第3回日進研セミナー開催しました。
今回のテーマは「東京23区の大学定員規制と留学生動向」
23区内の収容定員8000人以上の大学が入学定員の1,1倍以上を受け入れた場合には補助金が減額されることになります。
これを受けて23区内の大学は数千人規模で合格者を減らすなど定員調整を図っており、留学生入試にも影響が出始めています。
大学の定員規制と留学生入試の関連性について専門家に解説して頂きました。

〇日程 6月30日(土) 14:00〜16:00
〇会場 飯田橋「東京商科・法科学院専門学校」
〇講師 NEWVERY 稲村晋佑氏
〇参加者  42名

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始めは「大学を取り巻く環境の変化について」からスタートしました。
18歳人口の減少、大学進学率の頭打ちなどの影響により、私立大学の4割、私立短大の4割は定員割れを起こしています。地方の大学ほど経営悪化が進行しています。
大学生の東京一極集中を規制することで地方の大学の活性を取戻し、地方創成をしたい政策が見えてきます。

では東京23区の大学定員規制ってなんでしょうか? その規制は留学生の動向にどう影響するのでしょうか? 稲村氏は具体的なデータを使い解説しました。
「大学の収容定員に留学生は含まれるが入学定員には留学生は含まれない」の意味を日本大学・長野大学を例に解説しました。
つぎに今回の規制により東京23区の大学にはどんな影響が出るのでしょうか?
某大学は6億円の補助金カットになります。
定員厳格化や定員増抑制で大都市圏の学生募集に苦しんでいた大学が潤ったとのこと。
人気大学が”難化”しました。

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留学生については「留学生30万人計画」で受け入れ促進が重要であること、地方から東京への若者流入につながらないことから抑制の例外となりました。例外とするにあたっては、全体の収容定員の増員に関する適切な設置審査の実施や、学生の受け入れ状況の管理を適切に行う必要がある。教育の質の確保にも配慮するように指示されています。

定員規制により私立大学は「歩留り」が読めなくなっています。合格発表は慎重に行われるようになりました。某人気大学が合格者を毎年2千人を絞ればMARCHの合格レベルは上がります。
入学定員にカウントしない「留学生若干名募集」にも限界があります。
(稲村氏によると「若干名募集」は大学が留学生を取る気がないと読めるそうです。)

日本人で入学者を確保できれば外国人は不要と考えている大学は多いです。
外国人の入学はその大学のミッション・ビジョンによります。留学生受け入れの目的をもつ大学を知る必要があります。
日本語学校へのアドバイスは
①大学の入学担当者との関係を再構築すること (規制により大学方針が変わる?)
②募集情報の事前リサーチが必要 (募集のめどが立つ前に・・・)
③留学生にとって最適の大学を紹介できる進学情報を持つこと
④送り出した学生の動向を把握すること (大学の実態を知る)
⑤留学生の進路指導する体制を作り直す (従来の進路指導では対応できなくなっている)

学生募集の現場で活躍されている稲村氏の言葉は説得力がありました。
受験生の減少により大学の環境が大きく変わっている中、従来の情報だけで進路指導はできません。偏差値の高い大学が”良い大学”なのでしょうか? 
留学生と直接話しして進路指導できる日本語学校教師にも変化が求められています。
そのことを感じる講演内容でした。


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平成30年度第1回日進研セミナー開催しました。
今回のテーマは「短期大学の苦境と留学生事情」
18歳人口の減少により学生募集に苦しむ短期大学。近年は閉校や4年制大学への吸収合併が相次ぎ、業界全体が危機的状況に置かれています。こうした中、生き残りをかける短期大学にとって最後の頼みに綱と言えるのが留学生です。これまであまり受け入れてこなかった留学生に短期大学はいよいよ門戸をひらくのでしょうか?

〇開催日時 5月12日(土) 14:00〜16:00
〇講師  ”NEWBERY” 高等教育事業部 稲村晋佑 氏
〇会場  ハリウッド大学院大学
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そもそも「短期大学」とはどんな大学でしょうか?短期大学制度の沿革と特徴の解説から始まりました。
学生数のピークは平成5年53万人でしたが、18歳人口の減少、女子の四年制大学志向一般事務職の採用減などの影響で現在12万人、全盛時の3割以下の学生数です。
短期大学に入学してる学生は経済状況の厳しい家庭からの進学者が多くなり、学習についていけないレベルの学生が増加しているとの事。
続いて、大学短大専門学校の違いやどんな学科があるか、分野別学生数の紹介や
短期大学のメリット、卒業後の進路状況など短大についての基礎知識は知っているようで知らない話でした。

続いて短期大学を取り巻く環境の解説では18歳人口の推移や学校数の変化などがデータで紹介されました。
今話題の「専門職大学」「専門職短大」新設の影響はどうなのか?その将来像について説明がありました。
「私立大学の振興に関する検討会議」の短大振興についての課題の中に「留学生」や「国際化」の文字がないそうです。留学生受け入れについては検討もされていない現実があります。
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短期大学の学生募集の現状はどうか?いろいろな取り組みを紹介して頂きました。
なかでも留学生募集をしている短大の学費減免の紹介は貴重なデータでした。
また留学生の受け入れに慣れている学校とそうでない学校の”見分け方”は留学生募集の現場にいる講師ならではの視線でした。

短期大学が留学生の受け入れに積極的になるのは時間がかかりそうですが、受け入れに関心が高い学校は必ず出てくるでしょう。
大学・短大からの日本語学校訪問があれば積極的に応対し情報を聞き出すことも必要です。
留学生からの進学相談があれば大学・短大に問い合わせし、日本語学校の状況を伝えることも関心を高める一歩かもしれません。

今年度第1回日進研セミナーは40名以上の参加者で無事開催できました。
日本語教師の目線で留学生の進路指導に役立つ内容をテーマに開催します。



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30年度 第1回の日進研セミナーをご案内します。
今回のテーマは
「短期大学の苦境と留学生事情」
閉校相次ぐ時代に生き残りをかけて留学生を受け入れるのか?

18歳人口の減少により学生募集に苦しむ短期大学。近年は閉校や四年制大学への吸収合併が相次ぎ、業界全体が危機的状況に置かれています。
開学から約70年一度も定員割れしなかった名門校青山学院短期大学ですら募集停止を発表したほどです。
こうした中、生き残りをかける短期大学にとって最後の頼みの綱と言えるのが留学生です。これまであまり受け入れてこなかった留学生にいよいよ門戸を開くのでしょうか
自身が短期大学に努めた経験から、その経営手法や学生募集について圧倒的知識を持つ専門家にご登壇頂きます。

〇講師  稲村晋佑 氏  「NEWVERY」高等教育事業部 アソシエイツ・オフィサー


〇日時  2017年5月12日(土) 14:00〜16:00  (13:30受付開始)
〇会場  港区六本木「ハリウッド大学院大学」  六本木駅1C出口直結
〇定員  50名
〇参加費  日進研学校会員 2名まで無料。個人会員 資料代500円
        一般の方 2000円
         ※当日会員受付できます。

〇お申込み
お申し込みはメールで nsk@shoei-data.co.jp 
件名は「第1回セミナー参加申し込み」

①所属(ない場合は不要) ②申込者名 ③参加者名 ④電話番号 を明記。
申し込み後、研究会より確認メールを返信いたします。返信がない場合は再度メール送信お願いします。

〇お問い合わせ   日進研事務局 03−3556−0321

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         第7回日本語学校進路研究セミナー レポート


 


日時:平成3033日(土)


会場:東京テクニカルカレッジ


講演内容:「国立大学のグローバル化と留学生政策」


講師:茨城大学全学教育機構  安 龍洙氏


 


留学生の状況が刻々と変化している現在、その変化に対応する内容でセミナーが行われた。
特に日本の現状を詳細に分析し、問題点とその対応策・注意点など深く引き込まれた。


 外国の人材を取り入れ活用していくことが、少子高齢化の日本は急務である。また、外国人を取り込めない企業は、今後競争力も低下していくことになるという。しかし、その外国の人たちを教育していく機関である日本語学校のライバルが、日本の企業であるという安氏の分析に驚かされた。


 留学生の多くは日本での就職を希望しているが、まだまだ留学生に対する入り口から出口までの環境は不十分であるという。そして、留学生は留学生同士でコミュニティーを作りがちだという。日本人と交流していない学生が4割というから深刻な状況である。もっと日本という国を知ってもらうことこそ大切で、地域や人との交流を活発に行える環境整備が必要となる。優秀な留学生が日本の大学に進学し、落ちこぼれるケースもあるという。まさに人や地域との交流で救える問題とも思う。


 留学を経験した人のほとんどは、留学先の国に愛情を感じるという。多少の困難や問題があっても若いころ過ごした国を悪く言う人はいないと安氏は話す。世界中のいたるところから訪れた留学生が、いずれ帰る自国で企業の中枢となり日本を語るとき、愛を持って話してもらえる国でありたいと会場のだれもが感じたと思う。


留学生の国内就職率を現在の3割から5割へ引き上げていくことが閣議決定され、益々日本語と日本文化を深く理解できる留学生を育てていかなければならない。しかし、留学生支援に対し様々な意見がある。たとえば、経済的に困窮している日本人学生への支援を訴える声。また、留学生は教員にとって手間のかかる存在という意識。まだまだ留学生に対する認識は低く、国の政策とのズレを感じる。


「我々は留学生を受け入れる意味を考え、必要な支援を行わなければならない」と、安氏は語った。その言葉に皆深く共感したと感じる。


最後に国立大学法人法の話をされた。その中で、国立大学法人等の中期目標の達成度により、補助金など大きく関わるという。国立大学は外国人留学生の数を大幅に引き上げ、グローバル化の施策としているという。中でも千葉大学は2300人というから大幅増員である。


国立大学運営費交付金は、平成16年度は12415億円あった。平成29年度で1970億円となっている。おのずと研究費が捻出できず10年後、20年後と、この先ツケを払わされる日が必ず訪れると感じた。

最後の質疑応答では、多くの先生方から質問があり講演の充実ぶりが伺われた.
中でも、日本語学校の役割を問われた安氏は、日本語学校の教師に向けてのアドバイスとして、大学進学を希望する留学生に対し、レポートを自分の文章で書く力をつけて欲しいとの要望があった。レポートや論文等を苦手とする留学生が多く、授業についていけない一因になっているようだ。


■最後に■


講演会が終わっても、多くの先生たちが安氏の下に集まり助言を求めていた。
安氏自身、留学生として日本で学んだ経験が、講演内容に反映されており共感できた。何より、日本語学校や留学生に対し、知識のない自分には、ありがたい講演内容となった。


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日進研第6回セミナー

日進研第6回セミナー開催しました。
〇開催日時  2月10日(土) 14:00〜16:00
〇会場     神保町「東京商科法科学院専門学校」
〇テーマ    「大学院入試・研究計画書 観光学編」
〇講師     東洋大学 国際観光学部国際観光学科 教授         
            島川 崇 先生
〇参加者    51名

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大学院受験に必要な研究計画書。しかし、その書き方、指導法が解らないと悩む日本語教師は少なくありません。専門分野になればなるほど、日本語教師は添削に困るのが現実です。
そこで、数多くの外国人留学生と接してきた大学教授に、大学院受験の現状と計画書の模範的な書き方について教えていただきました。

まず初めは「学部」と「大学院」の違いです。
学部は授業を受けて単位を取るのが主体。大学院は論文を書くのが主体。
入学試験では当然、論文を書くことが出来る能力を有するかが問われます。

大学院に入りたい留学生の現状(将来日本で働きたい。→母国でろくでもない大学にしか入れない。→英語圏にもいけない→漢字が一緒だから安直に日本へ)(学部卒だから当然大学院→伝統学問は蓄積がないから敬遠→安直に観光学)について辛口の説明がありました。

東洋大学では院生の定員が一応定められているから入れざるを得ないが本当は
受け入れたくないレベルの学生もいるとの事。留学生を受け入れるメリットが「ない」とまで言い切りました。
「本気でやる気のない留学生が多い。日本語でキチンと論文を書くのは当たり前だと日本語学校の大学院希望者に伝えて欲しい」と言っていました。
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院入試の面接では「大学院修了後何がしたいのか」を必ず確認します。ちゃんとした目的を持っているのかは大事なことです。
計画書の内容と将来のキャリアビジョンが直結しているか見るそうです。

次に望ましい研究計画書を書くため、いくつかの情報を教えていただきました。
論文を書くためにぜひ読んでほしい著作が紹介され、参加者はメモとってました。
計画書はA4サイズで1枚に効率よくまとめることが大事だそうです。
論文の作成には「作法」があり、その流れに沿って内容をまとめます。
1研究の背景  2研究の目的  3研究は方法  4論文構成 
5先行研究レビュー  6遂行スケジュール
それぞれの項目についての注意点を説明して頂きました。

最後は実際の研究計画書を参考に、提出された物と添削後の比較が紹介されました。実物を見ると今日の解説が解りやすくなりました。

日本語学校の進路指導について一言・・・「研究遂行能力の低い学生に対して「テク」だけ教えて大学院にねじ込まないでください」・・で終了しました。

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解りやすい言葉で「大学院入試の現実」をお話頂きと「受験指導する日本語教師」に対して情報提供をしてくれました。

参加者アンケートでは
「大学・大学院側が考えている欲しい留学生像の声が聞けて大変参考になりました。日々進路指導に当たる中で直面している「安直な」留学生が多く、声を上げて説得してもなかなか本人に届かない現実もあります。今回の講演内容をもとに留学生指導を行っていきたいと思います」
「留学生を抱える『大変さ」に共感できました。テクニックではなく志の高い学生を育てるようにしたいです。論文のテーマ設定時に留学生が気を付けるべき点がはっきりわかりました」など好評の感想が多くありました。

当研究会のセミナー「研究計画書シリーズ」は毎回多くの参加者があります。他の分野での開催リクエストも多く寄せられています。
次年度も引き続き開催していきますのでご期待ください。

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