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★★★☆☆ トム・ハンクス監督、主演で、ジュリア・ロバーツが共演するヒューマンドラマなら、映画ファンなら必見ですね。実際に試写会では、人が入りきれなくなるほどの満員御礼ぶりでした。 ところが蓋を開けてみてみると、ただのラブコメだったのでがっくり。もう少し失業した主人公と結婚生活の破綻からアルコール依存症に陥ったヒロインの女性教員の間で、教師関係の逆転が起きて、ヒロインが立ち直っていく姿が描かれるのかなと期待して見ていたのです。でもふたり失望が解決されて、希望に変わるのは、お互いが出会って恋に結ばれることでハッピーエンドでは、余りにありきたりではないでしょうか。 それでもトム・ハンクスが演じるラリーの懐の深そうな好人物ぶりとジュリア・ロバーツが演じる、すぐに切れそうな苦悩する女教師メルセデスのキャラの立て方は、ツボにはまった演じっぷりで、それなりに楽しめます。 気にくわないのは、だからふたりを共演させておけば、当たるという安直な打算ですね。せっかくヒューマンの大御所ともいえる二大俳優がぶつかるのだから、『アーチスト』みたいな大胆で特色のある企画を立てられなかったのかといいたくなるのです。 まぁ、トム・ハンクス監督が、前向きに人間の善意を信じて未来を切り開いていく姿を作品にまとめたところは評価したいです。 アメリカも一時は経済が落ち込み、街は失業者であふれかえっていましたからね。主人公のラリーも妻とは離婚し1人暮らしの自由な立場という典型的なむバツイチ男だったのです。洋の東西を問わずスーパーの販売員の前は海軍のコックという経歴しかない中年男の再就職は難しいものでしょう。ただ、だから次の一歩を踏み出すとき、隣人のラマーから「知識は武器になるから教育を受けろ」とアドバイスを素直に聞いて、地元の短期大学に入学してしまうのが、何ともアメリカらしいところ。社会に生涯教育が根付いているのだなと実感しました。しかも入学した学園のカリキュラムには、面接にも役立ちそうな「話し方」の授業が組まれるなんて実に実学的です。そして経済学の講義も苔むした効用理論でなく、これまた生きた経済に即した内容でした。 高齢化が進む日本でも、年金で全部支えようとするのはどだい無理なこと。本作のように生涯現役で、税金を払えるお年寄りが増えれば、グッと老後の不安がなくなると思うのです。だから本作で、日本の国民が生涯教育ってイイネと感じてもらえば、日本の未来にとって凄くいいと思います。だから、単に学校かよったら恋人が見つかってよかったねでお茶を濁して欲しくなかったのです。 この経済学の講義を担当しているのが、インド系のマツタニ教授。経済の講義に東洋哲学を織り交ぜて語る語り口に凄みすら感じました。ちなみに演じているのはジョージ・タケイ。『HEROES/ヒーローズ』でヒロ・ナカムラの父親役を演じた人といえば、ご存じの人も多いのでは? ふたりの共演に過度に期待しすぎなければ、ほっこりする中年男と中年女のラブストーリーとしてそれなりに楽しめますよ。 ●Introduction |

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