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夏のチョウも次第にくたびれた姿になって、秋の気配を感じます。
7月下旬〜8月にかけて生まれた夏型は、この時期になると
役目を終えて多分「最後の晩餐」でしょう。その一方で・・・
じゅうぶんに食べて太った終齢幼虫は、食草を離れて蛹になる
時期です。適当な場所を探して移動中。普通は、このまま蛹で
冬越しして春型になるはずですが・・・・・今年はどうでしょうか?
気温や日照時間などの条件がよければ、9月にもう1回新鮮な
成虫(秋型?)が見られるのかも・・・確認する価値はあります。 |
札幌のチョウ
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アリがヒメキマダラヒカゲを運んでいました。
1回はまると抜けません。かなり難儀していましたが、何とかクリア
して運んでいきました。体の大きさだけで判断すると彼女にとって
かなり大きな獲物。でも翅は軽いので、たいしたことではないので
しょう。巣はどこなのか?翅はどうするのか? 巣穴は通らず不要
なはず・・・・・確かめたかったのですが、時間に余裕がありません。
「よくやったね!」と皆で入口で切り落とすのかなぁ・・・
ヒメキマダラヒカゲ・・・・似たキマダラヒカゲ属とは別の仲間です。
キマダラヒカゲが平地にもいるのに対して、「ヒメ」の生息地は主に
山地です。また姿が見られるのもキマダラヒカゲより遅く、ピークは
7月下旬から8月に入ってからです。分布域や出現期の違い・・・・・
幼虫が同じササ類に依存することと関係があるのかもしれません。
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チョウの姿が多い札幌ですが、中でもトラフシジミも目立つひとつです。
春型の姿が多いな〜と思っていましたが、山沿いでは7月下旬に
なっても生き残りが見られました。この分だと夏型も大発生?の
予感。案の定、特に探してはいないのに行く先々で登場しました。
チョウには、大きく分けると年1回発生するもの(年1化、例えば春
だけに見られるエゾヒメギフチョウ)、年2回発生するもの(年2化、
例えば春型と夏型のサカハチチョウ)、そして年3回以上発生する
もの(多化性、例えばモンシロチョウ)があります。トラフシジミは?
光の当たり具合によって美しく輝きます。基本的に年2化です。
夏型は春型に比べて裏も表も色が濃くなります。紫外線対策?
夏型について、かつては次のように言われていました。
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第2化は出現期間も短く、ことに平地では目撃する個体数は
少ない。北海道などの寒冷地では通常年1回(春型のみ)で、
特定地域やその年の春の気温によっては第2化の現われる
ことがある。 ( 『原色日本蝶類図鑑』・1976年 )
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北海道での夏型の発生は道南など暖地以外は毎年見られる
わけではなく、その年の気象に左右されると考えられる。
( 『北海道の蝶』・1986年)
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札幌で夏型が毎年必ず見られるようになったというのは、最近の
ことであるのは間違いないようです。中でも特に今年は多かった。
その理由は何でしょうか・・・?図鑑などにあるように、気温などの
気象条件? 原因はともかく温暖化しているのは間違いないので
トラフシジミにとって有利に働いているのかもしれません。一方で
クズやハギ類、ハリエンジュなど今まで知られていなかった食樹に
進出したこともあると思います。広食性のチョウなのでしょう。本来
年2化だったものが、食樹があるだけで熱帯から北海道にやって
きたものの、寒くて年1回に制限されていた。それが最近の温暖化
で元の性質が復活したというのが実情ではないでしょうか。それが
いいことなのかどうかはわかりませんが・・・
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全体としてチョウの姿が多い札幌ですが、種によっては少ないものも・・・
蛾のような姿で、あまり注目されることがないキバネセセリ。
時には大発生して話題になることがありました。
大発生は2013年がピークでした。以降、今年まで「沈黙」状態が
続いています。マイマイガと同じサイクルなのでしょうか?今後も
注目すべきでしょう。ちなみに集まるとうっとうしいだけで、実害は
ありませんし、目立つ黒い目は愛らしいと思うのですが・・・
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全体として夏のチョウの姿が多かった中で、ゼフィルス=ゼフと呼ばれる
ミドリシジミの仲間は、ほとんど「不作」の状況。なぜでしょうか?
ハンノキの樹上で縄張り争いをするミドリシジミの姿が見られました。
ゼフの中では一番遅くに登場するミドリシジミですから、時期的には
この光景は何の問題もないように見えます。他のゼフでもこのような
光景が見られたらよかったのですが・・・・・そうではありませんでした。
石狩のカシワ林で大発生していたキタアカシジミも、今年は沈黙・・・・
♂たちがバトルをくり返すのをよそに、ハンノキ林の下草で休息?
していました。あるいは勝った♂を待っていたのかもしれません。
何が原因か分かりませんが、左前翅が・・これでは飛ぶことはできません。
食樹への産卵は無理でしょう。先天的なものではないにしても、一説には
6月の天候不順がゼフの幼虫の生育に影響を与えたのでは?との見方が
あります。その後7月になって天候は回復し、真夏のチョウは順調に発生。
チョウだけではなく、例年あまり見られない昆虫の個体数も多くなりました。
人が思うよりも、かなり敏感に環境の変化を感じて影響を受けている・・・?
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