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ポロポロとこぼれ落ちそうなほどに熟したイチゴはかなり甘い。
いくつか口にしているところに、スズメバチがやって来ました。
キイロスズメバチ・・北海道では平地から山地までもっとも普通に
見られるスズメバチで、本州以南のものと比べるとやや毛深いこと
からケブカスズメバチと呼ばれることもある。ナワシロイチゴの実
に来たこの場面。どちらのハチも♀(働き蜂)だが、何かの争いが
起きなかったのはなぜだろうか? 同じ種だからだろうか・・・?
これだけ接近すると別種なら当然喧嘩が始まる。取っ組み合いに
なって、ひどい場合には針を使うからどちらかが死に至ることも・・・
アリ類でもそうだが、たとえ同じ種であっても巣が違えば争いになる。
スズメバチも同じだ。この場面、おそらく同じ巣のハチ(姉妹)だった
のだろう。巣ごとに違う臭いによって血縁を区別するという。
アリや一部のハチは社会性昆虫と呼ばれ、生活の基礎単位は
家族(巣)であることは人間と同じように見える。だが決定的に
違うのはハチが女王蜂を中心とした「母系社会」で、家族の維持
は♀のみが行う点・・・♂は家族が解散する直前に登場して何も
生産に関与せず、遺伝子を運びシャッフルする役目だけである。
ハチの家族の絆が強い一方で、同種であっても他の家族(巣)の
メンバーと協力して種の存続をはかることはない。むしろ敵対的
であることは人間とは決定的に違うもうひとつの点だ。巣の内部
では利他的だが、外部ではどこまでも利己的。それがスズメバチ
の本能にもとづく生き残り戦略だった。
家族でなくても助け合う・・・見返りを求めない利他行為を発達させ
ることで繁栄してきたのが人間社会ではなかったか? 震災など
での協力が見られる一方で、紛争や戦争がなくならないのはなぜ
だろう? スズメバチでは、小競り合いはあっても少なくとも同種間
で大規模に殺し合う戦争になることはない。家族・企業・政党・国家
・民族・宗教など・・・自分さえよければ・・の利己が強まれば未来は
ない。人が人であるための「利他」の真価が問われている。
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札幌のハチ・アリ
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10月20日の初雪は、ほとんど融けましたが・・・この日も10℃までしか
上がらず寒い日が続いてます。外歩きには手袋が必要かも。
急に気温が下がったせいでしょうか、木々の色づきが進みました。
初雪前日まであれほど活発だった蝶たちの姿は消えましたが・・・
唯一目についたのはセイヨウオオマルハナバチ♂だった。巣は
とっくに解散したはずだ。彼がもし巣に帰ったとしても(ありえない
が)・・・・そこにはだれもいない。雪を避けてどこかでビバークして
いたのだろう。在来種の♂にはありえない生命力。次世代を担う
新女王蜂は、すでにだれかの精子を受け取り、眠りについている。
彼はその役目を果たしただろうか? いずれにしても寿命は近い。
少し気になったのは・・・所々でセイヨウタンポポやブタナの黄色が
目についたこと。市内では、初雪前にサクラが咲いたという。根雪
になるにはもう少し間がある。その間に花や虫に何かの「異変」が
まだ見られるのかどうか・・・・「温暖化」のせいだとしたら興味深い。
食の安心・安全を脅かすTPPよりも「パリ協定」の批准を優先して
「強行採決」すべきではないか? 何もしないよりはましだろう。
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墓地の一角で見事なハチの巣を発見。住人はまだいるのか・・・?
コガタスズメバチ・・・木の枝など開放空間に巣を作る。あまり高い
所には作らず、このような地上すれすれの場所が多い。夏は茂みに
なっているので気づかないことがある。この巣も、この時期になって
丸見えになったが、何度も通った道なのに気づかなかった(不覚)。
状態を見ると、次世代を担う女王蜂を生産できた成功した巣だろう。
墓参客や捕食者に見つからなかったことが第一だが、枝を取り込み
骨組みとし安定させたことも成功の一因かもしれない。
これは別のコガタスズメバチの巣だが、目立つ場所だったため
間もなく「駆除」された。うまくいけば前の巣同様、9月まで活動が
続いてサッカーボール大になっていたに違いない。札幌では9月
中には解散するが・・・温暖な地域ではちょっと様子が違う。
ハチがちょっと色黒だが、営巣場所も巣の模様も札幌のものと変らない。
違うのは巣の規模と、この状態が12月下旬だということ。いくつかの情報
では、このまま年を越す!という。何を意味するのか・・・興味深い。
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セイヨウオオマルハナバチが咲き残ったオオハンゴンソウに来て
いた。後脚などの特徴から♂。10月になって働き蜂は役目を終えて
姿を消し、次世代を担う新しい女王蜂は越冬モードに入ったようだ。
在来のマルハナバチはひと足早く見えなくなっている。暖かさにつら
れて新女王蜂が飛び出すことがあっても花はない。この♂が、今年
最後のマルハナバチかもしれない。飛ぶ元気はない。最後の晩餐。
他のハチはどうか分からないが、マルハナバチ類は在来・外来に
かかわらず、このポーズをとる。これ以上近づいたら攻撃するぞ!
・・・・の意思表示かと思うが、どうも迫力に欠ける。鳥やスズメバチ
などの天敵には通用しそうにない。彼らの攻撃は一瞬。「やめて!」
といっている間に餌食になる。だれに対する「威嚇」なのか・・・?
ヨーロッパから「強制連行」されて「強制労働」させられている。
もちろん彼らにはそんな意識はない。与えられた環境で生き
延びようとしているだけ。それでも、狭いハウスに飽きたのか
逃げ出した大地には、よりよい自由な環境があった。在来の
ハチと競合しながらたくましく生きている。人の社会や歴史の
縮図のようだ。人も虫も・・・・・・・根本にある原理は変らない。
人が生き延びられるかどうか、大先輩から学ぶことは多い。
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植栽されたヤマボウシでしょう。赤い実がたくさんできています。
よく見ると・・・木の周りが虫でにぎやかになってます。
ほかにもアリ、ハエやアブの仲間が来ています。これほど虫たちに
人気の理由は・・・? ヤマボウシの実と関係があるのでしょうか。
ヤマボウシ・・・市内では自生していないが、庭や公園に植えら
れているのを見かける。ミズキの葉に似ていると思ったら、同じ
仲間(ミズキ科)だという。ただし花や実はまったく違う姿。似た
ハナミズキ(北米原産)は市内では少ない(ない?)ように思う。
もっとも実物を見たことがないので何とも言えないのだが・・・・
果汁が落ちて黒くなったのだろうか?アブラムシ(カイガラムシも)が
ついている時にも、葉に落ちた排泄液(甘露)にハチが集まることが
あって、格好の観察・採集ポイントとなる。この木には、ついていなか
ったように見えたのだが、見逃したか、時期が違ったのか・・・・・・・・
少し調べてみると、排泄物にカビが生えて「すす病」が発生するという。
これがそうかもしれない。だとするとハチたちは舐めて掃除して病気を
治すのに多少は貢献していることになる。もちろん意図してはいない。
植物と昆虫、そして菌類のうまくできた仕組みがある。
ヤマボウシをJapanese strawberry tree と呼ぶそうだから、イチゴに
似た味なのか、それとも見た目がイチゴに似ているというだけか?
残念ながらまだ食べたことがない。虫が食べるからといって人も食べ
られるとは限らない。美味なら店頭に並んでいてもいいはずだが。
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