ビートルズを愛するケアマネgitanistのブログ

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こんばんわ。最初にお断りしますが、今日はすごく長いです。最後まで読んでいただいた方には心からの感謝を申し上げます。

タイトルの言葉をご存知でしょうか?この言葉は、アドミラル・トーゴーこと、東郷平八郎の言葉の一節です。東郷平八郎は、日露戦争での日本海海戦において、ロシアのバルチック艦隊を破り、世界的に誉れ高い名提督として名を馳せています。軍人を賞賛するわけではありませんが(逆に、貶めるつもりもありません)、この御仁の「五省」はとても心に響くものです。

五省

一、至誠(しせい)にもとるなかりしか
一、言行(げんこう)に恥ずるなかりしか
一、気力に欠くるなかりしか
一、努力に憾(うら)みなかりしか
一、不精(ぶしょう)にわたるなかりしか

現代語で書くと、

一、誠実さを失っていることはなかったか
一、言葉と行動に恥じるところはなかったか
一、気力に欠けているところはなかったか
一、努力に足りないことはなかったか
一、何をするにもめんどうくさがっていないか

ということです。どれも自分でできているとは言えませんが、この中で「至誠にもとるなかりしか」は、常に自分が心がけたいことであります。

自分は、平成12年、介護保険施行の年に介護業界に飛び込みました。それまで幾つか仕事を転々としましたが、どれも本当にやりたいと思える仕事ではありませんでした。なぜ介護の仕事をしようと思い立ったのか?元々は「介護」なんて言葉すら知りませんでした。言葉として知っていたのは「福祉」ですね。

それは、尾崎豊が「将来は福祉の仕事もしてみたい」と語っていたからなんです。尾崎は「自分はたくさんの人を傷つけてきた」という思いがあって、贖罪の意識を常に抱いていたんでしょう。自分も同じようなものです。

それで、特に何がやりたいのかわからないのなら、せめて人の役に立てることをしたいと思い、でも資格がなければできないんだろうと思っていたところに訪問入浴のオペレーターの募集が目に留まったんですね。そこには資格取得の支援もありと書かれていて、それが自分が介護業界に飛び込むことになったきっかけです。

その世界は本当に素晴らしいものでしたね。それまでは、営業に回れば煩がられ煙たがられ(そんなことばかりでもなかったですが)、ギブアンドテイクの世界しか経験したことなかったのに、この仕事では自分のしたことでこちらが恐縮するくらい喜んでくれて、時には涙まで流されて、自分のしていることに意味があるって思えたのは初めてかもしれません。

そして、その頃は介護保険施行当初でしたから、ケアマネさん達は全く未成熟でした。ケアマネの顔も覚えていない、名前すら知らない(!)なんて利用者さんやご家族は多かったですね。そして、「もっとこうしてあげればいいのに」「この利用者さんはこういう希望があるのに、何で何もしないんだ」とか、義憤のような思いが溜まっていきました。今思えば、いい加減にやっていたとかいうわけでもないんだろうとは思うのですが、当時はそう思ってました。そして、「だったら自分がケアマネをやろう」と思ったわけです。

それから、自分の今後というものを考えました。3年は頑張って訪問入浴をやる、ヘルパー業務も経験しておく。そして介護福祉士を取って、今度は施設介護をやる(ケアマネをやるにあたって、在宅と施設と両方経験しておきたかった)。

そして、予定通り介護福祉士を取り、特養に転職しましたが、今では思い出したくもないような地獄の日々でしたね。勤め始めた頃は、あまりのことに愕然としました。訪問入浴をしていた頃は、一途に利用者さんに如何にいいサービスを提供できるか、喜んでもらえるかを考えてやっていたんですが、自分が勤めた特養は、「如何に職員が楽をできるか、如何に施設のルーティーンに利用者を当てはめるか」という考えであって(もちろん、そうでない真っ当な職員もいました)、利用者さん主体、利用者さんを尊重するなんて雰囲気ではなかったです。

そんな状況を元の訪問入浴の時の仲間に愚痴ったりしていたんですが、「gitanistさんだったら変えられる」なんて、励まされていました。でも、自分は流されてしまったんですね。

でも、それでいいとまでは思えませんでした。でも、流されていました。ただ、流されながらも、時々それに逆らってもいました。でも、やっぱり流されてしまいました。そして、それは施設が悪いんだ、などとも到底思えませんでした。自分がすごくひどい人間だと思いましたね。

「自分は何をやっているんだろう」と考えながら、一刻も早くここから抜け出したいと思いながら、結局2年半ほどズルズルと流され続けました。そして、唯一の支えであった「2年頑張って、ケアマネを取る」という目的だけは達成して、居宅ケアマネに転職となりました。

そんな中でも、得るものはありました。一番大きかったのが、多分、家族介護の大変さを多少なりとも思い知った、ということです。訪問入浴の時は、週に1回か2回、多くても3回(疥癬の方の場合はもっと多くなる時がありますが)、時間も1回当たり1時間弱。そこでは利用者さんもご家族もとても喜んでくれて、自分もその喜んでくれることに対しての喜びしかなかったんですが、施設では24時間です。さらに、訪問入浴の時は、利用者さんはお客様であるわけですけれど、そこは利用者さんの家であって、実は自分たちが「お客様」でもあったんですね。施設では違います。そこが利用者さんの家であることは変わりないのですが、職員は決して「お客様」ではない。いわゆるハレ(晴れ)とケ(褻)の、ハレの部分に関わっていることが多いのが在宅ですが、施設ではケの部分なんですよね。

そして、また在宅に戻って、とても生き返った気がしました。また一途に利用者さんのことを考えられるようになった気がしました。そして、ケの部分に常に関わるご家族の大変さにも思いを馳せられるようになりました。施設での挫折を糧に、利用者さんのケの部分にもしっかり目を向けるように心がけました。

最初は良かったんです。自分のことを理解してくれる管理者にも恵まれました。ただ、経営者は全く違ったんですね。

もう隠してしまいましたが、何度か記事に書いたとおり、「利益至上主義」なんです。経営者ですから、利益を求めることは間違いではありません。しかし、利用者さんを利益を上げるためだけの「モノ」としか考えない、そんな経営陣に自分は常に反発していました。そして、そんな自分を管理者は盾となって守ってくれていました。今思えば、そんな管理者に自分は甘えているだけでした。

「利益至上主義」、どういうことかと言うと、とにかく利用者さんの利用するサービスは、全て自法人に回せ、という圧力です。

当たり前のことですが、自分は常に、利用者さんに適切なサービスを提案し、適切な事業所を紹介することを心がけていました。その結果、自法人のサービス紹介率が非常に低くなっているんですね。

もちろん、紹介できるだけの事業所になってもらうための試みも、充分とは言えませんがやってきました。ただ、自分の力不足もあって改善されるには至りませんでした。ですので、相変わらず紹介率は低いまま。

そのうちに、自分を守ってくれていた盾を真っ二つに割られ、圧力が増してきました。

ただ、自分は同じ失敗はしたくなかったんです。施設の時のように、流されて利用者さんを無碍にするようなことは絶対にしたくなかった。

『至誠にもとるなかりしか』

常にこの言葉を反芻していました。

そして、散々経営陣に罵倒された挙句、居宅は閉鎖に追い込まれることになりました。

でも、悔いはありません。利用者さんへの心残りはもちろんありますが・・・。

今日、新たな道を決めました。ケアマネ業務からは、一時離れることになります。ただ、この仕事を続ける上で、これからも忘れずにいたいと思います。

『至誠にもとるなかりしか』

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今度は自分との闘いが始まりますね。
共に闘いましょう。

2010/8/18(水) 午後 10:04 madogiwa

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何とここに来る人達は熱い心を持ってみえること・・
それもgitaさんのお人柄ゆえのことでしょう。
介護保険が始まり、介護の心がいつの間にか薄れてしまってきた、同時に家族の絆も。働くスタッフのモチベーションも。何とか良い方になるといいなぁと、外部評価を通して少しでもホームさんに気づきを、念頭に置きながら行なっています。今後も期待しています。

2010/8/18(水) 午後 11:04 [ - ]

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まどぎわさん、ありがとうございます。

これからは未知の世界なんです。自分を本当に試されるのはこれからだと思います。

2010/8/18(水) 午後 11:18 gitanist

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araigumaさん、ありがとうございます。本当に・・・、皆さんには感謝感激です。

介護の心・・・、自分はそれ以前に人と人ってことを忘れたくないんですね。ですから、いい子ぶるなんてこともしないし、できません。ただ、自分のためにしたことが人のためになれば、こんなにいいことはないな、と。ですので、自分なんかとても褒められたものではないんですけどね(^^ゞ

2010/8/18(水) 午後 11:21 gitanist

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おはようございます。

弁護士がひき逃げしたり、警察官が痴漢したり…変な世の中です(清水健太郎はまた覚醒剤で捕まるし…これ関係ないですね)が、今日も一日頑張りましょう!

本日の凸ポチッ☆と。

2010/8/19(木) 午前 7:01 [ 社会福祉法人光照園 ]

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すごいコメントの数ですね。
gitanistさんの熱い思いに、みんな共鳴するのでしょうね。
ところで、8月26日にカナダでホスピスナースをされている方のセミナーが開かれます。
私のブログでも相互リンクをはらせてもらっています。
ケーススタディをするようです。
たまたま私も出れそうなので出席しますが、よさそうなのでご紹介します。
まだ、若干空席がありそうです。
「楽患ねっと」の主催です。
お時間があればと思い、ご紹介までにお知らせしました。
こんな形ですみません。

2010/8/19(木) 午後 3:02 [ こぶた部屋の住人 ]

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水野さん、こんばんは。

変な世の中かもしれませんが、自分は普通でいたいですね。

2010/8/19(木) 午後 11:23 gitanist

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こぶたさん、ありがとうございます。

その日は・・・、ケアマネの更新研修でまるかぶりです。残念ながら。また何かありましたら、教えてくださいね。

2010/8/19(木) 午後 11:24 gitanist

こんばんわ。忙しくてしばらく訪問していないうちに事態は急展開していたんですね。
gitanistさんの姿勢は間違っていないと思います。ただ、今後の事は心配しています。この業界、gitanistさんの勤めていたような施設経営者が多いのが現状ですから。しばらくは旅行にでも行って気力を充実させ、次の一歩を踏み出してください。

2010/8/19(木) 午後 11:33 [ ruti140 ]

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rutさん、ありがとうございます。

旅行・・・、行きたいし行くつもりだったんですが、このバタバタで・・・無期延期です。次の仕事を始める前には行きたいです。

2010/8/20(金) 午前 0:38 gitanist

こんばんは

お久しぶりです

素晴らしい記事に 見入ってしまいました

努力されてますね

すべての事に

目標に向かいがんばり結果反省されたり 改善策を考えたり

でも 介護は 楽しいです
だって介護の仕事は 人間の持ってる 心の善と悪の善の気持ちが 一番出る仕事だと思います

人間誰しも 善と悪を持ち合わせていますから

だから 善の気持ちを 利益や利用者本意のサービスが出来ないのは 悪に近くなり 介護から離れる気持ちだと思います


福祉に携わる者は 人の痛み・喜びを 言われなくても感じ取る それが 介護だと思います

感じ取るとは 難しいのですが 利用者を知る事

関わる事 沢山話す事

ですかね

2010/8/20(金) 午後 11:58 なおこ

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なおこさん、ありがとうございます。

そうですね、自分もそういうことが大事なのだと思います。そして、そういうことを感じ取れるには、やはり利用者さんに対して誠実でなければいけないのだろうと思います。

2010/8/21(土) 午後 8:14 gitanist

随分遅くなってしまいましたが、読みにこなくちゃ、ってずっと気になっていました。
すごい数のコメントに驚きながら・・・。

応援しています♪人生まだまだこれからですよね。^^

2010/8/21(土) 午後 11:03 ひーこ

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初めてのコメントです。

私は片田舎で細々と介護福祉士をしていますが、少なくともそんな私にとっては、「全国各地に志を持った福祉人がいるんだ!」という事実を確認できるだけでも大きな励みになり、刺激にもなり、自分を高めるためのモチベーションにもなります。

自分でも、gitanistさんに何を伝えたいのかわかりませんが.....
記事を読んでコメントせずにはいられませんでした。

健闘を祈ります!

2010/8/21(土) 午後 11:24 [ ケアマン ]

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ひーこさん、ありがとうございます。

ほんとにねぇ・・・、たくさんのコメントをいただいて、自分が一番ビックリしています。頑張ります。

2010/8/23(月) 午前 0:07 gitanist

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ケアマンさん、初めまして。そして、ありがとうございます。

>「全国各地に志を持った福祉人がいるんだ!」

たくさんいますよ。驚くくらいに。ケアマンさんもその一人ですね。いつかお会いしましょう。

2010/8/23(月) 午前 0:09 gitanist

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gitanistさん、お早うございます。
ご利用者はさぞ、残念に思ってらっしゃるでしょう。引継ぎは辛いでしょうね。大丈夫ですか?いつも勉強熱心で多くの情報を発信されていて、ユーモアもあり見習わねば、と思います。
家族会のことも具体化したいです。

2010/9/1(水) 午前 7:05 [ こゆめ ]

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こゆめさん、こんばんは。大丈夫ですよ、こうやってメッセージを下さる方もたくさんで、本当にありがとうございます。

ホントに、具体化される際にはお手伝いさせてくださいね。

2010/9/2(木) 午後 9:55 gitanist

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僕 今 すごく悩んでました。 ケアマネが受かり 6年経験を積んだグループホームを辞めパートでホームヘルパーやってます。gitanistさんと考えは ほとんど同じです。6月でケアマネの研修がおわるので、今どうするべきなのか悩んでました。このブログを見て勇気が出ました。雇ってくれる事業所を探してケアマネをやります。少しでも介護の世界がよくなるように頑張っていきましょうね
ありがとうございましたm(..)m

2011/4/11(月) 午後 0:33 [ ☆サスケ☆ ]

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☆サスケ☆さん、

>このブログを見て勇気が出ました

とても嬉しいです。ありがとうございます。

それぞれの立場で、それぞれに大事な役割があります。ケアマネが全てなわけでも一番でもありません。でも、何か思うところがあって、ケアマネを目指されるのでしょう。頑張ってください。頑張りましょう。

2011/4/11(月) 午後 10:21 gitanist


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