さりげない記録

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炭鉱

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会議室で坑内の説明を受けた後、ついに坑内見学が始まります。
それと、今回は事前に言われてた掘進現場ではなく、採炭現場(切羽)を見学することになりました。
 

我々が採炭中の切羽を見学できるというのは、実はかなり幸運なことで、これについて炭鉱ナビの引率兼同行責任者である高橋事務局長は、帰りの車内で「私は過去に6回釧路コールマインの見学会で入坑をしているが、切羽を見れたのは2回だけ。他は全部掘進現場でした」と言っていました。なぜそれほどまでに貴重なのかと言うと、釧路コールマインでは1年(12ヶ月)の内、実際に採炭が行われているのは4ヶ月程度で、残りの8ヶ月は掘進作業や機材の設置・撤収などが中心となっており、10月開催の見学会に採炭作業のタイミングがうまく合わないと見ることが不可能だからです。
いやー、こんな偶然ってあるんだなぁ……。

さて、ここから先はカメラの持ち込みが禁止なので、以前某氏から頂いた太平洋炭鉱の動画からキャプチャした画像を使いつつ、色々と書いていきたいと思います。
 
 
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まずは繰込所の手前にある会議室みたいな場所で、バッテリー&キャップライト、ヘルメット、防塵マスク(使い捨て)、CO用自己救命器を装備します。
バッテリーは今まで見てきたものとは違い、かなり小さくて(箱ティッシュの半分くらいの大きさしかない)腰に下げてもそれほど重さを感じませんでした。ただし鉱員の人達は普通の大きさのバッテリーを下げていましたが。
自己救命器は「使うような事態になったら着用の指示をしますので」とのこと。見学中にガス突出や坑内火災が起きないことを心の中で祈る。
キャップライトはダブル球(自動車のブレーキランプと同じ)で、一つが切れてもスイッチを切り替えるとまた点灯することができ、さらにもう一回スイッチを回すと手元の電球がつく……と思った(試す前に繰込所へ移動したので)。
 

イメージ 1
 太平洋炭鉱 飛翔 技術編より
繰込所では案内役の鉱員の人達が5人ほど既に待っていました。
そして入坑前に全員で記念撮影をした後、キャップライトを点灯して(これで出坑まで消すことはない)恒例の指差称呼をします。
「今日も1日ゼロ災害でいこう!!」
「ゼロ災害でいこう、ヨシ!」
「ゼロ災害でいこう、ヨシ!」
「ゼロ災害でいこう、ヨシ!」
左手は腰に当て、右手を大きく振り下ろす動作を全員で3回大声で繰り返した後、捜検を受けて人車乗り場へ移動します。
 

イメージ 2
 太平洋炭鉱 飛翔 技術編より
連卸(全長:1645m 最大傾斜:10度30分)の斜坑人車。
11輌編成で最大242人の乗車が可能ですが、今回は見学者18人と引率の鉱員の人達しかいないので、ほぼ貸切みたいなもの。なので狭い車内もゆったりと座ることができました。
そういえば釧路コールマインの斜坑人車といえば、横に手で下ろす小さなシャッターがあるのですが、下げようとしたら鉱員の方から「それは冬の寒い季節に風を防ぐためのものなので、今時期はしなくてもいいよ」とのこと。また一つ賢くなりました。
そのかわり、横から落ちないように鉄の棒でしっかりとロックします。
 
ベルの音とともに人車は10時丁度に発車。
ガタンと揺れたかと思うと、そのままスーッと斜坑を下っていきます。斜坑内部はコンクリート巻で、一般的なトンネルとそれほど違いはありません。
人車の速度は時速21km。オバちゃんの運転する原付よりも遅いのですが、低い着座姿勢と相まってそこそこのスピード感を味わう。肝心の乗り心地は、もっと荒々しいものかと想像していたのですが、フランジ音が盛大な以外はまぁ普通でした。
ちなみに、この人車を動かしている巻上機はコンピュータ制御の完全無人システムなのだとか。
 
 
イメージ 3
 NHK 北海道クローズアップ(2002年)より
10時5分くらいに坑底にある人車プラットホームに到着。
連卸周辺は高い加背(4mくらい?)で、壁面全体には難燃化と補強を兼ねてトルクレットが上画像のように鉄枠の上からモコモコと吹きつけられていました。
斜坑は重要な骨格坑道だからか天井には等間隔で照明(防爆式蛍光灯)が設置されており、思っていたほど暗くはありません。
それとこの坑道は、新鮮な空気が流れる入気坑道なので結構な風圧を感じます。

降車した見学者の人数確認が終わると、全員で切羽に向けて歩き出します。
 

イメージ 4
入坑前にもらった2012年10月現在の坑内図(2度に分けてスキャニングしたので、下端はちょっと色が変わっています)。現在釧路コールマインで稼働している切羽は一つのみ(上部中央下層切羽 炭丈2.7m)。
ルートは赤色の線で片道約1700mほどあります。
 

連卸の横にある坑道(上の構内図だとU字形の部分) を全員でワイワイガヤガヤと賑やかに歩いていきます。
途中に3ヶ所ほどある風門(通気を制御する大きな木製扉)を通過すると、少しづつですが空気が湿り気と土のような臭いを含むようになり、次第に質が悪くなっていく(汚れた空気:排気)のがわかります。
そして引率鉱員の方からこの辺で防塵マスクとゴーグルを着用するように指示を受ける。

突き当りである2号SDゲート坑道に着く頃になると、もう天井に照明は無くなり、 明かりといえば自分たちのキャップライトくらい。機械類の音だけが響く漆黒の闇です。
ここから先は傾斜5度前後の緩やかな下り坂となっています。地面はガタガタして歩きづらいので、炭車・鉱車用レールの間に敷いてある枕木や坑木の切れ端を踏みながら前へ進みます。
 
 
イメージ 5
 太平洋炭鉱 飛翔 技術編より
2号SDゲート坑道の脇には石炭を積んだベルトコンベア(運搬能力:1800t/h)が唸りを上げて動いていました。
ただし、手足の巻き込み事故などを防ぐため、上画像のようにむき出しではなくプラスチック製の防護ネットが側面に下げてありました。
途中で坑道の仕繰り作業をしている鉱員が3名ほどいました。
 
 
イメージ 6
 NHK 北海道クローズアップ(2002年)より
このように真っ暗な中をただひたすら歩きます。距離が長くて辛くなってきたのか、他の見学者は口数も少なくなっていました。
地上で1700mだと、自分の場合はのんびり歩いても20分もかかりませんが、足場と視界の悪い坑内では小幅で進まざるをえないのでずっと時間がかかります。
4号SDゲート坑道に差し掛かる辺りで盤膨れの補修作業に使うであろうバックホーが2台、下盤打ち機(案内役の人は「ザルツギッター」と呼んでいた)が1台坑道の隅に置いてありました。
 
斜坑人車から軽く25分以上は歩いただろうか……横にあったベルトコンベアもいつのまにかシングルチェーンコンベアに代わり、いよいよ切羽に近づいてきたと感じる。
足元は坑内から滲み出る地下水でぬかるむ水溜りとなり、何度か滑りそうになる。
 
 
イメージ 7
 太平洋炭鉱 飛翔 技術編より  これは1980年代末頃と思われる。
遂に採炭作業中の切羽に到着。時計を確認するのを忘れたが、多分35〜40分は歩いていただろうか。
実際に目の前で、直径1.8mのドラムが盛大な音を立てながら炭層を豪快に切り崩している。シールド型自走枠の上部には炭層に向けて照明が設置されているので、今まで歩いてきた坑道と比べるとずっと明るい。

ここでサプライズ(という訳でもないだろうけれど)。なんと自走枠を実際に動かすのを見せてくれるのだという。
この切羽で使われている自走枠はCPUを内蔵した非常に高性能な自走枠で、ボタン一つで鉄柱収縮→コンベア押し出し→自走枠前進→鉄柱伸長がされるスグレモノ。
実演してくれたのは1台だけでしたが、ウイィィーンといういかにもな駆動音とともに、まるで生物みたいに伸びたり縮んだりをする自走枠。なんだかカラクリ人形を見ている気分になる。
 
 
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配布されたパンフレットに載っている現在のSD採炭切羽。
使われている機材はドラムカッター:アメリカのJOY製(JOY 4LS-5)、シールド枠:ドイツのDBT製(TH-7)。
この切羽は19日前の9月26日から採炭を開始しており、切羽面長は152m。最大738tの圧力に耐えられる103台のシールド枠がセットされており、1日10mも掘り進むのだという。
 
ただ、この切羽の炭層には粘土層が結構混ざっていて、見た目ほど歩留まりが良くないとのこと。しかも過去にこの一帯では坑道展開をしていたらしく、掘り出した石炭に坑木などの不純物も混じるとか…。



目的であった切羽の見学は10分くらいで終了となり、全員回れ右をして斜坑人車を目指す。
行きはよいよい帰りは怖い。行く時には緩い下り坂だった2号SDゲート坑道は、一転してダラダラとした登り坂に。
息のこもる防塵マスクを装着しているせいもあって、呼吸が上がり気味になる。
自分は引率鉱員の人達のペースになんとか付いて行ったが、他の見学者数名が遅れているみたいだ。真っ暗な坑内でグループが引き離れて分裂するのは良くないので、少し距離を詰めるためここで小休止。

3分ほど休んだ後、再び前進。後ろのグループとは多少は距離が縮んだみたいだ。
この坑道は汚れた空気(排気)が流れているため気温20度、湿度80%という環境。歩くたびに汗をかいてシャツやズボン下がじっとりとしていくのがわかる。
 
 
イメージ 9
 NHK 北海道クローズアップ(2002年)より
SDゲート坑道もそろそろ終わりそうかな、というときに第2のサプライズ。ふと、引率鉱員の人達が「記念に好きなだけ持ち帰ってもいいよ」と坑道の側面を指で差して言う。 よく目を凝らすと、アーチ枠と坑木の隙間から炭層がキラキラと光って顔を覗かせているではないか(基本的にゲート坑道は沿層だから当たり前か)!
引率の人が持つピッケルで軽く叩くと、ガラガラボロボロと崩れて手頃な大きさの炭塊がいくつも転がってくる。
という訳で、お土産用に手頃な大きさの石炭を2個ゲットしました。
釧路コールマイン自慢の春採夾炭層6000カロリーの非粘結性一般炭。カロリーが凄いから、ブリキの薪ストーブで燃やすと簡単に穴が空く。火事は必至だ(よい子は真似しないように)。

お土産を持ちつつ5分ほど歩くと、来る時に通過した風門を通る。と同時に強い勢いで新鮮な空気が周囲を流れていく。
「この冷たい綺麗な空気を吸うとね、『生き返った〜』って気分になるんだよ」と前を歩く鉱員の人がつぶやく。
ああ、その気持ちすごくわかります。なぜなら自分も今実際に体験しているから。
 
11時32分 斜坑人車のプラットホームに到着。
既に人車が待機しており、あとは乗るだけ。同行していた鉱員曰く「帰る時は入る時と違っていつでも上がれるんだ」とのこと。
座席に座り、横の鉄棒をセット。ベルの音がして人車はゆっくりと登っていく。車内に巻き込む風が涼しい。
 
11時37分
繰込所に到着。
驚きばかりだった坑内見学はこれにて終了。
 
その後、坑口浴場に通されて15分ほどだが身体についた炭塵を落とすための入浴タイム(実際は大して汚れていないが)。しかも一人ひとりにわざわざシャンプー・リンス・石鹸まで用意してある丁寧ぶり。なんだかこちらが恐縮してしまう。
炭鉱の風呂はデカいぞと親父から常々聞いていたが、ここの風呂も大きかった。浴室内には4つの湯船があり、そのうち2つ(洗い湯と上がり湯)に湯が張ってありました。湯船の大きさは3m×6mくらいの長方形でかなり深い(湯船の底に尻をつけようとすると溺れる)。お湯の温度は熱くもなく温くもなく、丁度いい適温でした。

あと、どうでもいいことですが、坑口浴場のドアには「部外者が入浴しているのが見受けられます。関係者以外は入浴しないように」という内容の張り紙がありました。赤平炭鉱と同じく、釧路コールマインにも不届き者はいるらしい。
 

入浴後、本来なら会議室に戻って坑内見学に関しての質疑応答がされるはずだったのですが、 時間が押しているので取りやめです。これは残念だったなぁ…。
だけど仕方がない。採炭中の切羽を見れただけでも相当にラッキーなのだから。
 

 
続きます。
先日(15日)、日本唯一の現役坑内掘り炭鉱である釧路コールマインの見学に行ってきました。
ただし、一般的なのんびりとした観光旅行や見学旅行とは程遠い、夜中に札幌を出発してその日の夕方には帰ってくるというハードな強行軍でしたが。
それでは簡単ではありますけれどまとめてみます。
 
 
イメージ 1
10月14日23時
テレビ塔のすぐそばにある中央バス札幌ターミナル。
ここから23時30分発の釧路行きバスに乗り込みます。
札幌は土曜日から雨。夜の雨は陰気になるなぁ。
 
 
イメージ 2
待合室。
この時間帯のバスターミナルに来たのは初めてだったのですが、驚いたことに結構な人が長距離バスを待っていました。
 
 
イメージ 12
これから乗り込む釧路行きバス。中央バスではなく阿寒バス3台が運行していました。
シートは間隔の開いた3列。座り心地は悪くなかったのですが雨音と首筋に当たる空調が気になり、その両方から身を守るため、備え付けの毛布を頭から被る。
15分起きて30分寝て、また15分起きて30分寝て……うぅ、変に目が冴えてしまってあまり眠れん。
 
 
イメージ 13
5時10分。
すでに釧路市内。あと数分で釧路駅に着くのだが、バスのフロントガラスには雨がバシバシと当たっている。
止む気配はないみたいだ。
 
 
イメージ 14
5時18分頃。ようやく釧路駅前に到着。
自分を含めたほとんどの乗客がここで降りたみたいだ。
しかし、雨は降るし肌寒いしでさっさとすぐそばにあるバス待合室へ逃げ込む。
 
 
イメージ 15
6時30分
手持ち無沙汰なので、バス待合室や釧路駅をぷらぷらと歩いて暇をつぶす。周囲にはビジネスホテルと雑居ビル以外は何もない。
その間にどうにか雨が上がって晴れ間が見えてきた。
 
 
イメージ 16
8時20分頃
「たしか参加者は8時半までに和商市場前で集合だったよなぁ…」とあたりを見渡すも、それらしき車は見えない。
まだ送迎バスも来ていないのかな…思っていたら、男の人に呼び止められて「炭鉱見学の方はあちらの車に乗って下さい」と言われる。
そして、その先にあったのは大型拡声器を積んだマイクロバス(別名:選挙カー)だった。やるな釧路。14日に告示された釧路市長選挙と引っ掛けたのか?(それは無い)。
 
 
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18人の参加者を乗せた選挙カーは8時半に和商市場前を出発。途中、米町公園に寄り道し、5分間ほどだが全員で釧路港を眺める。
ちなみに左側に見える石油タンクの陰に石炭を積む岸壁があります。ここからだと死角で見えないけどね。
 
 
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米町公園を後にして、車は結構な勢いで飛ばして釧路コールマインへ。
揺れる車内から地上設備を必死になって撮影したが、その大半がブレていた……泣きたい。
 
 
イメージ 19
9時3分に坑口事務所へ到着。普段だと関係者以外は入れないレアな場所です。
車から降りたら第二斜坑の巨大な桁が目の前に。
 
 
イメージ 3
事務所入口前にある坑口神社。
かなり小さいです。
 
 
イメージ 4
それではさっそく中に……。
 
 
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全員が建物に入ってすぐの小さな会議室に通され、担当者の人から簡単ながら歓迎を受ける。
そしてこの時に諸注意として、坑内持ち込み禁止品としてタバコ、ライター、マッチ、デジカメの他に、バッテリ−類を一切持たない古いフィルムカメラも禁止……とのこと。
理由は静電気対策らしい。うーむ残念。
 
 
イメージ 6
着替えのために移動。
案内された坑口浴場の更衣室には、脱衣カゴに入った作業服その他一式が綺麗に畳まれて準備してありました。
(服や靴のサイズは参加申込み時に申告)
 
用意されたものは…
坑内用作業服(上下)
長袖シャツ
ももひき(ズボン下)
軍手
軍足
防眼ゴーグル
手ぬぐい
安全靴
 
自分の身体とパンツ以外は全て会社側で準備をしてくれています。
まさに上げ膳据え膳。
 
 
イメージ 7
着替えた後、編上げ式の安全靴を履く。
足を入れて一番上まで紐を編んだ後、余った紐は足首に2回ほど回して結びます。
 
 
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太平洋炭鉱時代の鉱区と、釧路コールマインが採炭している鉱区を表した図面。
以前は釧路港の沖合にまでいくつも切羽があったが、今は斜坑に近い場所に切羽を構築して採炭をしています。
 
 
イメージ 9
着替え後は会議室に戻り、プロジェクターで釧路コールマインと石炭に関してのNHKの番組を15分ほど視聴。
 
 
イメージ 10
視聴後は生産担当職員による坑内と切羽の解説。
これから行く切羽は、採炭を開始してまだ日が浅いのだという。
 
 
イメージ 11
2012年10月現在の釧路コールマインの坑内状況。
緑色の矢印がある部分が、これから見学に行く採炭中の切羽です。
 
 
続きます。
 
前回の続きです。
 
 
イメージ 1
立坑エレベーターから直線距離で250〜300mくらいは離れているだろうか。
地下にいると距離感がわからないが、実際は思っていたよりも歩いていたみたいだ。
 
 
イメージ 2
採炭救国坑夫の像(進発の像)。
太平洋戦争中に鉱員の士気高揚と石炭増産を目的として作られたコンクリート製の彫像です。
これと似たような目的を持つ坑夫像は、砂川や芦別にもありました。
高さが3.6mもあるのでかなりデカい。
 
 
イメージ 4
夕張坑のすぐ隣にあるレンガ造りの坑口である天竜坑。
1900年に開発されて採炭がされるも、1938年には161人もの死者を出すガス爆発事故を起こしました。
そしてその事故以降は採掘を止めて密閉される。
 
 
イメージ 5
さらにその隣にはもう一つの天竜坑が。こちらはメタンガスの放散塔が密閉したレンガに付いたままです。
 
 
イメージ 6
駐車場の前にある炭鉱生活館にも寄ってみる。
この建物は以前存在した夕張工業学校を85/100のスケールで模したものです。
 
 
イメージ 7
1階では「炭都」として繁栄していた頃の夕張を、マネキンと小道具類で再現しています。
 
 
イメージ 8
昭和30年代の夕張市福住〜本町付近の夜景ジオラマ。
大きくて結構デキが良いです。
 
 
イメージ 10
倉持桃林子という人が描いた炭鉱に関する絵。北炭夕張ニ鉱の円形繰込所。
なんとも味のある画だ。自分もこういう感じに描けたらなぁ……。
 
 
イメージ 11
同じく二鉱の入坑前の風景。
大勢の人が集まって、見ているこちら側にも賑やかさが伝わって来るような気がする。
 
 
イメージ 9
2階には、夕張周辺に生息する野生動物の剥製や、高度成長期に炭住で使われていた家電などが展示されているのですが、その中に炭鉱資料として三菱南大夕張の操業概況という冊子がありました。
ガラスケースに囲まれて触ることはできないが……うーん、機会があれば是非読んでみたい。
 
 
イメージ 3
再び外に出て、夕張名物 石炭の大露頭を見る。
4年前はすっかり忘れて見ずに帰ってしまったこの石炭大露頭。しかし、あきれるほど分厚い炭層だな…。
よくこれが炭鉱開発初期の乱掘や盗掘に遭わないで、後世まで無事に残っていたもんだ。
 
ここで時計を見ると既に午後2時。
秋の陽は落ちるのが早いので、寄り道せずにさっさと帰ることにする。
 
以上、おしまい
 
 
本日の走行距離:129km
そろそろ昼間でも風が冷たく感じてきた。雪の季節も近い。
炭鉱機械類の展示の次は、いよいよクライマックス(?)の史蹟 夕張坑の見学です。
入る前に係員からLEDライト付きのヘルメットを渡されます。
この辺から、地下っぽい独特の臭いがしてきます。
 
 
イメージ 1
捜検所
炭鉱では入坑する前に、捜検係員によって作業着のポケットを触ってタバコやライターなどを持ち込まないように一人づつ念入りにチェックをしていました。
 
 
イメージ 2
このマネキン、薄暗い場所にうつむき加減で配置されているからか、やたらと不気味な雰囲気がします。
 
 
イメージ 12
捜検を過ぎたら少し広いフロアに出て、これから坑口を下りていきます。
 
 
イメージ 16
夕張鉱の案内図
四角い坑道をぐるっと一周します。
歴史村が作られる前は、この坑道は北炭の来客者用観光坑道兼救護隊の演習坑道として使われていました。
 
 
イメージ 17
側溝を流れる地下水の音以外は何も聞こえない静かな坑道です。
 
 
イメージ 18
階段を下りて最初に見えるのは救急ハウス(救急テント)と呼ばれる避難設備です。
ガス突出が発生した時にはこの中に逃げ込み、酸素ボンベや圧搾空気バルブで通気を確保して、救護隊が助けに来るまで中で籠城します。
81年の夕張新鉱事故の時には、事故現場付近にあった救急ハウスには鉱員達が殺到しました。
 
 
イメージ 19
救急バルブ(エアバルブ、救急マント)
これもガス突出や坑内火災でメタンガスやCOが充満した時に呼吸を確保するための設備です。
吊り下がったビニールを頭から被り、コックを捻って空気を吸いながら救援を待ちます。
 
 
イメージ 20
上添坑道の掘進現場。
暗くてよくわからないとは思いますが、エキスカベーターと呼ばれるキャタピラ式のロッカーショベルが中央にあります。
 
 
イメージ 21
エキスカベーターの前には炭壁をピックで掘り進む掘進員がいます。
ちなみにこの炭層は、正真正銘の本物の炭層です。このように見ることができるのは日本でもここだけだという。
 
だけど、暗くジメジメした場所にあるからか、マネキンの作業着にはカビが生えてまだら模様に……。
 
 
イメージ 22
自走枠とドラムカッターで機械化された切羽。
これも肉眼ならまだしも、画像ではよく見えないな…。
 
 
イメージ 3
切羽に沿った坂道を下りて下側(ゲート坑道)から自走枠を撮影。
地下で展示されていた日本鉱機のチョック枠を何十基も据え付けてあるみたいだ。
 
 
イメージ 4
ゲート坑道の掘進現場。
ここには小型ロードヘッダーが設置されています。
ロードヘッダーの先端部から後部に向けて撮影。
 
 
イメージ 5
ロードヘッダーのそばにあるガス抜き座
ここにはガス抜き用ボーリングマシンとガス吸引用ダクトがあります。
 
 
イメージ 6
ドラムカッターやロードヘッダーの開閉器。
 
 
イメージ 7
坑道の天井には粉塵爆発の伝播を防止するための水バッグが吊り下げられています。
粉塵爆発が発生すると振動で水バッグが揺れて中の水がこぼれ落ち、粉塵(炭塵)を湿らせて爆発や延焼を食い止めます。
 
 
イメージ 15
坑道側面に設置されたメタンガス自動警報装置。
夕張新鉱ではガス警報装置の目盛りが反応しないよう常に細工されており、これが事故の遠因となりました。
 
 
イメージ 8
切羽から掘り出された石炭を運ぶチェーンコンベアと、新鮮な空気を切羽へ送り込む風管。
 
 
イメージ 9
ポンプ座(坑内水バッグ)。
坑道や切羽から滲みでた地下水はここに集積され、大型ポンプで坑外へ排出されます。
これは他の展示物とは違って実働しており、大きなポンプ音がしていました。
 
 
イメージ 10
各種水中ポンプ。
 
 
イメージ 13
ポンプ座前からは長い上り階段になっており、そろそろ夕張坑も終りが見えてきた。
階段の中間地点から坑底側を見る。
 
 
イメージ 11
夫婦による狸掘り採炭。
坑口はすぐそこです。
 
 
イメージ 14
長い階段を登ってようやく外に出ました。
ずっと暗い場所にいたからか、休日午後の太陽の光が眩しい。
実際に仕事が終わって坑内から出坑する炭鉱マンも、こういう感じだったのだろうか。
 
以前だと坑口の上に安全第一の標語と緑十字が掲げられていたのですが、いつの間にか撤去してしまったようです。
あった方が雰囲気が出てて良かったのにな……。
 
 
もうちょっとだけ続きます。
前回の続きです。
 
博物館2階からエレベーターでこの地下展示に降りてくるのですが、それが少し凝っていまして…炭鉱の立坑みたいに内部照明が暗くなり、効果音付きで雰囲気を盛り上げます。
 
 
イメージ 1
エレベーターのドアが開くと、トンネル状に奥まで時代ごとの展示が延々と続いています。
ここでは明かりがスポットライトくらいしかないので、デジカメの画像がぶれたりボケたりで苦労しました。
 
 
イメージ 2
降りて最初の感想は「寒い」でした。
すぐ横の壁に温度計があったのですが、目盛りを読むと10度しかない。
 
 
イメージ 13
明治期の、原始的な狸掘りによる採掘。
狸掘りとは人一人が通れるくらいの細い坑道を、炭層を探しながら掘り進める方法。掘った後の坑道がクネクネと曲がって狸の巣に似ていることからその名がついた。
三笠市幾春別には今でも狸掘りの跡が残っています。
 
 
イメージ 17
坑内馬による運搬。
機関車や巻上機が開発・普及するまでは人力か畜力で掘った石炭を外へ運んでいました。
 
 
イメージ 18
時代が一気に下がって昭和初期。
これは坑道の枠の取り付け。
 
 
イメージ 19
狸掘りみたいに無闇に坑道を掘って採掘するのではなく、炭層を壁状にして横一列で一気に採掘するやり方が導入された。これが現在に続く長壁式採炭法です。
 
 
イメージ 20
敗戦後、炭鉱先進国であった西ドイツから導入された鉄柱(黄色の摩擦鉄柱)とカッペ(上にある鉄製の梁)で構築した切羽。
それまでは適当な太さ・長さの木で切羽の天井を支えていたが、頑丈な全金属製の鉄柱とカッペの使用により安全性が大きく向上した。
 
 
イメージ 21
エアオーガによる削孔。
開けた穴にはダイナマイトを装填する。
 
 
イメージ 22
坑内火災やガス突出、ガス爆発などの重大災害が発生した時に現場へ投入される救護隊。
炭鉱内部は極めて特殊な環境で、消防や警察による救助活動はまず不可能なため、「いざという時」に備えて常日頃から、各炭鉱会社がベテラン鉱員から選抜して自前で教育している。大抵の場合、現場では5人一組で行動する。
坑内で火災やガス突出が発生すると空気中に致死量の一酸化炭素やメタンガスが充満するため、酸素呼吸器とゴム製のマスクは必需品だ。
 
 
イメージ 23
2階に展示してあったマネキンと比べると、ハーネスやベルトを締めていないので、なんだかだらしなく見えます
 
 
イメージ 3
色々なタイプの安全灯。
実際に燃える火を使うので、安全性の高い電球を使うキャップライトが普及すると次第に消えていった。
 
 
イメージ 4
セルフサービス型の安全灯自動充電台。
出坑後に使い終わったら安全灯のバッテリーを台の金具にセットすると、自動で充電されるようになっています。
 
 
イメージ 5
坑内で使われた鉱山用防爆ケーブル。
電気用、通信用など多数の種類があった。
 
 
イメージ 6
坑内電話。勿論、全部火花などを出さないよう防爆構造です。
今の時代、黒電話と言っても通じないよね…。
 
 
イメージ 7
日本鉱機製、初期のチョック型(で正しいよね?)国産自走枠。
赤平にあったシールド型自走枠と比べると、かなり原始的な構造をしている。
 
 
イメージ 8
通路の幅が狭いので、カメラに自走枠の全体を収められない……。
 
 
イメージ 9
北炭幌内炭鉱で1984年まで使用されていたD型ライスハーケンホーベル。
博物館入り口にあったS3型ライスハーケンホーベルト比べると、爪の数も少なくかなり小ぶり。
 
 
イメージ 14
実際に轟音をたてて稼働するチェーンコンベアとアイコフ製シングルレイジングドラムカッター。
このドラムカッターは南大夕張炭鉱で使われていたものと思われる。
奥に見える青色のはヘムシャイドのT280-9/24 シールド型自走枠。
 
 
イメージ 15
三井製MRH45-13 ロードヘッダーも先端部を回転させて動き出します。
 
 
イメージ 10
バッテリーロコの前に使われていたトロリーロコ。
上砂川で展示されていたものよりも姿勢が低く、屋内保管なので状態も良い。
 
 
イメージ 11
ユニック車。
トラックに積んだユニックとは構造はほぼ同じだが、子供みたいに小さい。
坑内での重機材の積み下ろしに使われていたのだろう。
 
 
イメージ 12
バケットローダー(ロッカーショベル)。
赤平のと比べるとバケットが少し大きく、首振りもできるみたいだ。
 
 
イメージ 16
坑内変電設備と開閉器。
地上から送られてくる電気を、機械に合わせた適正な電圧に変換して開閉器へ繋げる。
 
 
 
まだ続きます。

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