GivingTreeの雑記帳

seeking for my another sky─それは、この世界そのものだと気付いた

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引き裂かれるアイデンティティーの狭間で

二重の意味で、ある種の背信行為ですよね

政治学者 姜尚中(カン・サンジュン)

NHK BSHi (2011年3月23日放送)



姜尚中は、在日2世として熊本県に生まれた。日本名は永野鉄男。家は廃品回収の店を営んでいた。父は寡黙でまじめに働き、母は故郷の生活様式を大切にする人だった。10歳の頃、鉄男は転校生の女の子に思いを寄せる。恋に目覚めると同時に、自分が在日2世であることを強烈に意識するようになり、その葛藤悩み始める…。少年がアイデンティティーを確立していく足跡を探る。〔放送の解説より〕

「アイデンティティー」は、俺にとっても人生の最重要テーマ。15年前に帰国して以来、自ら『異邦人』と称し続けてきた俺にとって、姜尚中教授のこの言葉は重く響いた。

姜教授は、この台詞を言う前に、自らの在日二世としての生い立ちと葛藤を、こう語っていた。

この、愛すべき……もっとも愛すべき人で、その人たちによって育てられ、なおかつその人たちいると最も安心する人々。その人々が、社会からは、ある意味で「疎まれている」。

で、そういう社会の目というものが、自分にも向かってくるし。

で、そういう中で学校の時間を生きている僕は、言ってみれば、その「愛すべき人々」から距離を置かなければならない。

それは二重の意味で、ある種の背信行為ですよね。


海外にいて日本のことを色々と言われるときがまさにこう。

日々、日本にいて自分自身も考えている疑問であれば、それはそれで周囲と同調して日本を批判することもある。だが、そう考えていない、むしろ日本の良いところと思っていることについては、敢然と反論する。

俺はそうやって区別してきたつもりだった。それが、海外において自分は日本人だと主張する方法であり、海外において私は純粋な日本人ではないと主張する方法でもあった。

この相矛盾する主張を行わないと、苦しくなる。
自分が自分でいられなくなるのだ。

姜教授が語っているのは、あくまで「こどものころ」の自分。成長して大人になった彼は、きっと俺と同じような方法で「自分」であり続けたきたのだと思う。

決して楽な生き方ではないが、それ以外に術がないのだ。

葛藤した少年時代を卒業し、日本人「永野鉄男」であり続けた彼は、大学以降「カン・サンジュン」と本名を名乗り、いまもその名を名乗りながら、日本に対する鋭い提言を発し続けてる。

主張し続けることが、彼であることの証。
「カン・サンジュン」であることの証なのだ。

この気持ち、生き方、痛いほどわかる。

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