一期一会

札幌の昆虫の生態や自然を写真と合わせて紹介します!

札幌のチョウ

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       今年は行く先々で、トラフシジミ(春型)の姿が目立ちました。

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                               5月下旬(平和)

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                                5月下旬(福井)

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                             6月上旬(円山)

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                              6月中旬(円山)

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                      6月下旬(円山)・・・さすがにくたびれた感じに・・・

     トラフシジミ属の仲間は、どちらかというと東南アジアに多いようで、
     その姿は何となく熱帯の蝶の雰囲気です。この属の仲間では、最も
     北まで分布するのが日本のトラフシジミのようです。何らかの原因で
     寒い地域の気候・植生に適応したのでしょう。幼虫はフジ・クズ・クサ
     フジなどのほか、ハリエンジュも食べるようです。また、バラ科なども
     利用するなど「広食」の性質が北まで進出している理由のひとつかも
     しれません。好き嫌いがないことはいいことなのでしょうか?

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                    翅を開くと、きれいなブルーです。  (6月下旬・平和)

      本州などでは安定して夏型が発生しているようですが、札幌では
      必ず姿を現すわけではありません。その年の天候などの条件に
      左右されるようです。今年はどうなるでしょうか?

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             夏型の産卵(クズ・2013年7月下旬・宮の森)・・・裏面の地色が違います。
   今日は30℃近くまで上昇する予報。夏の虫たちの登場も本格化しそうです。
           ミヤマカラスアゲハ夏型が吸水していました。

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                       水溜りへ飛ぶチョウを追いかけてみます。

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                       着地・・・ミヤマカラスアゲハでした。

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        陽が陰ると翅を開きました。羽化したばかりのような♂です。

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                      ♂には性標があります。         (2017年6月下旬・手稲山で撮影)

      雌雄の区別は、翅を開くとよく分かります。♂には黒い毛のような
      「性標」があり、♀にはありません。鱗粉が変化した発香鱗でしょう。
      「香り」で♀を引き寄せているのかもしれません。

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                    2014年7月中旬の集団吸水(♂ばかり)・手稲山

       2014年はカラスアゲハの仲間などチョウ類の姿が多く見られた
       年でした。今年はどうでしょうか? 春型の姿が多かったので、
       ちょっと期待しています。集団吸水の光景は圧巻です。
      ある目的で、久しぶりに常次沢(つねじざわ)を歩いてみました。

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                ハクウンボクが満開!  エゾトラマルハナバチが来ていました。

      発寒川上流(左股川)にある常次沢は、かつては昆虫が豊かな
      場所でした。それは多様な植生によるものでした。同時に一定の
      開発によりできたオープンランドは昆虫の移動を可能にしました。

      ここまで来ると、さすがにハリエンジュなどは入り込めないようで、
      ハクウンボクやハルニレ、オヒョウ、ミズナラ、オニグルミなどの
      在来樹が多くなり、植樹されたカラマツも見られます。1969年に
      ここであるチョウの調査(共同研究)が行われましたが、当時の
      植生とあまり変化がないように見えましたが・・・

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                       埃まみれの沿道のオオイタドリ    (2017年6月中旬・常次沢で)  

      大きく変わっていたのは採石場ができたことでした。土曜日にも
      かかわらず、ひっきりなしにダンプなどが行き交い、そのたびに
      砂埃が舞い上がります。定期的に散水しているようですが・・・・・
      効果はどうでしょうか? 50年ほど前に行われたのはAraschnia
      属のチョウ(サカハチチョウとアカマダラ)の実態調査でした。

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                           サカハチチョウ春型

     その調査の記録によればサカハチチョウ(78)・アカマダラ(29)
     確認されました。サカハチチョウとアカマダラは、同属のよく似た種
     ですが、アカマダラは国内では北海道固有で、札幌市内では近年
     激減しているといいます。本当にそうなのか・・? 50年前に多数の
     記録がある常次沢を訪れたのは、それを確かめるためでした。

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                  サカハチチョウ夏型・・・まるで別の種のような姿です。

     結果はアカマダラどころかサカハチチョウの姿もありません。他の
     チョウなどの虫の姿も少ない。植生に大きな変化がないとすると、
     やはり採石による環境悪化でしょうか? ただ、サカハチチョウが
     まだ見られるのに、アカマダラだけが消えていくのには別の理由が
     ありそうです。夏型が出る時期に、もう一度調べてみます。


     
                 
        リンゴシジミが近年札幌のチョウの新メンバーに加わりました。

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                リンゴシジミ(2014年6月下旬・中央区宮の森)・・・クモが狙ってる!

      リンゴシジミ・・・ユーラシア大陸に広く分布するチョウですが日本
      では北海道限定です。明治時代外国人によって日本新記録として
      発表されました。その後、1919年に松村松年博士が北海道亜種と
      として記載しました。それ以降、生息しているのは石狩低地帯より
      東の地域だけでしたが、近年になって札幌に分布を拡大しました。

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                          ハエ?がアタック?    (2017年6月中旬・中央区宮の森)

      リンゴシジミが石狩低地帯を越えて札幌にやって来たのはいつの
      ことでしょうか?1982年6月に大倉山で採集された記録があります
      から、少なくともその頃でしょう。それ以降各地で毎年のように確認
      されていますから、定着したと見ていいでしょう。進出した理由は?

      その理由のひとつに、やはり幼虫の食樹があるでしょう。エゾノウワ
      ミズザクラやシウリザクラを食べていたのが、植栽されたスモモや
      ウメを食べ始めたようです。札幌のスモモから幼虫が見つかって
      います。石狩低地帯の開発でナンテンハギを食草とするアサマシ
      ジミが絶滅する一方で、増えるチョウがいることは興味深いです。

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            空地のイワミツバで吸蜜・・・民家周辺で見られるのも食樹の関係でしょう。

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                  コンフリーで休憩・・・この花では吸蜜できないようです。

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       「リンゴ」の由来は色でしょうか? 「スモモシジミ」の異名もありますが定着していないようです。
            理由はともあれ、珍しかったチョウが身近に見られることはうれしいことです。
      低木の白い花が満開になって、たくさんの虫が来ていました。

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                           トラフシジミ春型

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                       スジグロシロチョウ(だと思います)

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                          エゾコマルハナバチ(働き蜂)

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                        アカマルハナバチ(働き蜂)     (2017年6月上旬・円山で撮影)

      調べてみるとコデマリ(小手鞠)(バラ科シモツケ属)のようです。
      中国原産で古くから庭木など観賞用として植えられてきたといい
      ます。ただし北海道では早くても明治期以降でしょう。たくさんの
      ハナバチや蝶が来ていましたが、蜜を吸う虫たちにとって在来か
      外来かは関係ありません。蜜源が豊富になることはマルハナバチ
      には好都合でしょう。一方、ある蝶にも影響を与えた可能性が・・・

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                           コデマリでの求愛行動

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                             フタスジチョウ  (2015年7月・円山で撮影)

       フタスジチョウがコデマリを食樹としたようです。ここでは毎年
       安定して姿を現します。コデマリがなかった明治以前にはおそ
       らく在来のシモツケの仲間を食べていたのでしょう。コデマリが
       やってきて選択肢が増えました。他の蝶でも、このような例は
       多いものと思います。人の好みと虫との関係が見えてきます。

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