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台風の影響でしょうか、大雨など天候不順が続く北海道です。虫の世界も
「不順」の様相。今年もマイマイガの大発生はなさそうです。
この時期、住宅街でも大発生してニュースになるマイマイガだが、
今年は姿が見えない。それ自体は迷惑にならないのでいいこと
なのだが、よく探さないと見つからないような状態は、どうなのか?
何年かおきに大発生をくり返すことが分かっているが、2013年を
ピークに下火となり、2014年・2015年と減少した。札幌市内では
今年が底なのかもしれない。その原因は何か?いろいろな説が
言われているが、よく分かっていない。住宅街では卵の駆除が
功を奏しているとも言われるが・・・・徹底しているわけでもない。
いずれにしても、今後の動向には注目していく必要があるだろう。
マイマイガの幼虫に寄生するコマユバチも、寄主の数が少ない
状況では種の存続に必死だ。たまに見つけた幼虫は寄生され
ているものが多かった。さらに・・・コバチのようなものも見える。
複雑な関係は、何かの独占を許さない仕組みをつくっている。
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札幌の蛾
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歩道に敷かれたウッドチップにイカリモンガが来ていました。
口吻を伸ばして吸水。歩くと飛立つものの・・・また戻って来ます。
イカリモンガ(碇紋蛾)・・・前翅にあるオレンジ色の紋に由来する
蛾の仲間だが、翅を閉じて立てて止まることが多いので、野外で
表をじっくり見ることができない。オレンジ色をチラチラさせて昼に
飛ぶ姿は美しくまるで蝶のよう。口吻が退化して「飲まず食わず」
の蛾が多い中で、このように吸水するし花にも来る。初めて見る
人はほぼ蝶だと言う。独立した科のようだが・・・・・蛾にはよくない
イメージが先行する。「名誉回復」で「イカリモンチョウ」と呼んであ
げたらどうだろうか? 蝶と蛾の線引きにたいした意味はない。
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白い壁に・・・この色はかなり目立ちます。
チズモンアオシャク・・・「地図紋青尺」と書くと実態がよりはっきり
するかもしれない。見ようによっては何かの地図のような模様だし
何より地色の「青」が印象的な「尺蛾」だ。ガガイモの葉を食べる
という幼虫は「尺取虫」なのだろうが、まだ見たことはない。
違和感があるのは「青」。これは、むしろ「緑」ではないのか・・・・と
名付け親に問いたい。アオシャク(亜科)と呼ばれる蛾はほかにも
多数いるが、濃淡はあってもどれも「緑」に見える。オオミズアオや
オナガミズアオといううすい「緑」に見える大きな蛾もいる。
蝶では、ミドリシジミはいてもアオシジミはいないし、ミドリヒョウモン
はいてもアオヒョウモンはいない。信号はどうだったか、青か緑か?
英語圏ではどうか、グリーンかブルーか? 一説では、古来より
すべて青で緑はなかったというのだが・・・どうでもいいことかな。
いずれにしても、この蛾がこの姿であるのには相当の理由がある
はずだ。それなりの説明はできても本当のところは、人にも本人に
も分からない長い進化で積み上げてきた歴史にある。人の感性の
及ばない色・造形だからこそ何で?ということになる。
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リシリヒトリ・・・かつて見たのは定山渓方面の山地。「利尻」とある
ようにどちらかというと北方系・山地性の蛾だと思っていた。出現
時期はぴったりだが・・・まさかこんな住宅街に現われるとは予想
していなかっただけにちょっと驚いた。幼虫の食草などその生態
はよく分かっていないが昼に(昼も?)活動することは間違いない。
飛翔力は弱いはずだから、この付近で発生したものかもしれない。
虫は神出鬼没だから面白いとも言える。何かと忌み嫌われること
が多いのが蛾の仲間だが、このリシリヒトリは「無害」(今のところ)
・・・何かの拍子で大発生しないかぎりは目立たない。一方、例年
大発生して「迷惑」をかけている蛾の今年の状況はというと・・・
市内をくまなく調べているわけではないが・・・ミズキにつくキアシドクガ。
昨年の今時期は白い紙吹雪のように成虫が舞っていたのだが、まった
く姿がない。クリやミズナラなどにつくマイマイガ。今時期は幼虫が群れ
ているはずなのだが・・・ほとんど見られない。蝶も少ない。迷惑者がい
ないのはいいことかもしれないが、いないはずのものがいて、いるはず
のものがいないのは少し不気味。「沈黙の初夏」なら・・・なお怖い。
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昨夏の終わり、雲はまだ力強いのに虫たちには秋の気配が漂う中、大きな
蛾が暴れて抵抗していました。ヒメヤママユという蛾でした。
ツリバナかオオツリバナでは?とのご指摘をいただきました。ありがとうございます!
よく見ると、翅にアリが・・・・・どうも蛾を襲っているようだった。
それを振り払おうと抵抗していたのだろう。ひょっとしたら羽化
したばかりで、翅が固まるのを待っていたのかもしれない。幸
いアリは一匹のようだった。これが集団だったら無傷では済ま
なかったにちがいない。何とか飛んで事なきをえた。やはり羽
化時は危険がいっぱい。捕食者が寝ている間に完了するのが
ベストだが、なかなかうまくいかないこともあるのだろう。
ヒメヤママユ(姫山繭)・・・「ヤママユガ」と呼ばれる大型の蛾の仲間。
クスサンやシンジュサンなどは「親戚」にあたる。世界最大の蛾とい
われるヨナクニサンもこの仲間。ヤママユの繭からは天蚕糸がとれ
るという。札幌市内では9月〜10月にかけて時に大発生する。
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