある。
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色づき始め、秋の虫の姿が目につくようになりました。
ハルニレだと思うのだが、紅葉している。普通は黄葉するはず
なのだが・・・ひょっとするとアキニレなのかな?その葉を観察
していたら、何やらたくさんの幼虫が食事中だった。これは?
調べてみると、ハバチの中齢幼虫だった。ニレチュウレンジ。
ハルニレやオヒョウなどにつく。時に大発生するようだ。円山に
はハルニレが多いが、今までは目立たなかった。しかし今年は
天候のせいだろうか、あちこちで発生している。木を丸裸にする
ほどではないが、それでも迷惑な存在だろう。ハルニレを食樹と
するカラスシジミやシータテハなどにも影響するかもしれない。
「チュウレンジ」の名前の由来は調べていないが、何だかピンとこない。「葉蜂」の
仲間だから、「ニレハバチ」くらいでいいのでは?という気がする。
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早くも10月になりました。平地でも紅葉が見られるようになってきました。
ガガンボギングチ・・・ギングチバチ(銀口蜂)と呼ばれる単独性の
狩蜂の一種。虫孔や土中などに獲物を運び幼虫の餌とする。その
獲物が多様で、アブやハエ、カゲロウ、ササキリ、チャタテムシのほ
か蛾を狩る者もいる。ガガンボを狩るのを観察されたことから、名づ
けられた蜂だが、実際に確認された例は少ない。この蜂の巣を調べ
た常木勝次の報告(1960年)を引用しておく。
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獲物は原則としてガガンボ類である。大部分の脚が根本から
切り離されている。私は巣を7つばかり調べたが、たいてい
甲虫の脱出孔が利用され、その木くずのつまった所に、短い
枝で主孔と連なった7〜8育房を作る。1個の育房に入れる
獲物の数は、その大小で当然差があり、4〜5頭が普通で、
10頭以上に達することがある。Preyの例外的なものに定山
渓で調べたハマキガ科の蛾、ツルギアブ科、シギアブ科の蝿
がある。将来まだいろいろな例外がみつかるかもしれぬ。外国
の記録は原種についてたくさんあるが、みなガガンボである。
(原文のまま) 『生物研究(福井)、Ⅳ、1』より引用
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なぜかこの隙間にこだわっていて、見ていると中に消えていった。
ひょっとして営巣?獲物を運んでくる場面が見られるかもしれない
と待ったが、出てこない・・・時間切れ。ガガンボが通常で、ほかは
例外なのか・・・ガガンボ類が少ない?日本列島で生き延びるため
に他の獲物に手を出して適応したのか? 興味深い。
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シラカバに可愛い顔をした幼虫がいました。
ハバチ(葉蜂)・・・・名前のように幼虫は葉を食べる。蜂とはいう
ものの、「蜂腰」ではないし針もない。スズメバチやハナバチなど
とは明らかに食性・習性が違う。昆虫の進化の面では、原始的な
グループだろう。彼らの祖先から花蜂や狩蜂さらに蟻へと「進化」
した。食物連鎖の観点からは第一次消費者で、針という武器を持
たない「平和主義者」のように見える。ただ生産者から見れば時に
大発生して食い荒らす迷惑者。しかし、それも限度がある。天敵や
寄生者などがブレーキをかけているのが本来の生態系の機能だ。
そのバランスを崩している原因は何か?明らかだと思うのだが・・・
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