常々思うのですが、ワタクシは、どうも呪いにかかっているようです。

「あったらいいなあ、こんなもの」と思ったら、目の前に、それが次々現れるという、恐ろしい呪いです。
条件を満たすものを探すのは難しいだろうけど、いつかそのうち手に入るといいなあ……
……長期戦の構えでいたら、
ある日突然、目の前にすべての条件を満たすものが、ぽん! とあらわれ、
「今を逃すと買えないよ〜」と、にやにやしながら呼びかけてくる。

これでは、物欲を抑えようにも抑えられません。
なんという恐ろしい呪いでしょうか。

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にわかに鉛筆デッサン? スケッチ? にはまり始めて、ワタクシは困りました。
https://blogs.yahoo.co.jp/glirulusjp/34777153.html

鉛筆を、何に入れて持ち歩けばいいんだろう?? ……と。



今の世の中に存在するペンケースというものは、基本的に、ボールペンやシャープペンシルを入れるために作られているようです。
一部、万年筆のために作られるものもありますが。

鉛筆のために作られるペンケースは、実はほとんどないようです。




そうすると、いったい何が不都合なのか。
……って、もったいぶるまでもなく明らかですよね。

長い鉛筆が、ペンケースに入らないのです!




一般的なボールペンは、長さが15センチ弱といったところ。
手元にある標準的なペンケースの長さは18センチでした。これなら、余裕でボールペンを納めることができますね。

一方、鉛筆の長さはといいますと……
使い始めの長さは、17〜18センチ。これにワタクシがつくった革のキャップをはめると、19センチ弱になります。
ああ、入らない。




そこで、ワタクシは思ったのです。
長い鉛筆が入るペンケースが欲しいなあ。
それも、タンニン鞣しの革でできていて、収納力があるやつが。
んで、そんなに高くないやつ。




「長い鉛筆が入る」だけで難易度が高いのに、さらに「タンニン鞣しの革」で「収納力がある」。
この条件を満たすのは、限りなく難しいと思われます。




鉛筆が入るようにデザインして作られたペンケースが、ないわけではありません。
ワイルドスワンズの「シリンダー」が、それです。
はじめから、長い鉛筆を入れるためにデザインして作られ、削っていない鉛筆が8本入るそうです。
しかも、ワイルドスワンズですから、使われている革はサドルプルアップ。タンニン鞣しです。

ほら、条件を満たすではないか。


ところが。
いかんせん、お値段がねぇ……一本百数十円の鉛筆を入れるのに、ペンケースが16200円というのは、ちょっと、たじろぎます。

それに、長い鉛筆はいいのですが、削っていって短くなると、どうやらこぼれやすくなる構造のようです。
……短くなるまで使うのは、いったいどれくらい先のことかと考えれば、大した問題ではないようにも思えますが。




そんなわけで、ワタクシは、覚悟したのです。
鉛筆を入れるためのペンケースは、長期戦で探すことにしよう。……と。
なんなら、自分で作ったほうが早いかもしれない。……と。




ところが。

ある日、丸善丸の内本店の4階にふらりと立ち寄ると、また危険そうなイベントが開催中でした。
「クラフトデザイナーズフェア」。
昨年は、うっかり通りかかって、木軸ボールペンを2本も買いましたね。
https://blogs.yahoo.co.jp/glirulusjp/34270665.html

今年、フェアの会場に入った瞬間、ワタクシの目が釘付けになったのは……

STRUO様という工房の、革のペンケース。それも、ちょっと大きめの。
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近寄ってみると、定価は4700円ですが、催事限定で3000円と手ごろなお値段のものがありました。
ベリー、つまり牛のおなかのあたりの柔らかい革で作られた商品です。




手に取ってみると、う〜む。これは、いい大きさ……

「これ、長い鉛筆は入りますか?」
と作り手さんに尋ねると、
「入りますよ。だから学生さんに人気なんですよ」とのこと!

四角いマチがついたペンケースは、長さ21センチ。内部の空間が大きくて、たっぷり収納できそうです。
キャップをはめた長い鉛筆が、余裕で入る大きさでした。
国産のオイルレザーを使って作られているそうです。




通常商品と催事限定の違いは、革がベリーであるほか、コバの処理が通常品はヘリ返しなのに対して催事限定品は切りっぱなしであることです。
ワタクシ的には、ペンケースならベリーでもいいかなと思いましたし、コバ処理もヘリ返しよりは切りっぱなしのほうが好みでした。磨いてあれば最高ですが、そこまでこだわりはありません。
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ををを!

ほら、目の前に現れましたよ。
長い鉛筆が入って、タンニン鞣しの革で、収納力があって、しかも手が届きやすいお値段のペンケースが!!




………催事限定品は、今しか買えないし………
………革のペンケースが3000円なら、自分で作るよりお得かも………
日本を代表するざ・ずぼら〜のワタクシに、悪魔がささやきます。

というわけで、ペンケースが、我が家に一つ増えることになったわけでございます。




さっそく入れてみましょう。

キャップ付きの長い鉛筆が9本と、鉛筆を削るための鞘に納めた小刀と、消しゴム。
こんなに入りましたよ。
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……って、前回のブログに比べて、なんか鉛筆が増殖しているような気がしますが……
……ま、気にしない気にしない。




ファスナーは、革の引手がつけられて持ちやすく、全開できる長さなので開けやすいです。


片手で「ぱかっ」と開けられて、中身も見やすく取り出しやすい。
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厚さ2ミリほどのハリがある革なので鉛筆を十分保護してくれますし、ベリーだからか柔らかさもあって開きやすいです。




オイルがたっぷり染み込んだ革は、手に吸い付くような心地よい手触り。
バッグの中で傷がつくかもしれないけど、きっとそれも味になると思わせる風合いです。
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さらに、ワタクシにとってありがたいのは、この形。
真四角なマチがついたペンケースは、ほぼ直方体なのです。
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直方体といえば。
デッサンを練習するにあたって、基本的な形と明暗を体に叩き込むのにもってこいではありませんか!




さっそく、描いてみましょう。
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……ほぼ真上、2方向から光が当たる、革の直方体って、意外に難しい……




………ま、仕上がりはともかくとして、
30分程度でだいたい形になる、ちょうどいいモチーフです。




きっと、何度も描いていけば、ちょっとは上達するさ。

ほら。前回、ひどい出来だったスプーンも、もう一回チャレンジしたら、なんとなくそれっぽくなってきたし。
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祝・リベンジ!
………………か???




トラベラーズノートとこのペンケースをバッグに入れて持ち歩き、ワタクシは、猫への道を一歩一歩進むのです。

……猫を描けるようになるまで、気力がもつといいのですが。











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夏が終わりましたね。

この夏、ワタクシは、野望を見つけました。
「夢」ではなく「野望」です。

野望。デジタル大辞泉によれば「分不相応な望み。また、身の程を知らない大それた野心」という意味です。
ワタクシが抱いた野望とは……



軽井沢の万平ホテルに、毎年夏、ギャラリーが出店しています。
有名画家の作品が、どれもこれも「セール」の赤札付きで、ぎっしり並ぶ、いい感じにアヤシイ雰囲気。
いえ、毎年出てますし、万平ホテルですし、そうそうインチキなものはないだろうと思いますが……
万平ホテルにお茶を飲みに行くと、必ず、ギャラリーを冷やかすのが習慣になりました。

ええ。万平ホテルに、お茶を飲みに行くことしかできない庶民には、とても素晴らしい目の保養ですよ。



さて。
今年、このギャラリーで、一枚の絵に出合いました。

クッションの上に、前足を折って座り込み、キリッとした目でこちらを向いている、子猫の絵です。
ほとんど色彩はなく、セピアがかった墨絵のような濃淡で描かれた、トラ柄の子猫。
柄は違いますが、好奇心いっぱいの子猫らしい表情が、新しい家族にそっくりでした。

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単にかわいい顔ではなく、誇り高く野性を感じる顔つきは、猫好きにしか描けません。



その絵を見た時、ワタクシは思いました。

なんて猫らしくてかわいい猫なんだ。
ワタクシも、こんなふうに、家族を描いてあげたい!!!

……と。



ええ。最初に思ったのが「こんなふうに猫を描きたい」だったんですよね。



その猫を描いた画家の名は、藤田嗣治。

猫好きで有名な画家ですね。藤田嗣治といえば、女性と猫の絵が代表的なモチーフです。



…………って、おい。
藤田嗣治みたいに猫を描きたいって、アンタ。

これを、大それた野望と言わずして何という。

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さてさて。
ワタクシの絵の実力はといいますと……、
高校の美術部で断トツに下手だったレベルです。


どれだけ断トツに下手だったかと言いますと、
複数の高校の美術部が集まった合同合宿の作品講評で「………ええと、あまり描きなれてない人みたいだね?」で終わってしまった、輝かしい経歴の持ち主なのです。えへん。

描いたのは、油彩とか難しい絵ではありませんよ。小学校の時からさんざん描かされたはずの、普通の水彩の風景画です。
しかも、美術部員ですよ。
ほかの人はみんな「構図のとり方が」「色彩の使い方が」「油彩のキャンバスに下塗りをしてきたのが効いて、絵に生命力がある」といった講評ばかり。
その中で、ワタクシだけ「描きなれてない人」一言で終了。



ふっふっふ。ワタクシの絵が、どれだけの腕前か、わかっていただけますでしょうか。

藤田嗣治みたいに猫を描きたい……………
……………果たして、生きているうちに満足できる一枚を描ける日は来るのでしょうか?

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猫への道のりの第一歩は、まず、絵をまともに描けるようにならなくてはなりません。

絵の基本といえば、鉛筆デッサンですよ。
鉛筆デッサンに使う道具は、シンプルです。鉛筆と、消しゴムと、紙。以上、終わりです。



本来なら鉛筆は、硬いのから柔らかいのまで何種類か用意して、消しゴムは練り消しを使うのが最適ですが……

ランチの後のコーヒーショップで30分くらい、トラベラーズノートの画用紙ノートにしゃかしゃかと描くには、何本もの鉛筆や練り消しは場違いで目立ちすぎます。
ここはひとつ、HB一本と普通の消しゴムで勝負したい。
……って、なんの勝負だ。



デッサンに適した鉛筆といえば、すでに定評が確立しています。
三菱鉛筆のハイユニか、ステッドラーのマルス・ルモグラフ。このどちらかを使っておけば間違いないと。

でも、ですね。
なんか、ですね。

それだけじゃ、つまらないじゃありませんか!

世の中には、ハイグレードな鉛筆を製造する会社はほかにもたくさんあるのです。
ここはひとつ、せっかく絵を描くなら、あれこれ鉛筆を試した〜〜い!!



………もはや、当初の目的が何だったのか、早くも見失いつつあるようです。




いつの間にか、ちまちまと買い集めていた、家じゅうの高級鉛筆を並べてみましょう。

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上から順に、

・ファーバーカステルの9000番。
・スタビロ。昔は小豆色の軸しかなかった記憶がありますが、今ではピンクや黄色や水色といった可愛い軸がたくさんあるんですね。
・三菱のハイユニ。
・ステッドラーのルモグラフ。
・ダーウェントのグラフィック。なぜか、これだけHBがなくてFでした。

どれも、ほとんど使っていない長さなのが、泣けます。
ま、絵画熱が続けば、これからは順調に減っていくであろう。ふっふっふ。
(あれ? どうして、一部、おしりに穴が開いているんだろう??  まるで、鋭い牙に噛まれたような……)



そこで、はたと気づきました。我が家には、がらがら回す鉛筆削りがないことに。
鉛筆が、いかに日常生活から遠い存在になってしまったかが、よくわかりますね。鉛筆削りがないとは。

……ま、切り出し小刀なら山のようにあるので、削るものには困りませんが。




ではでは、さっそく描いてみましょう。
まずは、ファーバーカステル。
鉛筆でその歴史をスタートした筆記具メーカーです。
今ある鉛筆の「HB」とか「B」とか「H」といった濃さの基準は、なんでもファーバーカステル社が作ったものだそうですね。
9000番は、同社の看板商品で、名作と誉れ高いシリーズです。8Bから6Hまで、16種類もの硬度展開がされています。

どれどれ。モデルは、プロントのコーヒーカップで。

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…………
…………
ううむ。
ううむむむ。

コーヒーカップって難しい……
そして、9000番のHB、硬い!!!



子供のころから使い慣れてきたHBよりも、明らかに硬くて紙に色が乗りにくいように感じます。
ぐりぐり塗っても黒くならない……

ま、精密な細かい絵を描くには向くかもしれないなあ。
ワタクシのようなずぼら〜が、しゃかしゃか描くには、ちょっと硬すぎるように感じました。

パーフェクトペンシル9000番がHBでなくBで製造されている理由が、なんとなくわかったような……




続いて、スタビロです。
モデルは、うちにあった根来塗りのフリーカップ。

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画面が暗いですが……

…………をを!

スタビロは、ファーバーカステルとは打って変わって、ざかざか描ける感触です。
芯がどんどん削れて、黒い色が乗っていきます。
芯の粒子が荒い感じですね。

……中学生の時に買ってまだ持っている小豆色の軸のスタビロは、どっちかというと粒子が紙に乗りにくいような感じがしたけど……
製造ロットによって違ったりするのでしょうか??



見開きで並べてみると、色の濃さが違うのがわかりますね。
……あっ、乱入者が……
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続いて、デッサンといえば! の、第一弾。
三菱のハイユニです。
なんと、10Bから10Hまで、22種類もの硬度展開なんだそうです。

モデルは、木にのっけたスプーン。
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……って、なんでこんな難しいものを描こうと思ってしまったのだろう……
ステンレスの映りこみが……描いても描いてもスプーンが丸くならない……
30分の間に、描けば描くほど、なんだか違うものになっていってしまいました。
スプーンに夢中になって、木はほとんど描けなかったし。
さすが、美術部で断トツに下手だっただけはありますね。



で、書き味ですが、
ハイユニって、いい鉛筆ですね!!!!!
……というのが、第一印象です。

粘りがあって細かい粒子が、手の動きに合わせて思い通りに紙に乗ってくれる感触。
塗りこめば黒がはっきり出るし、軽いタッチでも均一に粒子が紙につく感じです。
なるほど〜。たしかに、これは描きやすいわ。

……あ、ウデの良しあしは、どっかにおいておきます。




さらに、定番第二弾の、ステッドラーのルモグラフ。
こちらは、9Bから9Hまで20種類が販売されています。
「製図用高級鉛筆」なので、本来は、設計図とかイメージパースとかそういうものを描くための鉛筆なのでしょうか。

モデルは……マグカップがよかったのに〜〜……タリーズのお兄さん、なんで、こんな難しいモノくれちゃうの〜〜……
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それはさておき。
粒子の細かさは、ファーバーカステルとスタビロの中間くらいでしょうか。
ぐりぐり塗れば黒くなり、ハイユニよりも、ざかざかラフに描きやすい感触です。
描いていて「気持ちいい!」と感じる鉛筆ですね。




最後は、ダーウェントのF。

ダーウェントというメーカーは、普通のお店では見かけません。
ちょっと変わったものが好きなワタクシには、そそる存在でした。

さらに、Fという硬度は、HBとほとんど同じだけど、ちょっとおしゃれな印象を子供のころから持っていました。
HグループでもなくBグループでもなく、Fとしては一種類しか存在しない、その「ぼっち感」に惹かれました。
本当のところはどうなのでしょうか。わざわざ分けているということは、HBとは違う硬度なわけですね。

……って、かってー。

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ダーウェントのFは、びっくりするほど硬く、塗っても縫っても紙に色が付きません。
細かい表現をするにはいいかもしれないけど、短い時間でしゃかしゃか描くには不向きなような気がします。
これは、Fだからなのか、ダーウェントというメーカーの特徴なのか。
ううむ。HBも試してみなくてはなりませんね。



ステッドラーと見開きで並べてみると、黒の色が明らかに違うのがわかります。
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なるほど〜。
同じHBといっても、メーカーによって濃さも書き味も全然違うんだね〜。

黒の色も違います。
ハイユニは、ちょっと黄色がかったような感じ。ステッドラーは青みがかった黒のように思います。
ファーバーカステルとダーウェントは、ほんとに黒くなりません。
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ううむ。
世の中には、まだまだ鉛筆メーカーがたくさんありますよ。
カランダッシュとか、トンボとか。
あれこれ描き比べていくと、いつか、見つかるかもしれません。
ワタクシだけの一本が。



そう。握ればたちどころに絵がうまくなる、魔法のような鉛筆が。




……って、アンタね。




弘法は筆を選ばず。
でもね。筆を選ばなくてもよかったのは、弘法が書の達人だったから。
ワタクシのような未熟者は、選ばないと描けないのですよ。きっと。

ああ。猫への道のりは遠い。










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ふと気づいたら、銀座が大変なことになっていました。

ワタクシには入れないような高級ブランドがずらり……いえ、違います。
日本人より外国人観光客のほうが多いような……いえ、違います。
ギンザシックスが、どどんとそびえ……いえいえ、違います。



ギンザシックスから北に離れて、銀座エリアの北端に近づいた銀座二丁目。
東西に長い二丁目は、東銀座駅から、てくてく歩いて有楽町駅まで、徒歩十分かかるかどうか。大した距離ではありません。
百貨店も、ありません。


それなのに、なぜか、
お昼前に東銀座駅を出発したはずなのに、有楽町駅にたどり着くころには日が暮れている。

徒歩十分。「銀座二丁目」から一歩も出ていない。なのに、滞在時間はほぼ一日。
いったい、どこのブラックホールに時間を落っことしてきたのか。
そして、高級ブランドショップも百貨店もないのに、恐ろしい財布の危機。
いったい、どこのブラックホールにお金が消えていったのか。

これを、大変なことと言わずに何といいますか。




……あ、この摩訶不思議な恐怖体験は、文房具好き限定です。




では、魔の四角地帯……いえ銀座二丁目を、東から西へと軽く散歩してみましょう。
歩き回るだけで半日かかる文房具の魔境・東京駅周辺とは違い、ごくコンパクトなエリアです。
https://blogs.yahoo.co.jp/glirulusjp/34373823.html

昭和通りを左に折れてほど近い、ホテルモントレ銀座。この隣のブロックに、まず現れるのが、ワイルドスワンズ直営店のC.O.U銀座店です。
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客が数人入ったら、もう身動きがとれなくなってしまうほどの小さな店。
残念ながら、文房具はあまりありません。
でも、ペンケースやブックカバーなど、わずかに並ぶ文房具関連商品は、使い込めば使い込むほど味が出そうなものばかり。
店頭商品は注文用の見本みたいなもので、欲しいものがあったらオーダーするのが基本です。もちろん、在庫があるものはすぐ買えます。
店舗の一角に、スタッフさんが使い込んだ財布を展示する小さな棚がありまして、ここを見ていると飽きません。

……あ、今日は何も買わないので、「店内の写真撮ってもいいですか?」と聞く勇気はありませんでした……
目の保養を済ませたら、さらに西へと向かいます。




すぐ現れるのが、銀座の文房具界にそびえる魔の三大名山の一つ、伊東屋です。
K.ITOYAとG.ITOYAの2館に分かれ、ワタクシの財布を狙っています。
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昔は万年筆売場は現在のK.ITOYAにあたる裏通りの店舗の1階でしたが、現在は本館で銀座通りに面したG.ITOYAの3階に移っています。
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G.ITOYAは、各フロアの商品点数をかなり絞ってビジュアル重視で配置している印象。文房具店というよりセレクトショップな雰囲気です。
K.ITOYAのほうに、昔の伊東屋の雰囲気が少し残っていますね。たくさんの商品を詰め込んだ昔の伊東屋が好きだったワタクシにとって、心が和むお店です。



普段使いしやすいペンが集まるK.ITOYAの1階から、紙にこだわったノートが集まる2階フロアへ。さらに上階へ行けば画材も充実しています。
ひととおり堪能したら、G.ITOYAの3階で万年筆とインクを味わい……

……このへんで、もうお昼を軽く過ぎています。



G.ITOYAの12階にはカフェもあります。11階に野菜工場があり、そこで作った野菜を使ったメニューを楽しめるそうです。
とても素晴らしい銀座価格ですが、今日は、銀座二丁目から出ないと決意している日でもあり、文房具づくしの一日でもあります。入ってみましょう。



フレッシュレモネードは、甘すぎずすっぱすぎず絶妙なバランスで、さわやかでこの季節にぴったり。
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ブランチプレートは、値段=カロリーなんじゃないかとたじろぐ内容ですが、どれもおいしかったです。
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お腹がいっぱいになったところで、銀座通りを越えます。



と、すぐ現れるのが、カランダッシュのブティック。
ここにも伊東屋のマークがありますね。伊東屋とカランダッシュの共同経営なのだそうです。
……つまり、ここでカランダッシュの文房具や画材を買うと、伊東屋のポイントがたまります。
素晴らしい。
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綺麗な色の色鉛筆が欲しかったので、2階の画材コーナーに上がります。
階段を上がったところで、もう、わくわくしますね。
色別に分けられた色鉛筆やコンテ類がお出迎え。
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色鉛筆の試し書きコーナーもあります。
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試し書き用の紙はなんと三種類も用意され、水筆もあって、一本五百円もする超高級色鉛筆も描き放題。
塗り絵の紙もありました。
時間があったら、ここで一時間は簡単につぶれますね。



その奥に、大して絵心がないワタクシでも気分が舞い上がるコーナーが。
色鉛筆に取り囲まれていると、なんでこんなにワクワクするのでしょうか。
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勢いで、一本300円もする色鉛筆を買ってしまいました。買ったので、堂々と「店内の写真撮ってもいいですか?」と、尋ねることができたわけです。お客様がほかにいなかったためか、快くOKいただけました。
500円のほどではありませんが、パステルに近い書き心地で鮮やかな発色です。水でぼかすこともできます。
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……って、なんか紙全体が濡れているような気がするけど?
……ええ。ちょっと、家庭内で事故に遭いまして。
詳しくは、後ほど。




後ろ髪を引かれる思いでカランダッシュを後にして、もう少し西に向かうと、6月にオープンしたLOFTが現れます。
魔の三大名山のひとつです。
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ここの5階フロアに、恐ろしい魔窟ができました。
世界の様々な鉛筆を集めた「ペンシルバー」です!

ファーバーカステル、ステッドラー、三菱鉛筆といった定番から、軸の6面に様々な文字が書かれた英国の「I am a」というかわいい鉛筆など、見たことがないものも。
たとえば「ヘイトマンデー」という一本は、TuesdayからSundayまでが各面に描かれ、Mondayはありません。
これを書いている現在、日曜日の午後10時すぎ。今、欲しい一本ですね。すっげー共感。



ペンシルバーを見ていると、中学生のころに親にねだってクリスマスプレゼントに買ってもらった「世界の鉛筆50本セット」を思い出します。
大人になった今、ここに通えば、欲しいものばかりをあつめた新たな「世界の鉛筆50本セット」ができる……!!
https://blogs.yahoo.co.jp/glirulusjp/34373823.html
まさに、オトナ買い。ああ。

鉛筆は、高くても一本300円くらいなので、ばら売りを見ると心が騒ぎます。
この日の戦利品……って、いきなり半ダース。
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……あっ。また事故が……
はいはい。ワタクシが持っているものは、全部おもちゃです。はいはいはいはい
色鉛筆で描いた紙が水に濡れてしまったのも、このヒトのせいです。ああ。




LOFTのペンシルバー、欲を言えば、店員さんの商品知識がもっとあると、なお素敵だと思います。

今回買ったブラックウィングの鉛筆は、濃さがよくわかりません。
HBや2Bなどでなく、もともとこのブランドだけの特殊な分類であるうえ、軸にはっきり書いてありません。
ただ、「ソフト(4Bくらい)」「ファーム(Bくらい)」「バランス(2Bくらい)」の三種類があります。

ワタクシが買ったのは、果たしてどれくらいの濃さなんだろうか。
いつものように、買った後に知りたくなって店員さんに尋ねたところ「表示がないのでみんな同じ濃さです」と言われました。
後にネットで調べたところ、どうやら軸の色で濃さが決まっていて、青いのとグレーのはソフト、緑っぽいのはファームのようです。
ま、軸がきれいだったから買ったので、濃さが何でもよかったわけですが……

鉛筆は、同じHBでも、メーカーによってかなり濃さや書き心地が違います。
これだけ鉛筆を集めてあるのだから、それぞれの濃さや特徴、ふさわしい用途なんかについて、アドバイスをいただけると、なお楽しい売り場になるんじゃないかなあ。
ペンシルバーに「鉛筆ソムリエ」がいたりすると、いいなあ……などと、妄想します。



……「濃さはどうでもいいの。軸がきれいだから」って買っておいて、何を妄想してるのでしょうか……




さてさて。
LOFTを後にして、さらに一本西側の道に入ると、アレがあります。
魔の三大名山の最後の一つ、東急ハンズ銀座店です。
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そうです。銀座二丁目エリアには、なんと伊東屋・LOFT・東急ハンズという三大名山が一直線に並んで密集しているのです!!
なんという文具激戦区。
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現在、東急ハンズ銀座店は10周年記念企画の真っ最中。
6階の文具フロアでは、一度行ってみたいと思っていた「ぷんぷく堂」のコーナーがあるのです!
本八幡という微妙な場所で、夕方からオープンする、ちょっと変わった文房具を扱うお店です。
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今年の文具大賞を受賞した「あなたの小道具箱」のほか、半分の長さの鉛筆や、廃盤になったカラー紙をあつめた封筒などがありました。
ぷんぷく堂コーナーは10月1日まであるそうです。
いつか本店にも行ってみたいなあ。




……ということで、カランダッシュ、LOFT、東急ハンズと回って来れば、午後は丸つぶれもいいところ。
ちょっとお茶を飲んで有楽町駅に向かうと……

最後のとどめに、マルイの中に、再び伊東屋が。
「お買い忘れはございませんか?」
みたいな?




こうして、銀座二丁目から一歩も出ずに、楽々と丸一日がつぶれるわけでございます。




銀座の吸引力は、決して、高級ブランドだけでも百貨店だけでもファストファッションだけでもドラッグストアだけでもないのです。
観光客だけでなく、文房具オタクをも惹きつける。
あなおそろしや。銀座の底力。

今回も、財布の被害甚大だったなあ……ふぅ。













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……奇跡だ……!

こんなにドキドキした買い物は、何年ぶりでしょうか。

発売開始時間にPCの前で待ち構え、マウスを必死に操り……

どうしたことでしょう。お店のサイトに、ちっともつながりません。
お。ようやくつながった。よしよし。商品のページに……むむむつながらない。
やっとの思いでつながったと思ったら、今度はカートから先の購入手続きがちっとも進まない……

そんなこんなで、なんとかかんとか、購入完了までたどりつくまでに要した時間は、なんと約1時間。
ふつうなら5分もかからず終わってしまう工程が、1時間ですよ1時間。

それでも、無事に購入完了までたどり着いたのが、本当に奇跡のようです。
もうひとつ欲しかったのは、途中で「カートが空です」って言われちゃいましたので……つまり、手続き終了前に売り切れてしまったということですよ。

やれやれ。ああ、冷や汗かいたわ〜。ドキドキしたわ〜。
やっぱり、買い物って、スリルですよねぇ。




……って、いいトシして何やってんだ。




そうして我が家にやってきたのは、こちらでございます。
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ワイルドスワンズ直営店、C.O.U京都店オープン5周年記念のブックカバー、スーティドMでございます。



……って、あれほどのスリルと冷や汗を乗り越えて、やっとの思いで買ったものは、ブックカバーかい!


そうです。ブックカバーですよ。
ふっふっふ。




では、さっそく開けて見ましょう。

上品なロゴが付いた黒い箱。
おや。二つもありますね。
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そう。今回、3色のうち2色、欲しかった色を両方買えたのでございます。ほ〜ほほほ。
……やや取り乱しているようです。




蓋を開けると、中には黒い不織布で包まれたブツが。
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そのなかに、ありました。ありましたよ!
ビニール袋に包まれて、ブックカバーが!!
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広げてみますと………
をを!

ワタクシの大好きな革である、バタラッシィ・カルロ社のプエブロでできた、文庫本サイズのブックカバーです!!
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プ・エ・ブ・ロ! プ・エ・ブ・ロ!!! ほ〜ほほほ。
……さらに取り乱しているようです。




ひっくり返してみると、ほ〜ら。
ワタクシの大好きな、違う色を組み合わせたツートンカラー仕様!!
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しかも、ワタクシの大好きな、焦げ茶にダークレッドと、キャメルにターコイズブルーですよ!! ほ〜ほほほほほ。
……もはや、どうしようもないかもしれません。ああ。




そして、この風合い。プエブロです。
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オイルがたっぷり染み込んだ革の表面を擦って起毛加工した革です。
艶がありながら、擦れたところの色が薄くなり、何とも言えない美しい模様が革の上に現れていますね。
この、根来塗りみたいな雰囲気が、たまらんのですよ。プエブロ。



そして、手触りです。
つるっとした手触りではなく、起毛した部分がすこしざらざらと肌に触れ、でもやっぱりオイルたっぷりの手に吸い付く感触は十分で……
鼻の奥をくすぐるオイルの香り。




コバは、ワイルドスワンズならでは、染料をたっぷり乗せて美しいカマボコ型に成型してあります。
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本を差し込むポケットの片方は、これまたワイルドスワンズらしい曲線です。こちらはあまり染料をのせずにコバを磨いてあります。
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……なんだろう。左後ろに映りこんでいる存在は……
新しい家族のおかげで、ブログ用の写真撮影は難航を極めております。




この、プエブロ。なぜにそこまでワタクシをソソるのか……

それは、使い込んだ表情の変化が、たまらないからです。



たまたまブックカバーと同じ「タバコ」という色のパスケースです。
およそ3年ほどバッグに突っ込んで持ち歩いたものでございます。
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……すっげー傷だらけ。


ごほごほ。それはさておき、
どうです、このツヤ!
起毛した風合いはそのままに、艶と滑らかな手触りが日に日に増して、色も深みを帯びていくのです!

このパスケースで、ワタクシはプエブロに惚れたといっても過言ではありません。
こちらは、ワイルドスワンズではなく、LEDOという、秋葉原と御徒町の間の高架下にショップをもっていらっしゃる職人さんブランド「LITSTA」の汎用ラインの商品です。




プエブロは、ご覧の通り、傷がついてもそれがかえって表情をつけてくれて魅力的になっていく類の革です。
ここも、ワタクシにはうれしいポイント。

ワイルドスワンズがメーンで使うサドルプルアップは、とても傷がつきやすく、「あ〜やっちゃった」ってな感じの傷がつくのですね……時間が経てば表情にはなるのですが。
インスタの公式アカウントに登場する「お客様にお使いいただいて●年が経過」といった財布などをみると「ま〜よく傷一つつけずに美しく使い込んで……やっぱり革モノって、モノを大切に扱うマメな人が使うべきものなのかしらねぇ……」と反省してしまいます。



でも、プエブロなら、大丈夫!
何しろ、もともと吟擦り加工、つまり傷をつける加工を施してあるわけですから。
ちょっとやそっとの傷は、どんとこい! なのでございます。



ほら。またまた同じ「コニャック」と思われるカードケースも。こちらもLEDOです。
キーホルダーと同じポケットで日々、カギにいじめられ、こんなにたくましくなりました。
傷がついても、かっこいいでしょ? ね? 
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……って、使い方、粗すぎだって……




このプエブロ、実はLEDOでもブックカバーを販売しているようです。
でも、ワイルドスワンズのコバ仕上げと組み合わさったら、きっとかっこいいだろうなぁ、と。
そして、一枚仕立ての文庫のブックカバーなら、存分に革の風合いを楽しめるなあ、と。
前々から「あったらいいな、ワイルドスワンズのプエブロのブックカバー」と思っていたのですよ。
以前も企画商品で出たようなので、またの機会を狙っていたわけなのです。
ふっふっふ。




では、さっそく本を入れてみましょう。

まずは、固定して縫い付けてあるポケットに本を差し込みまして……
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反対側に裏表紙をつっこみます。こちらのポケットは、底抜け状態で縫い付けてあり、サイズをアジャストできる仕組みです。
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最初はこのように、ぷっくぷくですが……
いずれ、馴染んでくれることでしょう。
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ぷっくぷく。




さてさて。このブックカバー、C.O.Uのブログによりますと、「厚み2センチくらいまでのたいていの文庫本は入ります」ってな紹介です。

「たいていの」……
これが、実は、曲者です。

ワタクシがよく読む文庫の中に、普通のブックカバーには収まらないものがあるためです。

それが、これ。
ハヤカワ文庫の、アガサ・クリスティーの作品。
縦が、普通の文庫本より、少しだけ長いんですよね……活字を大きくするためだと思いますが……
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さてどうでしょう。

あああ。やっぱり、ダメでした。ワイルドスワンズのスーティドMは、残念ながら、アガサ・クリスティーのシリーズは入りません。
このシリーズが入る市販の文庫カバーは、今のところ、ワタクシが持っている中ではヘルツの通常品だけですねぇ……
つまり「たいていの」文庫ではない、ということです。ふぅ。




さらに「厚み2センチくらいまでの」。
ううむ。宮部みゆきの「火車」は、かなりきついようです。といいますか、少なくとも新品の状態では、収まりませんでした。
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ブログによれば、ほぼ日手帳はいけるそうです。
てことは、ミドリのMDノートは……
おお。いい感じですね。ちょっと薄いかもしれません。
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というわけで、このブックカバー、入れるもののサイズは、わりと選ぶようです。



それに、いくら入れるものに合わせてジャストサイズに調整できるといってもですね……
入れっぱなしで持ち歩いたら、最初に入れたものの厚みに合わせて折癖がつくと思うんですよね……

つまり、このブックカバーは、あれこれ入れ替える用途としては、あまり向かないかもしれません。
なにか、これ! というものを決めて、ずっと使い続けるのがいいのかも。
となると、本よりノートのほうがいいかもしれませんね。




う〜ん。何に使おうかな〜。
やっぱりMDノートかなー。
それとも、LIFEとか、紳士なノートとか……
文庫=A6サイズのノートは、なかなか種類豊富なので、楽しいですね。

問題は、そのノートを、何に使うか、です。




………………




買い物ってもんは、ふつうは、「何に使うか」まず考えてから財布を出すんじゃないのかね。

まず買ってから、用途を考える。
どうして、ワタクシの買い物は、いつもこうなのでしょうか。
ああ。




 

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これは、ほぼ最強のボールペンかもしれない。
ワタクシは今、興奮に体を震わせています。

……ボールペンの「最強」って、なんだ。
……んで、「ほぼ」最強って、なんだ。「ほぼ」って。




軽井沢で木軸の万年筆を製作しておられる工房「スティロアート」のボールペンです。
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まず、形が美しいでしょう?
ペン先からお尻までゆるやかに滑らかな弧を描く曲線。不格好な段差は全くありません。
お尻の先は、すっぱりと平らに切り落とされ、潔いシルエット。
太すぎず、細すぎず、絶妙なバランス感。
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胴には2種類の銘木が使われています。
ワタクシが選んだのは、花梨とパープルハートの組み合わせ。

どうやらワタクシは花梨に弱い性質らしく、気が付くと花梨のペンがどんどん増えています。
明るい赤みがかった茶色に、くっきりと刻まれる杢目が、そそるのです。



表面は、ナチュラルな仕上げで、木目の感触を楽しめます。
少し使ったら、表面の艶が増してきたような気がします。これから使い込むと、もっと変わるでしょう。



この花梨は、花梨としては、ごくスタンダードです。
見事な花梨瘤をもつのはら工芸のボールペンと比べると、ほら。
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杢目としては、それほど派手とは言えません。

でも、なんだか目を離せない魅力があります。
気づくとついつい、手の中でころころ転がして見入ってしまいます。



お尻のパープルハートの紫が、全体を引き締めています。
ここを左右にひねって芯を出し入れするタイプです。
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身長は13.5センチ。少し短めですが、ワタクシの手にはぴったりです。
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このブログの始まりの一本となった、ねーさんに近い体格ですね。
写真下がねーさんです。
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さてさて。きれいなのはわかったけど、じゃあ、どこが「最強」なのでしょう。

ふふふふふ。
それは、ですねぇ。

このボールペン、なんとカランダッシュのゴリアット芯が標準装備なのです!



パーカータイプの木軸ならよくありますが。
クロス芯もときどきありますが。
のはら工芸のパイロットも、書き心地は悪くありませんが。

でも、しかし、
なんたって、
ゴリアット芯ですよゴリアット芯!

一本あればおよそ8キロメートルものラインを引くことができ、
油性にしては最高水準の滑らかさを誇り、
油性ならではの軽いタッチで薄い線を軽々と描け、
ボールペンの最大の不快ポイントであるインクだまりがまったくできない、
絵を描くのに持って来いの、
あの、ゴリアット芯ですよ!!
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(ぼく、しまえなが。様のサイトの写真を写させていただきました。ありがとうございました)




ゴリアット芯で、しかもワタクシの弱点ど真ん中を的確に突く、銘木の木軸。
「ゴリアット芯で、木軸っていうペンが、世の中にあったらなあ……」と、ずっと思っていたのでした。
そうしたら、ほら、あった、と。
世の中、広いですねぇ。

んで、花梨にパープルハートの組み合わせときたら、
これは、最強のボールペンとしか言いようがないではありませんか。




……つくづく、マニアですね。




さらに、このボールペンは、すごいのです。

体重を測ってみましょう。28グラムですね。
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木軸で30グラムを切るというのは、そうとう軽い部類に入ります。
さきほどののはら工芸の花梨瘤が36グラムあることを考えれば、かなり軽いと言えますね。
持ったとき「軽い!」と、びっくりしたのでした。

とはいえ軽すぎる重さではありません。ちょうど、手にほどよい重みをもって収まり、書いても書いても疲れない理想的な重量だと思います。
重心は、ちょうど真ん中あたり。ミドルウェイトのお手本みたいなバランスです。




そして、このクリップ。
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高級感を醸し出すには軽すぎる印象もありますが、この形がなんといっても優れものです。
シャツの胸ポケットにも、厚みがある革でできたヘルツのバッグの内ポケットにも、すっと差し込めて、しかも落ちにくい。

クリップをすっと差し込めるかどうかというのは、ワタクシの中では重要なポイントなのですが、この形はペリカンのクリップに並ぶ使い勝手の良さです。
のはら工芸のペンは、残念ながら玉クリップなので、厚革のポケットに挿しこむのは一苦労です。




美しい形で、ゴリアット芯が入って、銘木軸で、書き心地も良くて、クリップも使い勝手がいい。
どうです。ほぼ最強でしょう?




……………え?
じゃあ、なんで「最強」でなく「ほぼ」なのかって?

それは、ですねえ……




このボールペンは、先ほどお話ししたとおり、お尻のパープルハートを左右にひねって芯を出し入れするタイプです。

この手のペンは、普通、右にいっぱい止まるまでひねったら芯が出て、左にいっぱい止まるまでひねったら芯がしまわれますね。



ところが……
このペンは、右にいっぱいひねっても、左にいっぱいひねっても、なぜか芯が出るのです。
芯をしまうには、ちょうど中間のところで手を止めなければなりません。
加減を見ながらひねらないと、芯をしまったつもりが出っぱなし〜ということになってしまうわけなのです。



これが、ねぇ……
ワタクシのような、ざ・ずぼら〜には、ほんのちょっと、面倒くさい。
うっかりすると、胸ポケットの中で出っぱなしの芯が、いつの間にか何か得体のしれないメッセージを書いていた……なんてことになります。

芯がしまわれたのをしっかり確認する。たったそれだけのひと手間なのですが。
その面倒くささが、「ほぼ」をつけざるをえない理由なのでございます。




ざ・ずぼら〜がペンに求める条件は、かくも厳しいものなのです。
……って、おい。


とはいえ、この、ほぼ最強のボールペン。
ワタクシのバッグの内ポケットがすっかり定番の席となり、ことあるごとにすっと抜かれて手の中に納まっています。




……え?
じゃあ、ゴリアット芯のボールペンは、もうこれで決まりだなって?



そうだったら、よかったんですけど、ねぇ………

ゴリアット芯には、実に様々な沼が、ございまして………
そのお話は、またいつか……







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