以下は、国民の重大な関心事と思われる議会報告書の本編の一部、「第三章 同盟問題」から、1.普天間移設問題」について行った同時読書メモツイートを文章形式に起こし直したものである。起こし直す段階で、文字数制限のあるツイートとは異なる内容に一部修正されている。原文は文字数制限を超える分量なのでこの際全文は記載しないが、とくに報道で触れられている箇所や日本国民として重要と思われる箇所については原文を日英併記し、太字で強調してある。〔原文データ〕
【原文】CRS報告書『日米関係をめぐる論点』(2013年5月1日), pp.15〜16. 普天間基地移設問題[28] 沖縄における海兵隊基地の問題は長年、日米の同盟関係を悩ませてきた。問題の包括的な解決には至ってないものの、日米両政府は同盟関係のコアからこの問題を切り離すことに成功した。合衆国が8,000人の海兵隊及びその家族をグアムに返還する代わりに、名護市辺野古沖のキャンプ・シュワブに新しい海兵隊基地を建設を求める2006年のグアム移転協定は、これまで在日米軍再編の中核的計画に位置付けられていた[29]。当初から問題があったこの計画は、2009年に鳩山由紀夫が首相に就任してから日米の摩擦の大きな要因となった。鳩山が選挙公約として、“移設に反対する”(oppose the relocation)と表明したためだ。最終的に鳩山や民主党の後継者らは計画を受け入れたが、地元の反対と日本政府側の不手際により、計画は実現不可能になったものと見られていた。
2012年4月、在日米軍再編問題の障害を取り除くべく、日米両政府は海兵隊のグアム移転と基地移設の進展を“切り離す”(de-linking)ことに合意した。また沖縄住民の負担軽減のため、約9,000人の海兵隊員とその家族を国外の施設に移転するとした。移転先にはグアム、ハワイ、そしてロテーション先としてオーストラリア、その他の施設が挙げられた。関係者はこの合意をアジアにおける米軍の態勢を"地理的により分散し、運用面でより抗堪性があり、かつ、政治的により持続可能なもの"(more geographically distributed, operationally resilient, and politically sustainable)」[30]とする目標に合致しているとして評価した。在日米軍基地返還計画の工程表によれば、2020年半ばまで、土地の大半は地元当局に返還されないだろうとみられる。
The official timeline for the reversion of U.S. base territory back to Japanese control indicates that substantial amounts of land will not be turned over to local authorities until the mid-2020s. この合意の表明の後、現行計画を「非現実的、実行不能、かつ拠出不可」[31]と共同で表明していたカール・レビン、ジョン・マケイン、及びジム・ウェッブら上院議員は声明を発表。当時の国防長官レオン・パネッタに対し、「議会の承認を得るまで、新たな基地配置計画案は最終計画とは捉えられない」とする書簡を送った[32]。
After the announcement, Senators Carl Levin, John McCain, and Jim Webb, who had together criticized the realignment plan as “unrealistic, unworkable, and unaffordable,” wrote in a letter to Defense Secretary Leon Panetta, “No new basing proposal can be considered final until it has the support of Congress.” グアム建設計画の肥大化するコストやアジア太平洋地域における米軍の態勢の不透明さに不安を持つ議会は、2012及び2013年会計年度における軍事建設計画のための資金を承認するそれぞれの国防権限法(P.L.112-81及びP.L.112-239)においてその資金の拠出を完全に凍結した。国防権限法におけるこの凍結により、計画に対する一定の根拠と再評価が得られるまで、承認された資金及び日本政府が拠出した軍事建設計画のための資金をグアム移転協定の実施を目的として使用することが禁止された。2013年4月、上院軍事委員会は日本を含む海外における米軍の軍事プレゼンスに係わる費用を再検討する報告書を発表[33]。報告書は普天間基地の移設を「依然として実現性が低い」と評価し、その費用及び期間は国防総省が現行計画に基づいて試算を遙かに超えるであろうと結論付けた。
The report found that relocation of the Futenma base remained “unlikely” and that it would cost far more and takelonger than the Department of Defense currently projects. 日本側にも多くの重大な障害が横たわる。地元沖縄の反対は硬化する一方で、新基地計画に関わる全ての主要な政治家が現行計画への反対を表明しているからだ。2012年夏に実施されたMV-22オスプレイの普天間基地への配備は、周辺住民に安全上の懸念を生じさせ、同年末に米軍兵士らが行った一連の犯罪行為が地元の反感を更に強めた。過密した都市部における外国軍隊の存在について、何十年もの間沖縄住民に鬱積してきた不満は薄まる気配がない。
The grievances that the Okinawans have harbored for decades seem unlikely to fade, driven by the presence of foreign troops on a crowded urban landscape. 現在の問題には、沖縄県と日本政府との間の根本的な緊張関係が反映されている。すなわち、国全体が米軍の安全保障の恩恵を受けるなかで、沖縄住民のみが不釣り合いな負担を背負っているという認識である。
The current controversy reflects a fundamental tension in the relationship between Okinawa and the central government in Tokyo: while the entire country reaps the benefits of the U.S. security guarantee, Okinawans bear a disproportionate burden. 2012年4月の日米合意により普天間基地の改修計画が発表されたことで、基地固定化の可能性が強まったという疑念が生じた。この件に関し2013年のSASC(上院軍事委員会報告書は、日本側が計画実施に十分に貢献できるのか懸念を表明している[34]。
The April 2012 announcement that the U.S. and Japanese governments will undertake long-deferred repairs on Futenma raised suspicions that the base will remain indefinitely, and the 2013 SASC report expressed concerns that Japan’s contribution was in question. 〔脚注資料〕
[28]詳細は、エマ・チャンレット=エイヴリー及びイアン・E・ラインハート著. CRS議会調査局報告書CRS Report R42645, "The U.S. Military Presence in Okinawa and the Futenma Base Controversy"(沖縄における米軍の軍事プレゼンスと普天間基地問題)を参照。
[29]この協定に基づき、第三海兵遠征軍(III MEF)のおよそ半数がグアムの施設に移転され、大規模な土地が日本に返還される。日本政府は推定100億ドルの費用のおよそ60%を負担することになっていた。数年間に及ぶ交渉の末、日米両政府はより人口密度の少ない辺野古沖のキャンプ・シュワブに決定した。
[30] “Joint Statement of the Security Consultative Committee,” State Department Media Note, April 26, 2012,. [日本語版]日米安全保障協議委員会共同発表(2012年4月26日)
[31] “Senators Levin, McCain, Webb Call for Examination of Military Basing Plans in East Asia,” Press Release from Senator McCain’s office, May 11, 2011.
(上院議員ジョン・マケイン事務所プレスリリース. "レビン・マケイン・ウェブ上委員議員ら、東アジアの軍事基地配置計画の再検討を要請"(2011年5月11).
[32]“Senators Levin, McCain and Webb Express Concern to Secretary Panetta Regarding Asia-Pacific Basing Tuesday,”Press Release from Senator Levin’s office, April 24, 2012.
(上院議員カール・レビン事務所プレスリリース. "レビン・マケイン・ウェブ上院議員ら、アジア太平洋における基地配置計画についてパネッタ国防長官に懸念を表明,"(2012年4月24日). .
[33][34]Committee on Armed Services, United States Senate, Inquiry Into U.S. Costs and Allied Contributions to Support the U.S. Military Presence Overseas, April 15, 2013.
(連邦議会上院議会軍事委員会. "海外における米軍の軍事プレゼンスを支える同盟国の貢献と合衆国の負担に関する検討," (2013年4月15日). .
以上
【免責事項】この読書メモは「完全版」ではあっても「翻訳」ではありません。あくまで読書しながら報告書の内容を咀嚼して書き上げた「メモ」の集大成です。一語一句が報告書通りではないので、その旨予めご了承ください。但し、重要と思われる箇所(太字箇所)については適宜ピンポイントで正確な翻訳を心がけている積もりです。 |
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以下は、国内外の報道でとくに問題視されていると思われる議会報告書の本編の一部、「第二章 日本外交と日本関係」の中から、「序論」(※ただし原題なし)「1.安倍と歴史認識問題」の第1部と第2部「従軍慰安婦問題」迄の同時翻訳読書メモツイートを文章形式に起こし直したものである。起こし直す段階で、文字数制限のあるツイートとは異なる内容に一部修正されている。原文は文字数制限を超える分量なのでこの際全文は記載しないが、とくに報道で触れられている箇所については原文を日英併記し、太字で強調してある。国内外における報道では、この一部の箇所について、その文意は大まかに伝えながらも、正確な文脈を伝えようとする努力がなされていない。そこで、この問題箇所について翻訳読書メモを作成した。〔原文データ〕
【原文】CRS報告書『日米関係をめぐる論点』(2013年5月1日), pp.5〜7. 第二章 日本外交と日米関係序論
日米関係は広範かつ、根の深い、安定した関係であるが、日本の政治的硬直によりその真価を発揮できずにいる。2006年以降、日本ではほぼ毎年首相が代わり続けている。日本のこの政治的傾向は合衆国にとって、長期的視野に基づく計画を共同で行うことが困難であることを示し、オバマ政権が掲げるアジアの再均衡を目指す『太平洋の基軸』(Pacific Pivot)戦略において信頼できるパートナーが得難い現状を示しているといえる。日米両国は、台頭する中国や北朝鮮の脅威に対応すべく関係を維持している。実務レベルでの協力は堅牢で、中国や北朝鮮の挑発行為により連携は強化されたとすらいえる。沖縄問題など困難な諸課題は依然残るが、ミサイル防衛などの安全保障分野では自民・民主両政府ともに進展があった。2011年3月に行われた日米共同の災害対処は、両国にとって同盟の根源的な強さの明瞭な証となった。
先行きが不透明なのは、安倍首相がこの関係の舵取り役としてその役割を適切に果たし得るかだ。
It remains uncertain how Prime Minister Abe will fare as a steward of the relationship. 安倍は、日米同盟の強力な支持者であり、合衆国の利益に適った安全保障戦略をいくつも打ち出している。安倍は、民主的な友好国との関係を強化しており、オーストラリアやインド等と安全保障上の関係も構築しようとしている。
しかし一方で、合衆国の利益を損なう恐れのある周辺国との不和が生じるような問題に関し、安倍が外交課題の舵取りをうまく出来るのかという点については疑問が残る(以降の項で詳述)。
On the other hand, Abe faces questions about his ability to steer foreign policy away from divisive regional issues that could hurt U.S. interests. (See section below for discussion.) さらに、日本国内の政治的分断は、合衆国が優先事項として掲げる環太平洋戦略的経済連携協定TPPの諸条件への合意(「経済問題」の項で詳述)や、より深化した軍事協力の実現(「同盟問題」の項で詳述)を難しくしている。首相就任から4か月が経過した安倍の支持率は依然高い。だが、多くの政策課題に関する決定は2013年7月の参議院選挙の結果に左右されるであろう。
安倍と歴史認識問題
約1年の任期で終えた2006〜2007年の任期中、安倍は国粋主義的な美辞麗句や、国防や安全保障に間してより勇ましい姿勢をとることで知られていた。その一つである平和憲法の改正、すなわち集団的自衛権の行使を可能にすることは、日米の軍事協力を高めたいと考える米国政府関係者の間では歓迎されていた。しかし、その他の言動で安倍は、大日本帝国によるアジア諸国への迫害や侵略が行われたとする通説を拒絶するという歴史修正主義的な観点に与している。安倍は、日本が植民地支配の宗主国又は戦時中の大国として不公平に批難されていると主張するグループと関わりを持っていた。この『日本会議』と呼ばれるグループは、日本が東アジアの解放者であり、極東軍事裁判は不法な裁判であり、南京虐殺は誇張もしくは捏造であると主張することで知られている。歴史問題は長きに渡り日本と周辺国、とくに日本の戦時中の占領行為や好戦性に憤る中国と韓国との関係を歪めてきた。国粋主義的なことで知られる政治家や、時により極端に国粋主義的な主張を行う政治家を任用していることからも、安倍の閣僚人事にはこれらの歴史観が反映されているとみられる。
Abe’s selections for his Cabinet appear to reflect these views, as he chose a number of politicians well-known for advocating nationalist, and in some cases ultra-nationalist views. 前政権の民主党は、日本の過去についてより互譲的な視点を持ち、韓国や中国との歴史問題の傷を癒やそうと試みた。 朝鮮半島併合百周年に当たる2010年8月、時の首相の菅直人は植民地時代の韓国人への扱いを詫びる談話を発表し、韓国から収奪された歴史的文献や伝統工芸品を返還する旨を申し出た。民主党の指導者は政権を奪われるまで、戦死者と共にA級戦犯が数人祀られている靖国神社の参拝を控えた。2000年代のはじめ、自民党の小泉純一郎首相がこの神社を参拝した時、日中韓関係は深刻に拗れた。2013年4月、現閣僚3名を含む大勢の国会議員が参拝を行い、中韓の強い抗議を呼んだ。安倍が靖国を参拝したのは、自民党総裁選出後、首相選出前の2012年10月が最後だった。多くの識者の間では、安倍の政権復帰は周辺国との問題を再燃させ、地域的な貿易統合の動きを乱し、合衆国と同盟国との安全保障上の関係を損ない、中国との関係をさらに悪化させる恐れがあると懸念されている。
Many analysts say that Abe’s re-ascension to the premiership risks inflaming regional relations, which could disrupt regional trade integration, threaten security cooperation among U.S. allies, and further exacerbate already tense relations with China. 安倍は、国会で第三勢力となった極端に国粋主義的な新勢力「日本維新の会」の圧力にさらされている。一方で、安倍は前期首相時代に中韓との関係を修復しており、一部の識者の間では実用主義的な政治家と評価されている。首相就任以来、安倍は野党時代に行った、尖閣諸島に文民を配置することや、韓国に実行支配されている独島・竹島に対する日本の主権を主張するための「竹島の日」の設定などを訴える一連の主張を繰り返していない。また中国との関係はこれまで以上に悪化しているが、韓国の新政府には特使を送りこみ、関係が深刻に悪化するのは避けられる見通しを示した。
従軍慰安婦問題
いわゆる“従軍慰安婦”(1930〜40年代の間に日本が占領・植民地化した複数のアジア諸国で日本帝国軍が使用した性奴隷)に関する安倍の発言は、周辺国、及び2007年の下院決議により批難の対象となっている。安倍は政府として、1993年に発表された慰安婦問題について公式に謝罪する談話を見直す可能性を示唆しており、これは確実に、日本と韓国その他の国との関係を悪化させるとみられる。かつて安倍は、「慰安婦たちは軍に強制されていない」とする、日本の多くの右派が行う主張を支持していた。
首相を務めた2006〜07年の間、安倍は、被害者への謝罪と軍の責任を認める内容で時の官房長官・河野洋平が発表した公式な声明、1993年の“河野談話”の有効性について疑問を呈した。しかし、下院議会(合衆国第110議会)において、日本政府に対し、“若い女性を軍事売春に強制したことを公式に認め、謝罪し、かつ、歴史的責任を認めること”を求める決議121が検討されると、安倍は主張を和らげ、談話を踏襲する姿勢を見せた。その後、下院は同決議を圧倒的多数で可決した。当時の官房副長官・下村博文は談話を見直す動きを主導している。下村は、今次内閣で文部科学大臣に任命されている。
このいわゆる“従軍慰安婦”の問題は、在米の韓国系アメリカ人の活動家グループにより合衆国でその問題が広く認識されるようになった。これらのグループの活動は、被害者を悼む記念碑の建立や、ニューヨーク州上院議会における同問題に関する決議の採択、そしてニューヨーク市のクイーンズ区の道路の名称を被害者に捧げることを促すことに成功した。また報道によれば、ヒラリー・クリントン前国務長官は国務省に対し、“従軍慰安婦”という歪曲表現ではなく“性奴隷”という呼称を用いるよう指示したという[*]。
In addition, former Secretary of State Hillary Clinton reportedly instructed the State Department to refer to the women as "sex slaves" rather than the euphemistic term "comfort women." 以上
【免責事項】この読書メモは「完全版」ではあっても「翻訳」ではありません。あくまで読書しながら報告書の内容を咀嚼して書き上げた「メモ」の集大成です。一語一句が報告書通りではないので、その旨予めご了承ください。但し、国内外の報道がとくに取り上げている箇所(太字箇所)についてはピンポイントで正確な翻訳を心がけている積もりです。 |
以下は2013年5月15日、日本記者クラブに於いて行われた申?秀駐日韓国大使閣下の離任会見について、後半の質疑応答部分(0:46:24〜)から、とくに報道でとりあげられた発言部分を起こしたものである。尚、この会見の前半部分については、申大使閣下ご本人より、来週頭には駐日韓国大使館サイトに会見原稿が掲載される予定であるという回答をいただいているが、この後半には質疑応答部分については起こされない可能性が多分にあるため、貴重な記録となるかもしれない。日本記者クラブ:
第二問です。フロアの方からも出たんですけれど。日本側の過去の歴史認識について、です。①最近、村山談話等に囚われない発言が安倍首相を始め日本の政治家から繰り返されている現状をどう考えますか。これに関連して、②いわゆる“従軍慰安婦”制度について。橋下大阪市長の発言について、どう思われますか。 【校正前】 赤字が不適当と思われる表現
申大使閣下:
まず、二つの質問をされたと、いう風に思いますが、一つ目は日本の過去史についての認識を政府レベルで表明した“村山談話”についての質問。そして二番目が、最近の橋下大阪市長の軍隊慰安婦に関する発言だと思いますが、まず第一問目の質問にお答えしたいと思います。 【校正後】 青字が主に修正された表現
申大使閣下:
まず、二つの質問をされましたが、一つ目が、日本の過去史についての認識を政府が公式に表明した“村山談話”についての質問。二つ目が、最近の橋下大阪市長の従軍慰安婦に関する発言であった、という風に理解しております。まず第一問目の質問にお答えしたいと思います。 【朝日新聞の報道との比較】
朝日:
日本の指導的な政治家の歴史認識や女性の人権に対する意識が、こんなに貧弱なのかと失望した
実際:「日本の指導者たる政治家が、歴史認識や女性の人権を尊重する意識が、いかにも貧弱であるっていうことを感じて、失望感を覚えました。」 朝日:
日本の新聞の投稿欄や社説を読めば、良識ある市民たちが、(橋下発言を)どう受け止めているか分かる
実際:「読者投稿ですとか、社説、SNSの反応等を見ますと、良識のある日本の国民が橋下市長の発言をどのように受け止めているのかを明らかに示されている、と思います。」 朝日:
一般国民の考えとかけ離れた歴史認識を持つ政治家が、慰安婦の苦痛や、女性の人権といった問題について、もう一度よく考える機会になればいい
実際:「一般国民の考え方と乖離した歴史認識を持っている政治家が、慰安婦の被害者の苦痛と、そして女性の人権という普遍的なテーマについてもう一度考えてみる、そういったきっかけになればと、いう風に思っております。」 朝日:
過去の歴史に対する日本政府の基本的な立場を表明したもので歴代の日本政府は踏襲してきた。これに基づき韓国を含む周辺諸国は、日本との関係を築いてきた
実際:「村山談話”は過去史に対する日本政府の基本立場を表明したものであって、いままで日本の歴代政府はそれを踏襲してきております。」 朝日:
韓日関係の将来に不安定な要因となる。韓国政府は、そうした動きのあるたびに警告してきた
実際:「韓日関係の将来にも不安定な要因を提供することになると思いますので、そのようなことが発生しないことを、そうするように、韓国政府はそのような発言が出る度に警告をしており、そうした方向で進めていきたいと、いう風に思っております。」 |
補足:外務省の「税関」の表記についてIWJは、IWJ320で日本政府外務省が2013年3月18日まとめた交渉会合の内容(以下、MOFA318)について2つの指摘を行っている。
この一連の指摘について、(1)は上記に詳述した通りである。(2)については、これは上記に詳述した理由に基づいて"customs"が「税関」「税関手続き」あるいは「税関協力」であると理解すれば、日本政府にとって、交渉グループのテーマの一つでもある「税関協力」はさして重要な課題ではないことがその掲載順序に示されていると解釈できる。逆に、日本政府にとっては、これまで行われた議論において、最も重要視しているのが「規制制度間の整合性」であることが暗示されている。 またMOFA318における問題の文では、"customs"は単に「税関」とされているが、これは税関に関連する諸処の分野、すなわち「税関手続き」「税関協力」の総称だと考えれば、妥当な表現であることがわかる。 MOFA318における問題の文: 規制制度間の整合性,電気通信,税関及び開発については良い進展があった。これらの分野の残された作業は,協定を完成する段階において取り扱うこととし,当面は,これらの分野の作業部会は開催されないこととなった。これにより,交渉参加国は,知的財産,競争,環境等といったより困難な分野の問題解決に努力を集中させることが可能となる。 改訳したBAL?S0324におけるUSTR313の当該文: この進展をもって、税関協力(customs)、通信(telecommunications)、規制の整合性(regulatory coherence)、開発(development)分野を含むいくつかの交渉グループは、今後の会合において法文策定に関する協議を行わず、これらの分野で残った課題については、合意の最終段階に至る交渉ステージにおいて取り上げられることとなる。これにより、TPP参加国は知的財産(intellectual property)、[公的調達における] 競争(competition)、環境(environment)等を含む、最も困難な課題の解決に専念することが可能となる。 最後に今回の総合的な指摘により、IWJの誤認及び誤訳を指摘することになったが、これはIWJの非を追求するためでなく、むしろその拙速な行為を戒めるための試みである。既存の様々な情報を検証することもなく、一般的な理解の元に自説を展開し拡散することのリスクを分かってほしいがための指摘である。
TPPに間して、世論は真っ二つとはいわずとも割れている。その中で、TPP反対派(私を含む)にとって、今回のIWJの発見と指摘は、有利な論理展開をするための格好な材料だっただろう。しかし、それが誤認・誤訳に基づいてるものとなっては、逆撃を被ることになる。実際、私の今回の指摘は、その逆撃を呼び込むことになるかもしれない。それは承知している。だが、事実と異なることを事実と「報じる」メディアはたとえ市民メディアであろうと放置はできない。また誤りが誤りであることを認めなくては、既成の大手メディアと変わらない。そのための戒めの意味が込められている。
今回の事実の確認により、「税関」に関する議論は一旦終了するが、「関税」に関する議論は引き続き、交渉の中で行われることが判明した。TPP反対派は、この事実を潔く認め、正しい事実認識のもと、USTR313の表明に拠らずに、反対論を再構成しなければならない。
そのための機会として改訳と解説を提供した。そういう心積もりである。
以上、意図の誤解なきようお願いしたい。
2013.03.24 米国オハイオ州にて
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改訳以上の3点を踏まえ、下記USTR313(原文)をIWJ0315(翻訳)を元に改訳したものが、下記のBAL?S324(改訳)である。 U.S. Chief Negotiator and Assistant U.S. Trade Representative Barbara Weisel reports that building on the consensus the TPP countries have already achieved on a significant number of the issues under negotiation, during this round the 11 delegations intensified their drive to find mutually-acceptable paths forward on the remaining issues in the legal texts of the agreement. As a result of active intersessional engagement, and the pragmatism and flexibility shown by all countries during this round, the delegations succeeded in finding solutions to many issues in a wide range of areas such as customs, telecommunications, investment, services, technical barriers to trade, sanitary and phytosanitary measures, intellectual property, regulatory coherence, development, and other issues. With this progress, some negotiating groups, including customs, telecommunications, regulatory coherence, and development will not meet again to discuss the legal texts in future rounds and any remaining work in these areas will be taken up in late-stage rounds as the agreement is finalized. This will allow the TPP countries to concentrate their efforts on resolving the most challenging issues that remain, including related to intellectual property, competition, and environment. The 11 countries also made progress during this round in continuing to develop the comprehensive packages that will provide market access for goods, services and investment, and government procurement. Productive exchanges occurred on tariff packages on industrial goods, agriculture, and textiles, as well as on rules of origin and how best to promote the development of regional supply chains in order to benefit companies based in the United States and the other TPP countries. In addition, negotiators discussed each country’s proposals to open services and investment and government procurement markets. The 11 countries agreed on additional intersessional work to build on market access advances made since the last round, to continue movement toward outcomes consistent with the high level of ambition that Leaders agreed to seek. IWJ315(翻訳)アメリカの主席交渉官でUSTR代表補のバーバラ・ワイゼルは、TPP参加国がこれまで達成した非常に多くの交渉問題に関する意見の一致に基づき、本会合において11か国の代表は、残存する問題について相互受け入れ可能な道筋を見つけ、合意の法文化を進める動きを進展させた。活発な会期間の折衝や、会合における全参加国が見せた実用主義や柔軟性の結果、関税、通信、投資、サービス、貿易における技術的障害、衛生や植物検疫の手法、知的財産、規制の統一、開発やその他の問題など、多岐に渡る領域において、多くの問題に対する解決を見出すことに成功した。この進展をもって、関税(customs)、通信(telecommunications)、規制の統一(regulatory coherence)、開発(development)を含むいくつかの交渉グループは、今後の会合で法的文書に関して再度集まっての議論は行われず、これらの分野において残った課題は、合意がファイナルとなる最終ステージの会合で取り上げられる予定である。このことにより、TPP参加国は、知的財産権、(公的機関の)競争、環境といった、残った最も難しい問題の解決に努力を集中させることができる。 11か国はまた、本会合において、商品やサービス、投資、政府調達のための市場アクセスを提供する包括提案を継続して進めることにおいても進捗を見せた。産業製品、農業、繊維製品の関税一括法案に加え、原産地規則、そしていかにアメリカや他のTPP参加国の企業にとって有益となるための地域的なサプライチェーンの発展を最大限促すかということについて、生産的な意見交換が行われた。また、交渉担当者は、サービス、投資、政府調達の市場を開くための各国の提案を議論した。11か国は前回の会合から進展した市場アクセスに基づいて、会期間のさらなる課題についても合意に至り、各国首脳が目指す高いレベルの志にふさわしい結果に向けての動きを続けた。
BAL?S324(改訳)米国主席交渉官で米国通商代表補佐官であるバーバラ・ワイゼルは、これまで多くの交渉課題についてTPP交渉参加国が到達したコンセンサスに基づき、法文策定プロセスにおける残存する問題について、本会合において11か国の代表が相互に受け入れが可能な道筋に向け事態を進展させたと報告する。会期間の活発な折衝や、本会合において全参加国が示した実務志向と柔軟性により、税関協力、通信、投資、サービス、貿易における技術的障害、衛生及び植物検疫手法、知的財産、規制の整合、開発その他を含む多岐に渡る課題について、解決を見ることができた。この進展をもって、税関協力(customs)、通信(telecommunications)、規制の整合性(regulatory coherence)、開発(development)分野を含むいくつかの交渉グループは、今後の会合において法文策定に関する協議を行わず、これらの分野で残った課題については、合意の最終段階に至る交渉ステージにおいて取り上げられることとなる。これにより、TPP参加国は知的財産(intellectual property)、[政府調達における] 競争(competition)、環境(environment)等を含む、最も困難な課題の解決に専念することが可能となる。
11か国はまた、本会合において、物品、サービス、投資、政府調達のための市場アクセスを提供する包括的なパッケージの提案の継続においても進捗を見せた。工業製品、農業製品及び繊維製品に関する関税パッケージに関する議論だけでなく、原産地規則や、米国及びその他のTPP参加国に有益な地域的サプライチェーンの発展を最大限に促す方法等について、建設的な意見交換が行われた。また交渉担当者らは、サービス、投資、政府調達の市場を開放するにあたって提示された各国の提案について議論を行った。11か国は、前回会合で達成した市場アクセスに関する議論の進展に基づき、各国首脳が求める高水準の目標達成に相応しい方向性において会期間中に行うべき追加の作業についても合意に至った。 |




