Blog版こころフォーラム

あなたのこころの悩みを倶に考える、こころフォーラム

全体表示

[ リスト ]

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

★★★☆☆
 本作は、トラウマを抱えた青年、杏平が遺品整理業という特殊な仕事に関わることで、未来を掴んでいく物語です。
これを松竹が手掛けるということは、明かに『おくりびと』の二匹目のどじょうを狙っているものと穿ってみてしまいます。しかし、本作の監督は原作の持つ深いところでイノチは繋がっているのだという人間の霊性のテーマを理解できてなく、『おくりびと』の感動に遠く及びませんでした。『人は誰でもひとりで死んでゆく』という台詞が、劇中出てきます。ただ原作者の真意は、それでもイノチは倶会一処で一つに繋がっていくのだ。死別したイノチとまた出会えるのだというところにありました。そんな死というものに対する受け止め方の違いが、原作は希望に向けた再生のドラマだったのに、映画では悲劇的な結末という違いを産んだのではないでしょうか。

頻繁に描かれるのは、杏平が高校生の時に体験したトラウマの心象風景。これがやたら長回しなのです。しかも台詞抜きの演技と心象風景に不安感を煽る音楽だけで、まるでホラー映画の出だしを見ているかのような鬼気迫る映像です。冒頭からして、すっ裸の杏平が自宅の屋根の上から、外を呆然と眺めているという奇怪なシーンからはじまりました。
頻繁に高校時代と現在がカットバックする構成も本作を分かりにくくしている要因です。重くのしかかるトラウマを超えて、遺品整理業のアルバイトについた杏平は、自分の居場所と生き甲斐をやっと見いだします。それでも発作のように襲いかかるのが高校生時代の傷ついた記憶。自分は人をふたり殺したという杏平に何が起こったのか、過去と現在を往復しながら、そのトラウマの真相に徐々に迫るという展開でした。ちょっとミステリにタッチに明かしていく杏平の過去は断片化が激しくて、分かりづらくなっています。なかでも、杏平が悪いわけでもないのに、親友を裏切ったことが親友を自殺に追い込んだと勝手に決めつけてしまうところは、唐突で納得できませんでした。またもうひとりのクラスメートに至っては、部活で遭難するところを危機一髪で救っているので、とても殺したことにはなりません。ちょっと説明不足な脚本なのです。
脚本に問題はあるものの、トラウマを背負いながら、遺品整理業を通じて人の死に向き合っていくという難しい役柄を体当たりで岡田将生が好演しています。今まで二枚目ぶりとはちょっと違う、かよわでクレイジーな雰囲気を上手く作っていると思いました。

さて遺品整理業の先輩として杏平の指導にあたるのがゆき。てきぱきした仕事で、死体があったことなんてしげにもかけません。溌剌としたワーキングウーマンぶりは、これまでの榮倉奈々が演じてきた役柄や可愛いだけのイメージとは、ちょっと違います

そんなゆきもまたレイプされた過去を持つトラウマの持ち主でした。お互いに心の傷をもつ二人は、次第に惹かれあっていきます。しかし、一線を越えようとゆきのほうから誘ったのに、男に対する拒絶反応がでてしまい、そのまま会社まで退職。ゆきは、一方的に杏平のもとから去って行きます。
この展開も、ゆきの決断が唐突すぎるように見えてしまいます。もう少し丁寧にエピソードを重ねるべきでした。
諦めきれない杏平は、ゆきのゆくえを探し続けます。やっと介護施設で働くゆきを見つけたのに、ゆきは杏平を無視するのでした。ちょっとここでもゆきの気持ちが分からなかったです。
失意の杏平。でもゆきは単に拒絶しただではなかったのです。エンドロールで出てくる映像には、浜辺で再会した二人が触れあうシーンがあります。その時ふたりが叫ぶのは、「1、2、3、ダァー」という猪木の決めぜりふ。監督にとって、「アントキノイノチ」のオチは、アントニオ猪木だったのですね。ガックリ!

このあとゆきに不幸なことがおこり、杏平は不本意な再会を果たします。たぶん観客の涙狙っての演出でしょうけれど、伏線がわざとらしくて、『おくりびと』のラストのようには泣けませんでした。岡田将生の演技は素晴らしいほど、役に入れ込んでいたのに、彼には申し訳ない限りです。

他に職場の同僚として登場する原田泰造や上司役の柄本明いい持ち味を発揮していました。

●Introduction
いろいろ酷評しましたが、それでもトラウマを抱えた人の心象には、必要以上にリアルに迫っていると思います。いまウツで悩んでいる人や死別した苦しみを抱えている人は、本作で今のイノチとアントキノイノチ、そして未来に生きるイノチが一つに繋がっていて、自分を照らしていてくれていることを掴んで欲しいものだと願います。
高校時代、友達を「殺して」しまった事がきっかけで、心を閉ざすようになった杏平は、父親の勧めで“遺品整理業”の会社「クーパーズ」で働く事に。初仕事は、死後1ヶ月で発見された男の部屋だった。先輩社員のゆきと二人で黙々と部屋の整理をしていると、ゆきの手首にリストカットの痕を見つける。互いに心に傷を持っている事を知り、杏平とゆきは次第に強く惹かれ合うように。しかし、ある日、ゆきは杏平の前から姿を消てしまう。

さだまさし原作の感動のベストセラーを映画化。遺品整理業という特殊な仕事を通して「命」の重さ、人と人が繋がる尊さを描いた。主人公、杏平は、吃音がある事から、学校でイジメを受けており、見て見ぬふりをする周囲の友達や先生への憤りから殺意を抱く。それは、「生きたい」杏平が自分を救うための魂の叫びであった。遺品整理業とは、様々な理由から死と向き合えない遺族に代わって遺品を整理する仕事。死と隣合わせになる事で描かれる「命」は、『おくりびと』に通じる深さがある。主演は、せつなさを演じる実力は、『僕の初恋をキミにささぐ』で実証済みの岡田将生、『余命1ヶ月の花嫁』の榮倉奈々他。監督は『感染列島』の瀬々敬久。
[ 2011年11月19日公開 ]

.
流山の小地蔵
流山の小地蔵
非公開 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

標準グループ

登録されていません

過去の記事一覧

検索 検索

スマートフォンで見る

モバイル版Yahoo!ブログにアクセス!

スマートフォン版Yahoo!ブログにアクセス!

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

CMで話題のふるさと納税サイトさとふる
毎日お礼品ランキング更新中!
2019年のふるさと納税は≪12/31まで≫

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事