|
ずっと昔、海は雨水のように味も素っ気もなかった。 ある島に人の良い巨人がいて、洞穴に沢山の塩を持っていた。 村の人々は美味しい料理を作るのに、時々巨人の島に船で渡り塩を持って帰るのが常だった。 ところがある日、村では塩を使い尽くし美味しい料理が作れなくなってしまった。 こんな時に限って海が荒れていて、船では巨人のいる島に渡れない時期であった。 とある子供が「じゃあ、巨人さんに足を伸ばして貰って、船ではなくて巨人さんの足の上を 歩いて取り行こうよ」と。 巨人さんも快く引き受けてくれた。村人は空の袋を手に村から島へと巨人さんの足の上を 歩き始めた。しかし不運な事に巨人さんが降ろした足の下に赤アリの巣の上だった。 「急いで・・・」と巨人さんがかゆみを堪えて叫び始めた。 村人は足の上を駆け抜け、巨人さんの足を巣から外し、足を掻いてあげた。 小さなアリが巨人さんを痒さで気を散らした事に人々は笑った。 島に渡った村人は早速塩を袋に詰めた。そしてまた島から村へ戻るのに巨人さんが足を伸ばした。 するとたちまち赤アリの反撃が始まった。巨人さんは村人に早く渡るように告げた。 が袋に詰めた塩を担いでいる為に早くは走れない。それにもまして、村人はあんなにも小さなアリが 巨人さんに影響を与える事が信じられなく、より歩みが遅くなっていた。 痒みと痛みでどうにも我慢が出来なくなった巨人さん、村人が村に着く前に足を海に降ろしてしまった。 村人は巨人さんによって救われたが、塩は海の中に。 そしてこの日以来、海はしょっぱくなった。
|
全体表示
[ リスト ]



にほん昔ばなしでは「しおふきうす」ですね。
「海の底に沈んだ石うすから塩が吹き出ているから」だそうです。
貧しい男が、こびとからまんじゅうと引き換えに、ふしぎな石うすをもらいます。
うすを回せば欲しいものがなんでも出てきました。
弟が一夜にして大金持ちになったことを知った兄は、弟のうすを夜中に盗みます。
しかし兄は、塩を出すことができても、止める方法を知りませんでした。
乗っていた船は塩の重さに耐えかね、うすといっしょに海に沈んでいきました。
それから海はしょっぱくなったとさ。
ここでも日本昔話では善良な弟と性悪な兄が出てきますね。
2009/4/19(日) 午前 0:55