選択肢というものは、あるようでいて、ないものです。

こんなにすぐに決まってしまうとは……

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来年の手帳の話です。




9月から丸善丸の内本店にも早々と登場した手帳特設コーナー。
シーズンが始まって間もなくは、まだ品ぞろえも少ないことから、ワタクシは、横目で見てさっさとコーナーを通り過ぎておりました。
勝負は、まだまだこれからですから。ふっふっふ。

やがて秋も深まり、手帳コーナーに商品が満タンに投入されたと思われるころ。
東急ハンズ銀座店で開催された手帳書き比べ総選挙にも足を運び情報を仕入れたのち、
ワタクシは、満を持して、鼻息荒く、手帳売場に向かったのでした。




ところが……




・A6の文庫サイズであること
・カバーを付け買えられること
・右ページがまるまるメモ欄となっている週間レフト式であること
・見開きの各ページに、その週の最重要タスクをまとめて書き込む欄があること
・土日が、右側のメモ欄も含めて、きちんと1日分のスペースを割り当てられていること
・マンスリーは必須だが、前方に一年分まとまっていること
・万年筆のインクが裏抜けしないこと
・ぱたんと180度開くこと
・巻末の情報コーナーが不必要に分厚くないこと
・ただし、西暦と元号の換算表はついていること

……と、絞りに絞った必須条件たったの10個。
これをすべて満たす手帳が、さっぱり見当たりません。



ひとつひとつは、ごくシンプルで、難しいことは何一つ求めていないのですよ。
ごくごくありきたりの、スタンダードな手帳ではありませんか。

なのに、なぜ??




文庫サイズで、カバーを付け買えられるもの……というところで、選択肢は、ぐっと絞られてしまいます。
続いて、最近、バーチカル式しか作っていない手帳ブランドの多いこと。
さらにレアなのが、このサイズでその週の最重要タスクをまとめて書き込める欄です。
そして、なぜか、土日は半日分のスペースしかなかったり、右側のメモ欄を前後の月のカレンダーが侵食していたりと、冷遇されています。




………う〜〜〜む。ない。

途方に暮れたワタクシに、バッグの中から、何者かがか細い声で語り掛けます。
「いや、あるじゃん。あるあるあるあるあるある」

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……そう。あるのです。
たった10個の、シンプルで簡単な条件をすべて満たす手帳が、すでにワタクシのバッグには収まっていました。

今年の手帳です。



そう。はなっから、選択肢はあったのです。たったひとつは確実に。

今年の手帳と同じものを選べばいいではないか! と。




……でも、ねぇ。

つまらないじゃありませんか! 何も考えずに去年と同じ手帳を手に取るのは!! 目の前に、こんなにたくさん、各社の趣向を凝らした手帳が並んでいるというのに!!!




しかし。
ワタクシの、新たな手帳を開拓する試みは、どうやら不発に終わったようでございます。

ずらりと並んだ魅力的な手帳たちのなかに、誰一人として来年のパートナーを見つけられなかったワタクシは、
諦めて、昨年の手帳を買った店に向かったのでした。




デルフォニックス。

このメーカーの手帳は、もちろん、丸善の売り場にも何種類も並んでいます。
でも、残念ながら、どれもこれもしっかりした厚い表紙がついていて、「カバーを付け買えられるもの」という条件を満たしません。

ただ、直営店だけは、カバーなしの中身を売ってくれるのです。
こうして、ワタクシは、昨年に引き続き、今年もこの手帳にお世話になることにしたのでした。

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2018 BASIC DIARY type−Bです。



表紙は、ほかのカバーを付けることを想定して、なにも描かれていない真っ白な厚紙です。
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開くと、2年分のカレンダーがあります。ここ、年の後半になると、けっこう頻繁に使います。
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続いて、1年分の総覧表が。ここには、長期の旅行の予定を書き込みます。楽しいなあ。
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……いえ、結局、ほとんど真っ白なままなんですけどね。





そして、マンスリーです。
前方にまとまっているので、月替わりに無駄なページが出ません。つまり、手帳が構造的に軽くなるということです。
何しろ、カバーの重量感があるものですからねぇ……ありがたや。
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そして、いよいよ、週間レフト式のページです。
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ここでうれしい4つのポイント。
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まず、上の余白に最重要タスクを3つくらい書き込めます。
次に、土日がきちんと左右のページで1日分を割り当てられています。
さらに、前後の月のカレンダーを毎週チェックできるのも便利なところ。
そして、ワタクシの条件には入っていませんでしたが、地味に使い勝手が良いのが、ページの隅を切り取ることで今秋にすぐたどり着けるようにしてあることです。



最後のほうには、翌年の2月まで、簡単な予定をかき込める欄が設けられています。
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それほど多くない枚数のノート欄は方眼ケイ。ワタクシには、この程度の分量がちょうどいいようで、今年はきれいに使いきって終わりそうな気配です。
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何でもかんでも毎週の右ページに書き込む癖があるので、巻末のノートはそれほど使わないのですね。
足りなくなれば、付箋で増やせばよろしいのです。
だって、巻末のノート欄、いちいちめくるのが面倒くさいじゃありませんか!
恐るべし、ざ・ずぼら〜式手帳術。




そしてそして、薄い巻末の情報欄には、きちんとこれがあります。
西暦・元号換算表。年齢早見表でもあり、便利です。
これ以外は、ワタクシは、ほぼ見ません。
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薄いわりに、万年筆のインクが裏抜けしないのもうれしいところです。
手帳総選挙でメモしたものです。
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裏側は……ほら、この通り。裏移りはありますが、裏抜けはありません。
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カバーは、今年の手帳用に作ったエルバマットの使い勝手がよいので、継続する予定です。
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……って、もう10年くらい使っていたかのような傷だらけ具合……


そして、重い。
手帳本体はたったの107グラムなのに、カバーは142.5グラムもあります。

なにしろ、厚さ2ミリの革を、そのまま使って作ったからのう……



ごほん。

ほんのちょっとしたことなのですが、ポケットをぎりぎりまで深くしたことで、表紙を片側だけつっこんで使っても手帳の安定感がよく、手帳を閉じたままでも紙類を出し入れできる「ずぼら〜お助けポケット」が活躍しています。
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うむ。なかなかよいデザインであったことよ。自画自賛。




ペンホルダーは、普段まったく使わないので、つけませんでした。使わないのにあると、何かと邪魔くさくて……
万年筆は、やはりペンケースに入れて持ち歩きたくなります。

どうしてもボールペンを挿す必要が出たら、こうします。
サイズをゆったり作ったので、背表紙とカバーの間に隙間ができます。そこを利用して、ペンを差し込むわけです。
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見事なワタクシ仕様に仕上がった手帳カバーに、条件をすべて満たす手帳を装着して、
来年も、さくさく快適に手帳を開くことができそうです。






……でも、やっぱり、
すぐ決まっちゃって、つまらな〜い!



いや。まだ、各社の手帳をすべて網羅できたわけではないと思うし、これからも新商品は出るであろう。
もしかしたら、あるいは、これから発見できるかもしれない。
ワタクシの、ほんのシンプルで簡単な10の条件をすべて満たす、まだ見ぬ手帳を……

……こうして、ワタクシは、今日もまた、用もないのに手帳売場へ鼻息荒く向かうのでした。
やれやれ。











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継続は力なり。

古くから伝えられるこの言葉を、実感しております。

……あ、ブログの更新は、2週間も空いてしまいましたが……
うっかりすると、トップページに広告が出てしまう。いかんいかん。




で、なんの継続だって?




この夏、軽井沢で、途方もない野望を抱きました。

藤田嗣治みたいに、うちの猫をかわいく描きたい!
……という。
https://blogs.yahoo.co.jp/glirulusjp/34777153.html



しかし、ワタクシの絵の腕前は、高校の美術部で断トツに下手だったレベルです。
そこで、まずは鉛筆で身の回りのものをスケッチすることから始めようではないか! と、思い立ったわけですね。



日本有数のざ・ずぼら〜にして、飽きっぽさでは他の追随を許さない、このワタクシ。
しかし、なんと! スケッチ熱は、続いております!!

ほぼ毎日、コーヒーのお供は、トラベラーズノートと鉛筆です。
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先日、ブログでお見せした、下手なスケッチも、その一つ。




んがっ。
あれも下手でしたが、実は、さらに、その前がありました。

ん十年ぶりに、まともに絵を描こうと思って鉛筆を持ったのですが、
最初に描けたのは、こんなもんです。
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なんだこれ。

実は、これは、水が入ったガラスのコップなのです!! まあびっくり。

絵を描きなれないということは、つまり何を描いてよいかわからないということでもあります。
このコップは、15分ほど描いて「う〜ん、これ以上、どう描いていいかわからない」と思ってしまいました。
画面は、ご覧の通り、真っ白。
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高校の時の悪夢を思い出します。
美術の授業の石膏デッサンで「いつまでも真っ白な画面じゃダメだ! どうしてもっと描かないんだ!」と怒られたことを。

だって、石膏って白いじゃありませんか。
絵の教室に通っていた同級生が「白いものを黒く描くのがデッサンなんだよ」と教えてくれたのですが、どういうことかさっぱりわかりませんでした。
白いものを黒くって、いったい、なんの禅問答??? と。




白く見える中にも、微妙なコントラストの差があって、白を白く見せるためには周りを黒くすればよいということに気づいたのは、ごく最近でした。

思い切って塗ってみたら、どうでしょう。
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どちらも、白いマグカップです。
お? なんか、ちょっと、それっぽくなってきませんか?


……いや、まず、形がゆがんでいることに気づかないかね……




ごほごほ。ま、それはさておき……




そうか! 白いものを白く見せるには、その周辺を黒く塗ればいいんだよ!
一番明るいところだけ白く残して、それ以外はグレースケールで塗ってしまえばいいんだよ!

……というような「開眼」があって、先日の高級鉛筆描き比べの絵が描き上がったわけなのでございます。
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それにしても、この、写真の見づらさは、なんだろう。
鉛筆で描いた絵を、見たまんまに撮るのは、そんなに難しいことなのだろうか。

って、カメラの設定の仕方がよくわからなくて、すべてお任せのオートモードで撮っているからいけないんだと思いますが……
普通に撮ると、なんでも、カメラさんが紙の部分を「グレーだ」と認識してしまうのだそうですね。
鉛筆画を鉛筆画らしく撮るには、露光や黒のコントラストを調整しなければならないそうで……
ううむ。まずは、カメラの技術から学ばなければならないかもしれません。

とりあえず、今回は見づらいままで……



手当たり次第にそのへんのものを描いていたので、こんなものもあります。
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白い直方体だから簡単だろうと思ったら、なんて難しいのでしょう。
改めて見ると、パースがむちゃくちゃで、コンセントの部分が曲がっています。ああ。




ごほごほごほ。
それは、さておき。

毎日、鉛筆を持って、目を白黒写真モードに切り替えます。
色がなくても、それがなんだか、人間の目はちゃんと見分けることができます。

人が、素材の質感を見分けるポイントって、なんなんでしょうねぇ……
革の表紙の自作トラベラーズノートもどきと、金属のスプーンです。
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絵を描きなれてくると、細かいところがやたらに目につくようになりました。
「描ける」ってことは「見える」ってことでもあるのですね。

木皿に乗った、黒のコーヒーカップです。陶器の表面に映りこんだ影を描こうと悪戦苦闘しました。
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そうして……
まだまだ稚拙ですが……
スタートラインのレベルが果てしなく低かったわけですが……




ちょっとは「見える」つまり「描ける」ようになったかな?
と、鼻の穴が膨らんだのが、この一枚です。
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え? どこが「描ける」レベル??

いやいやいやいや。
このグラスは、実は、2枚目の絵と同じものです。
今回は、30分ほどで、こんなに黒く描けました。
ガラスの内部の複雑な反射が、だいぶ見えるようになったような気がします。




なるほどなるほど。「描く」ってのは「見る」ってことなんだねえ。

時計も、なんとなく、それっぽく。
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鉛筆を描くときは、抜け目なく、文字がついていない面をこちらに向けました。
……だって難しそうなんだもん。文字って。
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スタバの紙コップも、
使用前。
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使用後。
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ほらほら、それっぽくなってきたでしょう??




スプーンを丸く描くのは、難しいなあ。
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ステンレスの質感が、なかなか……
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……などと、ほぼ毎日、悪戦苦闘すること、約1か月半。
トラベラーズノートの画用紙リフィルを一冊描き切るころ、

をを! なんか、ちょっと、「絵」っぽい! このバッグ「絵」っぽくないですか?!
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……あ、「ぽくない」。ですよね〜(涙) 




それでも、低レベルとはいえ、真っ白にしか描けなかった最初のページを振り返ると、夢のようです。




スプーンも、だいぶ丸く描けるようになりました!
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ふっふっふ。
これぞまさしく、継続は力なり!

絵に描いたような自画自賛。



ほんのちょっとずつ、微々たる歩みですが、
継続すれば、ちゃんと前に進むものなんですねえ。




さて。二冊目の画用紙リフィルは、何を描こうかな?

そもそも、最初の目的は、モノでなく、猫でした。
よしよし。それでは、そろそろ猫を描く練習を始めてみればよいではないか。

ワタクシは、鼻息荒く、二冊目のリフィルに鉛筆を走らせました。
モデルは、もちろん、うちの家族。
熟睡していても5分と同じ体勢でいてくれないため、じっくり描くには写真が必要です。
カフェの片隅で、スマホを片手に写真をスケッチ。

ほら! かわいいかわいいウチの子が………………
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…………………………



……って、おい。

なんか、不気味なもの描いちゃったぞ、オイ。




千里の道も一歩から。
しかし、その一歩は、千里に比べると、あまりにも小さいようでございます。

猫への道は、遠い。









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こんなことで、初・モンブラン! とは……

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前回の記事で、「おかしいな?」と思われた方も、いらっしゃるのではないかと思います。
https://blogs.yahoo.co.jp/glirulusjp/34802050.html
ボールペンの記事なのに、どうして「万年筆」のカテゴリーに入っているのか?? ……と。

いや普通、そんなところまで見ないだろ。




ごほん。
実は、ちゃんと意味があったのです。ボールペンなのに万年筆のカテゴリーに入っているということに。




ワタクシの永遠の子守歌である、ワーグナーの楽劇「ニーベルングの指輪」第一夜、ワルキューレ。
その演奏を指揮したサー・ゲオルグ・ショルティをモチーフにしたモンブランのドネーションペンシリーズ。

夏の終わりに、某キングダムノートで、ショルティのボールペンを発見し、
子守歌の思い出に、一も二もなく速攻ポチった経緯を、前回、お話いたしました。
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ところが。
実は、キングダムノートで最初に発見したのは、
ボールペンではなかったのです!

夏の大バーゲンコーナーにあったのは、なんと、万年筆でした!
サー・ゲオルグ・ショルティの、万年筆。

それを見た瞬間、ワルキューレのラストシーンが頭の中に鳴り響き、
ワタクシは、抵抗できずにポチったのでした。




……ところが!

たしかに購入完了まで進んだというのに、翌朝、ワタクシのメールボックスに、こんなメールが。
−−ご購入いただいた商品は、ほかのお客様が先に購入なさったため、キャンセルとさせていただきます。

!!!!!

どうやら、タッチの差で、ショルティの万年筆を買うことができなかったようなのです。
こんなことも、あるのねぇ。




諦めようとしたものの、ワタクシの頭の中で、響き続けるワルキューレ。
ビルギット・ニルソンが歌うブリュンヒルデと、ハンス・ホッターのヴォータンとの別れの場面が、いつまでたっても終わりません。
もはや強迫観念。

……この子守歌、どうしてくれる。




そうして、再びキングダムノートをさまよったワタクシの目に飛び込んできたのが、
前回ご紹介したボールペンだったのでございます。

……まさか、万年筆だけでなく、ボールペンまで出品されていようとは。
もはや運命でしょう。




そうして、ボールペンを手にワルキューレをあらためて聴き直していたところ……
ワタクシのメールボックスに、こんなメールが。

−−ショルティの万年筆をご購入なさったお客様がキャンセルなさいました。もしご購入をご希望でしたら再度手続きをしてください。

!!!!!!!

こんなことも、あるのねぇ。

っていうか、そういうことは、ボールペンを買う前に言ってくれないかな。




……………
ワタクシに、購入をやめるという選択肢が、あったでしょうか。

……いや、あったよね。十分。




こうして、なんと、モンブランのドネーションシリーズ、サー・ゲオルグ・ショルティの、万年筆とボールペンが、セットで! 我が家に現れることになったのでございます。
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もはや運命ですよ。運命。
うんうん。きっと、ワタクシの意志が弱いせいではありません。



……って、アンタね。




さてさて。
到着したのは、なんだか、とても大きな、平たい箱でした。

ワタクシが買ったのは、万年筆一本のはずですが。

封を開けて見ますと、現れたのは、縦22センチ、横34.5センチ、厚さ5センチの巨大なボックスです。
表面には、ショルティの写真と、サインが印刷されています。
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……あれっ? 両側から覗き込んでいるのは、いったい、誰??




蓋を開けて見ますと……

裏側には、小冊子が。
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中には、
ドネーションシリーズの万年筆一本につき20ユーロ、ボールペン一本につき10ユーロが、若手音楽家育成のために寄付される。
という説明と
……いえワタクシが買ったのは中古品ですから1ユーロも寄付されませんが……

ショルティの略歴が、それぞれ英・独・伊・??中の6か国語で紹介されていました。
残念ながら日本語はありません。
モンブランさまは、アジアでは日本市場より中国市場を重視しておられるということでしょうか……




本体のほうには、万年筆の隣に、なにか謎のボックスが。
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開けて見ると、入っていたのは、なんとトランプ2セットでした。
付属のリーフレットによると、ショルティはカードゲームが好きだったようです。
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ううむ。お値段のうち、いったいどのくらいの割合が、こうした付属品の分なのでしょうか。
などということを考えてはいけません。




さてさて。
いよいよ、万年筆本体です。

ボールペンと同じように、軸の中央部分に当たる蓋のところに五線譜のようなラインが引かれています。
クリップは、ピアノの鍵盤のような形です。

蓋を開けて見ると、ショルティのサインは、ペン先の顔と同じ向きに彫られています。
書くときに必ず目に入る位置ですね。



ペン先には、羽ばたく鳥の模様と、18kの刻印などがあしらわれています。
装飾的ですが、うるさい印象ではありません。
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横から見ると、ペンの先端部分が、少し反りかえっているように見えます。
ペンポイントが大きく見えるのは、Mだからかもしれません。
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裏側は、こんな感じ。
ペン先の切り割がきれいに入っていますね。
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ワタクシにとっての万年筆・ザ・スタンダード、パイロットのカスタム74と並べると、だいたい同じサイズ感です。
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ただ、体重は31グラムと重めです。
蓋を後ろに挿したいデザインではないので、書くときは19グラムに減ります。




では、いよいよ書いてみましょう。
これが、ワタクシにとって、初の! モンブランの万年筆となります!!

……って、初めてのモンブランを、こんな勢いで買うような買い方して、いいのだろうか……




インクは胴軸に直接吸い上げる方式です。
モンブランのロイヤルブルーが家にあったので、入れてみました。

書いてみると……
ををを。
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ペン先が反りかえっているせいか、ペンポイントが大きくて丸いせいか、とても柔らかくペン先が紙に当たる感触です。
しなりはほとんど感じませんが、ふわりふわりと気持ちよくペンが紙の上を滑っていきます。

縦・横・斜め・マルと、さまざまな線を描いても、引っかかるところは全くなし。
快適ではありませんか!!
ふっふっふ。




……それにしても。
モンブランのドネーションシリーズ、ワタクシにとっては、大きな謎がございます。

これまでに登場したのは
・ヨハン・シュトラウス
・ブラームス
・カラヤン
・バッハ
・バーンスタイン
・メニューイン
・ジョン・レノン
・トスカニーニ
……といったところのようです。



バッハとブラームスがあって、ベートーベンがないのはなぜ?
カラヤン、ショルティ、トスカニーニときて、フルトヴェングラーがないのはなぜ?
チャイコフスキーやラフマニノフといったロシア勢がいないのは、なぜ?



この人選は、何を基準にしているのでしょうか。
モンブランのトップの好みかな?
それとも、売りたい市場のカリスマかな?




ま、謎は謎として。
ワタクシ初のモンブラン。
ドネーションペンといいながら、ワタクシの売り上げは寄付に全く貢献しないモンブラン。
これ買うなら、そのお金でオペラでも観に行ったほうが、よほど音楽界に貢献できるぞ、と、頭のどこかで冷静なつぶやきが聞こえるモンブラン。
キャップのトップに輝くモンブランのマークが、なんと神々しく見えることでしょう。
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ね〜んね〜んこ〜ろり〜
ねむれよい子よ〜
子守歌は、何でしたか?

それを聴くと、必ず安心して眠れる子守歌が、ワタクシにもあります。




一人暮らしで何かと不安だった夜。
布団の中で、ばかでかいヘッドフォンを頭につけて、その曲を流すと、「ああ、ここは安全だ……」と思えて、心が安らかになりました。
なにか巨大な存在に守られているような気がして、いつの間にか眠りに落ちているのでした。

その曲が、こちらです。
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ワーグナーの楽劇「ニーベルングの指輪」第一夜、「ワルキューレ」。
さんざん箱から出し入れしたので、カバーが擦れちゃってますね……




……………って、アンタ。
子守歌といえば、静かで穏やかな曲でしょう。
ワルキューレといえば、3幕冒頭の「ワルキューレの騎行」が有名です。
嵐に乗って、ワルキューレたちが天馬を駆る、あれですよ。あれ。
あれの、どこが子守歌なんですか。




いやいやいや大丈夫。ちゃんと寝かしつけてもらえますよ。




「ワルキューレ」の物語を簡単に振り返ると……

神々の長であるヴォータンは、人間の女性との間に双子の兄妹の隠し子を作った。
2人は別々に育てられ、妹のジークリンデは有力者のフンディングの妻となっていた。
ある嵐の夜、フンディングの屋敷に、凛々しい青年ジークムンドが現れ、ジークリンデと惹かれあう。
2人は実の兄妹だった。ジークムンドはヴォータンの息子だった。
ジークムンドは、屋敷の庭の岩からヴォータンが鍛えた剣を抜き、ジークリンデと駆け落ちする。

ヴォータンは、娘でワルキューレのブリュンヒルデに、フンディングとの戦いでジークムンドを勝利させるよう命じる。
しかし、ヴォータンの妻のフリッカが、夫の隠し子を助けることに反対した。ヴォータンはフリッカに負け、前言を翻してブリュンヒルデにジークムンドの死を命じる。
ブリュンヒルデはジークムンドを助けようとするが、ヴォータン自らが手を下して剣を折り、ジークムンドは死んでしまう。

ジークリンデはジークムンドとの子供を身ごもっていた。ブリュンヒルデはジークリンデを、神の手が届かない深い森に逃がす。
ヴォータンは、言いつけに背いたブリュンヒルデに激怒し、罰を与えようとする。
神性を奪い去り、誰でもいいから最初に現れた人間の男のものになる運命を、ブリュンヒルデに与える。
しかしブリュンヒルデは「ヴォータンが本当に望んでいたのはジークムンドの勝利だったはず。私はお父様の命令に背いていない」と訴える。
ヴォータンは、最愛の娘であるブリュンヒルデの言葉に打たれ、その望みを聞き入れて、眠りにつくブリュンヒルデの周囲に魔の炎の壁を築く。
その炎の壁を破れるのはただ一人、「神よりも自由な男」だけだ。




……ほらね。どうです。ちゃんと、安心して寝かしつけてもらえるでしょう?
ワタクシが眠りにつくと、周りに、誰も近寄れない魔の炎の壁を作ってもらえるのです。
安心、安心。

……って、おまえはだれだ。




ごほん。
さてさて。

ワタクシが毎晩、ラストシーンを繰り返し聴いていた「ワルキューレ」。
それは、録音された「ニーベルングの指輪」の演奏としては最高峰との誉れ高い一枚でした。
……って、ワルキューレだけでCD4枚組ですけどね。

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演奏は、ウィーンフィル。ヴォータンを、ヴォータン歌わせたら世界一と言われたハンス・ホッターが歌い、ブリュンヒルデは、当時最高のワーグナーソプラノと言われたビルギット・ニルソン。
贅沢なメンバーです。

ラストシーンのヴォータンは、よくある演奏だとただただ激怒しているだけなのですが、ホッターは違います。
ちゃんと「本当は、何もかも俺が悪いんだ。浮気して隠し子を作って、妻に言い負かされて、娘への言いつけは手のひら返しで、挙句の果てに息子を殺した俺が悪いんだ」と後悔する心のうちが、歌に表れて切ないのです。
だから、ブリュンヒルデを寝かしつけるときのあたたかさが、身に沁みるのです。



んで、これを指揮したのが、ショルティ。
サー・ゲオルグ・ショルティです。

ようやく、本日の主役が登場しました。
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夏の終わり、某キングダムノートで、これを見つけた瞬間、ワタクシの頭の中に、あの懐かしい子守歌が響き渡りました。

どうして抵抗することができましょうか。
速攻、ポチるしかなかったのでございます。

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モンブランのドネーション・シリーズの「サー・ゲオルグ・ショルティ」のボールペンです。
モンブランが、偉大な音楽家をモチーフにしてデザインしたシリーズの一本ですね。



ボディには、ショルティのサインが刻まれています。
ドネーションシリーズで本人のサインが入ってるのは、たぶん、これだけなんじゃないかなあ。
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その上には、五線譜を模したとおぼしき五本のラインが。
全体を引き締めるアクセントになっています。

クリップは、ピアノの鍵盤の形です。ショルティはピアニストでもありました。
ちゃんと、黒鍵の下に薄いラインが刻まれて、白鍵二つに黒鍵がまたがるようになっています。
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このクリップが、なかなか優れものです。
すっと差し込めて、ぱっと抜けます。差し込んだらきちんとポケットをつかんでくれて、安定感があります。
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ねじって芯を出すタイプ。芯を出すと14.3センチあります。
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モンブランのボールペンは、ずいぶん前に、小ぶりなものを一つ買ってありました。
比べると、一回り大きいですね。
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ショルティさんは、手が大きかったのかなぁ……などと妄想します。

いや、関係ないよ多分。




体重は、27.5グラム。樹脂軸の割に、まあまあありますね。
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重心が、ちょうど五線譜のあたりにあって、ワタクシが持つとリア・ヘビーになります。
長く書き続けるには、ちょっと重心がよろしくないかもしれません。

大振りのボールペンで、繊細な絵を描くよりは、たっぷりした文字を書きたくなります。
うん。サインするときに使うのには、とてもよさそうな書き心地です。
堂々と大きな文字を書きたくなる感じです。




……ただ、ねえ。

赤い文字で刻まれた、ショルティのサインが………
けっこう、手の中で目立ちます。
芯を出したときに、ちょうどクリップの下に来るんですよね。

カードで買い物した時なんかに、さっと出して書こうとすると……
「げっ派手」と、一瞬、手の中の光景にびっくりします。



さりげなく……という持ち方は、きっと、絶対できないペンだと思います。




そのシルエットは、角張ったパーツが多く、がっちりきっちりした印象。
ショルティが指揮した「ニーベルングの指輪」も、まさに、そんな印象です。

楽譜に書かれたことを、すべてきっちりと、深い彫りで表現していく演奏です。
ナマで聴いたら、たぶんつまらないでしょう。
でも、録音されたものを聴くには、細部まで気を配って表された演奏は最高です。

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「ワルキューレ」のラストシーンで、ヴォータンが魔の炎を放つ場面では、槍を岩にたたきつける効果音も入っています。

浮気もので恐妻家で言うことがころころかわるダメおやじ。でも、決めるときにはきっちり決める?ヴォータンに守られて、ワタクシは毎晩、深い眠りについていたのでした。
ああ、懐かしい。




……だから、おまえはいったい、だれなんだ。








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言葉のマジック、なのでしょうか?




レザークラフトと、木のキレッパジを削って何かを作ることにハマって以来、これまでになく頻繁に使うようになったものがあります。
砥石です。

レザークラフトといえば、革包丁。
木を削るといえば、小刀や鑿。
これらは、いくらいいもの、切れるものを買ったとしても、使えば切れ味が落ちてしまいます。
快適に切ったり削ったりし続けるためには、どうしても逃れられないのが、「研ぐ」という作業です。


使い方によるのではないかと思いますが、ワタクシの場合、たとえば小刀は2時間くらい使ったら何となく研ぎたくなる感じです。
削り方が上手な人なら、もっと切れ味が長持ちするかもしれませんが……

木を削る時間は1日1時間までと決めていますが、削るのに熱中している時期は、一週間に二本くらいは小刀を研ぐことになります。
そうすると、ほぼ毎週末、砥石を取り出すことになるわけです。

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もちろん、うちにはもともと砥石がありました。
料理の包丁を研ぐために買った、シャプトンの「刃の黒幕」青です。
ちょっと細かめの中砥ですね。

ただ、出番はそうそうありませんでした。日本を代表するざ・ずぼら〜なワタクシが、そうそう頻繁に包丁を研ぐわけがありません。
せいぜい年に数回でしょうか。


それが、アナタ。
小刀を使いだしたら、「削り熱」な時期は、研ぎが週に一回ですよ。
恐るべし、マイブーム。




でも、ですね。
小刀を研ぐには、足りないものがありました。
仕上げ用の仕上げ砥石です。

ううむ。仕上げか。シャプトンの紫を買い足すか……………
………………でも、なんか、つまんない。

わけのわからない物足りなさを感じていたワタクシの目に、ある日、魅力的なものが飛び込んできました。
東急ハンズの店頭で見つけたそれは、天然砥石。
天然の、砥石の、かけらです。

10センチ四方くらいの不定形のそれは、黄土色に朱色のまだら模様が、なんだかとても綺麗で、かわいく見えました。
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ネットで調べてみると、天然砥石として今、出回っているものの大半は、仕上げ砥石なのだそうです。

職人さんが使う、大きくて形が整った上質なものは、何十万円もするようです。
天然砥石を採掘する業者さんが減って、貴重なものになっているためです。



でも、ワタクシのような素人にも使いやすい天然砥石がありました。
形が不定で、大きさも小さめの、こっぱと呼ばれる欠けらです。

ただ、天然砥石は、同じ産地のものでも、ひとつひとつ性質が微妙に違うとのこと。
そこで、まずは専門店に行ってみることにしました。




……「まずは」って、東急ハンズで買った小さなかけらが、すでにあるではないか。




ごほん。
訪ねたのは、浅草橋にある森平という専門店です。
ホームページを拝見すると、専門店ですが初心者にも親切に教えてくださいそうな雰囲気でした。
http://www.morihei.co.jp/
(勝手にリンク張っちゃってごめんなさい)

店のたたずまいは、いかにも専門家向け。ガラスの引き戸のむこうの棚に、ずらりと砥石が並んでいます。



「あのう……革包丁とか小刀とかを研ぐ砥石がほしいのですが……」と、おずおずと声をかけると、
「予算はどのくらいですか?」と、ご主人が笑顔で応対してくださいました。
よかった〜。ど素人でも、大丈夫そう。
「ええと、……できれば1万円くらいまでで……」
玄人には、きっとありえない低額予算だったことと思いますが……ど素人にとっては、けっこうな金額です。

「一万円くらいまでね。形はきれいでなくてもいいですか? それなら、大丈夫です。ありますよ」
ご主人は、2階に案内してくださり、手前に並ぶ「こっぱ」の中からよさそうなのを選んでくださいました。
「小刀と革包丁、ですね。それじゃあ、あまり硬すぎず柔らかすぎないもので……このへんがいいんじゃないかな。形もわりあいきれいだし」
さらに、持って行った小刀を、実際に店頭で研いで試してくださいました。
「うん。よさそうですね」



選んでいただいたのは「水木原」と書かれた、オリーブグリーンの滑らかな砥石。
片隅が欠けていますが、使いやすそうな長方形です。
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さらにさらに。
「天然砥石は割れやすいから、水につけたまま放置しないでね。使い終わったら布巾でふいてしまってくださいね。使う前に、研ぐ面以外の面を養生して、砥石台につけるといいですよ」
と、扱いも教えてくださり、砥石台をおまけにつけてくださいました!!
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なんて親切なんでしょう。ぱっと入った一見のど素人だというのに。感動です。




おお。よかったね。いい買い物ができたではないか。天然砥石は、これで決まりだね。

………そうだったら、よかったんですがね………




なんだか、ほかにも天然砥石があるのは、なぜ?
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いや〜。ネットで販売している天然砥石の専門店とヤフオクで、ものすごく安くてきれいなのを見つけちゃって……
ほら、専門店の「相岩谷」は、大きめだから、包丁にいいかなって。


……って、アンタね。




気を取り直して、森平のご主人に教えていただいたとおり、まずは養生から始めましょう。

森平のは、いただいた砥石台があるからいいとして。
ほかのものは、うちにあった木のキレッパジから、よさそうなのをみつくろって、てきとうな大きさに切りました。
たぶんビーチだと思います。
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養生には、耐水性がある塗料を塗ります。
プロは漆を塗るそうですが、うちにはもちろん、そんなものはありません。
そこで、森平のご主人が教えてくださったのは、ニスです。

おお。ニスならあるぞ。ほら、黒柿の板皿を作るのに使った、シェラックニスが。
https://blogs.yahoo.co.jp/glirulusjp/33958655.html
シェラックも、それをとくエタノールも、板皿一枚では使いきれないほどあったので、ちょうどいいですね。
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溶いたニスを使いきるべく、研ぐ面以外の5面に一気に塗ります。
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……ここで、はやくも失敗。
側面を塗るときに、研ぐ表面に、ニスが付いてしまいました……マスキングテープを貼っておけばよかったよ……

まあ、砥石の表面は、研ぐ前に平らに削っちゃうからね。ニスもすぐとれるさ。大丈夫大丈夫。
……ほんとか?




気を取り直して、
一日置いて、ニスが乾いたら、砥石台に貼り付けます。

森平のご主人が「つかうといいよ」と教えてくださったのは、コンクリート用のボンドでした。
その際、気を付けるのは、全面をべったり貼らないこと。
砥石が湿気で少し形を変えることがあるので、べったり貼ると割れてしまう恐れがあるとのことでした。
なるほど……天然砥石、なかなか繊細なヤツですね。
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砥石台に、ボンドを二カ所に分けてこんもり盛って、砥石をぽんと置けば、自重でぴったりくっつきます。
念のため2日くらい放置すれば、できあがり。




さっそく研いでみましょう。


まずは、シャプトンの青で、小刀の表側をよく研ぎます。

研ぐ前に、ダイヤモンド砥石で砥石の表面をごりごり擦って、平らにするのを忘れてはいけません。
砥石がゆがんでいれば、研いだ刃物もゆがんでしまいます。
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……とはいえ、ざ・ずぼら〜の仕事ですから……
いちおう、金属定規をあてて平らかどうか確かめますが、木工職人さんみたいに完璧に真っ平にはできていないと思われます。


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さて。
小刀を中砥で研いで、裏側にカエリ、つまり研いだカスのバリが出てきたら、いよいよ天然砥石の出番です。

天然砥石も、ダイヤモンド砥石の1000番の面で擦って平らにしまして……
まずは、裏側をぴったり当てて、が〜〜〜〜〜っと擦ります。
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すると、今度は表側にカエリが出るので、それがなくなるまで表側を研いで、
今度は裏側に出たカエリをとるように裏側を研いで、
また表側を研いで、
裏側を研いで、
………の、くりかえし。
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このあたりの研ぎ方は、すべてネットで学びました。
いろいろな木工職人さんや大工道具の販売店さんが、詳細なノウハウを公開してくださっています。
「小刀 研ぐ」や「かんな 研ぐ」で検索すれば、動画で研ぎ方を見せてくださっている職人さんもいます。
本当に、いい世の中になりましたね。




研ぐ腕を棚の最上段にあげていえば、天然砥石は、研いでいてとても気持ちがいいです。
オリーブグリーンや黄色や赤みがかった茶色のなめらかな表面に、あっという間に黒いとぎ汁が出てきて、うまく研げたときは刃が吸い付くように石の表面を走ります。
……うまく研げないときは、「ぴ〜〜〜〜っ」という甲高い音がして「やっちまった……」と、冷や汗が出ますが。

だいたい、表側を8割くらい、裏側を2割くらいの配分で研ぐとよいようです。




不思議なことに、3つの天然砥石は、どれも研ぎ心地が違いました。

相岩谷の黄色いのは、とても硬く感じます。研ぐ刃が、うっかりすると石の表面を「つる〜っ」と無駄に滑って行ってしまう感じ。
ヤフオクで買った赤みがかったのも、わりに硬い感じです。
森平のオリーブグリーンは、研いでいると、刃と一緒に砥石が減っていくのが感触でわかります。とはいえ、砥石がどんどん削れてしまうほどではありません。
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きっと、それぞれ刃との相性があるんでしょうねぇ…………




なるほど。では、それを極めてみてはどうかね。
青紙の小刀にはこれ、白紙にはこれ、ステンレスの包丁にはこっち、とか。



………………
そうですねぇ。そのうち………

なんだ、その間は。

………………
いやぁ……まあ………




………………

日本を代表するざ・ずぼら〜なワタクシは、
今のところ、
「きっとそれぞれ相性があるんだろうな〜」と思いながらも、
適当に、気分で使い分けております。
「今日は森平の気分」「今日は相岩谷にしよっかな〜」「ちょっとヤフオク出身の研ぎ心地が恋しいかも」



……って、アンタね。




そもそも天然砥石というものは、職人の世界のものである。
研ぐだけならば、現代では人工砥石で十二分にことたりる。
むしろ、わけのわからない素人が、「天然砥石」という言葉に惹かれて、腕に見合わないものをコレクションしはじめたことが、プロにとっては迷惑である。いいものをプロが入手しづらくなってしまうからである。
天然砥石に目の色を変えるなら、まずは一本、砥石を使いつぶしてからにすべきではないか。

ある木工職人さんのブログに、だいたいこんなような、核心をついたお叱りの言葉が掲載されていて、ワタクシは冷や汗をかきました。




ご、ご、ご、ごめんなさい。
まだ小刀も革包丁も満足に研げないワタクシは、まさに「天然砥石」という言葉のマジックで、砥石をあれこれ買ってしまいました。

ただ、まあ、ワタクシが買ったのは、プロが使わないと思われる、安い砥石の木っ端なので……
許してください。



罪滅ぼしに、頑張って、小刀と革包丁を研ぐ練習をすることにしましょう。
いつか、買った砥石に喜んでもらえるようなウデを目指して。

……ま、たぶん、一生かかっても使いきれないと思うけど。




ちなみに、東急ハンズで買ったキレッパジは、
あまりに小さすぎて小刀には向かず、彫刻刀を研ぐのに使っております。
かなり柔らかい研ぎ心地です。






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