GivingTreeの雑記帳

seeking for my another sky─それは、この世界そのものだと気付いた

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以下は、国民の重大な関心事と思われる議会報告書の本編の一部、「第三章 同盟問題」から、1.普天間移設問題」について行った同時読書メモツイートを文章形式に起こし直したものである。起こし直す段階で、文字数制限のあるツイートとは異なる内容に一部修正されている。原文は文字数制限を超える分量なのでこの際全文は記載しないが、とくに報道で触れられている箇所や日本国民として重要と思われる箇所については原文を日英併記し、太字で強調してある。

〔原文データ〕
 【原文】CRS報告書『日米関係をめぐる論点』(2013年5月1日), pp.15〜16.
"Futenma Base Relocation Controversy," Alliance Issues
 Japan-U.S. Relations: Issues for Congress,
Congressional Research Service, (May 1, 2013).
【執筆】Emma Chanlett-Avery, Specialist in Asian Affairs.
エマ・チャンレット=エイヴリー外交・国防・通商部アジア問題担当分析官


イメージ 1

普天間基地移設問題[28]

 沖縄における海兵隊基地の問題は長年、日米の同盟関係を悩ませてきた。問題の包括的な解決には至ってないものの、日米両政府は同盟関係のコアからこの問題を切り離すことに成功した。合衆国が8,000人の海兵隊及びその家族をグアムに返還する代わりに、名護市辺野古沖のキャンプ・シュワブに新しい海兵隊基地を建設を求める2006年のグアム移転協定は、これまで在日米軍再編の中核的計画に位置付けられていた[29]。当初から問題があったこの計画は、2009年に鳩山由紀夫が首相に就任してから日米の摩擦の大きな要因となった。鳩山が選挙公約として、“移設に反対する”(oppose the relocation)と表明したためだ。最終的に鳩山や民主党の後継者らは計画を受け入れたが、地元の反対と日本政府側の不手際により、計画は実現不可能になったものと見られていた。
 
2012年4月、在日米軍再編問題の障害を取り除くべく、日米両政府は海兵隊のグアム移転と基地移設の進展を“切り離す”(de-linking)ことに合意した。また沖縄住民の負担軽減のため、約9,000人の海兵隊員とその家族を国外の施設に移転するとした。移転先にはグアム、ハワイ、そしてロテーション先としてオーストラリア、その他の施設が挙げられた。関係者はこの合意をアジアにおける米軍の態勢を"地理的により分散し、運用面でより抗堪性があり、かつ、政治的により持続可能なもの"(more geographically distributed, operationally resilient, and politically sustainable)」[30]とする目標に合致しているとして評価した。在日米軍基地返還計画の工程表によれば、2020年半ばまで、土地の大半は地元当局に返還されないだろうとみられる。
 
The official timeline for the reversion of U.S. base territory back to Japanese control indicates that substantial amounts of land will not be turned over to local authorities until the mid-2020s.
 
 
この合意の表明の後、現行計画を「非現実的、実行不能、かつ拠出不可」[31]と共同で表明していたカール・レビン、ジョン・マケイン、及びジム・ウェッブら上院議員は声明を発表。当時の国防長官レオン・パネッタに対し、「議会の承認を得るまで、新たな基地配置計画案は最終計画とは捉えられない」とする書簡を送った[32]
 
After the announcement, Senators Carl Levin, John McCain, and Jim Webb, who had together criticized the realignment plan as “unrealistic, unworkable, and unaffordable,” wrote in a letter to Defense Secretary Leon Panetta, “No new basing proposal can be considered final until it has the support of Congress.”
 
 
グアム建設計画の肥大化するコストやアジア太平洋地域における米軍の態勢の不透明さに不安を持つ議会は、2012及び2013年会計年度における軍事建設計画のための資金を承認するそれぞれの国防権限法(P.L.112-81及びP.L.112-239)においてその資金の拠出を完全に凍結した。国防権限法におけるこの凍結により、計画に対する一定の根拠と再評価が得られるまで、承認された資金及び日本政府が拠出した軍事建設計画のための資金をグアム移転協定の実施を目的として使用することが禁止された。2013年4月、上院軍事委員会は日本を含む海外における米軍の軍事プレゼンスに係わる費用を再検討する報告書を発表[33]報告書は普天間基地の移設を「依然として実現性が低い」と評価し、その費用及び期間は国防総省が現行計画に基づいて試算を遙かに超えるであろうと結論付けた。
 
The report found that relocation of the Futenma base remained “unlikely” and that it would cost far more and takelonger than the Department of Defense currently projects.
 
 
日本側にも多くの重大な障害が横たわる。地元沖縄の反対は硬化する一方で、新基地計画に関わる全ての主要な政治家が現行計画への反対を表明しているからだ。2012年夏に実施されたMV-22オスプレイの普天間基地への配備は、周辺住民に安全上の懸念を生じさせ、同年末に米軍兵士らが行った一連の犯罪行為が地元の反感を更に強めた。過密した都市部における外国軍隊の存在について、何十年もの間沖縄住民に鬱積してきた不満は薄まる気配がない。
 
The grievances that the Okinawans have harbored for decades seem unlikely to fade, driven by the presence of foreign troops on a crowded urban landscape.
 
現在の問題には、沖縄県と日本政府との間の根本的な緊張関係が反映されている。すなわち、国全体が米軍の安全保障の恩恵を受けるなかで、沖縄住民のみが不釣り合いな負担を背負っているという認識である。
 
The current controversy reflects a fundamental tension in the relationship between Okinawa and the central government in Tokyo: while the entire country reaps the benefits of the U.S. security guarantee, Okinawans bear a disproportionate burden.
 
2012年4月の日米合意により普天間基地の改修計画が発表されたことで、基地固定化の可能性が強まったという疑念が生じた。この件に関し2013年のSASC(上院軍事委員会報告書は、日本側が計画実施に十分に貢献できるのか懸念を表明している[34]
 
The April 2012 announcement that the U.S. and Japanese governments will undertake long-deferred repairs on Futenma raised suspicions that the base will remain indefinitely, and the 2013 SASC report expressed concerns that Japan’s contribution was in question.
 
〔脚注資料〕
[28]詳細は、エマ・チャンレット=エイヴリー及びイアン・E・ラインハート著. CRS議会調査局報告書CRS Report R42645, "The U.S. Military Presence in Okinawa and the Futenma Base Controversy"(沖縄における米軍の軍事プレゼンスと普天間基地問題)を参照。
 
[29]この協定に基づき、第三海兵遠征軍(III MEF)のおよそ半数がグアムの施設に移転され、大規模な土地が日本に返還される。日本政府は推定100億ドルの費用のおよそ60%を負担することになっていた。数年間に及ぶ交渉の末、日米両政府はより人口密度の少ない辺野古沖のキャンプ・シュワブに決定した。
 
[30]Joint Statement of the Security Consultative Committee,” State Department Media Note, April 26, 2012,. [日本語版]日米安全保障協議委員会共同発表(2012年4月26日)
 
[31]Senators Levin, McCain, Webb Call for Examination of Military Basing Plans in East Asia,” Press Release from Senator McCain’s office, May 11, 2011.
(上院議員ジョン・マケイン事務所プレスリリース. "レビン・マケイン・ウェブ上委員議員ら、東アジアの軍事基地配置計画の再検討を要請"(2011年5月11). 
 
[32]Senators Levin, McCain and Webb Express Concern to Secretary Panetta Regarding Asia-Pacific Basing Tuesday,”Press Release from Senator Levin’s office, April 24, 2012. 
(上院議員カール・レビン事務所プレスリリース. "レビン・マケイン・ウェブ上院議員ら、アジア太平洋における基地配置計画についてパネッタ国防長官に懸念を表明,"(2012年4月24日). .
 
(連邦議会上院議会軍事委員会. "海外における米軍の軍事プレゼンスを支える同盟国の貢献と合衆国の負担に関する検討," (2013年4月15日). .
 
 
以上


 
【免責事項】この読書メモは「完全版」ではあっても「翻訳」ではありません。あくまで読書しながら報告書の内容を咀嚼して書き上げた「メモ」の集大成です。一語一句が報告書通りではないので、その旨予めご了承ください。但し、重要と思われる箇所(太字箇所)については適宜ピンポイントで正確な翻訳を心がけている積もりです。

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