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みなさん。こんにちは。
東前頭筆頭の琴勇輝が勢を下して今場所12勝目を挙げた。1横綱2大関を撃破した今場所は殊勲賞を受賞。来場所は小結を飛び越して一気に関脇に昇進することが濃厚になった。
取組後のインタビューでは,「一日一日が充実していて,日々勉強で大きな自信につながりました。特に何も考えず自分の相撲だけをまっとうすることを考えたのが良かったです」と15日間を振り返った。
今回は,「大相撲:力士・親方のサインのコレクターです。」シリーズ。
第24回は,「琴勇輝 一巖」(ことゆうき かずよし)です。
本名は,榎本 勇起。1991年4月2日生まれ。身長176cm,体重162.4kg。香川県丸亀市出身。小学校4年生の時に香川相撲クラブ(善通寺市)で相撲を始めました。当時,朝5時に起床して5kmランニング,小学校の授業が終わると高校生相手に稽古をする毎日だったそうです。
中学・高校は,小豆島高校(現・小豆島町)相撲部監督宅に下宿。小豆島高校1年の時にインターハイ16強,国体8強の成績を残し,12月に同校中退して,佐渡ケ嶽部屋に入門しました。
佐渡ヶ岳部屋の力士の四股名の特長は,最初に「琴」が付くこと。特に入門当時は,「琴」+「本名の名字」を名乗ることが多いです。例えば,琴奨菊は琴菊次,元大関の琴光喜は琴田宮でした。また,(入門から1年で昨年廃業した)コロッケの次男は琴滝川,(今年初場所に初土俵を踏んだ)佐渡ケ嶽親方の長男は琴鎌谷です。
琴勇輝の四股名は平成20年3月場所初土俵当時,琴榎本。平成21年5月場所に琴に名前の「ゆうき」を付けて琴勇輝と改名しました。
琴勇輝のハンディは,上背が無いこと。初土俵を踏んだ平成20年3月場所(16歳)も,8年後の今年3月場所も,身長176cmです。背が無い力士は,取組中,上背がある力士と四つに組み合うと,体の動きをしっかり止められてしまいがちで不利です。
ただ,体重は増えました。7年前,幕下に昇進した平成21年3月場所では117kgでしたが,今場所には,45kgも増えて162kgになっています。
そのためか,琴勇輝の相撲スタイルは,昔から突き押しに徹する相撲です。
理想は,真向から低く当たって回転の速いもろ手突きやのど輪で相手の体を起こして相手の懐に飛び込み,そのままハズ押しまたは突き切る相撲です。
多くの小兵力士がするように,土俵上を動き回って相手をいなしたり投げをうったりと幾つもの技を繰り出すタイプではありません。
実際,勝ち星の決まり手の8割強は突き・押しです。気が強い,一本気な性格が見て取れると思います。
平成25年11月場所6日目。琴勇輝は,徳勝龍戦で押し倒しで敗れ,徳勝龍からダメ押しされたことで,左膝蓋腱断裂と左膝前十字靱帯損傷という大ケガを負ってしまいました。
医師からは「相撲を取るのは無理かもしれない」と言われ,立つことも座ることもできなかったそうです。リハビリは「泣きながらやった」そうです。琴勇輝は,翌26年3月場所に見事に土俵に復帰し,11月場所に3度目の幕内昇進を果たしました。
今場所3日目。琴勇輝は,横綱日馬富士を破る初金星を挙げる訳ですが,取組後に男泣きしたのは,リハビリの時に自分以上にあきらめずに支えてくれた人たちへの感謝の気持ちからでした。
琴勇輝が土俵上で有名なのは,残念ながら,その突き押しの相撲よりも,取組前に気合を入れるための「ホォウ!」という声かもしれません。
昨年27年春場所前の力士会で,横綱白鵬から,「犬じゃないんだから,ほえるな! やめろよ!」と叱責されました。白鵬は当時優勝回数33回の大横綱。一方,琴勇輝は十両力士。白鵬のパワハラという批判もありましたが,例えば,取組直前の琴勇輝のコトバウワー・ポーズや元高見盛のロボコップ・ポーズは土俵の外で行われます。取組直前に土俵上での大声は確かに異例。琴勇輝と共に名指しで批判された千代鳳は,「オレは怖くてできなかった」とその後声を出すことを止めました。
しかし,琴勇輝は,その後も本場所中,「信念を捨てるぐらいならマゲを落としてもいい。それぐらいの覚悟がありました」と,声を出し続けています。琴勇輝の気が強い頑固一徹な性格を現すエピソードだと思います。
琴勇輝は,弟思いであることも有名です。子供の頃は,弟がいじめにあったと聞いて,相手のもとに出向いて直談判,いじめを止めさせた頼れるお兄ちゃん。現在,弟は埼玉医科大学の四年生。私立の医大は高額な学費がかかりますが,琴勇輝は平成25年5月場所で,十両優勝した時に表彰式でもらった賞金120万円をそのまま弟に学費にするよう館内で手渡しています。また,その後も,大相撲トーナメントなどで得た賞金を弟の学費にあてている,優しいお兄ちゃんです。
琴勇輝と弟の笑顔の2ショット写真は,琴勇輝のブログで見ることができます。
通算の成績は,
生涯戦歴:300勝226敗27休/522出(48場所),
幕内:101勝86敗23休/185出(14場所),1金星,
十両:116勝91敗3休/206出(14場所),1優勝,
幕下:50勝40敗1休/89出(13場所),
三段目:16勝5敗/21出(3場所),
序二段:12勝2敗/14出(2場所),
序の口:5勝2敗(1場所),
前相撲:1場所,
これで,琴勇輝は,大関の筆頭候補になりました。今場所12勝で準優勝という成績は大きなステップになったことは,間違いありません。
次の5月場所がとても楽しみです。私は,琴勇輝をもっとも応援しようと考えています。
今回の写真は,3枚。
1枚めは,琴勇輝 一巖の直筆サイン 色紙(2012年4月7日藤沢市秋葉台体育館),
2枚めは,琴勇輝 一巖がサイン する光景(2012年4月7日藤沢市秋葉台体育館),
3枚めは,琴勇輝 一巖が国技館入りする光景(2015年1月14日藤沢市秋葉台体育館),
です。
このシリーズ は,まだ続きます。よろしければ,バック・ナンバーもご覧 ください。
1.阿武松親方:10/1/17 ・2.大島親方:10/2/2
3.栃ノ心剛:10/2/14 ・4.星安出寿保世:10/3/6
5.時天空慶晃:10/3/22 ・6.高見盛精彦:10/4/12
7.山本山龍太:10/4/29 ・8.琴光喜啓司:10/6/16
9.豊ノ島大樹:10/9/4 ・10.栃煌山雄一郎:10/9/14
11.稀勢の里寛:10/11/15 ・12.武州山隆士:11/2/11
13.琴奨菊和広:11/9/28 ・14.花籠親方:12/5/20
15.旭天鵬勝:12/5/23 ・16.把瑠都凱斗:12/5/20
17.阿覧欧虎:13/10/19 ・18.貴ノ岩義司:13/12/24
19.琴欧洲勝紀:14/3/24 ・20.皇風俊司:14/5/25
21.隆の山俊太郎:14/7/27 ・22.阿夢露光大:14/11/9
23.豊真将紀行:15/1/24
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